【6月25日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2013)は24日、男子シングルス1回戦が行われ、オーストラリアのレイトン・ヒューイット(Lleyton Hewitt)は6-4、7-5、6-3で大会第11シードのスタニスラス・ワウリンカ(Stanislas Wawrinka、スイス)に勝利し、2回戦へと駒を進めた。

 元世界ランク1位で、2002年大会の覇者であるヒューイットが、医者の予想を裏切って現役として戦い続け、再び一目置かれる存在になりつつある。

 現在32歳のヒューイットは、足の親指をリューマチに侵された他、長年に渡る硬いコートの上での激しいプレーがたたって足が変形してしまい、現役を続ける最後の手段として、2012年2月に左足の親指の骨を切断し、金属板とネジに差し替えるという大がかりな手術を受けた。

 しかし事前の診断で、専門家には手術を受けたら引退は免れないと伝えられていたという。

「世界中の6、7人の医者と話したよ。全員が、もし手術を受けたら現役キャリアはお終いだと言っていた」とヒューイットは話す。

「自分でもたくさん調べたんだが、同じ手術を受けたアスリートはどの競技にも見つけることはできなかった。だから復帰できたことが自分でもとても誇らしく思っている」

 手術とその後遺症のせいで、ヒューイットの世界ランクは昨年7月には233位にまで沈んでしまった。

 現在は70位までに持ち直したが、2001年全米オープン(The US Open Tennis Championships)覇者でもあるヒューイットは、これで満足はしていないという。

「まだ自分がプレーできることはわかっている。最高レベルの選手ともしのぎを削っている。大きな大会でも調子のいいプレーをしていると思う。だからまだ現役なんだ」

 低い世界ランクには甘んじているものの、ヒューイットは今大会に出場しているわずか6人の過去グランドスラム覇者のうちのひとり。グラスコートが得意でもあることから、ヒューイットを侮る選手は少ないといえる。

 グラスコートで通算115勝を挙げているヒューイットは、現在現役の中ではロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に次いで2番目に同サーフェスでの勝利数が多い。(c)AFP/Robin MILLARD