米先住民が神聖視するマスク、批判の中で競売決行
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【12月10日 AFP】仏パリ(Paris)で9日、アメリカ先住民ホピ(Hopi)とサンカルロス・アパッチ(San Carlos Apache)により神聖視されているマスク「カチナ(Kachina)」の競売が、米国や米先住民の権利擁護団体が中止を求める中で行われた。競売の総落札額は55万ユーロ(約7800万円)を上回った。
競売をめぐっては、先住民の権利擁護団体サバイバル・インターナショナル(Survival International)が、米アリゾナ(Arizona)州のホピの代理として法的手段に出ていた。しかし6日に申し立てが退けられたことから、在仏米大使館が競売主催者側に中止を求めていた
競売を主催した仏競売EVEによると、ホピの宗教儀式でダンサーらが身に付けるカチナと呼ばれるマスク24点は、計52万375ユーロ(約7400万円)で落札された。カチナは、ホピの人々から精霊が宿ると信じられている。またサンカルロス・アパッチ族のマスク数点も計3万ユーロ(約430万円)で落札された。
2013年4月にも、仏競売ネレミネ(Neret-Minet)がホピのマスクを国際的な呼びかけを無視して競売に出品した。この時の競売では、マスク約70点が93万ユーロ(約1億3200万円)で落札されている。(c)AFP/Pascale MOLLARD