【3月22日 AFP】欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)は21日、宇宙が誕生したビッグバン(Big Bang)が起きてから間もない頃に放たれた「最も古い光」の名残を捉えた、これまでで最も詳細な画像を公開した。

 公開されたのは5000万ピクセルもの解像度を持つ全天画像。この画像により、宇宙誕生の時期が従来説よりも8000万年古いことも分かったという。

 パリ(Paris)で記者会見したESAのジャンジャック・ドルダン(Jean-Jacques Dordain)長官は「宇宙の起源の理解が大きく飛躍した。この画像は、これまでの中でビッグバンに最も近いもの。138億年前の様子が写っている」と語った。

 この画像は、ビッグバン後の宇宙が冷却し始めた頃に放射された「宇宙マイクロ波背景放射(CMB)」と呼ばれるマイクロ波を観測するため、ESAが2009年5月に打ち上げた宇宙望遠鏡プランク(Planck)が観測したデータを基に作成された。

 英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)カブリ宇宙論研究所(Kavli Institute for Cosmology)のジョージ・エフスタシオ(George Efstathiou)所長は記者団に「この画像には、ビッグバンの38万年後の宇宙が写っている」と語った。(c)AFP