【6月29日 AFP】自分の肌のコラーゲン細胞を使って作る注入剤でしわをのばす新しい美容療法が米当局の認可を受けた。

 米食品医薬品局(FDA)は前週、ペンシルベニア(Pennsylvania)州のバイオテクノロジー企業Fibrocell Scienceの新美容療法「laViv」を認可した。同社は「線維芽細胞」と呼ばれるコラーゲンを作り出している肌の細胞を抽出し、培養するプロセスについて特許を持っている。
 
 手術を受ける患者の耳の後ろから採取した細胞サンプルを研究所へ送り、何億個もの線維芽細胞を複製したら、治療に必要となる時まで冷凍保存する。複製ができるまでの過程は約90日だという。

「鼻や口の周りのしわをなくし、若々しさを取り戻すのに患者本人のコラーゲン細胞を使うという発想はしわ取り治療の中でも画期的」だと試験を行った1人、米ジョンズホプキンス大学医学部(Johns Hopkins University School of Medicine)のロバート・A・ワイス(Robert A. Weiss)氏は語る。「生体的なプロセスなので、時間が経って自然な見かけを提供できる治療法だ」という。

 同社によると、副作用として注射部分が赤みを帯びたり、腫れやあざができることがあるが、治験では有害事象の大部分は軽微で、1週間以内には解消した。

 治療効果がどの程度持続するかについては今後さらに研究が必要だという。これまでのところ研究されているのは注射後半年間までのみだという。(c)AFP