2017年6月10〜11日 第47回 彗星会議 in 旭川
吉田 誠一 / Seiichi Yoshida
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近日点の100日ほど前から急増光した後、近日点の直前では増光が鈍り、近日点を過ぎた後は急減光する傾向は、いつも通りでした。
彗星の明るさも、光度変化の特徴も、20年前からずっと変わっていません。
3月から4月にかけて、地球に0.14天文単位まで大接近しました。
1995年は近日点後に、2001年は近日点前に二度、バーストを起こしました。
今回は目立ったバーストは無く、m1 = 10.0 + 5 logΔ + 33.0 log r で安定した光度変化でした。
2月中旬に地球に0.08天文単位まで大接近しました。
近日点の前は m1 = 14.2 + 5 logΔ + 23.0 log r と急激に増光し、近日点の後は m1 = 12.0 + 5 logΔ + 15.0 log r とやや緩やかに減光する傾向は、いつも通りでした。
4月4日に、8.5等から6.5等までのバーストを起こしました。
絶対光度は5.0等と明るく、太陽にあまり近づかない彗星ですが、近日点で増光が鈍りました。
絶対光度は10〜11等と小さい彗星ですが、近日点距離が小さく、太陽に近づいて急激に明るくなりました。
近日点まで 10 log r のペースで増光し続けました。 近日点を過ぎた後も、SWANの画像ではしばらく明るく見えていました。 しかし、南半球の空に現れた頃には、捉えられませんでした。
離心率は 1.000 であり、周期彗星ではありません。
絶対光度は11〜12等と小さい彗星ですが、23.5 log r のペースで急増光しました。
しかし、近日点の20日ほど前に、拡散・減光に転じました。
光度変化は、C/1996 Q1 ( Tabur ) と大変良く似ています。
周期210年の短周期彗星です。 m1 = 6.5 + 5 logΔ + 21.0 log r と、急激に増光しました。
周期2700年の長周期彗星ですが、枯渇した短周期彗星のように、近日点の近くで急激に増光・減光しました。
近日点距離が 2.42 → 1.98 a.u. と、太陽に近づくようになって、予想以上に明るくなりました。 75 log r と急激に増光しました。
1995年の大バーストから4回目の回帰です。
新しい分裂核・BT核が現れ、一時、主核よりも明るくなりました。
2006年に主核とほぼ同じ明るさで観測されたB核は、2011年、2017年と、その後は観測されていません。
2006年の回帰で、大バースト前の元の明るさに戻りました。 今回は、大バースト前よりも暗くなりました。
1978年にバーストを起こして発見され、2003年に再バーストを起こして再発見された彗星です。
今回は、近日点から1年ほど経ってからバーストを起こしました。
2016年8月に、3回目のバーストを起こしました。
3回のバーストでは、いずれも、14等まで明るくなりました。
年月 | 日心距離 | 最大光度 |
---|---|---|
2006年1月 | 13.0 a.u. | 14等 |
2011年5月 | 8.5 a.u. | 14等 |
2016年8月 | 6.3 a.u. | 14等 |
200年以上に渡って行方不明になっていた彗星です。
特に軌道は変化していませんが、過去2回の出現と比べて、今回は近日点の近くで明るく観測されました。
出現 | 近日点距離 |
---|---|
2003年 | 1.92 a.u. |
2009年 | 1.77 a.u. |
2016年 | 1.78 a.u. |
3月に、一時的な小さなバーストを起こしました。
絶対光度は13.5等と、かなり小さい彗星です。 近日点で消滅したと思われます。
C/1915 R1 ( Mellish ) と軌道が良く似ています。
近日点から130日も後に最大光度になる傾向は、今回も同じでした。
3回の出現の光度変化を繋げると、m1 = 9.5 + 5 logΔ + 18.0 log r(t - 100) と、近日点の100日後に最大光度となるようです。
m1 = -2 + 5 logΔ + 25 log r(t - 300)
m1 = -10.2 + 5 logΔ + 30 log r(t - 550)
m1 = 11.5 + 5 logΔ + 15.0 log r(t + 80)