GOODMOODGOKU / 24時間

 これはロマンチックでエロティックじゃないですか。GOKU GREENがGOODMOODGOKUと改名、ビートメイカーの荒井優作(ex.あらべぇ/彼はTHE OTOGIBANASHI'Sの実質的なデビュー曲「Pool」のビートを作ったことでも知られる)と組んで『色』という作品を完成させた。すでにiTunes, Apple music, Spotifyでは6曲入りで配信が開始され、8月30日には7曲入りのCD盤がリリースされる。フィジカル盤には、エクスクルーシヴやリミックスやインストが追加、歌詞カードなども付く。そしてこのトロトロの映像は、その作品に収録されている「24時間」のMVというわけだ。

 さらに詳細を続けると、この映像はいまや国内のラップのMVの制作において引っ張りだこのSpikey John(最近では、Awich がANARCHY を客演に迎えた「WHORU?」やJP THE WAVY「Cho Wavy De Gomenne」のMVも監督)とYENTOWNのkZmがディレクション、ABH3 FILMS (Yutaro Kawamorita & GOODMOODGOKU)がエディットを担当している。

 さて、I-DeAとGOODMOODGOKUが共作したトラックは、ビートもベースもドスリとカラダに響く重さがあり、さらに酩酊感を強く刺激するGOODMOODGOKUのラップと歌唱、メロウなループのダブルパンチにもうメロメロである。この作品と曲を聴いてかつてハマった音楽を思い出した。DROOP-E(E-40の息子)というラッパーがSADEの楽曲のサンプリングで作り上げた『Blvck Diamond Life』というミニ・アルバム、その作品に入っている「Im Loaded」のMVである。

 とはいえ、酩酊感という点では圧倒的に『色』の方がフワフワしている。このI-DeAとGOKUのコンビには、『HOTEL MALIFORNIA』のラストを飾る「Childish〜I’ll Feel Sorry For My G Thang」という名曲があるが、「24時間」もそれに劣らず素晴らしいストーナー・ラップ×ラヴ・ソングである。I-DeA、GOKU、荒井優作はオリジナルだ。日本のラップ・ミュージックにこういうのを切望していた人は多いと思う。僕もまったくそのひとりだ。フィジカル盤を楽しみに待とう。(二木)