水族館が好きでたびたび足を運ぶのですが、魚を綺麗に撮るのって本当に難しいと思います。
特に携帯電話内蔵のカメラでは「素敵な写真」どころか「まともな写真」を撮ることすら難しいでしょう。
本稿では、スマホカメラやコンパクトデジカメを携えて水族館へ行くときに気をつけている自分なりのコツをご紹介したいと思います。
水族館での撮影が難しい三つの理由
水族館での撮影が難しい理由は主に次の三つです。
暗がりでは当然まともに写りません。そこでフラッシュ撮影すると、今度はアクリル水槽による照り返しで白飛びしてしまいます。かといってシャッター速度を落とせば被写体がぶれてしまう。
多分ネットで検索すると「水族館で素敵な写真を撮るコツ」みたいな記事がたくさん出てくると思うんですが、チャチャッと撮ったように見える写真でも「プロかセミプロが一眼レフで数百枚撮影したうちのベストショット」だということは頭の片隅にいれといて良いと思います。
水槽を撮影する前にチェックしたい設定
さて。何はなくとも、水族館に行く前に是非とも済ませておきたいのがカメラの設定チェックです。
最低でもフラッシュと撮影モードの2設定に素早くアクセスできるようにしておくと入場してから慌てません。
特にフラッシュ発光禁止モードへの切り替えは重要です。暗がりで自動発光する初期設定のカメラは多いと思いますが、最初に書いたとおり水槽越しではうまく撮影できません。
また、深海魚など一部の生き物は強い光がとても苦手で、最悪の場合は弱って死んでしまいます。フラッシュ撮影を禁止している館や水槽が多いのもそのためです。
スマホカメラやコンパクトデジカメでも、設定次第でそれなりに撮れるはずなので是非いろいろ試してみて下さい。
暗所モードを活用する
暗所での撮影はISO感度を調整するのが定石ですが、最近のカメラは賢いので手動調整するよりオートの方が綺麗に撮れると思います。
カメラの設定画面より、「ナイトモード」や「ローライトモード」など暗所に強そうな設定を事前に確認しておきましょう。出来れば暗いところで試し撮りしておくとより安心です。
スマートフォンで水槽を撮るコツ
スマホや小型カメラで水槽を撮るときは、次の3つのポイントを守るとストレスなく撮影できます。
明るい水槽を狙って撮影する
まずは比較的明るい水槽を中心に回ってみましょう。珊瑚礁の魚など、浅い海を模した水槽はライトアップされてて撮りやすいです。
また、野外水槽も色が多くて絵になります。川魚などの展示は地味なのでスルーされがちですけど、ライティング面では人物撮影にも向いてます。
展示スペースの割にお客さんがまばらなことも多く、同行の友人や恋人を撮るときも自然な表情が撮れる意外な穴場じゃないでしょうか。
動かない被写体を狙って撮影する
ヒトデ・イソギンチャク・ウミシダなど、動きがのんびりした被写体もオススメです。シャッタースピードを調節できる機種なら、1/25秒など長めにとることで明るくはっきり写せます。
スマホカメラの場合、水槽にピッタリレンズを当ててしまえば手ぶれの心配も減るでしょう。
これらの水槽も空いてることが多いので、長時間へばりついててもあまり人の邪魔にならないのが嬉しいところです。
暗い水槽を撮影するのは諦める
身も蓋もない話ですが、携帯電話のカメラで水族館に突っ込むときは諦めることも大事です。
小型カメラで撮るのが難しい生き物は最初からスパッと諦めましょう。(写真のタカアシガニは一眼レフで撮りました)
動物写真には大量のボツ写真がつきものですけど、スマホカメラであんまり頑張りすぎて電池切れってのも困りますし。
撮影ポイントを絞って撮れるところで撮る。そのぶん他の水槽をゆっくり鑑賞出来ますし、精神衛生上たいへん良いです。(^^;
水族館で撮影するときの小技いろいろ
あとは思いつくままメモしておきます。
イルカやアザラシは置きピンで撮る
イルカショーなどは跳んでからピントを合わせていては間に合わないので、事前にプール中央あたりにピントを合わせておいてイルカが跳んだ瞬間にシャッターを切るようにすると良いです。
この方法は、アザラシなど水槽の中で一定の巡回ルートを取るような生き物にも応用できます。
群れで動く魚を狙って撮影する
ピントが変なところに合っちゃうときは、群れるタイプの魚を選ぶのも手です。何となく誰かにピントが合ってくれて失敗感が減少します。
白い服を着ていく
白い服を着ていくと、暗い館内でも服がレフ板代わりになって顔の影を減らせます。
淡色のストールを持っていって、写真を撮るときだけ首元に巻いても良いですね。
おわりに
ご覧の通り、私の撮影技術は本当に大したことがないです。
カメラ技術の話を書くなんてスライディング土下座レベルなんですけど、実は本稿には裏テーマがあって、「水族館に行くときフラッシュを切ることを覚えていって欲しい」というのが今回の真の主張でした。
水族館でフラッシュ撮影している人を見かけたら「フラッシュ禁止ですよ」と声をかけてみるのですが、意外と知られてないようです。所有カメラの設定方法が判らないという人も少なくありません。
魚に限らず、夜行性の生き物もフラッシュは苦手ということがあるようです。
今朝Twitter見てたら「至近距離からのフラッシュ撮影で目に障害を負った子猫の話」が回ってきて、深海魚にフラッシュ当てると最悪死んじゃう話を思いだしたのでメモしておこうと思いました。
フラッシュ禁止設定を広めるアイディア
【本章追記: 2016/07/20】水族館の入り口でフラッシュ設定をチェックする仕組みを用意出来ないかどうか、Twitterで少し議論になりました。
私が最初に思ったのは「水族館の入り口に『魚が綺麗に撮れるコツ』的なポスターやミニトーク」があったらいいのではないか…というアイディアでしたが、これだとあまり網羅的ではなさそうです。
あるいはフラッシュが光らないときだけ得するクーポンが発券されるシステムなどはどうでしょう。人件費がかからない上に多少のインセンティブ向上が見込め、比較的安価に作れそうです。
またフラッシュの設定方法が判らないからと後ろめたい気持ちにならないように、発光部分を一時的に覆い隠すシールなどを配布するのも良いんじゃないかと思ったりしました。ローテク大事。
罪悪感によってアナウンスの届かない人が増える状態って言うのが地味に怖いことなので、ここをカバーする仕組みが必要なのかも知れません。
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もちろん好きな子もいます。
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