【10月19日 MODE PRESS】第30回毎日ファッション大賞(主催・毎日新聞社、後援・経済産業省)表彰式が18日、東京・日本橋三井ホールで開催された。今年度の大賞には、「カラー(kolor)」デザイナーの阿部潤一(Junichi Abe)が選ばれた。

 今年で30回目を迎えた同賞は、ファッションや文化活動を通じ、業界に貢献した人物や団体、企業を顕彰することを目的として、1983年に創設された。

■大賞/新人賞

 大賞は、04年のブランド創立以来、独特の世界観を築いてきた「カラー」の阿部潤一。12/13年秋冬シーズンには、パリ・メンズコレクション に初参加し、好評を博した。阿部は「設立からまだ8年半と若く、会社としても小規模な私たちたちの活動が評価されたことを嬉しく思います。この場 を借りて、いつも自分と一緒に戦ってくれているスタッフ全員や、素材メーカーや縫製工場、リテーラーなど、ブランドを支えてくれた全ての人にお礼を伝えたい。今後も粛々と挑戦を続け、新しい景色を見ることができれば」と喜びのコメント。

 新人賞・資生堂奨励賞は、09年に「タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)」を立ち上げたデザイナーの堀内太郎。大人の女性に向けた、シンプルな中に華やかさを感じさせるデザインと確かな実力が評価された。「これからも日本、そして世界で多くの人に感動をあたえる服を作りたい」と堀内。

■特別賞は冨永愛

 特別賞は、モデルデビュー15年周年を迎えたモデルの冨永愛(Ai Tominaga)。モデルとしての受賞は 第2回(1984年)の故山口小夜子(Sayoko Yamaguchi)さん以来、2人目。「尊敬するモデルの山口さんと同じ賞を頂き、光栄です。彼女の『モデルはカメレオンでなくてはいけない』という言葉を胸に、これまで活動してきました。この賞に恥じぬよう、日本のファッションの力になっていきたい」と語った。

 30周年記念賞は、折り紙のように畳まれた一枚の平面が立体的な服になる「132 5.ISSEY MIYAKE」や照明器具「陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE」をはじめとした革新的なものづくりに取り組むデザインチーム「REALITY LAB(リアリティ・ラボ)」に贈られた。

 “ファッション界の発展に長らく寄与し、功績のあった人物”に贈られる鯨岡阿美子賞は、大河ドラマ『龍馬伝』『平清盛』などの人物デザイン監修を担当する柘植伊佐夫(Isao Tsuge)。話題賞には、昭和30年代頃に撮影された貴重な呉服の染織技術記録を編集した三越伊勢丹の「日本の染と織」が選ばれた。(c)MODE PRESS