イエメンとサウジの「ロミオとジュリエット」、結婚許可求め裁判に
このニュースをシェア
【11月25日 AFP】サウジアラビアの若い女性が24日、イエメンの裁判所に出廷し、愛する男性との結婚と同国への滞在を認めるよう訴えた。
サウジアラビア人女性のフダ・ニラン(Huda al-Niran)さん(22)は、シェイクスピア(Shakespeare)の悲劇の恋人たち「ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)」さながらに、家族に結婚を反対されているイエメン人の恋人アラファト・ムハンマド・タハル(Arafat Mohammed Tahar)さん(25)と一緒になるため、イエメンに不法入国した。
極めて保守的な両国の規範に逆らったこの若い女性の勇気は、両国では驚くべきものとして見なされており、2人の苦境は両国の人々の想像力をかき立てている。ニランさんは、タハルさんとの結婚を禁じた家族に背いたばかりか、祖国を捨ててまでイエメンにいる恋人の後を追ったからだ。
ニランさんが出廷した首都サナア(Sanaa)の裁判所前では、「私たちは皆フダだ」と書かれたハチマキを巻いた支持者らがデモを行った。
裁判所に出廷したニランさんは、家に帰るよう圧力をかけられることを恐れて、サウジアラビア大使館が派遣した弁護士の受け入れを拒んだが、イエメンの非政府組織「フード(Hood)」が任命した弁護士は受け入れた。
同弁護士は、イエメン当局がニランさんを本国に送還するようサウジ当局から圧力をかけられていることを示唆している。
現在勾留中のニランさんは、不法入国の罪に問われており、有罪になれば強制送還となる。24日の公判ではいかなる決定も下されず、次回公判は12月1日に設定された。
国連難民高等弁務官事務所(UN High Commissioner for Refugees、UNHCR)の広報担当はAFPに、ニランさんが難民申請を行ったことを確認。もし難民に認定されれば、イエメン当局による強制送還は難しくなる。(c)AFP