今年も夏の恒例ってことで、2013年夏のポケモン映画を観てきました。
劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ神速(しんそく)のゲノセクト ミュウツー覚醒です。
話の導入からかなり強引だったんですが、舞台設定とシチュエーションが911や東日本大震災を彷彿とさせて涙が止まりませんでした。
ポケモン映画 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒
公式発表からあらすじを再編します。ネタバレなしで書いたつもりですが一応ご注意下さい。
あらすじ
今回の主人公は、闇の組織プラズマ団が3億年前の化石を改造して蘇らせた「こせいだいポケモン」ゲノセクトです。
人間への不信感からプラズマ団を逃げ出すも、悠久の時を経たかつての故郷は既に彼らの住める環境ではなくなっていました。
行き場を失った絶望。やがて人間への憎しみを募らせる5体のゲノセクトたち。
彼らは帰るべき場所を求めてさまよい やがてたどり着いた大都会「ニュートークシティ」を新天地と定めます。しかしそこには既に沢山のポケモン達が住んでいて…。
「住処を追われる」ことの意味
構図としては、ニュートークシティに押し入った後釜のゲノセクトが既存住民(ポケモン)ともめて人間社会を混乱に陥れる、という話です。
今回、伝説のポケモンとして もう1体遺伝子操作によって生まれたミュウツーが投入されています。このミュウツーが「本来ならここにいるはずのない存在」というメッセージを強烈に放っている。
一方、渦中のゲノセクトは自分たちの居場所が失われたことを嘆き、人を憎み、文明を憎み、なにもかもを拒絶します。ゲノセクトのために奔走するサトシやミュウツーの救いの手さえもふりほどいて。
途中で繰り広げられるゲノセクトとミュウツーのバトルシーンはセントラルパークにほど近いニューヨークの町並みとそっくりで、地上から上空を仰ぎながら激しくパンするカメラワークは2001年9月11日に起きた事件を思い出さずにいられません。
「電気」という文明の象徴
また、作中における電力は「高度にシステム化された文明の象徴」になっています。
ゲノセクトの生活行為によって結果的に街は機能不全に陥り、同時に既住ポケモンとの対立もどんどんヒートアップしていきます。ゲノセクトの望みは、ただ帰る場所が欲しいだけなのに。
人災によってに居場所を奪われたゲノセクト、供給の止まる電力、コミュニケーション不足による異文化集落との対立、排斥行動、目的を見失うことによる手段の目的化。
まるで2011年3月11日以降のどこかの国みたいに思えませんか?
居住する権利
民族対立とも言える居住区争いの果てに、対立を望まない1体のゲノセクトと他の4体が仲間割れを起こすんです。
その背後で「本来この場所にいるはずのない存在」という言葉が、遺伝子操作によってこの世に生を受けたミュウツーによって静かに静かに語られる。
もちろん最終的に物語は解決します。最初に書いた通り、ちょっと強引すぎるくらいの展開でした。正直なところ大人の鑑賞に耐えるかと言ったら、ちょっと厳しいものがある。
だけど、だからこそ、そうしてでもこのストーリーを描きたかった制作サイドの真意を思って大人の胸にこそ深く こたえる話だろうと思うのです。
おわりに
普段 上映中の映画レビューはあんまり突っ込んだこと書かない方針なんですけど、これは見る時期によって明らかに感じ方が変わるストーリーだと思ったので時事ネタとして書きとめておくことにしました。
\福島の桃/ \福島の桃/ \福島の桃/ \福島の桃/
まぁそんなわけで福島のモモが食べたいなーといても立ってもいられなくなり、帰り道に八百屋を4軒はしごして桃を買って帰ってきた次第です。
理想郷のことをを桃源郷って言いますね。
劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒 ミュウツースペシャルパック [DVD] |
【 更新履歴等 】
2013/07/28 初稿発表
旧題:ポケモン映画『神速のゲノセクト』は福島の桃と一緒に
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