tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820Tue, 08 Oct 2024 22:50:21 +0000EconMarketUS PoliticsbanksSocial IssuesEuroNewsJapanUST政治関連FRBチャート小学生のための「CDSとは何か」Equity MarketNew York備忘録欧州関連銀行関連BitcoinETFEmploymentGreeceNYTStateemerging marketsマクロ経済不動産社会問題ChinaDavosFTHousingJokeMediaToyotaUSPSmessageMurray Hill Journalアメリカ生活30年、NY金融街生活20余年 - 元アナリストが綴る独断と偏見のアメリカ政治経済メモhttp://wholekernel.blogspot.com/[email protected] (TrinityNYC)Blogger242125tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-7412930484121002398Fri, 13 Jun 2014 03:43:00 +00002014-06-13T15:03:08.459-04:00EconEmploymentUS Politics政治関連社会問題ホワイトカラー・エグゼンプションについて6月11日付けの日経新聞に、日本政府が日本にも導入しようとしている「ホワイトカラー・エグゼンプション」についての記事が載っていた。<br /> <br /> <h4 class="cmn-article_title cmn-clearfix"> <a href="http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1102K_R10C14A6000000/" target="_blank">年収少なくとも1000万円以上 労働時間の規制緩和&nbsp; (日経新聞)</a></h4> <h4 class="cmn-article_title cmn-clearfix"> </h4> (以下記事から引用)<br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> 政府は11日、働いた時間ではなく成果に応じて給与を払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」について、対象者の年収基準を「少なくとも1000万円以上」とすることを決めた。月末にまとめる成長戦略に明記する。職種は金融のディーラーなど「職務の範囲が明確で、高い能力を持つ労働者」と記す。改革が進まなかった労働規制に風穴が開く。<br /> <br /> 菅義偉官房長官と甘利明経済財政・再生相、田村憲久厚生労働相、稲田朋美行政改革相の4閣僚が協議して合意した。労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)で、具体的な金額など仕組みを詰める。2015年の通常国会に労働基準法の改正案を出し、16年春の施行を目指す。<br /> <br /> 政府が新たに導入するのは、1日8時間、週40時間という労働時間の規制を外す仕組み。長く働いても残業代や深夜・休日手当が出ないため、仕事を効率的にすませる効果が期待できる。日本では課長以上の管理職はもともと労働時間規制を外しているが、それ以外の社員を対象から外すのは初めてとなる。</blockquote> (引用終わり)<br /> <br /> <br /> この「ホワイトカラー・エグゼンプション」だが、日本の記事やブログを読むと、どうも議論が迷走しているような気がしてならない。<br /> <br /> 「最初は年収1000万円以上なんて言ってるが、その対象年収をそれよりもずっと低いレベルまでなし崩し的に下げてゆくつもりなのではないのか」という懸念、もっと直接的に言うと、「どんなに長時間働いても残業代を出さないつもりだなバッキャロー」という類の反応が目に付き、日本ではこれの導入に関して、かなり感情的に反応してるひとが多いな、という印象である。<br /> <br /> しかし、そもそものところで、この「ホワイトカラー・エグゼンプション」というカタカナ語を、どれほど多くの日本人が理解しているのだろうか。<br /> <br /> 上述の日経新聞の記事中の用語解説では、次のように説明されている。<br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> 「ホワイトカラー労働者(主に事務などに従事する労働者)に対して、労働時間規制の適用を免除する措置。現行法では労働時間の長さで給与や報酬を決めること が原則になっている。一方で、管理職や専門職、企画立案などでは働く時間の長さと成果が比例しない職種も多い。自己管理型労働制によって、こうした労働者 が仕事の進ちょくや生活に応じた柔軟な働き方を行うことを可能にする方式として提唱された。経済界を中心に導入を求める声が高まったが、多くの労働組合か ら残業代ゼロをめざすものと反発を受けた。」 </blockquote> <br /> 言うまでもなく、「ホワイトカラー・エグゼンプション」とは英語の『White Color Exemption』で、これは米国の労働法に関わる制度の一部だ。だが、日本の労働者の多くが、実は、この『White Color Exemption』という英語フレーズの意味をよく咀嚼しないまま、 「残業代を出さずに搾取する制度を作りやがる気だなバッキャロー」というイメージばかりを膨らませているのではなかろうか。<br /> <br /> 先日、この記事を読んだときに、筆者はツイッターでこんなことをつぶやいた。<br /> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 前も書いたけど、アメリカ式のホワイトカラーエグゼンプションをお手本にするつもりなんだろうが、日本企業にいまだ残ってる年功序列制度と文化を徹底破壊します、というつもりでやらないと、きっと、中途半端になるで。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/476701062855147520">June 11, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 米国式のホワイトカラーエグゼンプションをきわめていけば、学歴主義と、それにともなく給与格差は、現在の日本の状態より、さらに激しくなると思うよ。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/476701794504945665">June 11, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 米国式のホワイトカラーエグゼンプションは、「あなたは昇進できます」・「あなたは昇進できません」というのを、社内クラス(階級)として明確につけるところから始まるわけなので、その非情さと結果として生じる痛いほどの「格差」を認めたくないなら、導入しないほうがいいと思うんだよな・・・。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/476707917677486081">June 11, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 米国式ホワイトカラーエグゼンプションは、終身雇用とか年功序列とか、そういう雇用形態とは真逆に位置しているコンセプト。日本の雇用現場でも、終身雇用や年功序列は崩れてきている、と言われて久しいけれど、まだまだ、ある意味日本的に「管理された平等」を好む傾向は残っていると思うよ。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/476711420940533760">June 11, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> これに対し、@aoyaman1 さんから以下のような反応を頂いた。<br /> <br /> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> <a href="https://twitter.com/TrinityNYC">@TrinityNYC</a> まさしくそうで、労働政策研究の世界だと米国、欧州、日本のそういった違いは「常識」なんですが、日本人の多くはよくわかってないところがあります。日本は役員まで含めて年功序列の延長線にありますので、欧米とはそもそも労働形態(契約)が根本的に違うのです。<br /> — hiori (@aoyaman1) <a href="https://twitter.com/aoyaman1/statuses/476710264918638592">June 11, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> わたしも、遠くから見ていて、どうも議論が迷走してると感じるのは、まったく相いれない日米の雇用形態を混ぜたまま議論するからじゃないのか、とか思ったりします。RT <a href="https://twitter.com/aoyaman1">@aoyaman1</a>: 日本は役員まで含めて年功序列の延長線、欧米とはそもそも労働形態(契約)が根本的に違うのです。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/476712508326445057">June 11, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> <a href="https://twitter.com/TrinityNYC">@TrinityNYC</a> そうです。そして問題というか忘れてはならないのは、この欧米と日本の労働形態の違いは労働法制ではなく、慣行にすぎないということです。日本がなぜ「職務範囲が不明確」「終身雇用」「新卒一括採用」「年功序列」等を採用しているかというとそれは慣行なのです。<br /> — hiori (@aoyaman1) <a href="https://twitter.com/aoyaman1/statuses/476713712187764736">June 11, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>「欧米と日本の労働形態の違いは、労働法制ではなく、慣行にすぎない」――前々から感じていた、ホワイトカラー・エグゼンプションに関わる議論が日本で迷走する背景は、まさにこれだろうと思った。<br /> <br /> <br /> 前置きが長くなったが、今回のMHJでは、米国で言うところの、White Color Exemption とは何かを紹介しようと思う。<br /> <br />  ★    ★    ★    ★   ★<br /> <br /> White Color Exemption―。<br /> <br /> まずは、Exemption という英単語の意味からみてみたい。<br /> <br /> <a href="http://eow.alc.co.jp/search?q=Exemption&amp;ref=sa" target="_blank"><span class="midashi"><span class="redtext">exemption</span></span></a> <span class="wordclass">【名】</span>免除、免税、免除(品)、(課税)控除、適用除外<br /> <br /> 「He is exempt from △△△・・・」 と言うと、「彼は△△△の適用を免れる」という意味である。<br /> <br /> White Color Exemption のExemption とは、【何か】の適用から除外されているために、exemptionというのである。それは具体的に何なのか。<br /> <br /> これについて語るには、まずは、FLSA という法律について語らねばならない。<br /> <br /> FLSAとは『<a href="http://www.dol.gov/whd/flsa/" target="_blank">Fair Labor Standard Act</a>』の頭文字を取ったもので、要するに、米国版労働基準法である。<br /> <br /> この法律の概要は以下の通り。<br /> <br /> ① <u>最低賃金について</u>: 現在、1時間あたり$7.25 (ただし、米国の場合は最終的には州が自州内における最低賃金の決定権を持ち、連邦レベルで決められた最低基準を満たす限りこれを超えることが認められている。州ごとの最低賃金一覧は<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Minimum_wage_in_the_United_States" target="_blank">こちら</a>。)<br /> <br /> ②  <u>残業について</u>: フルタイム従業員の場合は週40時間を基準とし、40時間を越える労働時間に対しては基本時給の1.5倍あるいはそれ以上のレートで残業代を支払わねばならない。<br /> <br /> ③  <u>就業時間について</u>: 通常業務とみなされる時間の定義としては、「Workplace(職場)」における就業時間を指す。<br /> <br /> ④ <u>記録管理について</u>: 雇用主は従業員が仕事に従事した時間および給与を記録・管理しなければならない。<br /> <br /> ⑤ <u>児童の就業について</u>: 児童が就業する場合(例えば、こどもの演奏家や芸能人など) に関する規定<br /> <br /> <br /> 米国企業で働く従業員はすべからく、この法律の下に守られており、例えばある企業が労働条件を自社ルールと称して勝手に決めて、「他所さんは知らんけど、うちは週50時間でみんなにやってもらってるんで、給料もうちのやり方で払うから、そこんとこ、文句言わんといてな!」なーんてことは勝手に言ってはいけないんである。<br /> <br /> この米国の公正労働基準法で決められた条件のうち、とくに重要になってくるのが①と②で、<span style="font-size: large;"><b><span style="color: red;">Exemption と言っているのは、これらの法規定の適用から除外されている(exempt from the FLSA rules)という意味</span></b></span>なんである。<br /> <br /> 要するにですね、FLSAというのは時間給で給料もらっている従業員に関わること細かい規定なわけだが、これらのルールが適用されない従業員、すなわち、「時給ベースではなくて、サラリーがあらかじめ決まった年俸契約で雇用され、何時間働いても残業代はつかないから就業した時間をタイムカード押して記録・管理する必要のない従業員」 のことを、アメリカでは、<b>Exempt Employees</b> と呼ぶのである。<br /> <br /> 一方、上記のFLSAの規定がいちいちがっつり適用される従業員、すなわち、しっかり毎日タイムカード押して就業時間が記録・管理され、就業時間が週40時間を越えるとベース時給の1.5倍のレートで残業代をもらえる人達は、「FLSA適用免除にならない」ということで、<b>Non-Exempt Employees</b> と呼ばれる。<br /> <br /> (次回に続く)http://wholekernel.blogspot.com/2014/06/blog-post_5973.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-1539480942072922922Sun, 16 Mar 2014 15:44:00 +00002014-03-17T19:27:32.232-04:00EconEuro欧州関連トランスアトランティック市場は依然として最重要明日、3月17日は、セント・パトリックス・デー。<br /> <br /> 司馬遼太郎氏が(たしか、氏の著書「愛蘭土紀行」の中だったとぼんやり記憶するが)、芋飢饉で本国を後にしてアメリカ合衆国を目指したアイルランド移民たちを、「テーブルから転げ落ちる豆のように大西洋に浮かんだ」と表現していたが、その末裔達はアイリッシュ・アメリカンとなり、現在では約3千450万人、合衆国全体の人口の10%以上に増えた。<a href="http://www.washingtonpost.com/blogs/wonkblog/wp/2013/03/17/the-irish-american-population-is-seven-times-larger-than-ireland/" target="_blank">本国の人口460万人の7倍</a>という繁栄ぶりである。<br /> <br /> 米国では、そうやって移民してきたアイルランド人を差別し(下の古い新聞求人広告を参照)、安価な労働力として劣悪な住環境・労働環境でこき使った暗黒歴史もあるとはいえ、風とともに去りぬのスカーレット・オハラのような南部の大地主たちがいたり、またビジネスで財を成したケネディ一家からはケネディ大統領が生まれ、その後も、レーガン大統領、クリントン大統領・・・と続き、アイリッシュの血はアメリカのメインストリームの隅々で活躍し、現在に至っている。<br /> <br /> <br /> <br /> <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody> <tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhHe0NIRGSHFKayrMqEjroyjAmHBc1i8tOXkhfhuY_i5n4BvveoX5boyd7b0iT3freRz-g69uySNpm-Kl_tVbmCpyn50iSBmnvKxtQAt2lywbJgnxq0i79CmxdEcb16mTO-lqWSunhs_OWr/s1600/2014.03.16+No+Irish+Need+to+Apply.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhHe0NIRGSHFKayrMqEjroyjAmHBc1i8tOXkhfhuY_i5n4BvveoX5boyd7b0iT3freRz-g69uySNpm-Kl_tVbmCpyn50iSBmnvKxtQAt2lywbJgnxq0i79CmxdEcb16mTO-lqWSunhs_OWr/s1600/2014.03.16+No+Irish+Need+to+Apply.jpg" height="152" width="320" /></a></td></tr> <tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">No Irish Need Apply (アイルランド人お断り)と書かれた昔の新聞求人広告。こういう差別が実際に行われた。</td></tr> </tbody></table> <br /> <br /> <br /> シカゴと並び、アイルランド系移民とその子孫が多いニューヨークシティでは、大規模なパレードが毎年開かれ、マンハッタン5番街を行進する。年中パレードやってるニューヨークでも、セント・パトリック・デーのパレードは別格、群を抜いて見物の人出も多く、パレードの規模としてNYは世界最大だ。ニューヨークは市警官・消防士などの「制服組」にアイリッシュが多いこともあって、バグパイプのおじさんたちや可愛い子どものアイリッシュダンサー達とともに、制服組の行進も延々と続く。<br /> <br /> <br /> <iframe allowfullscreen="" frameborder="0" height="315" src="//www.youtube.com/embed/pLoIaWbRJ3Q" width="560"></iframe><br /> <br /> <br /> <br /> 世界中で開かれるセント・パトリックス・デー・パレード。お近くのパレード情報なら、こちらへ。<br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: large;"><a href="http://www.st-patricks-day.com/st_patricks_day_parades_home/" target="_blank">2014 Parade Worldwide</a></span></span> <br /> <br /> <br />  ☆   ☆   ☆   ☆   ☆<br /> <br /> さて、ここからが本題。<br /> <br /> 合衆国と欧州の間に横たわる市場を、「<span style="color: red; font-size: large;"><b>Trans-Atlantic Market</b></span>」と呼ぶ。<br /> <br /> かつてアイルランド人が「テーブルからこぼれ落ちる豆のように浮かんだ」大西洋(Atlantic Ocean)を挟んだ貿易圏・経済圏のことである。<br /> <br /> ジョンズ・ホプキンズ大学による欧米間経済の研究チームが発表したレポートによると、トランスアトランティック市場はいまだ世界最大市場、ここ数年の欧州経済の不安定さやアジアとの関係(ちなみに、こちらは日本でもTPP(=Trans-Pacific Partnership)でおなじみ、「<b>Trans-Pacific Market</b>」と呼びますね)の成長にも関わらず、米国にとっては最重要のリレーションシップ。<br /> <br /> <br /> <br /> (以下、<a href="http://us2.campaign-archive1.com/?u=ecd50dd626cf374511464e688&amp;id=4728a3a074" target="_blank">同大学のリリース</a>から抜粋および拙訳)<br /> <br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;">U.S. companies are the largest source of onshored jobs in Europe and European companies are the largest source of onshored jobs in America,(中略)・・・Up to 15 million workers are employed in the $5 trillion transatlantic economy, which despite recent turbulence remains the largest and wealthiest market in the world.</span><br /> <br /> 米国企業は欧州にとって、また、欧州企業は米国にとって、互いに最大のオンショア雇用ソース。近年の不安定な状況にも関わらず、5兆ドル規模の市場で1500万人の労働者が雇用され、依然として世界最大かつ潤沢な市場である。<br /> <br /> <br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;">The US and Europe are each other's primary source and destination for foreign direct investment. Since 2000 Europe has attracted 56% of US global foreign direct investment and China only 1.2%.</span><br /> <br /> 米国と欧州は、相互に、海外直接投資でソースあるいは投資先として最大。2000年以降、欧州は米国のグローバル海外直接投資の56%を引き付けたが、中国は1.2%のみ。<br /> <br /> <br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;">Ireland is the number one export platform in the world for Corporate America. US companies based in Ireland export 3.5 times more to the world than from Mexico and 5 times more than from China. US investment in Ireland is more than 6 times larger than US investment in China.</span><br /> <br /> コーポレート・アメリカにとってアイルランドが世界最大の輸出プラットフォーム。在アイルランドの米国企業の世界への輸出額は、メキシコからのそれより3.5倍、中国からの5倍。米国からアイルランドへの投資は、米国から中国への投資の6倍以上。<br /> <br /> <br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;">US investment in the Netherlands alone is about 4 times greater, and US investment in the UK 3 times greater, than US investment in all the BRIC countries -- Brazil, Russia, India and China.</span><br /> <br /> 米国からBRIC4カ国への投資総額と比べても、米国からオランダへの投資のみで4倍、英国へも対BRICの3倍。 (*BRIC=ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国)<br /> <br /> <br /> <br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;">Since 2000, Europe has accounted for over 57% of the earnings generated abroad by U.S. companies. US companies earned 7 times more in the Netherlands alone than they did in China.</span><br /> <br /> 2000年以降、米国企業が海外で創出した利益の57%が欧州地域で占められている。オランダのみでも、米企業の利益は、中国で得た利益の7倍。 <br /> <br /> <br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;">Europe’s sovereign debt crisis has forced European firms scale back their U.S. presence. Even so, Europe’s investment flows to the US were 4 times larger than to China. There is more European investment in a single US state like Georgia, Indiana or Minnesota than all U.S. investment in China, Japan and India.</span><br /> <br /> 欧州ソブリン危機の影響で、欧州企業は米国内でのプレゼンスを縮小せざるを得なかったが、それでも、欧州からの米国への投資フローは、中国向けフローの4倍。 ジョージア州、インディアナ州、ミネソタ州への欧州からの投資額は、それぞれの一州向けでも、中国、日本、インドへの米国の投資額を上回る。<br /> <br /> <br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;">45 of 50 US states export more to Europe than to China, and by a wide margin in many cases.</span><br /> <br /> 米国50州のうち45州が、対中国よりも対欧州の輸出額が多く、その他の地域向けでははるかに多額になっている。<br /> <br /> (抜粋+拙訳、おわり)<br /> <br /> <br /> さらに詳しく知りたいひとは、こちらがその研究レポートへのリンクです。<br /> <span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><a href="http://transatlantic.sais-jhu.edu/transatlantic-topics/transatlantic-economy-series.htm" target="_blank">Transatlantic Economy 2014</a></span></span><br /> <br /> <br />  ☆   ☆   ☆   ☆   ☆<br /> <br /> <br /> 米国や欧州各国のそれぞれの国の個性の強さを無視し、「欧米は」 とひとつの言葉でくくってしまうと違和感が出る場面は実際多々あるけれど、こうして、「ひとつの経済圏」としてくくって数字をみると、そのリレーションシップの強さはハンパ無いというのも、よくわかる。<br /> <br /> よく「欧州のひとはアメリカの田舎者が大嫌いで云々・・・」という話を耳にするが、米国と欧州は古典的LOVE&amp;HATEの間柄、数字はウソつかない。<br /> <br /> <br /> <br /> 昨年の記事だが、米国と欧州連合の間のフリートレードを目指す T.T.I.P. (Trans-Atlantic Trade and Investment Partnership)の話し合いのためオバマが欧州に向けて出発するのに先駆けて、イタリアの外務省高官からNYタイムズに投稿されたラブレターである。<br /> <br /> <h1 class="articleHeadline" itemprop="headline"> <a href="http://www.nytimes.com/2013/06/14/opinion/global/pivot-to-a-trans-atlantic-market.html" target="_blank"><span style="font-weight: normal;"><span style="font-size: large;"><span style="font-family: Verdana,sans-serif;">Pivot to a Trans-Atlantic Market</span></span></span></a></h1> <br /> この記事の筆者は、両者は「腰で繋がっている間柄」と表現し、欧米間の経済的共同発展構想であるTTIPの重要性を語り、その実現を主張している。<br /> <br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;">(引用) It may well prove to be a Pacific century, buoyed by Asia’s economic dynamism. But at least for now,<b> the United States and Europe remain bound at the hip</b> — an enduring, perhaps reassuring, reality amid a world in flux.</span><br /> <br /> <br /> <br /> では、みなさま、<br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: x-large;"><span style="color: #38761d;"><span style="background-color: white;"></span></span></span></span><br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: x-large;"><span style="color: #38761d;"><span style="background-color: white;"><b>Happy St. Patrick's Day!</b></span></span></span></span><br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span style="font-size: x-large;"><span style="color: #38761d;"><span style="background-color: white;"><br /></span></span></span></span> http://wholekernel.blogspot.com/2014/03/blog-post_16.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-2158200545529665905Sun, 09 Mar 2014 22:20:00 +00002014-03-10T12:55:10.110-04:00banksemerging markets政治関連銀行関連ウクライナの銀行のモスクワ子会社が突然中央銀行の管理下にウクライナの件で、多くの情報が飛び交っているが、先日、MHJ筆者の目を引いた記事があった。<br /> <br /> ウクライナ最大で、銀行としての信用力も同国で最高の格付けを得ている Privatbank というのがある。それのモスクワ子会社 <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">Moskomprivatbank が、突然、先週の木曜日、ロシアの中央銀行(Bank of Russia)の管理下に入った。正確には、同国の預金保険機構の管理下に入れられて、銀行業務のアドミニストレーションは同機構が行うことになった、ということらしい。</span><br /> <br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text"><a href="http://www.cbr.ru/eng/press/pr.aspx?file=07032014_164002eng.htm" target="_blank">こちらが、Bank of Russiaが出したステートメント</a>。</span><br /> <br /> <br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">管理に入らなければならない理由は、「倒産回避するため」。ステートメントには以下のようにある。(赤い太字は筆者) </span><br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text"><br /></span> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text"><br /></span> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text"></span></span><br /> <div class="pr"> In&nbsp;compliance with Federal Law&nbsp;No.&nbsp;<nobr>175-</nobr>FZ, dated 27&nbsp;October&nbsp;2008, ‘On Additional Measures to&nbsp;<span style="color: red;"><b>Strengthen the Stability of&nbsp;the Banking System</b></span> in&nbsp;the Period until 31&nbsp;December 2014’, the Bank of&nbsp;Russia decided to&nbsp;implement measures aimed at&nbsp;preventing the bankruptcy of&nbsp;the Moscow-based Commercial Bank Moskomprivatbank, a&nbsp;closed joint-stock company, involving the Deposit Insurance Agency, a&nbsp;state-owned corporation (hereinafter, the Agency), and to&nbsp;assign the Agency with the provisional administration function with regard to&nbsp;Moskomprivatbank. <b><span style="color: red;">Seeking to&nbsp;prevent the bankruptcy</span></b> of&nbsp;Moskomprivatbank the Bank of&nbsp;Russia approved the Plan according to&nbsp;which the Agency will assess the financial standing of&nbsp;Moskomprivatbank.</div> &nbsp; <br /> <div class="pr"> </div> <br /> <br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">このモスクワの銀行子会社だが、モスクワでの総資産は$1.4Billion、業務はリテール中心ということだ。</span><br /> <br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">しかし、「リテール銀行の倒産」という、銀行業界隈では最悪とされている事態を視野に入れてる割りには、</span><br /> <br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">① モスクワで取り付け騒ぎが起こっているという話がない</span><br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">② 債務超過で資本注入が必要な状態にいるわけでもない</span><br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">③ (倒産するかもしれないけど自己資本比率はバッチリだから)銀行ライセンスはそのまま</span><br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">④ 業務は通常どおり(ただし、アドミは私企業からいきなりロシア政府)</span><br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">⑤ ウクライナにいる親会社が「なんだとー!」と怒っている</span><br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text"><br /></span> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">という、<span style="font-size: x-large;"><span style="color: red;"><b>極めて面妖</b></span></span>な状況である。(冷汗ダラダラダラーー)</span><br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text"><br /></span> <br /> <br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">ふつうはですね、金融子会社がなんらかの財務的問題に直面し、それがその国(あるいは地域)の金融システムの安定性を脅かす恐れがある場合はですね、まず第一に、その子会社の親会社が資本注入するなり、保証出すなりして、その金融子会社の資本と流動性が枯渇しないよう手配するのが先決である。</span><br /> <br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">その親会社もドツボにはまり子会社に対するサポート能力がなくなっていて、「ダメだこりゃ・・・・」という状況になってると判断されたら、そこでようやく、(国民のお金を預かっている)政府当局がバババーンと登場し、その金融機関にシステミック・サポートとしての策を施す(ただしシステミックリスクがある場合のみ)ってのが、【銀行セクター界隈での常識】というものでして。</span><br /> <br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">それがいきなり、親会社なんてふっとばし、自分の目の前にいるってだけで海外銀行の子会社コマーシャルバンクを「政府管理下に入れちゃう」わけだから、ロシア政府、すごいっちゃーすごい。</span><br /> <br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">しかも、総資産たかだか500億ルーブル(=$1.4ビリオン=1,400億円程度)のリテール銀行に対して、鼻息荒く「<span style="color: red;"><b>バンキングシステム安定化</b></span>」という究極のお題目を(ドヤ顔で)持ち出してくるのも、これまた、すごい。</span><br /> <br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text">この面妖な出来事を、ロイターが伝えている。</span><br /> <br /> <h1> <a href="http://www.reuters.com/article/2014/03/06/ukraine-crisis-privatbank-idUSL6N0M326S20140306" target="_blank">Russia puts subsidiary of Ukraine's Privatbank in temporary administration<b class="speechFragmentSeparator" id="speechFragmentSeparator__1_1">&nbsp;</b></a></h1> <h1> <b class="speechFragmentSeparator" id="speechFragmentSeparator__1_1"><br /></b></h1> この親会社のPrivatbankであるが、ウクライナの本社のほうは、総資産230億ドル、純利益8700万ドルで、同国最大のコマーシャル銀行。 <a href="http://en.wikipedia.org/wiki/PrivatBank" target="_blank">ウィキペディアによると</a>、米国の業界専門誌「グローバル・ファイナンス」で「ウクライナのベストバンク」に選ばれ、イギリスの専門誌「ザ・バンカー」でも同年ウクライナの「バンク・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、格付け機関ムーディーズは銀行財務力でウクライナでベストの判断、別の格付け機関フィッチもこれまたウクライナでベストのレーティング、だそうである。<br /> <br /> それの子会社(繰り返しますが、子会社総資産$1.4ビリオンです) が、ある日とつぜん、モスクワで「倒産の懸念でシステミックリスク」。(1,400億円程度なら、日本のメガ銀行さんだったら、一社に貸しつけてる融資額になりそうな数字よ。笑)<br /> <br /> 上のロイターの記事にもあるが、問題は、この銀行がウクライナにあるというだけじゃなく、この銀行のオーナーが、現職大統領の息がかり、というのが、どうもプーチンには気に食わないらしいんである。この銀行の創始者で現在共同オーナーのひとり イゴール・コロモイスキー(同銀行を34%保有)は数日前、ウクライナの現職大統領であるオレクサンドル・チュルチノフによって、コロモイスキーの出身地である地域の知事に任命されたばかりという。彼はウクライナで3番目の金持ちで、推定純資産$2.4ビリオン、51歳。<br /> <br /> いわゆる、『<span style="font-family: Verdana,sans-serif;"><a href="http://eow.alc.co.jp/search?q=Oligarch&amp;ref=sa" target="_blank"><b>Oligarch</b></a></span>』 と呼ばれるひとたちのひとりですな。プーチンは、コロモイスキーのことを、「詐欺師」と呼んで、ロシアのビジネスに悪影響を及ぼす危険人物として毛嫌いしているらしい。<br /> <br /> ロシアをめぐる国内情勢・政治情勢は、そもそも私はこの地域にビジネスで深く関わったことが一度もないうえ、登場するひとたちの名前がぜんぜん覚えられないというのもあって、実際、よくわかっていない。<br /> <br /> わかっていないんだが、わかっていないながらも、それでも、「ロシア、やっぱ、すげーな・・・」と言わざるを得ない。(←注:いい意味で感心してるわけではない。)<br /> <br /> だって、こんな風にサクッと銀行を管理下に入れちゃうなんて、日本も含め西側諸国のフツーの銀行業界隈では、ちょっと考えられないやり方だもの。<br /> <br /> 以前もどこかで述べたと思うが、筆者は仕事柄、先進国・新興国とりまぜずいぶんいろんな国のバンカーらに実際にあって話を聞いてきましたが、お会いした中でロシアのコマーシャルバンカー達ぐらいツーカーで話ができないひとたちは、他にいなかった。なんていうか、<span style="color: red;"><b>異次元バンキング</b></span>、とでもいいましょうか・・・。ロシアと比べたら、中国だってエジプトだって南アフリカだって、新興国のバンカーたち、みなフツーすぎてツーカーすぎて怖いぐらい。 ブラジルの銀行群になると、あれは、ポルトガル語を話す米銀、といっても過言ではない。<br /> <br /> このロシアの預金保険機構の処置は10日続くらしい。当事者であるPrivatbankのモスクワ子会社はステートメント出して、「今回の措置は、経済的な話(←たとえば財務の問題とか)に立脚しているわけではない。向こう10日間、ロシアの中央銀行は、きちんと業務継続できるよう取り計らってくれるはず」と言っているらしい。<br /> <br /> 「経済的・財務的な問題はない」。つまり、「100%政治的な動き」だということである。 中央銀行もプーチンの指の動きひとつで、なんでもやるって意味ですね。<br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <br /> <span id="ctl00_PressSRC_SRC_Text"><br /></span> http://wholekernel.blogspot.com/2014/03/blog-post_9.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-2791324218596473392Sun, 02 Mar 2014 13:24:00 +00002014-03-02T12:25:55.689-05:00banksChinaMarket銀行関連最近、中国関連の記事多いここのところ、金融関係の記事を漁っていると、中国関連の記事が多いなと感じる。<br /> <br /> 下のチャートは、「China」Near 「Hard Landing」 がキーワードになってる記事がブルームバーグで一日にどれだけ配信されたか、というチャートだそうだ。<br /> <br /> <br /> <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody> <tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiO5jhI5ChJCfFcv66Er4pCss01G4smpP4-fJp3v2hxd9ZuruHGuapkDbTayQeTeBODnvAgzgHojp9a5mQFEjjZ37vEZx_tqE1vE_xW71EuQ3vseoIgYhiJahTTzUWChWjrdzLf8I_vudlI/s1600/2014.03.02+BBG+China+Chart.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiO5jhI5ChJCfFcv66Er4pCss01G4smpP4-fJp3v2hxd9ZuruHGuapkDbTayQeTeBODnvAgzgHojp9a5mQFEjjZ37vEZx_tqE1vE_xW71EuQ3vseoIgYhiJahTTzUWChWjrdzLf8I_vudlI/s1600/2014.03.02+BBG+China+Chart.jpg" height="275" width="400" /></a></td></tr> <tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;"><a href="https://twitter.com/M_McDonough/status/439753361651695616" target="_blank">チャートの紹介元はここ</a></td></tr> </tbody></table> <br /> <br /> &nbsp;2012年とくらべると減っているけど、またちょっと増え出してるのかな、という印象あり。<br /> <br /> そして、ついさっき、この記事を読んだ。<br /> <br /> <h1> <a href="http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYEA1P04Q20140226?pageNumber=1&amp;virtualBrandChannel=0" target="_blank">コラム:中国で金融危機が起きない理由=カレツキー氏</a></h1> <br /> <br /> このコラムの著者は、中国の金融ポリシーの側面からシステムを眺めていて、比較として米国発のリーマンショックを持ち出している。だが中国のバンキングシステムは、米国のそれとは根本的に性格が違う。<br /> <br /> そして、金融危機というのは、かならず(【<u>かならず</u>】!)、金融システムのど真ん中に座ってる<u>ミクロの金融機関</u>らのバランスシートでジクジクと膿んで久しいAsset Qualityの問題が背後にあって、そこがシステム全体の債務超過の格納庫となって危機発生・爆発するのが世の常なんだが、この記事はそこらへんはあまり触れていない。<br /> <br /> 中国の銀行をミクロで眺めると、基本的には昔の日本の長期信用銀行群と似たようなモデルやってて、バランスシートの両側にある与信と預金の「量」や「金利」といった面への規制は極めて明快なんだが、不良資産の認識含めアセット・クオリティへの対処に関しては、昔から、中国は「臭い物には蓋方式」という傾向があったから、誰も中国発で発表される公式の不良資産比率が実態を示してるなんて信じてなかったし、現在もたぶんそうじゃないかなと、わたしは、どこか疑っている。<br /> <br /> 強く規制がかかりコントロールされている既存の銀行システムですらそうなんだから、通常の商業銀行システムの外側のシャドーバンキングが膨れ上がっているいまは、果たしてどんなことになっているのか、想像するのも恐ろしい。もしかすると、通常では考えられないレベルで危うい状態にいたりしたら、どうしよう。わたしがひとりで「どうしよう・・・」と不安になってたから、だからどうなるもんでもないのだが、ついつい、長年バンクアナリストやってた癖(苦笑)が出て、不安になる。<br /> <br /> さらに、短期市場の雰囲気。<br /> <br /> 先月もいろんな記事をナナメ読みしてたら、<a href="http://www.bloomberg.com/news/2014-01-20/china-swap-rate-drops-on-speculation-central-bank-will-add-funds.html" target="_blank">中国でレポレートが一日で150bps以上も上がり中央銀行が手当てして90bps下がったとかいう記事</a>がたまたま目に入り、嫌~な気分になった。短期で一日で100ベーシスもの幅で上がったり下がったりするなんて。経験則からいって、短期市場が不安定になってるのが目立ち出すと、たいがいロクなことがない。<br /> <br /> 日本は三洋証券らが短期市場でぶっ飛んで、バブル崩壊後に数年溜め込んでいた実質債務超過の問題が、一気に表面化して、その後5年以上も続く泥沼の開幕となった。<br /> <br /> アメリカではABCP市場がリーマンショックの前年夏には事実上の死に体となり、インターバンクで短期市場も乱れだし、ショック前年の秋には短期資金の流れがすっかりフン詰まり起こして、連銀が連日連夜資金をパンピング(pumping)し続けていたのを思い出す。前年からポンプでこれでもかこれでもかと流動性を流し込み続けてましたが、その間にも、ミクロレベルでのアセットクオリティの劣化はとまらず、システム全体の実質債務超過状態は深刻化する一方で、ついに爆発してました。<br /> <br /> ギリシャ問題に端を発した欧州だって、欧州のトレーダーらが問題が加速度的に深刻になる前から、「短期資金、完全に止まっちゃってるで~」と喚いてましたね。<br /> <br /> まぁ、わたしは、中国の金融システム動向を日々詳しく追いかけ調査したうえでこのエントリーを書いてるわけでもなんでもないんで、思いつきです、いろいろ勉強不足です、はい。(そのうち、中国の銀行アナリストのミクロ分析でも読んで、もう少し勉強することにします。)<br /> <br /> ただ、上のコラムを読んで脊髄反射的にアタマの中をよぎったことを、自分の覚え書きとして、メモしておこうと思った。<br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2014/03/blog-post.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-1362681613693724570Fri, 28 Feb 2014 07:03:00 +00002014-03-01T10:39:14.539-05:00NewsSocial IssuesVictimとしての自画像東京都内の多くの図書館で<a href="http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/20/annne_n_4820721.html?utm_hp_ref=tw" target="_blank">『アンネの日記』やその他ホロコースト関連の本が破かれているのが発見</a>され、物議をかもし出している。<br /> <br /> 有力ユダヤ系団体サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)は、この件を受けて「ショックを受け、深い懸念を抱いている」という声明文を出した。 <br /> <br /> <h1> <a href="http://www.wiesenthal.com/site/apps/nlnet/content.aspx?c=lsKWLbPJLnF&amp;b=8776547&amp;ct=13663333" target="_blank">Wiesenthal Center Expresses Shock and Deep Concern Over Mass Desecrations of The Diary of Anne Frank in Japanese Libraries</a></h1> <h1 class="article_page_h1_margin" itemprop="headline"> <span style="font-weight: normal;"><span style="font-size: small;">&nbsp;</span></span></h1> SWCの声明を受け、海外メディアもこぞってこの話題を取り上げ、昨年の後半あたりから海外メディアで頻繁にささやかれるようになった「日本の右傾化」というパーセプションに、さらに証拠が加わったかのような扱いになっている。<br /> <br /> この事件を伝える英字記事についたコメントの中に、「BIZARRE(奇妙だ)」という反応をしているひとを幾人もみかけた。日本の国内事情にとりわけ明るいわけでもない海外の多くの人たちからしたら、即座にこれはネオナチの仕業ではないかと思うわけだが、「ネオナチ?でも、なぜ、アジア、しかも東京で???Bizarre!」という反応になるのは当然だろう。<br /> <br /> この奇妙で不快な事件の真犯人は誰なのか――。その後も、本の毀損や破壊は続いているという。筆者も一刻も早く真相が究明されて欲しいと願っている。<br /> <br /> ところで、イスラエルにHarretzという大手日刊紙がある。イスラエルの日刊新聞社としては最古参で、ヘブライ語と英語で出版されてるが、その英語版はNYタイムズの国際版と一緒に束ねられて売られる、そういう新聞らしい。<br /> <br /> 「アンネの日記破損事件」が内外で大きく取り上げられることになるおよそ一ヶ月前、そのHarretz紙に1月22日付けで、<span style="color: red;"><b>「日本人は何故アンネ・フランクに魅了されるのか」</b></span>という長文記事がJTAという別のイスラエルニュースサイトからの転載として掲載された。<br /> <br /> ナチスの迫害に遭った当事者とその末裔であるイスラエル人の目には、日本人は、どう映っているのだろう。<br /> <br /> 普段、定期的に読むことのないイスラエルのメディアながら、なかなか興味深い記事であり、筆者自身も深く同意する指摘部分があったので、下に全文・全訳を紹介する。 (※手早く訳したので、誤訳があれば指摘してください。)<br /> <br /> <br />  ☆   ☆   ☆   ☆   ☆<br /> <br /> <h1 class="article_page_h1_margin" itemprop="headline"> <a href="http://www.haaretz.com/jewish-world/jewish-world-news/1.569938" target="_blank">Why are the Japanese so fascinated with Anne Frank?</a></h1> <br /> <i><span style="font-size: large;">For many Europeans, Anne Frank is a potent symbol of the Holocaust and the dangers of racism. But the Japanese people tend to connect to her story for fundamentally different reasons.</span></i><br /> <br /> <h2 itemprop="description"> <i><span style="font-size: large;"> </span></i></h2> <div dir="LTR"> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> </div> <i>多くの欧州人には、アンネ・フランクはホロコーストと人種差別という危険の強力なシンボルとみなされている。だが、日本人は、欧州人とは根本的に異なる理由でアンネの逸話に共感している。</i><br /> <br /> <br /> <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody> <tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhTnkZ4x-66KXIVbillKr_Q0UTzRrHhS2ruqxgqbVCO7-fvSFAeflV7OMWShynkg-pDYb2Eg3VtR6tCX2FeC6fYgPXOXTUOJzLwAOcsMUI9u5UP-M7DlCt7OMOha3_r754G47rGuUy0gA9-/s1600/20140227+Anne+Frank+Anime.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhTnkZ4x-66KXIVbillKr_Q0UTzRrHhS2ruqxgqbVCO7-fvSFAeflV7OMWShynkg-pDYb2Eg3VtR6tCX2FeC6fYgPXOXTUOJzLwAOcsMUI9u5UP-M7DlCt7OMOha3_r754G47rGuUy0gA9-/s1600/20140227+Anne+Frank+Anime.jpg" height="231" width="400" /></a></td></tr> <tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">記事サイトから</td></tr> </tbody></table> <br /> <br /> <br /> She speaks only Japanese and is not entirely sure what country she’s in, but 18-year-old Haruna Matsui is happy to stand in the rain for an hour with two friends to see the home of a person she has never met yet nonetheless considers her soul mate.<br /> <br /> <br /> 彼女は日本語しか話さず、自分がいまどこの国にいるのかもよくはわかっていない。だが18歳になるマツイ・ハルナは、実際には会ったことはなくても大親友だと感じているひとりの人物の家を見るため、2人の友人とともに雨の中1時間も立ち続けるのを厭わない。<br /> <br /></div> <div dir="LTR"> “We visited Paris and Brussels, so I just had to come here to see Anne’s home,” an excited Matsui told JTA last week outside Amsterdam’s Anne Frank House.<br /> <br /> <br /> 「わたし達、パリとブリュッセルに来たので、アンネの家も見ようと思い、ここに来ました。」高揚したマツイは先週アムステルダムのアンネ・フランクの家の前でJTA紙に語った。<br /> <br /></div> <div dir="LTR"> Matsui has read Japanese manga comic book adaptations of Frank’s diary several times and watched every anime cartoon film she could find about the teenage diarist who spent two years hiding in an Amsterdam attic before her arrest in 1944.<br /> <br /> <br /> マツイはアンネの日記が原作になっている日本語の漫画コミックを何度も読み返し、1944年に見つかるまでアムステルダムの屋根裏に2年間も隠れていた10代の日記ライターに関わるアニメ映画もすべて観たという。<br /> <br /> <br /></div> <div dir="LTR"> Frank’s story is so well known that dozens of nations are represented in the entry line of the museum established at her former hideout on Prinsengracht 263. Every year, more than a million people visit the museum, making it one of the Dutch capital’s most visited tourist destinations. </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> フランクの逸話は世界中で知られていて、現在は博物館となっているPrinsengracht通り263番地にある隠れ家の入り口では、世界数十カ国から訪れた人たちが列に並んでいる。この博物館には毎年100万人以上の人々が訪れ、オランダ有数の観光名所になっている。 <br /> <br /> <br /> But interest in Anne Frank is particularly intense in Japan, where her story continues to reach new audiences through comic books, cartoons, museum exhibitions and educational initiatives. For some Japanese, this is a source of pride. </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> だが、中でも日本人はアンネ・フランクにことさら強い興味を抱いている。日本では、漫画本やアニメ、博物館での展示、教育向け企画などで取り上げられ、いまだにアンネに興味を抱くひとびとが途絶えることがなく、中にはそれを誇りに感じる日本人もいるほどだ。<br /> <br /> &nbsp; <br /> <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody> <tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgBR8KtH42MUNHrln-xp9akdw060nH5unGv9c3C0UYapQavQalEkIfI2SQKXT5UWwGfdj2ZQ4HWOARIanPCN06qxFuvlQj7ej0FJ8CJrFF2rv_-TENtrY6-8DGCyERzIAFeh_BEIgrm6Pps/s1600/20140227+Anne+Frank+Students.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgBR8KtH42MUNHrln-xp9akdw060nH5unGv9c3C0UYapQavQalEkIfI2SQKXT5UWwGfdj2ZQ4HWOARIanPCN06qxFuvlQj7ej0FJ8CJrFF2rv_-TENtrY6-8DGCyERzIAFeh_BEIgrm6Pps/s1600/20140227+Anne+Frank+Students.jpg" height="230" width="400" /></a></td></tr> <tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">アムステルダムのアンネの隠れ家を訪れる日本人学生たち(同記事から)</td></tr> </tbody></table> <br /> <br /></div> <div dir="LTR"> <br /> But researchers who have studied this fascination say it has a dark side, reflecting a tendency to focus on Japan’s victimhood during World War II while ignoring responsibility for atrocities committed by its troops who fought as allies of Nazi Germany. <br /> <br /> <br /> だが、こうしてアンネ・フランクに魅了される日本人を研究してる 者達は、そこには別の暗い顔があると指摘する。 それは、第二次世界大戦中にナチスドイツの同盟国として戦った日本軍による残虐行為の責任には目をくれず、戦時中の被害者としての自分に執着する傾向だ。</div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> Matsui thinks Japan was neutral during World War II. “The Germans fought the French and English and the Jews in Europe, and then America and Japan had a war later,” she said hesitantly through a translator. </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> マツイは第二次世界大戦中に日本が中立だったと思っている。彼女は通訳を介して自信なさげに「ドイツはフランスとイギリスと欧州にいたユダヤ人と戦って、その後にアメリカと日本が戦争をしたんですよね」 と言った。<br /> <br /></div> <div dir="LTR"> <br /> For many Europeans, Anne Frank is a potent symbol of the Holocaust and the dangers of racism. But the Japanese people tend to connect to her story for fundamentally different reasons, according to Alain Lewkowicz, a French Jewish journalist who wrote an elaborate iPad application,”Anne Frank in the Land of Manga,” about his investigation of the Anne Frank phenomenon in Japan. In January, a version of the work was published by the Franco-German television channel Arte.<br /> <br /> <br /> 多くの欧州人にとっては、アンネ・フランクはホロコーストと人種差別という危険のシンボルという意味合いが強い。だが、日本人は、欧州人とは根本的に異なる理由でアンネの逸話に惹かれている。そう述べるのは、ユダヤ系フランス人のジャーナリスト、アラン・ルーコヴィッツだ。ルーコヴィッツは、日本におけるアンネ・フランク現象を調査して『漫画の国のアンネ・フランク』と題するアイパッド用アプリとしてまとめた。一月には、独仏共同のテレビ局Arteが本の形で出版している。</div> <div dir="LTR"> </div> <div dir="LTR"> </div> <div dir="LTR"> </div> <div dir="LTR"> </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> “She symbolizes the ultimate World War II victim,” said Lewkowicz. “And that’s how most Japanese consider their own country because of the atomic bombs — a victim, never a perpetrator.” </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> 「アンネは第二次世界大戦の究極の犠牲者という位置づけなのです。」ルーコヴィッツは続ける。「そして、ほとんどの日本人にとっては、その究極の犠牲者というのは原爆を落とされた自国の姿そのものなのです。彼らにとっての自国とは被害者であり、決して加害者ではない。」 <br /> <br /> <br /> Currently, approximately 30,000 Japanese tourists visit the Anne Frank House every year, 5,000 more than the annual number of Israeli visitors. That figure places Japan 13th in a list whose top 10 slots are all occupied by European and North American nations. </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> 昨今ではアンネ・フランクの家を訪れる日本人観光客の数は毎年3万人ほどにのぼり、イスラエルからの年間訪問者を5000人以上上回る。訪問者数上位リストは、10位まではすべて欧州と北米からの観光客が占めるが、日本はそのリストで13位になっている。<br /> <br /> <br /> Japan has seen the publication of at least four popular manga comic books about Anne Frank and three animated films. The first Japanese translation of Anne Frank’s diary appeared in 1952, one year before it was first published in Hebrew. </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> アンネ・フランクを題材にしたものとして、日本では少なくとも4つの人気漫画本があり3本のアニメ映画がある。アンネの日記の和訳本が最初に登場したのは1952年で、ヘブライ語に訳されて出版されるより一年早かった。 <br /> <br /> <br /> “Basically, every Japanese person has read something about Anne Frank, which is even more amazing considering the shocking ignorance on history of many young Japanese today,” Lewkowicz said. “The older generation has read the book, and they buy the manga adaptation for their children.” </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> 「基本的に日本人なら誰もがアンネ・フランクについてなんらかの話を読んだことがあるが、こんにちの日本の若い世代の多くが歴史について驚くほど無知なことを考えれば、これは驚くべきことだ。」とルーコヴィッツは言う。「もっと年が上の世代はアンネの日記を書籍で読んでおり、子どもたちにはその漫画版を買い与える。」 <br /> <br /> <br /> One place where Japanese children encounter Anne Frank’s story is the Holocaust Education Center at Fukuyama City, the only such institution in the region. Run by a Japanese reverend, Makoto Otsuka, the center has welcomed 150,000 schoolchildren since its establishment in 1995.<br /> <br /> <br /> 日本の子どもたちがアンネ・フランクのものがたりに触れる場所のひとつに、福山市のホロコースト教育センターがある。この地域では唯一ホロコーストを扱うこの施設は、日本人牧師の大塚まこと氏が運営している。同センターには1995年の開設以来、15万人の学童が訪れたという。 </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> Located just 50 miles from where the American atomic bomb landed on Hiroshima in 1945, the center is home to a statue of Anne Frank, one of only two such statues found in Japan and the only ones in her memory in the Far East. The children also tour the center’s scale model of the Anne Frank House in Holland. </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> 1945年、アメリカが広島に原子爆弾を落としたその地点からわずか50マイル離れているだけの同センターには、アンネ・フランクの銅像が置かれている。日本に2体あるアンネの像のひとつだが、極東全体でもアンネを偲んで建てられた像というのは、そのふたつしかない。センターを訪れる子ども達は、オランダにあるアンネ・フランクの家の実物に近い模型の中を歩いてまわる。 <br /> <br /> <br /> In 2011, the center received one of two cuttings sent to Japan from the chestnut tree Frank described in her diary. Japan is the only Asian country besides Israel with saplings from the tree. The one in Fukuyama is already nine feet tall, according to Otsuka, who spoke to JTA in Hebrew. He studied the language to improve his ability to study the Holocaust, he said.<br /> <br /> <br /> 2011年に同センターは、アンネが日記の中に書き記した栗の木から分けた2本の苗のうち一本を受け取った。イスラエルのほかに、その栗の木の苗を受け取ったのはアジアで日本だけだ。福山市に植えられたその木は、既に9フィート(2.7m)に育っていると、大塚氏は本紙にヘブライ語で教えてくれた。彼はホロコーストについてもっとよく学びたくてヘブライ語を勉強したのだそうだ。</div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> “Anne Frank is a powerful symbol for peace in Japan,” Otsuka said. “That’s why her story resonates with so many Japanese, who have suffered the horrors of war.”<br /> <br /> <br /> &nbsp;「日本では、アンネ・フランクはパワフルな平和のシンボルです。だからこそ、戦争の恐ろしさを体験した我々日本人が、これほど多くアンネの物語に共鳴するのです。」と大塚氏は言った。<br /> <br /></div> <div dir="LTR"> <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody> <tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhEs-B9wlmLjWRTjLMzg26gSyu6XK70o2dHQAm01Iziiya63gRuewCJH_pDWlPWnxoPN32xbil_vZnI3mEy1KHLBYT8whwD35AkHDEJLrOb_BXG7y2BrGC1kHrEGDNgdi4TbNQ4OH_KNoUA/s1600/20140227+Anne+Frank+Father.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhEs-B9wlmLjWRTjLMzg26gSyu6XK70o2dHQAm01Iziiya63gRuewCJH_pDWlPWnxoPN32xbil_vZnI3mEy1KHLBYT8whwD35AkHDEJLrOb_BXG7y2BrGC1kHrEGDNgdi4TbNQ4OH_KNoUA/s1600/20140227+Anne+Frank+Father.jpg" height="230" width="400" /></a></td></tr> <tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">1965年、日本人女学生に囲まれるアンネの父オットー・フランク(同記事より)</td></tr> </tbody></table> <br /></div> <div dir="LTR"> Otsuka began planning a Holocaust education center in 1971 after meeting Anne Frank’s father, Otto Frank, the only member of the family to survive the war.<br /> <br /> <br /> 大塚氏は、フランク一家唯一の生存者であるアンネの父親オットー・フランクに会ったことがあり、その後1971年にホロコースト教育センターの設立計画に取り掛かった。</div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> “What I instantly saw in the man was how much love he had, despite everything he’d been through,” Otsuka said. </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> 「オットーさんにお会いしたときに、あれだけの苦しみを体験してなお、あの方がどれほど愛に溢れた方か、ということがすぐにわかりました。」 と大塚氏は言う。<br /> <br /> <br /> Introducing Japanese people to Anne Frank’s story was important to Otto Frank. His efforts in this regard may be part of the reason for the Japanese interest in his daughter, according to Ronald Leopold, director of Amsterdam’s Anne Frank House.<br /> <br /> <br /> 日本人にアンネ・フランクの物語を伝えることは、オットー・フランクにとっては大事なことだった。父オットーのこうした努力のおかげで、日本人が娘のアンネに今なお興味を覚えているのでは、とアムステルダムのアンネ・フランク・ハウス所長ロナルド・レオポルドは考えている。 </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> In his book, Lewkowicz juxtaposes Japan’s Anne Frank fascination with what he and many others consider Japan’s failure to fully acknowledge the actions of Japanese troops in areas they occupied in China and Korea.<br /> <br /> <br /> 研究者らは日本軍が占領した中国や韓国で行っていたことを日本が認めようとしない点を指摘するが、ルーコヴィッツも彼の自著の中で、日本のそうした姿とアンネ熱を並べて比較している。</div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> “The Anne Frank-Japan connection is based on a kinship of victims,” Lewkowicz said. “The Japanese perceive themselves as such because of the atomic bombs dropped on Hiroshima and Nagasaki. They don’t think of the countless Anne Franks their troops created in Korea and China during the same years,” </div> <div dir="LTR"> In Korea, Japanese troops organized the rape of thousands of enslaved Korean women who were known as “comfort women.” They also perpetrated mass killings of Chinese civilians.<br /> <br /> <br /> 「日本人は、アンネ・フランクは自分らと同じ戦争犠牲者と感じ、そこに繋がりを見出しているのだ。」ルーコヴィッツは語る。「日本人には、広島と長崎に原爆を落とされたことで自分らは犠牲者・被害者だという自意識がある。だがそれと同じ時代に、韓国や中国では自国軍が数え切れないほどのアンネ・フランクを生み出していたということは彼らは考えようとしない。」 韓国では、日本軍人は何千人もの慰安婦と呼ばれる韓国人女性らを奴隷のように扱い組織的に強姦した。彼らはまた中国の民間人を大量虐殺するという残虐行為にも出た。</div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> Japan apologized in 1993 to Korea and again in 1995 for having “caused tremendous damage and suffering to the people of many countries, particularly to those of Asian nations.” But many consider the apology insufficient and insincere, citing the absence of reference to war crimes and repeated visits by Japanese leaders to shrines honoring some of the worst perpetrators. Japanese Prime Minister Shinzo Abe’s visit last month to one such shrine sparked strongly worded condemnations from the Chinese government. </div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> 日本は1993年に韓国に対して謝罪をし、1995年にも「多くの国々、とりわけアジア諸国のひとびとに多大なるダメージと苦痛を与えた」として謝罪した。しかし、そうした謝罪も、戦時中の犯罪に触れていない、あるいは、最悪の加害者達を祭った神社へ日本のリーダーらが参拝を重ねているために、いまだ充分かつ真摯なものとは見なされていない。安倍晋三首相による先月のそうした参拝は、中国政府から強い語調を伴う批難を呼び起こした。<br /> <br /> <br /> Otsuka says his museum is limited to the Holocaust and that other war crimes are not part of its scope. But he notes that the institution’s mission statement extended to “deepening the understandings of the period and helping to enhance awareness for world peace among young people.”<br /> <br /> <br /> <br /> 大塚氏は、彼が作った博物館はホロコーストだけがテーマであって、それ以外の戦争犯罪については彼の手がける範疇ではないと言う。だが「当時の出来事の理解を深め、若いひとたちが世界平和に気づく手助けとなる」ことも博物館の設立目的に入っていると大塚氏は述べた。</div> <div dir="LTR"> <br /> Despite this, Lewkowicz says that Otsuka is quietly working to raise awareness of the divisive issue of Japan’s wartime record.<br /> <br /> <br /> 大塚氏のそうした態度にも関わらず、ルーコヴィッツは、日本の戦時記録について二分された見解が存在するのを世に知らしめるのに、大塚氏の存在は静かに役立っていると考える。</div> <div dir="LTR"> <br /> “Don’t expect Otsuka to advocate adding the issue of Japanese war crimes to the national curriculum,” Lewkowicz said. “Japan is not ready. It may seem from the outside like an ultra-liberal society, but this is a false impression.”<br /> <br /> <br /> 「日本の戦争犯罪の問題を国の教育要録に加えるよう主張してまわる、などということを大塚に期待してはいけない。」とルーコヴィッツは言う。「日本にはその準備ができていない。外からみると、日本は極度にリベラルな社会であるように見えるかもしれない。だが、それは誤った印象だろう。」</div> <div dir="LTR"> <br /> <br /> Still, he said, “Slowly, bit by bit, Otsuka and other like-minded people are raising questions and telling people, also through the Anne Frank story, that some of what Japan did in those years is pretty much comparable.”<br /> <br /> <br /> 「だが、」彼は続ける。「ゆっくりと、少しづつ、大塚や彼のような心を持った人たちが疑問を投げかけ、そしてまたアンネ・フランクの逸話を通じ、日本が戦時中にやったことは、アンネが受けたそれに匹敵するものだったのだと語り始めているのだ。」<br /> <br /> <br /> (記事終わり)<br /> <br />   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆<br /> <br /> <br /> この記事のここが史実と違うだのなんだのと、お得意の重箱の隅をつつくような詳細を持ち出して反論したがる人が出てきそうだが、そんな詳細をいくら重ねたって、<u>それは本質論ではない</u>し、わたしは興味がないので、その手の話を持ち出したいなら、どうか私にコンタクトしてこないでください。<br /> <br /> わたしがこの長文記事の中で同意せざるを得なかった指摘とは、<br /> <br /> <span style="color: red;"><b>「アンネは究極の戦争犠牲者。そして、ほとんどの日本人にとっては、究極の犠牲者というのは原爆を落とされた自国の姿そのもの。彼らにとって自国は被害者であり、決して加害者ではない。」</b></span><br /> <br /> という審判だ。というのも、わたし自身、多くのツイッターのフォロワーさんらに「また始まった・・・」とウンザリされながらも(苦笑)、こんなことを繰り返しつぶやいているからだ。<br /> <br /></div> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> なんかね、us and themの関係を対立的に言い募る雰囲気が、もともとそういう論調じゃない人や媒体にまで広がってる気がして、ハラハラする。<br /> — Yuko Kato (@mizukawaseiwa) <a href="https://twitter.com/mizukawaseiwa/statuses/426925352330338304">January 25, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> この件に限らず最近は、何事もそういう論調じゃないですかね。イルカでも慰安婦でも靖国でも、批判されるusと、批判しやがるthem、で、ひたすらDEFENSIVEになる。"<a href="https://twitter.com/mizukawaseiwa">@mizukawaseiwa</a>: なんかね、us and themの関係を対立的に言い募る雰囲気<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/426949833665294336">January 25, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> そして批判されるusは、常にvictimで、涙ツツー。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/426950255025074176">January 25, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 橋下だけにしときなよ。これ以上バカ晒すと、ホントに日本の味方はいなくなっちゃうよ。 慰安婦「戦争国ならどこにもあった」=籾井NHK会長(時事通信) - goo ニュース <a href="http://t.co/YftDl05uWv">http://t.co/YftDl05uWv</a><br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/427062103183069184">January 25, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 自分をvictimと位置づけてる間は、自分はresponsibleにならずに済むからね。今の日本は外からはそう見えている。戦後move onして世界中がミラクルと呼んで羨む高度成長を遂げた模範的な国と思っていたけど、実はそうじゃなかったんですね、と。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/427071434041876480">January 25, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> (続き) ぜんぜん Move On してなかったんですね、ということが痛いほどわかって、それにみんな驚いてるんだよ。そゆこと。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/427073101038243840">January 25, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 敗戦という屈辱のもと、70年間も後ろ手に縛られたまま米帝のパペットやらされてた、かわいそうなかわいそうな自分・・・(涙ツツー) (←自虐史観) <br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/439074152453246976">February 27, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 「かわいそうなかわいそうな自分」=SELF PITYに思考の基盤を置きたがるひとの特徴は、「自分には一切責任がない」とマジで思い込んでること、というのは知られている。(だって常に自分はVICTIMという立場でものごとを見てるから。)<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/439077908041433088">February 27, 2014</a></blockquote> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 自己憐憫(Self Pity)と責任回避でググッたら、カウンセラーやってるひとの、こんなブログ記事がw  <a href="http://t.co/J7QedIeTlG">http://t.co/J7QedIeTlG</a> <br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/439082543233904640">February 27, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> &nbsp;しかし、こう感じているのは、何も、上のイスラエルの新聞や、一介のブロガーのわたしだけではない。昨今の日本に対し批判的論調を掲載する海外ジャーナリズムの多くが、「日本はDENIALをやっている」と捉えていて、また記事や番組でもハッキリそう述べている。<br /> <br /> さらに、昨日26日付けの記事で、BBCが、神風特攻隊の遺書を世界遺産に申請した日本人についてとりあげ、上のイスラエルの記事と<u>まったく同じこと</u>を書いている。<br /> <br /> <h1 class="story-header"> <a href="http://www.bbc.com/news/magazine-26256048" target="_blank">Remembering Japan's kamikaze pilots </a></h1> <br /> &nbsp;この記事から、その部分を拾ってみよう。<br /> <br /> Japan has immense problems with its memory of the war. Prominent politicians and media figures still frequently espouse absurd revisionist versions of history - that Japan never started the war, that the Nanjing Massacre never happened, that tens of thousands of comfort women "volunteered" to become sex slaves for the Japanese military.<br /> <br /> The massive bombing of Japanese cities at the end of the war, and in particular the atomic attacks on Hiroshima and Nagasaki, has allowed the construction of a narrative of victimhood. Japan is the only country to have suffered an atomic attack. The firebombing of Tokyo, in one night, killed at least 100,000 civilians. But when talking about these horrors, what is often forgotten or omitted is how it all began.<br /> <br /> 日本は戦時中の記憶にあたって重大な問題を抱えている。著名な政治家やメディア関係者がいまだに、日本は決して戦争を始めたわけではない、南京虐殺など起こらなかった、何千人という慰安婦はみな日本軍のために自ら性奴隷になりたがった、といったような、歴史修正主義めいた馬鹿げた歴史解釈を披露するのは珍しくもない。<br /> <br /> 終戦間際に日本の都市がいくつも大規模な爆撃にあい、特に広島と長崎には原子爆弾が落とされ、そうした体験が犠牲者としての語り口を許してきた。日本は悲惨な原爆体験を持つ唯一の国だ。 東京大空襲では、一夜で10万人という民間人が殺された。だが、それらの恐怖を語るとき、往々にして忘れられたり省かれたりするのが、それらがどうやって始まったかという部分だ。<br /> <br /> (引用終わり) <br /> <br /> 日本人として、欧米ジャーナリズムがこういう記事を書くことに愉快な気持ちになるひとは多くはいまい。<br /> <br /> しかし、昨今、日本から聞こえてくる自己を正当化しようとする発言の数々には、自信のなさ故のディフェンシブさに加え、「どこかすさんだもの」を筆者は感じている。<br /> <br /> 昨年来ずっと自分が抱いていたその感覚を、タイムラインに流れてきたある方の下のツイートが見事に捉えて表現しておられたので、紹介してこの章を終える。<br /> <br /> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 首相周辺は威圧的・恫喝的な言動を繰り返すことで「立場の強い者は何をやっても許される」というメタメッセージを国民に向けて発しているように思えるが、これが「割れ窓理論」のような効果を生み、社会のあちこちが荒み始めていると感じる。言って良いことと悪いことの敷居が、日に日に下がっている。<br /> — 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) <a href="https://twitter.com/mas__yamazaki/statuses/438518729807101953">February 26, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> <br /> <br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2014/02/victim.html[email protected] (TrinityNYC)2tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-4510213627183539220Wed, 19 Feb 2014 04:20:00 +00002014-02-19T10:41:25.667-05:00BitcoinMarket投資対象としてのビットコイン (その2)ビットコインについて書いた<a href="http://wholekernel.blogspot.com/2014/01/blog-post_25.html" target="_blank">前回のエントリー</a>で、自分がつぶやいたツイートの<a href="http://togetter.com/li/619413" target="_blank">Togetterまとめ</a>を紹介したが、その中で、1月21日に自分はこんなことを言っている。<br /> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> みんなが「いいな!いいな!」と思ったころには、たいがいピークは去っている、それが金融資産の宿命だ。(格言by とりんち)<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425665877951139840">January 21, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> 大恐慌時代の「<a href="http://ameblo.jp/moto-syoukenman/entry-11466935098.html" target="_blank">靴磨きの少年の伝説</a>」を持ち出してくるまでもなく、NHKの一般視聴者向け番組「クローズアップ現代」が話題として取り上げた、というあたりで、そろそろ、そのジンクスの片鱗が見えてきていたわけであるが、では、最近のビットコインの実際のプライス(=US$換算価値)を見てみることにいたしましょうか・・・。<br /> <br /> <br /> <div style="text-align: center;"> (チャート1) MtGox で提示されてるプライス推移 2月10日(15分足)</div> <br /> <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody> <tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEix7ZnB1vOxGRG9NTSidLF87RPCIIBgYz202liEss0sxRbjX8LpKvRsRZAjvypSoRdoX5i4ntO0psk3n3mroMTFhTy1oQ66iGnmP3UZs3rJ2CV9K6Lw9-1BEIeglkKkL0knsGcn0Gp6CPrg/s1600/screen+shot+2014-02-10+at+5.53.50+am.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEix7ZnB1vOxGRG9NTSidLF87RPCIIBgYz202liEss0sxRbjX8LpKvRsRZAjvypSoRdoX5i4ntO0psk3n3mroMTFhTy1oQ66iGnmP3UZs3rJ2CV9K6Lw9-1BEIeglkKkL0knsGcn0Gp6CPrg/s1600/screen+shot+2014-02-10+at+5.53.50+am.png" height="220" width="400" /></a></td></tr> <tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">MtGox on 9-Feb-2014 (15min)</td></tr> </tbody></table> <br /> <br /> <span style="color: red; font-size: x-large;"><b>ギャアアアアアアーーーーッ!</b></span><br /> <br /> <br /> 上のチャートは2月10日ごろのMtGoxで取引されていたビットコインのプライス(15分足)である。(via <a href="http://bitcoinwisdom.com/" target="_blank">BitCoin Wisdom</a>) 一時は100ドルギリギリまで下がり、まさに投売り状態。どんなプライスでもいいから手持ちのMtGoxのウォレットをUS$に換金したいひとたちによる一斉パニック売りの図。<br /> <br /> 同取引所(MtGox)で提示されるプライスの直近までの動き(日足)を追ったものが下のチャートだ。10日の急落後も下がり続けている。昨年暮れに1200ドル以上をマークしていたのと同じ投資資産の取引価格が、2月16日には250ドル前後。<br /> <br /> <div style="text-align: center;"> (チャート2) MtGox で提示されてるプライス推移(日足) 2013年12月頃~現在</div> <br /> <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody> <tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEghSt5KBgNIp9Pia3Rxm8Ohlsz4ZU0bj9TQVsuml9bm3pupjzo_zziw_cQ9Ty6YtLIfax0f_ML4SYeLcXCGVZxtPcUFJQ7uepbaMgWh9kOdaR3hjz5pZUfszNMMBX9eZ79OmMa2wbg_hYgN/s1600/20140218+Bitcoin+Mt.+Gox.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEghSt5KBgNIp9Pia3Rxm8Ohlsz4ZU0bj9TQVsuml9bm3pupjzo_zziw_cQ9Ty6YtLIfax0f_ML4SYeLcXCGVZxtPcUFJQ7uepbaMgWh9kOdaR3hjz5pZUfszNMMBX9eZ79OmMa2wbg_hYgN/s1600/20140218+Bitcoin+Mt.+Gox.png" height="213" width="400" /></a></td></tr> <tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">MtGox on 18-Feb-2014 (1day)</td></tr> </tbody></table> <br /> <br /> 言いましたよね、わたし、こう言いましたよね!<br /> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 基軸通貨をドルにおいて、「おっ!いま850ドルだなっ!来週は1000ドルだぞっ!」とか言ってたって、肝心の1000米ドルのキャッシュに実際に換金できなければ、その価値は幻想なんだよ。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425668545541070850">January 21, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <br /> ただし、断っておくと、上のMtGoxで提示されてるプライスは260ドル前後まで下がっているが、その他の取引所(例えば最大のBitStamp )では同日620ドル前後で取引き成立しているそうです。(とはいえ、これらのチャートみて安心できる投資家はいないよね。笑)<br /> <br /> <br /> <div style="text-align: center;"> (チャート3) Bitstamp で提示されてるプライス推移(日足)  2013年12月頃~現在</div> <br /> <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody> <tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiBDD4rB5lUpBzwyhs0lnDYAYA43nFqIRZ4MwEz1X73RMBsyg5Kl3cypHyhyphenhyphen_VvLa4vV3Ra4gq_v-Q7By677wKEPWcVNi9GSnYYVJDcbEJzeKsTx66Q9ufKplp2bbZikbcYHkbouLD02Utg/s1600/20140218+Bitcoin+Bitstamp.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiBDD4rB5lUpBzwyhs0lnDYAYA43nFqIRZ4MwEz1X73RMBsyg5Kl3cypHyhyphenhyphen_VvLa4vV3Ra4gq_v-Q7By677wKEPWcVNi9GSnYYVJDcbEJzeKsTx66Q9ufKplp2bbZikbcYHkbouLD02Utg/s1600/20140218+Bitcoin+Bitstamp.png" height="212" width="400" /></a></td></tr> <tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Bitstamp on 18-Feb-2014 (1 day)</td></tr> </tbody></table> <br /> <br /> <div style="text-align: center;"> (チャート4) Bitstamp で提示されてるプライス推移(3日足) 2013年6月頃~現在</div> <br /> <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody> <tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEipWFEGqubTS5haXGh6fNY1dKOusScxogJhva4k42BVnG3F0UVEmP2dpa7Jxp6Z6wZ9duNgqBs-VfrQ1k6cP4wmxbsHgBI37f139ovWeQkre2Zt9Et2P_f1iT16_-iI4TU1tCj2kB7qk2-m/s1600/20140218+Bitcoin.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEipWFEGqubTS5haXGh6fNY1dKOusScxogJhva4k42BVnG3F0UVEmP2dpa7Jxp6Z6wZ9duNgqBs-VfrQ1k6cP4wmxbsHgBI37f139ovWeQkre2Zt9Et2P_f1iT16_-iI4TU1tCj2kB7qk2-m/s1600/20140218+Bitcoin.png" height="213" width="400" /></a></td></tr> <tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Bitstamp on 18-Feb-2014 (3 days)</td></tr> </tbody></table> <br /> <br /> <br /> ご承知の方は多いだろうが、そうでない方のために少々説明すると、Bitcoinは、一般株式のようにどこか決められた一箇所で取引されているわけではなく、複数の取引所(Exchanges)があって、その取引所に参加して売買する者たちのBid とAskで、その取引所でのプライスが決まる。MtGoxは一時はフロートしているビットコインの7割~8割が取引されてたこともある、世界最大級のエクスチェンジ(取引所)で、拠点は東京渋谷である。Bitstampというのも同様の取引所だが、こちらは拠点はロンドン。取引ボリュームでは現在はBitstampが世界最大で、MtGoxは第2位。<br /> <br /> 2月10日(チャート1)にMtGoxに何が起こったか、というと、成立したトレードが記録されなかったり消失したりするシステム上のバグがみつかり、問題のありかが明確になるまでMtGoxはビットコインの引き出しを凍結する(<a href="https://www.mtgox.com/press_release_20140207.html" target="_blank">2月7日プレスリリース</a>)ということになったんである。ここでいう「引き出し(Withdrawal)ができない」というのは、<span style="color: red;"><b>ビットコインに投資したお金を米ドルに変換できない</b></span>、という意味である。<br /> <br /> つまり、MtGoxは開店休業、実質シャットダウン状態。米ドルに換金できないものを持っていたってお買い物もできません、んなもん、さっさと手放したいと思うのは当然だが、<span style="color: red;"><b>チャート1と2はMtGoxのトレーディング・プラットフォームにビットコインのバイヤー(買い手)が不在であることを意味している</b>。</span><br /> <br /> そして月曜日の2月10日には、MtGoxは<a href="https://www.mtgox.com/press_release_20140210.html" target="_blank">アップデートとして長いリリースを発表</a>し、MtGoxに起こった問題は MtGoxだけの問題ではなく、ビットコインのソフトウェアのコードそのものの問題であると発表した。ビットコインそのものの問題となると、他のエクスチェンジで取引されるビットコインも同様なのかっ!と再び不安が走り、ビットコインの価格はさらに下落した。だが、ビットコイン側はそれに反論、「こっちじゃなくて、そっちの問題だろ!」と泥試合にもつれ込んでいるらしい。<br /> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> Today's <a href="https://twitter.com/search?q=%23MtGox&amp;src=hash">#MtGox</a> protest under way! Please join us! <a href="https://twitter.com/search?q=%23mtgoxprotest&amp;src=hash">#mtgoxprotest</a> <a href="http://t.co/pMBaA98jQ4">pic.twitter.com/pMBaA98jQ4</a><br /> — Kolin Burges (@The_K_meister) <a href="https://twitter.com/The_K_meister/statuses/435214902634885120">February 17, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> <br /> ここらへんのテクニカルな話は、超ローテクの私が語れるわけないので(笑)、前回も紹介した大石哲之さんによるブログ記事を読んでください。<br /> <br /> <h1 class="entry-title"> <span style="font-size: large;"><a href="http://nomad-ken.com/2751" target="_blank">麻薬取引サイトすら引っかかったビットコイン版振り込め詐欺</a> </span></h1> <br /> 技術的なことは皆目わからないローテクでも、上の4つのチャートから、ビットコインの金融資産としての価値は短期間に大きく損なわれたのはよくわかる。その背景は、ひとつには<b><span style="color: red;">流通貨幣としての信用が市場でほとんど確立されていない</span></b>こと。そして、もうひとつは、買い手の不在により売買が成立しない、すなわち、「<span style="color: red;"><b>金融資産としての流動性が低すぎる</b></span>」という問題だ。<br /> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 米国債や米ドルが何故、市場でベンチマークになるかというと、それは鬼畜米帝の陰謀ではなくて(笑)、市場そのものに規模と深さがあるからだ。円やユーロのような主要通貨も同じだ。【流動性が高い】ということなんだ。ビットコインが米ドルや円のような流動性を持てるようになるかは疑問だな。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425680479858483200">January 21, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /> <br /> ビットコインの尋常ならぬプライス・ボラティリティも、以下のように、流動性の低さで説明できる。<br /> <br /> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 市場で語られてる話の多くには、通貨としての【流動性】というコンセプトが、すっぽり抜けてるよね。>ビットコイン<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425684059604647936">January 21, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 流動性が低いと、通常、その金融資産は安定しないんだ。金融資産のプライスが大きく上がって大きく下がる、といった、価格の巨大なスイングを経験する場合は、流動性の低さから引き起こされることが多い。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425684814503874560">January 21, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> サブプライム問題の中心になったエキゾチックな仕組み債なんてのは、その最たるもんで、ABXのようなインデックスは一応あったが供給量が限定的なうえに流動性が低かったから、リアルマネーを伴う実際の取引はまばらで、バーチュアル・プライスで取引してたんだ。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425685308240564224">January 21, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 市場サイズがそこそこデカクても、流動性が逼迫してくれば、プライスは大きくスイングする。今朝読んだ中国のレポ取引の話なんぞ、まさに、それだ。ある日150bpsもぶん上がり、その翌日90bpsもぶん下がるなんつーのは、安定した市場ではちょっと考えられん幅だ。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425686122870874112">January 21, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> この、金融資産のプライスがぶち上がってぶち下がる、「幅」のことを、ボラティリティ、って言うんだ。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425686349057130496">January 21, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> ボラティリティが高いというのはそれだけ、投資資産としてはリスクが高いという意味なんだ。リスクが高いほど期待リターンも大きくなる。だが、非常に高いリターンを期待できる資産というのは、流動性が低いことが多いんだ。流動性が高い投資対象資産で一攫千金を狙うことはできないんだよ。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425956587111718912">January 22, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 資産の流動性、すなわち換金性だが、これが低いと、いざ換金したくてもできない事態も出てくる。換金できずにモタモタしてるうちに価値が大きく毀損されるリスクがある。夢の通貨が夢でなくなり、換金の必要がないくらいに通貨として定着する頃には流動性が高い、つまりリターンは低くなってるんだ。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425958411336159232">January 22, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> ビットコインの通貨としての【可能性】がどんなに大きかろうが、それを「投資対象として眺めるとき」は流動性とボラという基本を外したらダメ。夢の通貨が実際の経済活動になくてはならない存在になる頃には流動性は高くなってて安定している。でもそこに至るまでの道には死体がたくさん転がるんだ。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425960598808301568">January 22, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <br /> <br /> 前述したMtGoxは、2月10日に出したリリースの中で、こんなことを述べている。<br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> <i>To put things in perspective, it's important to remember that Bitcoin is a very new technology and still very much in its early stages. What MtGox and the Bitcoin community have experienced in the past year has been an incredible and exciting challenge, and there is still much to do to further improve.</i></blockquote> <i>&nbsp; </i><i><br /></i><br /> <blockquote class="tr_bq"> <i>結論として整理しよう。ビットコインは非常に新しいテクノロジーであり、いまだ黎明期にあるということを忘れてはいけない。この一年、MtGox とビットコイン・コミュニティは素晴らしくエキサイティングなチャレンジに立ち向かってきたが、これからもまだまだ改善せねばならない部分は残っている。</i></blockquote> <br /> <br /> バーチャル貨幣のビットコインが「安心して使える(=安定的な)流通貨幣」として広く世の中で認められるためには、システム面の強化やテクノロジー上の改良改善が待たれることは言うまでもないが、より根本的に致命傷となっている「流動性の低さ、信用力のなさ」という問題がクリアされなければならない。このポイントについて、JPモルガンの為替ストラテジストのJohn Normand がレポートを出している。<br /> <br /> 彼は、「ドルや円、ユーロといった伝統的な不換通貨と比較してビットコインは<span style="color: red;"><b>激しく劣っている(vastly inferior)</b></span>」と評価している。<br /> <br /> ちょっと眠くなってきたので(笑)、このJPMのレポートについては次回にまわすことにしたいが、上でチラッと述べた「流動性の低いエキゾチックな仕組み債」をゴッチャリ抱えていたウォール街の某社が、サブプライムの嵐が去ったときにどんな状態になっていたかだけ、この章の最後に、ビジュアルに記録しておくことにする。<br /> <br /> <br /> <div style="text-align: center;"> <b><ビフォー> 牛が</b></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> &nbsp;<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiKJATDfsSaTIYupRh2b8C8o_WRyLZAytN2nVeY9Tf0Vl5KYdKTrfYD_o5nHAOT73roJfxZoVhEm_dg7aW6l5j7X7WtAJK33N88_XkhLkZRZxK0T2o8bjymb1djpGIC5VhzXtz8TZzH_Wud/s1600/20140218+Merrill.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiKJATDfsSaTIYupRh2b8C8o_WRyLZAytN2nVeY9Tf0Vl5KYdKTrfYD_o5nHAOT73roJfxZoVhEm_dg7aW6l5j7X7WtAJK33N88_XkhLkZRZxK0T2o8bjymb1djpGIC5VhzXtz8TZzH_Wud/s1600/20140218+Merrill.jpg" height="266" width="400" /></a></div> <br /> <br /> <div style="text-align: center;"> <b><アフター> 豚に</b></div> <div style="text-align: center;"> </div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhWXxDMsiowCgBsri8DVrFAXApLbK4XkeT36I3gk3W6EemedHStToQxNFfVp9AnjQOMyhNrDTvlacQuM785AXK9bJAfmQAcycz3wNiwPUtMyBpAvbe-ANt8OmjYsgAQZA2kAV7jX9Az_wZS/s1600/20140218+Tonkatsu.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhWXxDMsiowCgBsri8DVrFAXApLbK4XkeT36I3gk3W6EemedHStToQxNFfVp9AnjQOMyhNrDTvlacQuM785AXK9bJAfmQAcycz3wNiwPUtMyBpAvbe-ANt8OmjYsgAQZA2kAV7jX9Az_wZS/s1600/20140218+Tonkatsu.jpg" height="300" width="400" /></a></div> <div style="text-align: left;"> <br /></div> <div style="text-align: left;"> (続く) </div> http://wholekernel.blogspot.com/2014/02/blog-post_18.html[email protected] (TrinityNYC)1tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-8127595704413308124Mon, 03 Feb 2014 19:47:00 +00002014-02-03T16:33:51.157-05:00Equity Marketパーマブルの逆襲<br /> パーマブル(Perma Bull)という言葉をご存知だろうか。なにがあろうが、「永遠にブル」な人達のことである。 <br /> <br /> 米株が軟調ぎみだと暗くウジウジしながらも目元に笑みが隠せないパーマベア(Perma Bear)の心配をよそに、パーマブルは今日もこんなチャートを配って元気ハツラツ。<br /> <br /> S&amp;P500の純利益マージンは、業務ベース、経常ベースともに、9%付近でイケイケらしいよ。<br /> <br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjb3Yymlce3BUbRmB7pxueZP7BNcHCq-7HzKz4ROQokwNM3BedaAPdQOXStiuNHufA8uoJFCYhPDilhGHCo3MIP3volxiiHqhVxDoM0Y6txkc6KOYFJwcNFLDORuoXCbD4100U4n_eR0Cfi/s1600/ProfitMargin.jpg" imageanchor="1"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjb3Yymlce3BUbRmB7pxueZP7BNcHCq-7HzKz4ROQokwNM3BedaAPdQOXStiuNHufA8uoJFCYhPDilhGHCo3MIP3volxiiHqhVxDoM0Y6txkc6KOYFJwcNFLDORuoXCbD4100U4n_eR0Cfi/s1600/ProfitMargin.jpg" height="300" width="400" /></a></div> <br /> <br /> <br /> &nbsp; <br /> このチャートが紹介されていた<a href="http://www.businessinsider.com/sp-500-margins-return-to-all-time-high-2014-2?nr_email_referer=1&amp;utm_source=Triggermail&amp;utm_medium=email&amp;utm_term=Markets%20Chart%20Of%20The%20Day&amp;utm_campaign=Moneygame_COTD_020314" target="_blank">記事</a>によると、米株界パーマブル代表、ドイチェ証券の株ストラテジスト、デビッド・ビアンコ(David Bianco)は、米国企業の収益性は2014年に更に高くなる、と考えてるそうだ。<br /> <br /> ビアンコの米株式強気の背景には、数年前まで激しくアンダーファンデッド(Underfunded)だった米国の企業年金ファンドがほとんど水面下から回復したことがある。回復の背景としては、①金利上昇でホールドしてた債券に損失が発生したが、その損失をカバーして余りあるほど株式市場が好調だったこと、そして、②金利上昇の恩恵(割引率が高くなることで年金の将来オブリゲーションのキャッシュフローの現在価値が下がる) の両面がある。<br /> <br /> 彼は、2014年も企業にとっての年金関連コストが減少する(あるいは会計上利益になるケースも)ためボトムの業績にプラスに働く、と見ているわけ。<br /> <br /> <br /> さらに、企業側はここ何年かでガガーンと資金不足状態に陥り相当痛い目にあったこともあって、事業決算数値を悪化させる年金関連のボラティリティを外そうというインセンティブが強く働いている、というのも、彼のブルの理由のひとつである。<br /> <br /> つまり、<br /> <br /> 1) 自社の年金形態を、昔からひきずる「確定給付型(Defined Benefit)」から、401Kのような「確定拠出型(Defined Contribution)」へと移行させる企業が増えていて、このトレンドはリバースすることはない、<br /> 2) 確定給付型年金の絶対額は、この先退職者が増えるにつれ減ってゆく、<br /> 3) それに従い、マーケット・リスクは企業のB/S上から従業員(投資家本人)へとシフトされ続け、企業側のリスク・エクスポージャは減少してゆくから、将来の株価の下落が企業業績に与える影響度も限定的になってゆく<br /> <br /> と、まぁ、こういう(ブルな)ストーリーラインのようだ。<br /> <br /> 2012年には、SP500のうち、確定給付型年金が全額資金充足していた(Fully Funded)のは20社も無かったそうだが、そうした重度の資金不足(Underfunded)の状態から、2013年末までにはほとんどが脱したというのは事実らしいから、年金関連の損失軽減という分析には、それなりの妥当性はあるといえばありますね。  <br /> <br /> <br /> <br /> しかしですね・・・。<br /> <br /> この、ビアンコさんといえばですね・・・SP500のターゲットを2008年10月まで1650にしていたという、『伝説のひと』である。 <br /> <br /> もういちど言うよ。<span style="font-size: large;"><b>2008年10月まで</b></span>。<br /> <br /> (※ 忘れちゃったひとのためにいちおう書いておくと、リーマンショックは2008年9月15日に起こりました。)<br /> <br /> このひとは、そんじょそこらのパーマブルじゃないんである。鋼鉄の筋金入りである。<br /> <br /> 証拠記事(as of 10/8/2008)ご用意しました、はい、どうぞ。(当時はUBSの方でした。)<br /> <br /> <h1> <a href="http://www.reuters.com/article/2008/10/06/sandp500-research-ubs-idUSBNG36407920081006" target="_blank">UBS's David Bianco cuts S&amp;P 500 12-month target</a></h1> <h1> <span style="font-size: small;"><span style="font-weight: normal;">&nbsp;</span></span></h1> <h1> <span style="font-size: small;"><span style="font-weight: normal;">危機の真っ最中2008年~2009年に、S&amp;P500で800ポイント上を睨んでいた伝説の男、ビアンコ。</span></span></h1> <h1> <span style="font-size: small;"><span style="font-weight: normal;">上のイケイケなチャートは、<span style="font-size: x-large;"><span style="color: red;"><b>パーマブルの逆襲</b></span></span> と読むべきなのか。</span></span></h1> <h1> <span style="font-size: small;"><span style="font-weight: normal;">そんなことを考えながら、ふと本日の米株インデックスを見たら、絶好調で下げてましたわ・・・。</span></span></h1> <h1> <span style="font-size: small;"><span style="font-weight: normal;">&nbsp;</span></span></h1> <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody> <tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEib4WgSE955aMyTIcJVT9iIr21AUh_I_vEfIb7bX7W9gal-lZAzy35WhlbOEBkC2GJDXgHUbQggFvM16wNJMbdZEp4DISdKysoZ-kaa9XK7rxofXZG8Jm2h1_scnNxIWuGV5Xe8M_5pk7PD/s1600/20140203+SP500.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEib4WgSE955aMyTIcJVT9iIr21AUh_I_vEfIb7bX7W9gal-lZAzy35WhlbOEBkC2GJDXgHUbQggFvM16wNJMbdZEp4DISdKysoZ-kaa9XK7rxofXZG8Jm2h1_scnNxIWuGV5Xe8M_5pk7PD/s1600/20140203+SP500.png" height="400" width="391" /></a></td></tr> <tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">S&amp;P500/2014年2月3日午後2時23分現在</td></tr> </tbody></table> <h1> &nbsp;</h1> <h1> <span style="font-size: small;"><span style="font-weight: normal;">(追加) イエレンFRB議長初日に、ダウ終値326ポイントも下がったんで、これも記念に貼っておく。</span></span></h1> <h1> <span style="font-size: small;"><span style="font-weight: normal;">&nbsp;</span></span></h1> <table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody> <tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiDlMzIEsWJmAF_sWYp7hzrpbJwbmyRpEwg3ig9WZREdCmvw0TYy9V7heUPIJkF7dqYRugoc91KGQ424rkZAC3_jKHZ7AwtSX_DNG1ugHXLPfLwr-NUXidtjX5SoTudah3wukw0p2y-xckh/s1600/20140203+DOW.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiDlMzIEsWJmAF_sWYp7hzrpbJwbmyRpEwg3ig9WZREdCmvw0TYy9V7heUPIJkF7dqYRugoc91KGQ424rkZAC3_jKHZ7AwtSX_DNG1ugHXLPfLwr-NUXidtjX5SoTudah3wukw0p2y-xckh/s1600/20140203+DOW.png" height="400" width="373" /></a></td></tr> <tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">ニューヨーク・ダウ/2014年2月3日終値 </td></tr> </tbody></table> <h1> <span style="font-size: small;"><span style="font-weight: normal;">&nbsp;</span></span></h1> <h1> <span style="font-size: small;"><span style="font-weight: normal;">&nbsp;&nbsp;</span></span> </h1> http://wholekernel.blogspot.com/2014/02/blog-post.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-1008322727096245408Sat, 25 Jan 2014 22:14:00 +00002014-02-19T10:44:46.908-05:00banksBitcoin投資対象としてのビットコイン先日、NHKの『クローズアップ現代』がビットコインを取り上げたそうで、わたしのツイッターのTLにやたらとビットコインの言葉が並んだ。(番組のトランスクリプトはこちらを。)<br /> <br /> <b><span style="font-size: large;"><a href="http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3455.html" target="_blank">仮想通貨 VS 国家:ビットコインの衝撃 </a></span></b><br /> <br /> <br /> この番組に対応して、日本デジタルマネー協会フェローの大石哲之さんが、ツイッターで、ビットコインについて抑えるべきポイントをわかりやすく解説してました。大石さんのツイートをまとめたTogetterエントリーも読ませていただきました。<br /> <br /> <b><a href="http://togetter.com/li/619326" target="_blank"><span style="font-size: large;">【Togetter】 ビットコインについて判りやすい解説</span></a></b><br /> <br /> <br /> この10年ほどでのアマゾンなど仮想空間でのネットショッピングの成長ぶりをみれば、仮想空間で通用する仮想通貨の構想が生まれ成長してくることに対し、わたしは極端な違和感もなければ、また上の大石さんの解説にもあるように、<b><span style="color: red;">多大なる成長性を秘めていることを否定するものでもありません。</span></b><br /> <br /> ただし、このビットコイン、可能性を秘めてるというのはよくわかるけれども、「投資対象」としてみた場合どうよ、という話になると、いろいろ思うところある次第です。<br /> <br /> それにつきまして、ウダウダと思いつくままつぶやいた私のツイートはこちらにまとめてあります。<br /> <br /> <span style="font-size: large;"><b><a href="http://togetter.com/li/619413" target="_blank">【Togetter】金融資産としてのビットコインについて</a></b></span><br /> <br /> <br /> 上のまとめで、要するにわたしが何がいいたいかというと、<br /> <br /> 1) 仮想”通貨”と言ったところで、現段階においては、「グローバル通貨」と呼べるようなシロモノからは程遠く、ビットコインそのものは、株や債券といった通常の金融資産と変わらない。<br /> <br /> 2) 投資対象となる金融資産は、ビットコインだろうが株だろうが債券だろうがコモディティであろうが、その価値は基軸となる通貨(この場合ドル)を用いて価値を測り表示している。<br /> <br /> 3) ビットコインという名の金融資産の価値は大きく上下している、つまり、ビットコインのボラティリティは非常に高い。<br /> <br /> 4) 通常の通貨のように国家(あるいは共同体)の信用がくっついていないので、ファンダメンタルズの裏づけがなく、価値は純粋にその場その場のフローとテクニカルでのみで決定する。<br /> <br /> 5) 発行枚数に限りがあり、流動性は極めて低い。<br /> <br /> 6) 3+4+5から言えることは、投資対象となる金融資産としては、ビットコインの投機性は極めて高く、まぁハッキリいって、現状のステータスはチューリップの球根と大して変わらんな、ということである。 <br /> <br /> <br /> これら私のつぶやきの中からいくつか拾って、内容を補充しておきたいと思います。<br /> <br /> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 基軸通貨をドルにおいて、「おっ!いま850ドルだなっ!来週は1000ドルだぞっ!」とか言ってたって、肝心の1000米ドルのキャッシュに実際に換金できなければ、その価値は幻想なんだよ。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425668545541070850" target="_blank">January 21, 2014</a></blockquote> <br /> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 先日紹介したように、合法マリワナ取り扱い業者(合法ですぞ!)ですら銀行口座あけさせてもらえないのが現実だっつーのに、ビットコインをのこのこ銀行に持っていって、「すんまへん、これ900ドル、100ドル紙幣にしてください」と言って替えてくれる普通の銀行があるわけないだろーが。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425669210841575424">January 21, 2014</a></blockquote> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br /> <blockquote class="twitter-tweet" lang="en"> 結局だな、米国の麻薬捜査当局が取り押さえたという250ミリオンダラーズものビットコインも、現存の通貨システムの内側で現金化する(Liquidateする)ことができない。従って、どうするかというと、ビットコインの幻想を追い求める人たち御用達の投資ファンドに当局は売るとか聞いたよ。<br /> — TrinityNYC (@TrinityNYC) <a href="https://twitter.com/TrinityNYC/statuses/425670665505886209">January 21, 2014</a></blockquote> <br /> 通貨にして通貨にあらず。特定の取引所でドル表示されている金融資産である。(なお、3つ目のツイートの250は25の間違いです。)<br /> <br /> 「合法マリワナ取り扱い業者が通常の銀行で銀行口座をあけさせてもらえない」という話は、今年1月11日付けのNYタイムズのこの記事のことである。<br /> <br /> <br /> <h1 class="story-heading" itemprop="headline"> <a href="http://www.nytimes.com/2014/01/12/us/banks-say-no-to-marijuana-money-legal-or-not.html?smid=tw-share&amp;_r=0" target="_blank">Banks Say No to Marijuana Money, Legal or Not</a></h1> <h1 class="story-heading" itemprop="headline"> </h1> <h1 class="story-heading" itemprop="headline"> &nbsp;</h1> 米国では医療用マリワナの解禁を認める州が相次ぎ、またコロラド州のように嗜好用マリワナの販売も始まった地域もあるが、商業銀行はマネーロンダリングに巻き込まれることを恐れて、合法だろうがなかろうが、マリワナビジネス相手に口座は作ってくれない。ビジネス口座はもちろんのこと、個人口座を用いようとしても、その口座を出入りするマネーがマリワナ販売と関係していることが判明すれば、銀行側はその口座を閉鎖する。そのため、合法ではあるものの、大麻関連ビジネスオーナーらは基本的にキャッシュによるトランザクションに依存せざるを得ない状況におかれている、という内容である。<br /> <br /> 記事にあるが、合法販売で集めた税金なのに、銀行経由での決済手段を持てないから、何万ドルという$ゲンナマ$を車に積んでビクビクしながら運転して払いに行く、とか、トンデモなことをやってるらしいんである。45年前の三億円事件の時代じゃあるまいし。<br /> <br /> しかし、銀行の立場からしてみたら、この新興業界(?)の拡大可能性はあると判断できたとしても、現状の市場サイズから見込めるリターンと、そこと関わることで潜在的にエクスポーズされるリーガル・リスク(マネロンが発覚したときの当局からの銀行への制裁含む)の大きさを天秤にかけたら、口座を作ってあげようというインセンティブなんてあるわけないんだから、当たり前の話である。<br /> <br /> 合法でも、このザマ。<br /> <br /> となると、違法のドラックディーラーにしてみたら、ビットコインなる無法地帯の新通貨は渡りに舟、そりゃー飛びつくでしょう。 <br /> <br /> で、いまどうなってるかというと、そういう違法取引の現場から差し押さえたビットコインをたんまり保有しているFBIが、「単独ホルダー」としては、現在最大という笑えない話になっている。まとめの最後のほうの会話に出てくるが、ビットコインの最大のホルダー(所有者)は、噂のサトシ・ナカモトさんはじめ一握りのアーリーアダプターであることはそのとおりなのだが、彼らはいくつものウォレットに分散して所有していて、それらを名寄せしてあるひとりのホルダーとして特定することができない。そのため、差し押さえのビットコインをウォレットに溜め込んでいるFBI(=米国政府)が、目下特定できる世界最大のホルダーなのである。<br /> <br /> <br /> <h1> <a href="http://www.wired.com/wiredenterprise/2013/12/fbi_wallet/" target="_blank">Who Owns the World’s Biggest Bitcoin Wallet? The FBI</a></h1> <br /> また、最初にあげたNHK番組のトランスクリプトでも紹介されていたが、昨年の10月にネット上で違法ドラッグ売買サイト「シルク・ロード」が摘発されたときにFBIが差し押さえた25ミリオンダラーズ分のビットコインは、裁判所からリクイデートしてもいいよという許可おりて、FBIは近くこれらをオークションにかけるとか。下が今年1月16日付けのForbesの記事だ。(この記事以降にくだんの$25ミリオンがどうなってるかは、フォローしてないから、知らない。)<br /> <br /> <h1> <a href="http://www.forbes.com/sites/kashmirhill/2014/01/16/the-feds-are-ready-to-sell-the-silk-road-bitcoin-kind-of/?utm_campaign=techtwittersf&amp;utm_source=twitter&amp;utm_medium=social" target="_blank">The Feds Are Ready To Sell $25 Million of Bitcoin Seized From The Silk Road</a></h1> <br /> <br /> このForbesの記事の最後のほうに、<a href="https://www.secondmarket.com/" target="_blank">SecondMarket</a>の話が出てくる。<br /> <br /> SecondMarketというのはご承知の方も多いだろうが、未上場株式などを扱うトレーディング・サイトで、フェースブック(Facebook)がIPOする前の未上場株も、ここで活発に売買され話題になりましたね。<br /> <br /> このSecondMarketは昨年、<a href="https://www.secondmarket.com/company/bitcoin-investment-trust" target="_blank">ビットコインを集めて作ったインベストメント・トラスト</a>のシェアを売買できるというビークルを市場に持ち込み、そのままだとちょっと闇市の香り漂うビットコインの取引を、機関投資家でも参加できる取引の形にして、それでも話題になった。<br /> <br /> (引用) <br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;">I recently spoke with Barry Silbert of SecondMarket, which famously introduced a Bitcoin Trust last year allowing institutional investors to get their hands on Bitcoin through Wall Street channels rather than through street or online buys. When the fund launched in September, it had nearly 18,000 Bitcoin. Now it has 70,000. I asked him how the firm went about acquiring its bitcoin.</span><br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;"> </span><br /> <span style="font-family: Verdana,sans-serif;">“We purchase it from around the world,” said Silbert. “Directly from merchants, miners and early adopters. We needed to be able to buy Bitcoin without moving the market and we have to make sure we’re not buying from any illicit sellers.”</span><br /> <br /> <br /> <br /> <br /> トラストに蓄積されたビットコインは昨年9月のローンチ時は1万8千枚だったが、わずか3ヶ月かそこらで4倍近くの7万枚に増えている。前述したとおり、流動性が低くボラが高くフローでのみ価値が上下するビットコインを市場にインパクト与えずに買い集めるためには、アーリーアダプターやそれを決済手段として受け入れるマーチャント(ネットショップなど)から直接買い付け、増やしていった、という。<br /> <br /> 「夢の仮想通貨」も、ウォール街の相場関係者にしてみたら、ボラが高くて触りがいのある話題の金融資産、ということですかね。 <br /> <br /> (次回につづく)<br /> <script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> http://wholekernel.blogspot.com/2014/01/blog-post_25.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-2748402165094792549Fri, 10 Jan 2014 04:39:00 +00002014-01-10T00:07:33.353-05:00banksNew YorkNYTUS Politicsシリコン・シティわあああ、あっという間に2014年になってしまいました!! <br /> <br /> なんと、2013年はついに、ひとつも記事をポストしなかった、という怠けぶり。<br /> <br /> <br /> 2014年は、少しこころを入れ替えてブログ書く時間もみつけようと、いま、決心しました。それで、ブログデザインのテンプレートも変えてみました。 <br /> <br /> さて、2012年の夏に長年住んだマンハッタンのアパートを売却し、同年秋に、NY市のすぐ北に位置するウェストチェスター郡に一軒家を購入し引越してきたわけですが、勝手の違う郊外での生活に慣れるまで、実際、まる1年かかりました。<br /> <br /> いまでも自分はニューヨーカーと思っていますが、遊びや仕事でシティに出かけると、街いっぱいに溢れる過剰なエネルギーと騒々しさに疲れてきて、静かな郊外の自宅にはやく戻りたいと感じるようになってきています。<br /> <br /> 以前はビルを出ると目の前にスーパーもレストランもドラッグストアもなんでもある生活をしていたのに、いまはどこに行くにも車です。でもそれにも完全に慣れ、いまや「車のない生活」など想像することすらできません。 <br /> <br /> 犬達はもちろん広々とした庭付き郊外の生活はストレスもなく超ハッピー。シティを出てから、ただの一度も下痢したり吐いたりしません。(マンハッタン時代は、毎月のように、どこか具合悪くなって医者に連れていったりしてたのでした。)<br /> <br /> ということで、新生活に慣れるのにかまけているうち、ブログを全く更新しなかったわけですが、いまこうしてこころを入れ替えましたので(笑)、引き続きよろしくお願いいたします。<br /> <br /> <br />    ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆    ☆ <br /> <br /> <br /> 先週は、郊外のご近所さん主催の新年パーティにお呼ばれして出かけ、そこでマンハッタンにオフィス構える大手金融機関で現在セルサイドで証券アナリストとして勤めてる方と知り合い、かつて自分も同業だったことから、初対面なのに話が弾んだ。<br /> <br /> 彼曰く、ニューヨークシティはたしかに景気盛り上がって調子よくなってきてるけど、ウォール街の大手ハウスにはかつての活気は戻っていないし、トレーディングフロアでも、株価こそ好調なれど基本的に取引ボリュームそのものが足りてないんで、They are not so happy campers. とも言ってました。<br /> <br /> 米国で業務展開する欧州系の金融機関も、金融危機の負の遺産処理継続と新自己資本規制の重みから、どこも台所事情はかなり苦しいらしい。米国の金融機関は、「まあ、最悪期去って、金利もじゅんぐり上がるだろうし、ボチボチなんとかなるでしょう」というざっくりしたイメージでわたしらは同意しあったけど、ヒャッホーーー!と盛り上がる局面じゃないよねぇ・・・と。<br /> <br /> われらアナリスト業界も、危機時にコスト削減し過ぎて中堅・シニアのクビを切りまくったのが祟り、経験も知識も浅い(つまり雇う側からすると安いw)アナリストが割合として増え、また、アナリストひとりあたりの受け持ちがやたら多くて馬車馬のように働かされてる割りには分析は表層的になっているし、仕事は増えても給料増えず、といった暗い話も聞きましたよ。orz <br /> <br /> <br /> <br />    ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆    ☆ <br /> <br /> <br /> ということで、米金融業界の内情を聞いてみると、各社CEO達が決算発表のたびにバラ色ストーリーを振りまいてるほどにはバラ色でもない様子なのだが、ニューヨークシティ全体でみると、シティの経済状況は西のサンフランシスコなどとならび極めて良好で、米国の他の地域から頭ひとつ抜きん出て回復が顕著になっている。<br /> <br /> NY市の不動産価格もけっこう好調である。マンハッタンのみならず、川を越えたブルックリンやクイーンズでも、エリアによってレンタル・セールスともに絶好調。New York Daily Newsに、今日付けで、こんな記事。<br /> &nbsp; <br /> <h1 class="story-header" itemprop="headline"> <a href="http://www.nydailynews.com/new-york/touch-brooklyn-sales-rental-markets-strong-2013-reports-article-1.1570807" target="_blank">Brooklyn real estate keeps soaring as both sales and rental markets end 2013 on a high note&nbsp;</a></h1> <br /> 1990年代から2000年代中盤までは、ニューヨークシティの経済のけん引役といえば金融セクターだったわけだが、 それがここ数年で相当様変わりしている。その様変わりについて、1月6日のNew York Timesに関連記事があったので、以下に紹介する。<br /> <br /> 2013年、ニューヨーク経済のけん引役はテクノロジー業界が完全に取って替わったのである。<br /> <br /> <h1 class="story-heading" itemprop="headline"> <a href="http://www.nytimes.com/2014/01/07/opinion/new-york-the-silicon-city.html?_r=0" target="_blank">New York, the Silicon City</a></h1> <br /> 以下、拙訳。<br /> <br /> 『先週、ビル・デブラジオが新市長となりニューヨークシティの地域経済の舵取りを任されることとなったが、金融危機崩壊後、ニューヨーク経済は米国の他地域を大きく引き離し景気拡大が進んでいる。それもマンハッタンの一角でと言う話ではなく、シティ全体で回復が見てとれる。テクノロジー・情報セクターの拡大により、今日のニューヨークは、2007年~2008年にかけての金融セクター主導のブーム時よりもさらに多くのプライベートセクター雇用数を誇っている。<br /> <br /> &nbsp;ここ10年余りをかけて、ニューヨークは、サンフランシスコ、ボストン、シアトルに対抗するテクノロジー・シティに成長した。そして、それは金融・法曹セクターとそれらに便乗するホテル業のようなサービス・接客業への依存からの脱却によって成し遂げられた。デブラジオ新市長に与えられた課題は、このトレンドを引き継ぎすべてのニューヨーカーがそこから利益を得られるようにすることだ。<br /> <br /> デブラジオ氏の前任者であるマイケル・ブルームバーグには、ニューヨークが「デジタル・シティ」として勃興するのを可能にした人物として自らを誇るに足る理由がある。彼の指揮下で、テクノロジー・情報セクターは、金融セクターに次ぐ市の第二の最強経済エンジンとしての地位を固めた。「インターネット・パブリッシングおよびウェブサーチ・ポータル」産業に従事する人口は、2007年には6%をやや越える程度だったが、現在では市の10%を占めている。<br /> <br /> 驚くべきことに、このテク・ブームの恩恵に授かっているグループの中心はマイノリティだ。2010年以来、同市でコンピューターおよび数学関連の職種(国勢調査ではテクノロジー関連業務と呼ばれる仕事)に着く黒人の数は、ここ数年で19.7%増加している。(最新国勢調査データからの予備分析ベース。)<br /> <br /> 同様に、ヒスパニックの数も25.4%の伸びである。 これと対照的に、同種の職業におけるヒスパニックではない白人人口では2010年以来わずか6.4%の増加にとどまっている。<br /> <br /> ニューヨークのテクノロジー関連産業で働くマイノリティの数が急激に増加している背景には、テクノロジー分野で学位を取得するマイノリティ学生が近年大幅に増えていることが理由のひとつにあげられるであろう。例えば、全米教育統計センターによれば、コンピューター・情報科学で学士号を取得したヒスパニックの学生は過去3年で40%増加している。これらの人材サプライがニューヨークの雇用市場に吸い上げられた背景には、同市のテクノロジー・情報産業の雇用市場が逼迫しており、企業側が従来のソースを越えて人材確保に走った事情があげられる。<br /> <br /> テク・ブームの恩恵は同市の5つの地区*すべてに行き渡っている。2008年中盤から2013年中盤までの期間中、プライベート・セクターの雇用数の伸びは、マンハッタン区でわずか3%だったのに対し、他の4区では9%だった。これは、金融ブーム下でマンハッタン区の雇用数が他の地区をはるかに凌ぐペースで伸びたのとは逆である。(<span style="font-size: x-small;">注*:NY市はマンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタテンアイランドの5つのborough=地区から構成されている。</span>)<br /> <br /> さらに、グーグル社やマイクロソフト社のような企業がNY市からはまだ産まれていないという懸念をよそに、デジタル・シティとしてのニューヨークは成長を続けている。 コンファレンス・ボードのデータを用いたプログレッシブ・ポリシー・インスティチュートの分析では、2013年の最初の11ヶ月間で、コンピューター・数学関連業務の求人広告数は全米で前年比4.0%増だったのに対し、ニューヨーク市では6.8%増を示した。<br /> <br /> その代わり、40万人を雇用する娯楽・サービス産業がNY市の弱みだ。総雇用者数は伸びてはいるが、実質給与が下がっている。これはおそらくホテルやレストランの需要を生み出す金融・法曹セクターが引き続き弱いことに起因しているのだろう。この実質賃金の減少は、他の分野で伸びているNY市の地域経済の足を引っ張っている。<br /> <br /> これから新市長は何を学ぶことができるだろうか。ニューヨークの経済拡大は、テクノロジー・情報セクター の成長を目指してブルームバーグ政権が積極的に施した刺激策が功を奏した点には疑問の余地はない。これらの施策には、テク・インキュベーターのための資金提供、小規模テク企業支援を目的とした「Made in NY」のマーケティング・キャンペーン、市全体を網羅するブロードバンド・アクセスの急激な拡大、広範囲に渡り市が着手したオープン・データ戦略(公共およびソフトウェア・デベロッパーに対し市のデータを使用可能にする)、コーネル大とイスラエル工科大学テクニオンを選抜しルーズベルト島に広大な新キャンパスを建設、などが含まれる。<br /> <br /> デブラジオ氏は新市長就任式のスピーチで立派な公約、特に収入ギャップの縮小をめざすと述べたが、その目標達成のためにも、新市長は上記政策を継続すべきである。テクノロジー・情報産業ブームをこの先も促進し続けねばならない。なぜなら同産業はNY市の隅々まで新規雇用を創出し、金融と不動産に過剰に依存していたかつての状態を是正するのに役立っているからだ。そしてこの状態が続くことで、将来NY市の経済、ひいては税収が、より安定的なものになると考えられるからだ。<br /> <br /> 就任スピーチでデブラジオ氏はニューヨークのすべての子ども達がよりよい教育を受ける必要があると力説したが、それは正しい。そしてそれについても、テクノロジーを中心に据えた市のアジェンダ継続の一部として実行すべきだろう。学校を改良しテクノロジー分野で優位に立ち続けるために、新市長は市の学校教育でテクノロジーおよび関連分野の強化を図らねばならない。<br /> <br /> 不均衡の是正と市の繁栄拡大を実現させる主策とは、ニューヨーカーが未来の職に向けて準備を進めるためのより良い教育とトレーニングに他ならない。その実行に成功すれば、デブラジオ氏は偉大な市長としてのレガシーを遺すことができるだろう。』<br /> <br /> (投稿者のマイケル・マンデル氏はProgressive Policy Instituteの経済ストラテジストで、South Mountain Economicsという経済分析会社社長。)<br /> <br /> (おわり)<br /> <br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2014/01/blog-post.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-324348625000456028Tue, 01 Jan 2013 00:12:00 +00002013-01-03T12:14:56.636-05:002012年も年末になってしまいました!気がつくと、2012年12月31日です。<br /> <br /> 前回のエントリーはなんと2月。10ヶ月もエントリーをサボってしまいました。<br /> <br /> 今年は、昨年の延長のようなニュースが続いたせいもあって、積極的に経済関係のニュースを追いかけてブログにしたためようという気持ちがなぜか失せてしまいました。そうこうしてるうちに年末を迎えてしまった、というわけです。<br /> <br /> アメリカでは11月に大統領選挙があり、オバマ大統領が再選を果たしました。オバマ一期目は、彼が政権を引き継いだばかりの4年前と比べると、あの最悪期は脱したものの、4年間途切れることなく民主と共和の二党間が対立する状況が続いて、これといってパッとしないうちに選挙本番を迎えたという感じ。<br /> <br /> オバマ政権下での経済復興にちから強さが見られなかったことで、オバマに対する失望の声は少なからずあったものの、それでも、米国は極端な保守へのシフトを歓迎はせず、ミット・ロムニーを推す共和側は十分な票を取れず、オバマ民主政権の続投を許した。<br /> <br /> 今年の大統領選のテーマは後にも先にも、Jobs! Jobs! Jobs! ということだったわけだが、2007年のリセッション以降、米国の雇用状況がどう回復してきているかは、このおなじみのチャートをどうぞ。(<a href="http://www.calculatedriskblog.com/2012/12/employment-report-more-positives-than.html">Calculated Risk</a>から)<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhw-ZwNQecaJbu1AyKg1CI_zrxbzgxM9_KZllJKn1buSR56ktpaVL_WgS7_Wtu5b4Y25kTJdGIK8diN2_mdWYo889hOolP9nSHIexdfPIkMcjPjDTagw2rVaf-jjKitjvOSKFOGWdgaUmAE/s1600/EmployRecNov2012.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="258" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhw-ZwNQecaJbu1AyKg1CI_zrxbzgxM9_KZllJKn1buSR56ktpaVL_WgS7_Wtu5b4Y25kTJdGIK8diN2_mdWYo889hOolP9nSHIexdfPIkMcjPjDTagw2rVaf-jjKitjvOSKFOGWdgaUmAE/s400/EmployRecNov2012.jpg" width="400" /></a></div> <br /> 縦軸は就業数がピークの時を0.0%としており、リセッション後のジョブマーケットの回復振りを見ることができる。ピーク時から数えてすでに58ヶ月が経っているが、落ち込み方が激しかった分、いまだに米国の雇用は水面下にいる。戦後の景気後退に起こった雇用悪化の中では最悪、回復に要する時間も最長で、回復がこのペースで続くとすると、ゆうにあと数年は現在のダラダラ状態が続きそうだと示唆する図である。<br /> <br /> ただしポジティブな点も強調しておくと、ダラダラと長期間かかってはいるが、着実に戻してきている、ということでしょうかね・・・。<br /> <br /> 筆者としては、2013年の米国経済も、2012年のようにこれといって印象的なイベントが起こらないまま、ダラダラ&ノッタリと回復を続けてゆくのではないかと思っているのだが、米国内外どこからともなくショックが襲ってきて、このチンタラ回復曲線が途中で腰折れて下降線に変わらないよう祈るばかりである。<br /> <br />      ★     ★     ★     ★     ★<br /> <br /> さて、筆者の私生活のほうである。<br /> <br /> 米国経済は2012年はいまいちパッとしない状態だったが、筆者個人にとっての2012年は、大きな変化が訪れた年だった。<br /> <br /> その大きな変化というのは、1993年から20年近くも住み続けたマンハッタンのMurray Hill地区のアパートを売却してしまった、ということだ。<br /> <br /> 2012年は、その前年や前々年と比べるとNYCの住宅不動産市場に結構底堅い雰囲気が出てきたという手ごたえを強く感じた年だった。<br /> <br /> このアパートは、2011年にも売り物件として出したのだったが、2011年の間は、まだBottom Feeders(底値を漁り買い叩くバイヤーのこと)が多いという印象で、こちらの言い値に近いビッドで食いついてくるバイヤーがなかなか現れてこなかった。そこで、いったんリストから外した。<br /> <br /> ところが2012年に入り、不動産市場が活発になりだす春先に再び売り物件としてリストしてみると、こちらの希望売却価格から極端に乖離していないレベルをスタートにビッドを入れてくる買い手が実際に何組も現れた。<br /> <br /> <br /> 最終的には、リスティングプライスから3%のディスカウントがかかった売却価格で交渉がまとまった。ディスカウントがかかったとはいえ、破格の安値だったわけでもない。マンハッタン内の同様のエリアの同様のユニットの価格と対比させても、だいたい期待値に収まったのではと思う。<br /> <br /> いわば、「そこそこのお値段」で、それなりのキャピタルゲインも伴って売れたわけだ。2008年からインベントリーが着実に減少しており、マンハッタンにはもう、超お買い得物件は残っていない。<br /> <br /> 私たち夫婦が93年から賃貸(サブレット)していたこのユニットを元のオーナーから買ったのは、前回マンハッタンの不動産がボトムをつけた1995年。さらに1997年には隣接していたもうひとつのユニットを当時の破格値で買い増して、1999年に二つのユニットを繋げ、かなり広めのアパートに改装・改築して住んでいた。<br /> <br /> 住み始めた1993年から売却した2012年までの19年間に、バスルームやキッチン、ユニット接続など、4度にわたる大規模な改装工事を行ったのだが、2軒のユニットのオリジナルコストに改装コストを加えたコストベースよりも高い値段で売れた。<br /> <br /> この不動産市況下でもそれなりのプロフィットを出せたのは、ひとつには当該物件を17年間という長期に渡って所有したこともあるが、もうひとつは、ニューヨークシティという地の利、である。「不動産はLocation, Location, Location」という言葉があるが、マンハッタンという場所に不動産を抱えたのは正解だったとつくづく思った次第である。<br /> <br /> NYのコンド・Co-op市場のブローカーとしてで大きなシェアを持つ「Corcoran Group」が、つい先日発表したばかりの『<a href="http://www.corcoran.com/Content/CorcoranReportQ32012.pdf">マンハッタン住宅不動産:3Q2012の四半期レポート』</a>に、私が住んでいたMurray Hill地区を含むMidtown EastのエリアのCo-op 売買状況について、こう書いている。<br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> The Midtown East co-op market experienced significant median price gains this quarter. Median price increased 10% from last year and 14% from last quarter. Average price per square foot reached $732 this quarter, representing a 4% increase from last year and 3% increase from last quarter. </blockquote> <br /> <blockquote class="tr_bq"> 「ミッドタウン東側(マンハッタン島の北限57丁目、南限34丁目、西限5番街、東限イーストリバーに囲まれたエリアを指す)のCo-Op市場で売却された物件のメディアン価格は2012年第3四半期にめざましい上昇がみられた。メディアン価格は前年同期比で10%、前四半期対比で14%の上昇率だった。スクエアフットあたりの平均価格は$732に上昇、これは前年同期比で4%、前四半期対比で3%の伸びだった。」(注:スクエアフット=Square Foot=0.092平方メートル)</blockquote> <br /> 「前年同期比で10%以上の上昇」というのは、上述したとおり、2011年と2012年のマーケットにおいて私自身がセラーとして売買に参加してみて、実際に手ごたえとして得た感触そのもの、である。<br /> <br /> あの物件をあと数年持ち続けていれば、おそらくもう少し高い価格で売却できたのかもしれない。しかし、投資というのは、欲の皮をつっぱらかしてばかりいても始まらない。<br /> <br /> 売るタイミングが来たと思ったら売る、そして、次のフェーズに移るのだ。<br /> <br /> マンハッタンの住処を7月に売却した後は、数ヶ月間メイン州の田舎小屋に引きこもって夏を過ごした。そして、今年10月にマンハッタンの北側に位置する郊外ウェストチェスター郡に一軒家を購入し、ふたたびニューヨーク近辺に戻ってきた。<br /> <br /> NYから北に電車で一時間の場所に新拠点を構え、わたしの人生そのものも新たなフェーズに入ったのだ。 <br /> <br />      ★     ★     ★     ★     ★ <br /> <br /> ということで、このブログ名の元になったマンハッタンの『Murray Hill』というエリアの住民ではなくなってしまいました。<br /> <br /> でも、ブログ名称をいまさら変更するのも面倒だし、20年以上も住んだからいまだに愛着もあるので、このまま書き続けることにします。<br /> <br /> 今年も、いろいろな方との出会いがあり、TwitterやFacebookなどSNSでのおしゃべりも楽しませていただきました。<br /> <br /> あと5時間もすれば、ニューヨークも2013年を迎えます。<br /> <br /> みなさま、今年もお世話になりました。2013年も引き続きよろしくお願いいたします。<br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2012/12/2012.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-2755571512406733647Tue, 28 Feb 2012 21:25:00 +00002012-02-28T17:22:25.014-05:00チャート不動産向こう数年はダメダメが住宅不動産のコンセンサス前回は、地域によっては(←ここ重要)、賃貸料が上昇してきてますね、という話をした。<br /> <br /> しかし、住宅価格となると、どうも失速気味。<a href="http://finance.yahoo.com/news/home-prices-tumble-december-p-141150377.html?l=1">今朝発表されたケース・シラー・インデックス</a>は20都市平均で0.5%下がり、2003年1月以来の低水準に戻った。(グラフは<a href="http://www.calculatedriskblog.com/2012/02/case-shiller-house-prices-fall-to-new.html">Calculated Risk</a>から)<br /> <br /> グラフ1:ケース・シラー(87年以降、季節調整前ノミナル)<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjEsGG4BNsItd-XAHinNpH8lb3r3aA3EhOJRpFq5kQ0mXyjjQI_YSfV6ZKZXNE8DUsLWNQ2vHlk-i5s74jCOKXJbbY6yLsJCYU021BXUTPVU65BKhEy4ukEOYV8TS0EOlJrEEHoSkChcgw/s1600/CSDec2011.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="278" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjEsGG4BNsItd-XAHinNpH8lb3r3aA3EhOJRpFq5kQ0mXyjjQI_YSfV6ZKZXNE8DUsLWNQ2vHlk-i5s74jCOKXJbbY6yLsJCYU021BXUTPVU65BKhEy4ukEOYV8TS0EOlJrEEHoSkChcgw/s400/CSDec2011.jpg" width="400" /></a></div> <br /> グラフ2:ケース・シラー(88年以降、季節調整後、YoY増加率)<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjJ3AcD1rilwUJUffr5E5aGTdHgd-cyfRPL19UaAQtzVmgFAImIWAHbe7kaHGPNz05AuVnOZBZ3BdLLqgNAIzdKemof4gyujPYtR1Tk4QEPtnj01W0n35XLWfbCz1NGOH5az3Clo49gkzE/s1600/CSYoYDec2011.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="276" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjJ3AcD1rilwUJUffr5E5aGTdHgd-cyfRPL19UaAQtzVmgFAImIWAHbe7kaHGPNz05AuVnOZBZ3BdLLqgNAIzdKemof4gyujPYtR1Tk4QEPtnj01W0n35XLWfbCz1NGOH5az3Clo49gkzE/s400/CSYoYDec2011.jpg" width="400" /></a></div> <br /> ノミナルのチャートでみるとそこそこ下げ止まり感は見えるものの、持ち上がるのに苦労してる。(形状としては、富士山の格好をした日本の不動産価格のグラフにソックリですな。)<br /> <br /> 増加率でみても、オバマの政府補助プログラムでいったん水面上に出たものの、またマイナス圏に戻って、はい上がれない状態にいる。<br /> <br /> 前回のエントリーでは、アネクドータルにはやや底打ち感が出てるエリアがNYにはある、と書きましたけれど、ちょっと持ち上がってきたな~という雰囲気が出てくると、鳴りを潜めていたシャドーインベントリーが、待ち構えていたようにゴチャーッと市場に出てきたりする。<br /> <br /> そのため、なかなか需給に硬さが出ない。全米でシャドーインベントリーは膨大な数に登ると言われているため、需給がソフトなままではなかなか価格上昇にモメンタムがつかない。住宅価格は、さらなる大幅下落は避けられたとしても、需給がヤワヤワのために、価格急上昇というシナリオは目下のところ存在していないも同じ。<br /> <br /> 今日のBBCでは、ニューヨーク・シティから東に向かって2時間ちょっとのところにあるロングアイランドの超高級リゾート住宅地の<a href="http://www.bbc.co.uk/news/business-17190719">ハンプトンズ(Hamptons)の不動産の状況がレポート</a>されていた。<br /> <br /> <br /> <object data="http://www.bbc.co.uk/emp/external/player.swf" height="400" type="application/x-shockwave-flash" width="512"> <param name="quality" value="high" /> <param name="wmode" value="default" /> <param name="allowFullScreen" value="true" /> <param name="allowScriptAccess" value="always" /> <param name="flashvars" value="playlist=http://playlists.bbc.co.uk/news/business-17190719A/playlist.sxml&config=http://www.bbc.co.uk/player/emp/2_0_29/config/default.xml&holdingImage=http://news.bbcimg.co.uk/media/images/58760000/jpg/_58760128_58760127.jpg&config_settings_autoPlay=true&uxHighlightColour=0xff0000&enable3G=true&fmtjDocURI=/news/business-17190719&config_settings_showPopoutButton=false&embedReferer=http://www.bullfax.com/?q=node-video-house-hunting-hamptons&config_settings_showUpdatedInFooter=true&preroll=http://ad.doubleclick.net/pfadx/bbccom.live.site.news/news_business_content;slot=preroll;sz=512x288;sectn=news;ctype=content;news=business;referrer=nonbbc;domain=www.bbc.co.uk;referrer_domain=www.bullfax.com;rsi=J08781_10057;rsi=J08781_10008;rsi=J08781_10034;rsi=J08781_10048;rsi=J08781_10051;rsi=J08781_10053;rsi=J08781_10055;rsi=J08781_10073;rsi=J08781_10099;rsi=J08781_10103;rsi=J08781_10119;rsi=J08781_10126;rsi=J08781_10132;rsi=J08781_10138;rsi=J08781_10152;rsi=J08781_10153;rsi=J08781_10168;rsi=J08781_10170;rsi=J08781_10172;rsi=J08781_10176;headline=househuntinginthehamptons;asset_type=media_asset;story_id=17190719;keyword=;tile=1&config_plugin_fmtjLiveStats_pageType=eav1&embedPageUrl=http://www.bbc.co.uk/news/business-17190719&companion2Type=adi&companions=slot:companion|size:300x60|type:adi|domId:bbccom_companion_17190719;slot:mpu|size:300x250|type:adi|domId:bbccom_mpu;&config_plugin_fmtjLiveStats_edition=US&companion1Id=bbccom_companion_17190719&companion2Id=bbccom_mpu&companion1Size=300x60&domId=emp-17190719-87000&companion2Size=300x250&config_settings_showShareButton=true&companion1Type=adi&config_plugin_fmtjLiveStats_pageType=eav6&config_settings_autoPlay=false&config_settings_showFooter=true&config_settings_showPopoutButton=false&config_settings_showPopoutCta=false&config_settings_addReferrerToPlaylistRequest=true" /> </object> <br /> <br /> ハンプトンズといえば、フィッツジェラルドの名作『華麗なるギャツビー』のスノブな舞台。<br /> <br /> 昔から、富裕層の別荘地として知られたエリアで、ここはミリオン・ダラー・ホームが数多く建ち並ぶ。そんなハンプトンズで、30年来と言われる不動産不況が深刻化、富裕層でも持ち家を維持できなくなっている。価格が$1ミリオン以上のディストレス物件が、ハンプトンズだけで1000以上も売りに出ているというのだ。<br /> <br /> 米史上初めて富裕層が、他のどの層よりも速いレートで持ち家を失っている。<br /> <br /> BBCニュースのビデオで紹介されているのは、当初$6ミリオンで売りに出された物件だが、もう5年も売れずにこうして空き家になっている。持ち主は銀行への借金返済のために何が何でも売らなくちゃならなくて、現在は当初の言い値の半分の$3.2ミリオン。銀行側もこの価格を承知してるそう。<br /> <br /> NYエリアの不動産鑑定の専門家Miller SamuelのJonathan Millerは、このBBCのインタビューで「不動産に関して明るい数字がチラホラ踊って見えるものの、向こう数年はまだまだダメ、というのが市場コンセンサス」と語っている。<br /> <br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2012/02/blog-post_28.html[email protected] (TrinityNYC)1tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-5266176763478588384Sun, 26 Feb 2012 00:27:00 +00002012-02-26T11:45:43.377-05:00チャート不動産住宅価格は上がらなくても家賃は上がる<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> 住宅価格は下がっているが、賃貸のほうは上昇し続けているというNYタイムズの記事。</div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> <br /></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> <a href="http://www.nytimes.com/2012/02/25/business/homes-arent-selling-but-its-an-apartment-landlords-market.html?_r=1">Rents Keep Rising, Even as Housing Prices Fall</a></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> (NY Times, 2/24/2012)</div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> <br /></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> ただし、どの街でもそうだというわけではなく、地域差はかなり明確。</div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> <br /></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> 下の図(NYタイムズから)によると、ワシントンDCはリセッションが始まって以来、リーマンショックもなんのその、一度もマイナスに陷ることなく上昇し続け。テキサス州経済が好調なオースティンも好調。ボストン、シアトルなども好調。サンフランシスコ、ニューヨークは一度激しく落ち込んだが急上昇で復活モード。</div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> <br /></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> 一方いまだに住宅市場の深傷が癒えていないLA、フェニックス(アリゾナ州)、ラスベガスはいまだディープにマイナス圏。フロリダ州オーランドも賃貸料の上昇鈍い。(図をクリックすると拡大します。薄い線が全米平均。)</div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> <br /></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: left;"> <br /></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://graphics8.nytimes.com/packages/images/newsgraphics/2012/0225-rent/0225-web-RENT.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="217" src="http://graphics8.nytimes.com/packages/images/newsgraphics/2012/0225-rent/0225-web-RENT.png" width="400" /></a></div> <br /> <br /> ワシントンDCの場合は、民間がグシャッと潰れて虫の息だった間でも、やれ救済だ、新たな規制の作成だ、政府主導の景気刺激プログラムだ失業対策だ、なんだかんだ、と政府関係の仕事だけはワンサカあって、不況であればあるほど盛り上がるという、気味悪い地域キャラ(笑)が功を奏していると思われる。<br /> <br /> サンフランシスコは、シリコンバレーのハイテク関係の職で盛り上がっているところは盛り上がっているそうで、レント急上昇なのもうなづけますね。<br /> <br /> ニューヨークに関していうと、金融街はいまだ昔の元気は取り戻していないものの、「不動産はLocation! Location! Location!」の言われの通り近郊からマンハッタン内への移動も起こっていたりして、マンハッタン内の賃貸(レント)は実際目立って上昇していて、それに呼応するように、売買物件のほうも、賃貸が多いゾーン(60~70平米程度の居住面積の1ベッドルームから1.5ベッドルーム(Junior 4と呼ばれる)物件)の回転率が高まってきているのが、なんとなく感じられる。<br /> <br /> 筆者は去年から、<a href="http://zillow.com/">Zillow.com</a>や<a href="http://trulia.com/">Trulia.com</a>や<a href="http://streeteasy.com/">Streeteasy.com</a> などの不動産検索サイトを駆使して、かなり熱心にニューヨークとその近郊の物件価格を睨み続けてきているのだが、マンハッタンの中およびブルックリンの一部では、エリアによっては物件の価格下げ止まり感が顕著になってきているのがわかる。 <br /> <br /> 賃料は上がり続けるうえに、モーゲージ金利も史上最低値のあたり(現在30年固定で4%以下)にあるということで、一部ではお買い得感が出たり潜在バイヤーの触手が動いていることは間違いない。<br /> <br /> 住宅を買った場合と賃貸をした場合とでどちらが有利かを考慮する際、住宅を買った場合のキャッシュ・アウトフロー(全額個人所得税の控除対象になっている住宅ローンの金利分を調整後の実質賃料換算値)と賃貸のキャッシュ・アウトフロー(毎月払う家賃)を対比させる<b>【Rent Equivalence】</b>で比較してみるのがアメリカでは一般的に行われているが、上記NYタイムズの記事で、どちらが有利かをビジュアル化してみせてくれる計算機のインターアクティブサイトがあったので、紹介しておく。<br /> <br /> <a href="http://www.nytimes.com/interactive/business/buy-rent-calculator.html?ref=business">Is It Better to Buy or Rent?</a><br /> <br /> このサイトで「例」になってるケースは、現在月額家賃1,100ドル払っているひとが、17万2千ドルの家を年率5.5%のローンを組み頭金20%でプロパティ税1.35%の地域に購入した場合、5年で賃貸するより購入したほうがよくなる、という計算結果である。<br /> <br /> 住宅資産や賃料の年率上昇率、モーゲージ・ローンの借入期間や売却時のキャピタルゲインの税控除対象額など、いろいろ試算の前提を変えて計算することができるすぐれもの。<br /> <br /> 遊び始めると面白くて止まらなくなるかも・・・。<br /> <br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2012/02/blog-post.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-5313078728093059894Mon, 13 Feb 2012 18:16:00 +00002012-02-13T20:33:37.998-05:00マクロ経済政治関連オバマの2012年度予算概要【メモ】今日出された、2012年10月1日から始まる米国の年度予算。<br /> <br /> わかりやすい図表。(単位:$ビリオン) <a href="http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204795304577221094233504880.html?mod=fbapp_art_morewsj">WSJから</a>。<br /> <br /> 歳入:$2,902 <br /> 歳出:$3,803<br /> 赤字:$901<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://graphics.wsj.com/documents/BUDGET0212/images/info-BUDGET1202-receipts.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="175" src="http://graphics.wsj.com/documents/BUDGET0212/images/info-BUDGET1202-receipts.jpg" width="400" /></a></div> <div style="text-align: center;"> (クリックすると拡大します。) <br /> <br /> <div style="text-align: left;"> <br /> 財政赤字は2012年度にいったん膨らみ、2013年度から縮小してゆくという見込み。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://graphics.wsj.com/documents/BUDGET0212/images/info-BUDGET1202-deficit.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="175" src="http://graphics.wsj.com/documents/BUDGET0212/images/info-BUDGET1202-deficit.jpg" width="400" /></a></div> <br /> 赤字縮小のためには、歳入を増やして、歳出を縮める(という【予定】)。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://graphics.wsj.com/documents/BUDGET0212/images/info-BUDGET1202-cash.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="175" src="http://graphics.wsj.com/documents/BUDGET0212/images/info-BUDGET1202-cash.jpg" width="400" /></a></div> <br /> <br /> 内訳では、軍事費を削減しても、医療費は年々上昇し続ける。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://graphics.wsj.com/documents/BUDGET0212/images/info-BUDGET1202-defMed.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="175" src="http://graphics.wsj.com/documents/BUDGET0212/images/info-BUDGET1202-defMed.jpg" width="400" /></a></div> <br /> <br /></div> <div style="text-align: left;"> さらに、別の<a href="http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204883304577221342883636060.html?mod=rss_opinion_main#articleTabs%3Darticle">WSJの記事</a>から、以下のグラフ。歳入と歳出の過去トレンド。こちらもわかりやすい。</div> <div style="text-align: left;"> <br /></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://si.wsj.net/public/resources/images/ED-AO904_1obama_NS_20120213173908.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="http://si.wsj.net/public/resources/images/ED-AO904_1obama_NS_20120213173908.jpg" width="327" /></a></div> <div style="text-align: left;"> <br /></div> <div style="text-align: left;"> <br /></div> <div style="text-align: left;"> そして、Outlays(歳出)がReceipts(歳入)を上回った状態が続くと、国家の借金はどうなるかというグラフ。わかりやすい。</div> <div style="text-align: left;"> <br /></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://si.wsj.net/public/resources/images/ED-AO903_1obama_NS_20120213173902.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="http://si.wsj.net/public/resources/images/ED-AO903_1obama_NS_20120213173902.jpg" width="327" /></a></div> <div style="text-align: left;"> <br /></div> <div style="text-align: left;"> <br /></div> <div style="text-align: left;"> <br /></div> </div>http://wholekernel.blogspot.com/2012/02/2012.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-1258824658411074091Sat, 11 Feb 2012 18:24:00 +00002012-02-29T15:15:52.101-05:00欧州関連銀行関連預貸率の国際比較 from 日銀資料さっき、日銀の白川総裁による講演の邦訳を読んでいた。<br /> <br /> <a href="http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2012/ko120210a.htm/">アジアにおける金融:バンキング・ビジネスと資本市場</a><br /> (国際コンファレンス・前夜ディナーレセプション(日本証券業協会主催)における基調講演の邦訳, 2/9/2012)<br /> <br /> (以下引用)<br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> もともとアジアの金融機関は、「国内預金をベースに貸出を行う」という伝統的な――あるいはベーシックな――ビジネス・モデルに立脚してきました。実際、アジア各国の貸出/預金比率をみると、100%を下回る国が大半を占めています(図表1)。国内預金を主たる資金調達源とするビジネス・モデルは、ホールセール市場への調達依存度が高い場合に比べて、資金流動性リスクが低いと考えられますが、今回の金融危機においては、この点もアジアの金融機関にとってプラスに働いた可能性があります。</blockquote> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjCT4c6WDVHJban70jHFwrQmLdHeJg184IpSrsg5YsLn7m33XSWS04N58zwCZ5Imfkx_VvCw38bSRBYAPLFziJVoCDywb20iZkFxK17ylY9E6h0ObmcypkFeZiImNYggEWhBJ7_3qAHDqPm/s1600/BOJ+Shirakawa.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="297" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjCT4c6WDVHJban70jHFwrQmLdHeJg184IpSrsg5YsLn7m33XSWS04N58zwCZ5Imfkx_VvCw38bSRBYAPLFziJVoCDywb20iZkFxK17ylY9E6h0ObmcypkFeZiImNYggEWhBJ7_3qAHDqPm/s400/BOJ+Shirakawa.png" width="400" /></a></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <br /></div> 確かに、日銀総裁が言うとおり、アジアの銀行の預貸率は100%以下(=預金が貸出金を超えている)に固まっていて、この比率であれば、イザ!という時、バランスシートに急激に強い流動性ストレスがかかることは避けられるでしょうね。<br /> <br /> しかし、このグラフで筆者がむしろ目を惹かれたのは、逆に、PIGS諸国がどこも預貸率で130%を超えている方で、市場資金への依存度が高い分、流動性リスクにモロにさらされているという点だな。<br /> <br /> ソブリン危機が銀行B/Sの流動性に思いっきり悪影響を及ぼしているというのは、誰もが多かれ少なかれ“感触”としては抱いていただろうけれど、こうしてグラフにしてもらうと、その感触にハッキリと輪郭がついてくるような感じ。こんな格好のバランスシートしてて、ある日突然価値が半分になるかもしれないような某国の国債なんて、誰がホイホイ喜んで買えますか?<br /> <br /> <a href="http://money.cnn.com/2011/11/30/news/economy/fed_ecb_dollar_liquidity/index.htm">昨年11月末から世界中の中央銀行からリクイディティのプレゼントがドカンドカン落とされて</a>、12月のサンタクロース・ラリーをもたらし、市場流動性への懸念は以来かなり落ち着いてきているようであるし、昨年夏・秋に「死に体」状態にあった欧州銀行シニア債の発行が可能になってきているということも、<a href="http://wholekernel.blogspot.com/2012/01/blog-post_12.html">拙ブログの1月12日のエントリーで紹介</a>した。<br /> <br /> だが同時に、預貸率がこういう状態の銀行システムなのに、そこでシニア債が正常に発行できない状態が夏からしばらく続いたというのは、欧州銀行の当事者らにとってはどんだけシンドかったか、(いまさらながら)想像できるな。また、本当の意味で銀行債市場が正常化してくれないと、このストレスは容易にはなくならない、ということも。そして、ここから示唆されることとして、貸出側の強い締め付けは続きそうですよね、ということも。現状はECBのファシリティにおんぶに抱っこでいれるから、まだ首の皮は繋がってますけど。<br /> <br /> 先週は、ギリシャ救済資金の大前提となってる歳出カットでギリシャ政府はその案を最終承認したというニュース。<br /> <br /> <a href="http://www.businessweek.com/news/2012-02-11/papademos-gets-cabinet-approval-for-second-greek-bailout.html">Papademos Gets Cabinet Approval for Second Greek Bailout</a><br /> (Bloomberg, 2/11/2012)<br /> <br /> しかし、市場では、もう2年も市場で取りざたされてきたソブリン危機がこれで収束に向かうと楽観的に考えている人は少数派のようにも見える。<br /> <br /> <a href="http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203824904577213312150673758.html?mod=googlenews_wsj">Greek Bailout Gains Could Fade Fast</a><br /> (Wall Street Journal, 2/10/2012)<br /> <br /> <a href="http://business.time.com/2012/02/10/why-the-greek-bailout-doesnt-change-much-of-anything/#ixzz1lzG7W61V">Why the Greek Bailout Doesn’t Change Much of Anything</a><br /> (Time, 2/10/2012)<br /> <br /> まぁ、いろいろあるけど、その国の銀行システムが流動性不安抱えたままで、実態経済のほうはギクシャクしないで安定してゆく、というのはちょっとあり得ない組み合わせなように、わたしは個人的に思っているんで。<br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2012/02/by.html[email protected] (TrinityNYC)3tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-5242419969175492479Tue, 31 Jan 2012 17:29:00 +00002012-02-11T13:50:31.979-05:00マクロ経済欧州関連欧州の若年層の失業率66年ぶりの豪雪に見舞われたというスイスのダボス。「魔の山」は天にも見放されたのか・・・。<br /> <br /> 今年のダボス会議に出席されてる(らしい)竹中平蔵氏のツイートがTLを流れてきた。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjrLSn5KvehtULrFDSj5GjX7fcHrDVyorxef2G_qcZQVXhqN8pdf2m_wUiReBrmtjcd-IqNRXG8CLhlm7H2tr0fbetpCADFd-lk_OtjlfyuIB1yQOdIj8D3qqeUB2B9GSv-_A4zKAOnFWHv/s1600/Heizo.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="188" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjrLSn5KvehtULrFDSj5GjX7fcHrDVyorxef2G_qcZQVXhqN8pdf2m_wUiReBrmtjcd-IqNRXG8CLhlm7H2tr0fbetpCADFd-lk_OtjlfyuIB1yQOdIj8D3qqeUB2B9GSv-_A4zKAOnFWHv/s320/Heizo.png" width="320" /></a></div> <br /> 「ユーロ圏各国の自助こそが必要だ。」はい。<br /> <br /> しかしですよ、氏のこのツイート上に、こころに留めておくべき重要なインフォメーションが何かひとつでもあるであろうか。<br /> <br /> ダボス会議の経済フォーラムとしての地盤沈下も、そろそろ目に余るようになってきたな。<br /> <br /> 昨年のちょうど今頃、このブログに『<a href="http://wholekernel.blogspot.com/2011/01/blog-post_25.html">ダボス会議に出席なさりたい方のために</a>』という記事を書いていたのだが、今年はなにかトピック拾って記事を書こうという気すら起こらない。今年も、去年の記事に書いたとおりです。<br /> <br /> ただし記録しておこうと思ったのは、<a href="http://www.zerohedge.com/news/europes-scariest-chart">Zerohedgeの記事</a>で紹介されていた欧州のワカモノの失業率のチャート。16歳~24歳の労働者の場合、欧州圏全体では20%程度だが、ギリシャ・ポルトガル・スペインの懸念されてる3カ国ではそれより目立って高く、しかもトレンディングアップしている。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://www.zerohedge.com/sites/default/files/images/user5/imageroot/2012/01/Youth%20Unemployment%20Europe_0.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="290" src="http://www.zerohedge.com/sites/default/files/images/user5/imageroot/2012/01/Youth%20Unemployment%20Europe_0.jpg" width="400" /></a></div> <br /> スペインの若者は、ふたりにひとりが失業中とな・・・。<br /> <br /> 今回のダボス会議で欧州リーダー達が「失業対策の必要性」をことさら強調するはずですね。しかし債務削減のために財政緊縮を進めるのはいいが、やりすぎると、この失業率の数値はさらに悪化しかねない。<br /> <br /> 今日付けのGlobe&amp;Mailに若年層失業について記事が載っていた。具体的な数値が出ていたので、書き留めておく。<br /> <br /> <a href="http://www.theglobeandmail.com/report-on-business/top-business-stories/the-rising-toll-in-europe-young-jobless-and-hopeless/article2319870/?utm_medium=Feeds%3A%20RSS%2FAtom&amp;utm_source=Home&amp;utm_content=2319870">The rising toll in Europe: Young, jobless and hopeless</a><br /> (The Globe and Mail, 1/31/2012)<br /> <br /> <ul> <li>ユーロ圏17カ国の失業率は平均で10.4%。EU圏全体になると9.9%。</li> <li>だが国別に見ると差が大きい。</li> <li>同率が低いのは、オーストリア(4.1%)、オランダ(4.9%)、ルクセンブルグ(5.2%)。</li> <li>高いのはスペイン(22.9%)、ギリシャ(19.2%)、リトアニア(15.3%)。</li> <li>若者層になると状況は深刻。EU全体で22%、国別ではスペイン(48.7%)、ギリシャ(47.2%)、スロバキア(35.6%)。</li> <li>ドイツの失業率は史上最低6.7%まで低下。</li> </ul> <br /> ドイツの場合はユーロ圏内で最も共通貨幣の恩恵を受けてきて、また昨今のユーロ安の影響も享受して一人勝ち状態ではあるが、スペインやギリシャなど、この失業率の状態で更なる財政緊縮を進めてゆくとなると、経済を支える屋台骨そのものに悪影響はでないのだろうかと、こちらが心配になる。若年労働者層の出力が低いままだと、将来の各国の債務返済プラン(←非常に長期に渡る話)にも響いてくる話。<br /> <br /> 同記事の最後のパラグラフ。<br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> <i>・・・the future will continue to look uncertain with the result we could have a lost and disaffected generation which in turn will mean that any measures to bring down debt levels will also fail."</i></blockquote> <blockquote class="tr_bq"> (経済の低成長と競争力の低い労働市場という問題に取り組む戦略をリーダー達が見せないと)この行き場を失い不安に満ちたジェネレーションを抱えたままでは、この先どんなに債務レベルを下げようと頑張っても失敗しかねない。</blockquote> 「Come up with a strategy - 戦略を考えよ。」はい。<br /> <br /> だけど、【a】strategy を考えろと誰もが言うが、【the】strategy を出してくる人は見かけない。抽象的な「~べき」は誰もが語るが「具体的にどうよ」となると答えはない。<br /> <br /> しかし、待てよ、そういう状態こそがまさに、ダボス会議そのもの、ではないか・・・。<br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2012/01/blog-post_31.html[email protected] (TrinityNYC)1tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-6388140511796434295Wed, 25 Jan 2012 07:42:00 +00002012-01-25T09:27:55.321-05:00政治関連オバマのためにニュートに投票?24日夜は、オバマ大統領による一般教書演説があった。<br /> <br /> 演説は、オバマのスピーチの動画とトランスクリプト全文が同時にみれるNYタイムズのこちらが非常にいいです。<br /> <a href="http://www.nytimes.com/interactive/2012/01/24/us/politics/state-of-the-union-2012-video-transcript.html?ref=politics">President Obama's Fourth State of the Union Speech</a><br /> (New York Times, 1/25/2012)<br /> <br /> 筆者も夜9時からTVの前に座って演説を聞いていたのだが、オバマの姿を観ながら、もしも、これ、しゃべってるのがニュートだったらと想像して、心底ゾッとした。&nbsp; <br /> <br /> そう思う人が多いという前提で、今後の戦略としては、民主党員もみな共和党のフリして予備選挙に参加してニュートにガンガン投票し、ニュート選んでオバマ楽勝、という風に持ってゆくのが、いちばんいい。&nbsp; <br /> <br /> そんなことを考えるのは私ひとりではなくて、クリスチャン・サイエンス・モニターに同様の記事があった。<br /> <br /> <a href="http://www.csmonitor.com/Commentary/Opinion/2012/0120/Like-Obama-Vote-for-Gingrich">Like Obama? Vote for Gingrich</a><br /> (Christian Science Monitor, 1/20/12)<br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> <i>In most states, however, unaffiliated voters can vote in either party’s primary, and partisans, in some cases, can cross party lines to vote in the other party’s primary. In these states, which include Texas, Ohio, and Illinois, Obama supporters should show up and vote in the Republican primary – and, for strategic reasons – they should vote for Newt Gingrich.&nbsp;&nbsp;</i></blockquote> <blockquote class="tr_bq"> <i>Many people are unaware that there is considerable variation in primary election systems – across both states and parties. <b>The Supreme Court has ruled that states cannot dictate primary election participation rules to parties</b>, and parties in many states do not restrict participation to partisans. So Democrats in these non-closed primary states can show up and vote in the Republican contests. Given the shear number of Democrats in these states, their influence in Republican contests can be considerable.</i></blockquote> <br /> <blockquote class="tr_bq"> (拙訳)多くの州では、どちらかの党に所属していない有権者でも予備選挙で投票することができる。また党員であっても、党派のラインを超えて相手の党の予備選で投票することも可能な場合もある。テキサス、オハイオ、イリノイなどがそうした州の例だが、オバマのサポーターは共和党の予備選挙に出かけていって、戦略的な理由からニュート・ギングリッジに投票するべきだ。</blockquote> <blockquote class="tr_bq"> 多くの人に知られていないことだが、予備選挙システムは州によっても党によってもかなりのバリエーションがある。<b>州は予備選挙の参加者ルールを支持政党でくくることはできないという最高裁の判決があるし</b>、多くの州は参加者を党員に限定していない。そのため、こうした党限定にしていない州の民主党員は共和党員のコンテストに出向いていって投票できるのだ。これらの州の民主党員の数を考えれば、共和党コンテストでの影響は相当なものになろう。</blockquote> <br /> 予備選参加者ルールを党でくくれないという「最高裁判決」があるなんて、筆者もこの記事読むまで知らなかった。<br /> <br /> 自分らの推す候補者の勝利を確実なものにするために、他党員が敵政党のプライマリー(予備選)に出向いて戦略的に投票するというのは、過去に実例があって、1930年代のニュージャージー州の知事選挙では、2万人の民主党員が共和党プライマリーにおしかけてゆき、『One-Day Republicans(一日限りの共和党員)』と呼ばれてスキャンダルになり、大騒ぎだったそうだ。<br /> <br /> <a href="http://www.cityofjerseycity.org/hague/earlycareer/forward.shtml">NJ州ジャージーシティ市のサイト</a>に、その記述がある。<br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> <i>In a field of four candidates, Judge Carey lost to State Senator Morgan F. Larson, of Perth Amboy through an electoral sleight-of-hand implemented by Frank Hague. <b>Twenty thousand Democrats, mostly from Hudson County, invaded the Republican Primary to insure Carey’s defeat. The “One Day” Republican scandal rocked the State.</b></i></blockquote> <br /> 2万人も他人の庭に押しかけていったとは・・・アメリカ人は、政治に熱くなる人がほんと多いですねww (記述も「invade」という単語を使ってて笑った。)<br /> <br /> ニュートはこれまでいくつかの州で開かれた党員集会や予備選挙で、共和党内の政敵ロムニーを相手にかなり健闘しているものの、上述のクリスチャン・サイエンス・モニターの記事にもあるように、本選になれば彼の過去の発言のブレや人物像がいろんな角度から突っ込まれやすいというのと、イデオロギー的に考え方が極端すぎて中道票が取りづらい、といった理由から、共和党内でも、「ニュートではオバマと戦えない」「共和党最終候補者としては弱い」という見方が依然と根強い。(だから、相手がニュートならばオバマは勝てる、という見方がある。)<br /> <br /> 一方のロムニーだが、彼の場合はルックスと頭の回転のよさでは共和候補者の中ではいちばん大統領らしく(笑)、消去法で行けばロムニーになるだろうと考える人が実際多いし、また、共和内中核ネオコン軍団も(やはり消去法で)ロムニーを推すと決めたようだ。<br /> <br /> だが彼は、プライベート・エクイティのベイン・キャピタルの創始者で、「政界入りする前はウォール街のハゲタカだった」というイメージがどうしてもつきまとい、またビジネスの成功者として年収もハンパない金持ち。リーマンショック以来「悪徳ウォール街」に責任押し付け魔女狩りに便乗して票集めしてきた米政界だけに、彼のそういうバックグラウンドが本選でどう影響するかいぶかしむ人もいる。<br /> <br /> 24日のオバマの一般教書演説では、富裕層にやさしい(というか、配当収入や投資キャピタルゲインにかかる連邦税率が15%で低いんですよね)個人所得税の現状を是正するよう訴える内容も含まれていたが、ロムニーの場合、まさに、この「投資収入で食ってる富裕層」に相当する。<br /> <br /> <br /> ミットはずっと個人所得税の申告書を公開を拒んでいたが、周囲から連日圧力かけられて、ついに公開するハメに。<br /> <br /> <br /> それによれば、彼の2010年の年間所得は$20ミリオン超、年間$3ミリオンの寄付を行なったが、年収のほとんどが投資収入であるため、税金支払額は$3ミリオン、つまり、「不公平」とされてる15%程度の実効税率なんである。2011年もやはり$20ミリオン超の収入。<br /> <br /> <a href="http://www.npr.org/2012/01/24/145690497/romney-paid-3-million-in-federal-taxes-in-2010?ps=cprs">Romney Paid $3 Million in Federal Taxes in 2010</a><br /> (NPR, 1/24/2012)<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://www.mrc.org/biasalert/uploads/2012-01-24-ABC-GMA-Romney.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="236" src="http://www.mrc.org/biasalert/uploads/2012-01-24-ABC-GMA-Romney.jpg" width="320" /></a></div> <br /> 筆者はなんだかんだ言って最後はロムニーが最終候補者になるだろうと思ってはいるのだが、個人的には、例の「わんこ事件※」でヤツの本質を見た気がして、ロムニーは生理的に好かない。ヤツが最終候補になっても、何がなんでもオバマに再選していただきたい。<br /> <br /> ※「ロムニーわんこ事件」につきましては、パーソナルブログのほうに以前書きましたので、ご興味あるかたは、こちらをどうぞ。<br /> <a href="http://fastlaneslowlife2.blogspot.com/2012/01/dogs-against-romney.html">Dogs Against Romney</a><br /> (Fast Lane Slow Life II, 1/14/2012)<br /> <br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2012/01/blog-post_25.html[email protected] (TrinityNYC)2tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-3212141505261746589Fri, 20 Jan 2012 18:18:00 +00002012-01-25T02:43:50.373-05:00政治関連社会問題アメリカの学費ローン破産今朝、ワンコの散歩途中にラジオを聞いてたら、全米の大学の学費上昇の話題が出てた。番組司会者のトム・キーンは、どこのパーティに行っても、親が集まれば「どうやって子どもの大学費用を払おうか」しか話題にでてこない、といっていた。(この話題のBloomberg RadioのクリップMP3は<a href="http://media.bloomberg.com/bb/avfile/News/Surveillance/vAIHt4g.AwCg.mp3">こちら</a>。)<br /> <br /> いま、アメリカで最も学費が高いのはニューヨーク大学(NYU)でおよそ6万ドルだそう。そしてコロンビア大。4年で24万ドル。家が一件買えるではないか。<br /> <br /> しかし、大学に行くのに一年で6万ドルとかかかったら、よほど優秀で奨学金を相当額貰えるか、あるいは親がある程度裕福でなければ無理だな。卒業と同時に10万ドルだの20万ドルだのといった借金を抱えてしまったら、リベラルアーツ系の学部を卒業しても、卒業後のそれ系の仕事でもらえる給料を考えたら、とても払えない。<br /> <br /> ラジオによると、全米平均になると2万~3万ドル台だそう。しかし、学費が比較的リーズナブルな<b>州立大学でも、州の財政難で大学への補助金が減らされており、それが授業料上昇の形になって学生(とその親)にのしかかって来ている</b>という。カリフォルニア州では州立大学の学費上昇率が前年比で10%超えている。<br /> <br /> オキュパイ・ウォール・ストリートで叫んでいた学生達の中にも、こんなんじゃやっていけんと吠えている学生は少なくなかった。米国では学生ローン破産が社会問題となっていて、昨年の秋、オバマがこれに対し、学生ローンのリスケ案を発表してました。<br /> <br /> <a href="http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204644504576653043088346786.html">Obama to Lay Out Student-Debt Plan</a><br /> (Wall Street Journal, 10/26/2011)<br /> <br /> 政府が用意している学費ローンの他にも民間金融機関から借りた学費ローンもあって<b>多重債務に陥ってる学生もアメリカには少なくない。</b>オバマ案はそれらを一本にまとめてリファイナンスし、金利も減らしてあげよう(といっても最高0.5%だが)という内容のプログラムである。<br /> <br /> わたしの知り合いでも、住宅バブル盛んなころ、ホームエクイティローンを引き出して子どもの学費や寮などの生活費に充てているという親が何人か実際にいましたよ。親は親で、子どもを大学に送るために借金してんだよな。<br /> <br /> で、アメリカの学費ローン破産の問題がどれだけヤバイことになってるかというと、Huffpost のこの記事。<br /> <br /> <a href="http://www.huffingtonpost.com/2011/10/27/obamas-student-loan-plan-_0_n_1034753.html#s73160&amp;title=Jennifer_Dessinger_34">Obama's Student Loan Plan Guide</a><br /> (AP / Huffington Post, 10/27/2011)<br /> <br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> Q: How big a problem is student loan debt?</blockquote> <blockquote class="tr_bq"> A: Total outstanding student debt has passed $1 trillion, more than the nation's credit card debt, and average indebtedness for students is rising. The College Board said Wednesday that the average in-state tuition and fees at four-year public colleges rose an additional $631 this fall, or about 8 percent, compared with a year ago. The cost of a full credit load has passed $8,000 – an all-time high. The board said about 56 percent of bachelor's degree recipients at public schools graduated with debt averaging about $22,000. From private nonprofit universities, 65 percent graduated with debt averaging about $28,000. Experts say those average amounts usually are still manageable, at least for those who finish a degree. But they are concerned about the rate of increase, the growing numbers with substantially more debt and the increase in those apparently in over their heads repaying them. The Education Department said in September that the national student loan default rate for the 2009 budget year had risen to 8.8 percent.</blockquote> <div style="background-color: white; border-bottom-style: none; border-color: initial; border-image: initial; border-left-style: none; border-right-style: none; border-top-style: none; border-width: initial; font-family: Arial, 'Helvetica Neue', Helvetica, sans-serif; font-size: 13px; line-height: 18px; list-style-image: initial; list-style-position: initial; list-style-type: none; margin-bottom: 8px; padding-bottom: 0px; padding-left: 0px; padding-right: 0px; padding-top: 0px; text-align: left;"> (質問)学費ローン借金問題は、どれぐらい大きい問題なのですか?</div> <div style="background-color: white; border-bottom-style: none; border-color: initial; border-image: initial; border-left-style: none; border-right-style: none; border-top-style: none; border-width: initial; font-family: Arial, 'Helvetica Neue', Helvetica, sans-serif; font-size: 13px; line-height: 18px; list-style-image: initial; list-style-position: initial; list-style-type: none; margin-bottom: 8px; padding-bottom: 0px; padding-left: 0px; padding-right: 0px; padding-top: 0px; text-align: left;"> (答え)学費ローンの残高総額はすでに1兆ドルを越していて、米国のクレジットカードでの借入残高よりも大きい。学生ひとりあたりの平均借入額は上昇を続けている。大学理事会(Collage Board)によると、4年制州立大学の秋学期の授業料は、1年前と比べて$631ドル、およそ8%上昇した。フルタイムの学生が取得しなければならない単位数の必要経費は$8000を超え、これもこれまでで最高値。公立大学を学士号を得て卒業した学部生の56%が卒業時に平均22000ドルの借金を抱えている。私立大学卒業生の場合は65%の学部生が平均28000ドルの借金。専門家らは、こうした平均レベルの借金額であれば、少なくとも学位を取って卒業すれば、卒業後の支払いもなんとかなると考えている。しかし懸念となっているのはむしろ上昇率のほうで、これよりはるかに大きな借金を抱えて卒業してくる大学生の数が急増しており、払い切れないことが明らかな学生の数も増えている。教育庁によれば、2009年度の学費ローンのデフォルト率は全米で8.8%に増加したという。</div> <div style="background-color: white; border-bottom-style: none; border-color: initial; border-image: initial; border-left-style: none; border-right-style: none; border-top-style: none; border-width: initial; font-family: Arial, 'Helvetica Neue', Helvetica, sans-serif; font-size: 13px; line-height: 18px; list-style-image: initial; list-style-position: initial; list-style-type: none; margin-bottom: 8px; padding-bottom: 0px; padding-left: 0px; padding-right: 0px; padding-top: 0px; text-align: left;"> <br /></div> <div style="background-color: white; border-bottom-style: none; border-color: initial; border-image: initial; border-left-style: none; border-right-style: none; border-top-style: none; border-width: initial; font-family: Arial, 'Helvetica Neue', Helvetica, sans-serif; font-size: 13px; line-height: 18px; list-style-image: initial; list-style-position: initial; list-style-type: none; margin-bottom: 8px; padding-bottom: 0px; padding-left: 0px; padding-right: 0px; padding-top: 0px; text-align: left;"> <span style="font-family: 'Times New Roman'; font-size: small; line-height: normal; text-align: -webkit-auto;"><br /></span><br /> <span style="font-family: 'Times New Roman'; font-size: small; line-height: normal; text-align: -webkit-auto;">学費ローンを借りた学生の9%近くがデフォっていて(デフォるの定義=9か月延滞しちゃってる)、この数値、現在も更新中。</span></div> <div style="background-color: white; border-bottom-style: none; border-color: initial; border-image: initial; border-left-style: none; border-right-style: none; border-top-style: none; border-width: initial; font-family: Arial, 'Helvetica Neue', Helvetica, sans-serif; font-size: 13px; line-height: 18px; list-style-image: initial; list-style-position: initial; list-style-type: none; margin-bottom: 8px; padding-bottom: 0px; padding-left: 0px; padding-right: 0px; padding-top: 0px; text-align: left;"> <span style="font-family: 'Times New Roman'; font-size: small; line-height: normal; text-align: -webkit-auto;"><b>上述したWSJの記事によれば、大学の授業料は年間5.6%上昇しており、2009年度の学費ローンのデフォルト率は8.8%、その前年度は7%、一年で大きく上がったようだ。2005年度のデフォルト率は4.6%だったそうなので、<a href="http://www.baycitizen.org/education/story/student-loan-default-rate-doubles/">5年待たずして倍増した</a>ことになる。</b></span></div> <div style="background-color: white; border-bottom-style: none; border-color: initial; border-image: initial; border-left-style: none; border-right-style: none; border-top-style: none; border-width: initial; list-style-image: initial; list-style-position: initial; list-style-type: none; margin-bottom: 8px; padding-bottom: 0px; padding-left: 0px; padding-right: 0px; padding-top: 0px; text-align: -webkit-auto;"> <span style="background-color: transparent;"><br /></span><br /> しかし、<a href="http://moneyland.time.com/2012/01/18/what-to-do-if-you-cant-pay-your-student-loans/">FinAid.orgの調べ</a>だと、学生の実に4分の1から3分の1が卒業後の最初の支払いをミスってるという話で(おそらく、不況で卒業後すぐに職が見つからない学生もいるのも理由のひとつかと思われ)、「潜在的」な延滞者は、すでにデフォっている9%(3千600万人のうち400万人)よりずっと多く潜んでいる。<br /> <br /> 学生の中には、シランプリしてればそのうち貸した方も忘れてくれるだろうと甘いことを考えてる輩もいるようだが、自己破産しても、学費ローンはその対象にならないので、払い続ける義務は消すことができない。<br /> <br /> <br /> 下の図は、全米学生ローンのデフォルト率推移。(<a href="http://www2.ed.gov/offices/OSFAP/defaultmanagement/defaultrates.html">Federal Student Aidのサイト</a>から)<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://www2.ed.gov/offices/OSFAP/defaultmanagement/09graph.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="246" src="http://www2.ed.gov/offices/OSFAP/defaultmanagement/09graph.jpg" width="400" /></a></div> <br /> <br /> <br /> フルタイムの学部生のうち、学生ローンを借りた学生の割合はこちら。(大学のタイプ別)<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://www.educationsector.org/sites/default/files/image/Chart01.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="378" src="http://www.educationsector.org/sites/default/files/image/Chart01.jpg" width="400" /></a></div> <br /> これを見ると、学費ローンへの依存は大学のタイプに関わらず全体的に上昇しており、NYUのようなFor Profitの私立大学の場合、90%以上の学生が学費ローンに頼っている、ということになる。<br /> <br /> また、ローンを借りる先も、政府がバックになっているローンプログラムの他、民間からの学生ローンを借り入れる学生の数が急増しており、10年前は5%かそこらだったのが、2008年には3倍の15%に迫ろうとしていた。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://www.educationsector.org/sites/default/files/image/CYCT_StudentAidChart04.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="266" src="http://www.educationsector.org/sites/default/files/image/CYCT_StudentAidChart04.jpg" width="400" /></a></div> <br /> <br /> <br /> Educationsector.orgという団体のサイトに、他にもたくさんのグラフが掲載されており、ことの深刻さが垣間みえます。下は2009年の古い記事ですが、背景を知るのに非常に参考になります。<br /> <br /> <a href="http://www.educationsector.org/publications/drowning-debt-emerging-student-loan-crisis">Drowning in Debt: The Emerging Student Loan Crisis</a><br /> (Education Sector, 7/8/2009)<br /> <br /> <br /></div>http://wholekernel.blogspot.com/2012/01/blog-post_20.html[email protected] (TrinityNYC)4tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-2980083880902436651Thu, 19 Jan 2012 22:11:00 +00002012-01-21T08:31:59.921-05:00EuroGreeceMarket欧州ソブリンは小康状態先週13日の金曜日にS&amp;Pがフランスの欧州ソブリンをトリプルAからダブルAに格下げし、イタリアその他の欧州国8カ国も格下げになった。<br /> <br /> <a href="http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204542404577158561838264378.html?KEYWORDS=downgrade+france">Europe Hit by Downgrades</a><br /> (Wall Street Journal, 1/14/2012)<br /> <br /> 実際の格下げが公表される前に、あちこちの「当局関係者」だの「政府高官」だのが予告編よろしく次々リークしまくるものだから、13日の株式相場は、リークでヘッドラインが出てくるたびにいちいち反応。メディアも一緒になって興奮してた。<br /> <br /> 今日になると、怒り心頭に達したイタリア当局が米格付け会社を<a href="http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012011901001906.html"><b>【市場操作の疑いで家宅捜査した】</b>というニュース</a>まで出てきた。担当アナリストの家を家宅捜査して、「何」を探そうとしてるんでしょうね・・・。記事によると、罪状は「昨年5~7月にイタリアの財政や銀行システムに関する偏った情報を流し市場を捜査した疑い」だそうです。<br /> <br /> まぁ、イタリア政府の気持ちもわからなくはないですよ。90年代後半から2000年度前半にかけて、邦銀や日本ソブリンの格下げが続いていた頃、危機の渦中で目の周りにクマ作っていた日本の関係者らも、家宅捜査とまではいかなくても、格付け会社に対して似たりよったりの反応して騒いでましたからね。<br /> <br /> 「日の出ずる国ニッポンが、何ゆえ、アフリカのボツワナなんぞより、格付け低いんだ!!」<br /> <br /> と、ほうぼうで関係者が喚き散らし、在日ボツワナ大使館が傍らで「何故ワシら?」と当惑してるのもお構いなし、ツバ飛ばしてボツワナをdisりまくり格付け会社を呪い倒し、その品のなさ、みっともなさたるや、海外から失笑・苦笑を買ってたのも、今となっては懐かしき思ひ出・・・。<br /> <br /> いずれにせよ、市場が不安定なさなかにどんどん格下げのニュースが出てくるというのは、何を今更な感があるとはいえ、間違いなく「ヘッドライン・リスク」となっていろんな相場で咀嚼されるから、まるきり無視もできないよね。<br /> <br /> 格付けと債券クレジット市場の動きの関係については、過去にいくつかエントリー書きましたので、ご参考まで。<br /> <br /> -&nbsp;<a href="http://wholekernel.blogspot.com/2011/08/blog-post_05.html">米国債格下げは最も重要性の「低い」問題</a> (MHJ, 8/5/2011)<br /> - <a href="http://wholekernel.blogspot.com/2010/11/cds.html">CDSのImplied Ratingと市場パーセプション</a> (MHJ, 11/27/2010)<br /> <br /> ★   ★   ★   ★<br /> <br /> で、その格付つけられてる肝心の債券はどうよ、というのが今日書き留めておきたい本題なんだが、<b>実際のダウングレードにはほとんど反応せず、概して関連発行体のスプレッドは落ち着いている。</b><br /> <br /> フランスが格下げされたらトリプルAを失うと懸念されてた欧州救済ファンド(EFSF)も、予定どおり格下げされてAAAからAA+に落とされてしまったわけだが、この格下げを受けた後にEFSF発行の債券の対独スプレッドがどうなったかと思っていたところ、このチャートを頂戴しました。(Thanks to <a href="http://yfrog.com/hwvkvg">@BourseBXL</a>)<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://desmond.yfrog.com/Himg644/scaled.php?tn=0&amp;server=644&amp;filename=vkv.gif&amp;xsize=640&amp;ysize=640" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="286" src="http://desmond.yfrog.com/Himg644/scaled.php?tn=0&amp;server=644&amp;filename=vkv.gif&amp;xsize=640&amp;ysize=640" width="400" /></a></div> <br /> これを見ると、欧州に対する悲観度が一気に高まった11月ごろに、対独スプレッドが150bpsを突破、11月21日には205bpsまで駆け上がっていた。<br /> <br /> この段階で、フランスの格下げはある程度シナリオとして織り込まれていて、その後、ECBがドカーンと流動性供給の動きに出たりして、市場での極端な緊迫感は抑制されている。実際の格下げニュースが来たところで、さほど動かない。<br /> <br /> 買い手側からは、<a href="http://www.reuters.com/article/2012/01/17/eurozone-idUSL6E8CG4JH20120117">このロイターの記事</a>によると、「日本はこれまでもEFSF債を買い入れてきたし、格下げで(投資家としての)日本のスタンスが変わることはない」(<span style="background-color: white; font-family: arial, helvetica, sans; font-size: 14px; line-height: 22px;">"Japan has bought them by certain amounts and our stance will not immediately change just because of the downgrade," Azumi told reporters after a cabinet meeting.)</span>との、安住氏の力強いサポートのお言葉も。<br /> <br /> ただ、格下げ公式リリース発表前でギクシャクしていた<a href="http://online.wsj.com/article/BT-CO-20120113-708605.html">13日のWall Street Journalの記事</a>には、こういう記述もあったんですよね。<br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> Yields are surging across the EFSF curve on news that two EFSF guarantors, France and Austria, might suffer a downgrade. <b>"I am seeing only sellers in France and Austria and EFSF is feeling the impact," said a trader.</b></blockquote> <br /> EFSFのギャランター(保証を出す側)の一角でああるフランスとオーストリアが格下げされるかもしれないというニュースを受けてEFSFのイールドカーブは全体に持ち上がっている。<b>「フランスとオーストリアの国債には売りしかいない状態で、EFSFもインパクトを受けている」とトレーダーの言葉。</b><br /> <br /> 19日の今朝は、スペインとフランス国債のオークションがあって、どちらも需要は底堅くあった模様。<br /> <br /> <a href="http://www.washingtonpost.com/business/markets/strong-french-bond-auctions-show-investors-ignoring-downgrade-easily-raises-12-billion/2012/01/19/gIQAhSgGAQ_story.html">Strong French bond auctions show investors ignoring downgrade; easily raises $12 billion</a><br /> (Washington Post, 1/19/2012)<br /> <br /> しかしですね、国債オークションがこうしてうまくいってるのは、ECBがバカスカ買い上げて新発債の需給の調節やってる、というのが背景にあるんじゃなかろうかな。上のトレーダーの言葉にもあるように、懸念が出てくるとドイツ国債以外の欧州債は売り一色になってしまう、そういう地合いにいるには違いないんである。<br /> <br /> 上述した、拙ブログ記事『<a href="http://wholekernel.blogspot.com/2011/08/blog-post_05.html">米国債格下げは最も重要性の低い問題</a>』で筆者は、米国債が格下げされようがされまいがどうでもいい、米国債ほど信用力が高くかつ流動性が高い債券は他にない、市場への影響は限定的だろうし、格下げはむしろ政治的な側面から問題になる程度と述べ、実際そのとおりになった。格下げ後は、ヘッドラインに翻弄されてボラが上がった株市場などから資金が米国債へと流れ込み、米国債のイールドは逆に下がった。<br /> <br /> <b>だが、スペイン国債やフランス国債は、米国債とは、違う。</b><br /> <br /> 中央銀行のバカスカ需給調節におんぶに抱っこでなんとか消化されている。<br /> <br /> 言ってみれば、現在の欧州の一種の小康状態は、またいつ熱がぶり返すか判らない、そういう危うい状態にまだいるのだ、と筆者は感じるのである。<br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2012/01/blog-post_19.html[email protected] (TrinityNYC)2tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-2222129272125468122Fri, 13 Jan 2012 04:30:00 +00002012-01-13T12:22:30.779-05:00banksEuroFRB欧州の資金市場は相変わらずナーバス<div class="tr_bq"> 数日前、ツイッターで、日本の90年代後半の金融危機と07年のグローバル金融危機について、ブツブツとひとりごとをつぶやいていたのだが、それを<a href="https://twitter.com/#!/speculatorbid">@Speculatorbid</a>さんがまとめてくださってたので、ありがたく頂戴いたします。<br /> <br /></div> <br /> <script src="http://togetter.com/js/parts.js"> </script><script> tgtr.ListWidget({id:'240253',url:'http://togetter.com/',width:'320px',height:'240px'}); </script> <br /> <br /> <br /> 年の暮に市場の大方が予想していたとおり、2012年にはいってからも、欧州問題は一進一退を続けているな。ナーバスな動き。<br /> <br /> いろいろな憶測や観測が飛び交って、そのヘッドラインのいちいちにマーケットは浮かれたり落ち込んだりして反応しているけれど、やはり、いちばん根本的なところで、「資金市場の警戒ぶりがハンパない」というのは、重たい事実ですね。<br /> <br /> 上のツイートまとめのいちばん最後のほうに出てくる「銀行が資金を抱え込んでる」という話、重要ですね。年末を無事越せたものの、政府当局が期待してるようには銀行はスッスッと動いてくれず、抱え込みは解消せず。<br /> <br /> 市場全体を包み込んでいるFEAR(怖れ)は、そう簡単には消えない。リクイディティを流しこんでも流し込んでも、サラサラ血液のようにお金が循環してくれない・・・。<br /> <br /> 上のまとめでブツクサ言ってたツイートのうち、どこから情報得たのか裏付けつけていないツイートがいくつかあるので、それの出典(?)のニュース記事リンクを、以下に控えておく。<br /> <br /> <br /> (1) 「米金融機関が欧州エクスポージャをガクンと落としたというおエラいさんの発言」というのは、テレグラフのこの記事。<br /> <br /> <a href="http://www.telegraph.co.uk/finance/debt-crisis-live/9001625/Debt-crisis-as-it-happened-January-9-2011.html">Debt Crisis As It Happens: January 9, 2012</a> <br /> (Telegraph, 1/9/2012)<br /> <br /> この記事の19:28のところに、アトランタ連銀のロックハートが「欧州ソブリンへのエクスポージャ、特に弱小国へのエクスポージャを相当減らした」と述べたという記述あり。<br /> <br /> 19.28  Mr Lockhart added that the Fed would not rule out more money printing even if steady growth and "acceptable" inflation made it harder to justify:<br /> <blockquote class="tr_bq"> <i>Steady even if unspectacular growth accompanied by inflation in the neighborhood of 2pc justifies some reluctance to change, in either direction, the (central bank's) accommodative policy [...] At the same time, I think slow progress toward full employment justifies continuing consideration of whether more can and should be done.&nbsp;&nbsp;&nbsp;</i></blockquote> <br /> On European sovereign debt exposure, he said:<br /> <blockquote class="tr_bq"> <i style="background-color: #ffe599;"><b>American financial institutions have reduced their exposures fairly substantially, particularly to peripheral countries.</b></i></blockquote> <br /> &nbsp;(2) 「欧州銀行のシニア債発行が年明けになって好調」というのは、こちらの記事。<br /> <br /> <a href="http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203436904577152723361471282.html?mod=rss_Heard_on_the_Street">European Banks Learn to Love the Bond Market</a><br /> (Wall Street Journal, 1/10/2012)<br /> <br /> 記事の抄訳は以下のとおり。<br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> 欧州の銀行債市場は死んだ・・・などと言われていたがそれは誇張だったのではないかという見方が出てきた。1月に入って最初の10日間で、欧州銀行はユーロ建ての無担保シニア債を€14.9 billion ($19.02 billion)発行、ソシエテ・ジェネラルによると、これは2011年後半の半年間に発行された額の26%増し、とか。欧州銀行は、シニア債に加えて、€13.75 billionのカバード・ボンドも発行した。銀行債市場はまだ脆弱ではあるものの、年初は好調なスタート。2012年は欧州銀行債のロールオーバーが€800 billion来る予定。</blockquote> <blockquote class="tr_bq"> &nbsp;発行体はスカンジナビア、オランダ、U.K.など比較的信用力の強い地域に限られているものの、フランスの銀行も市場資金にタップできた。</blockquote> <blockquote class="tr_bq"> </blockquote> <blockquote class="tr_bq"> &nbsp;背景としては、①ECBの期限3年ローン(※1)が12月に実行され、2月にも2回目の3年ローンが控えており、銀行の突然死シナリオの可能性が後退したこと、②投資するサイドはキャッシュバランスを積み上げていたこと、③銀行側もユーロ圏の危機はすぐには消えることなく当面継続するという見解を受け入れたこと、④銀行自身のデレバレッジングと預金の増加が調達の必要性を和らげたこと、など。モルガン・スタンレーの試算では、銀行によるシニア債新規発行はネットで4年連続マイナス、減少額は€225 billion。</blockquote> <blockquote class="tr_bq"> </blockquote> <blockquote class="tr_bq"> &nbsp;とはいえ、センチメントが逆転することは多いにありえる。イタリアとスペインの国債スプレッドが拡大基調なのと、ギリシャの債務リストラの進捗が懸念。預金保護を目的とした規制当局の意向、および、カバード・ボンドやECBローンといった有担保調達の増加の両面から、無担保シニア債の劣後化の可能性が潜在的に残っている不安もある。資金市場がどこまでリスクを取るつもりかもはっきりしていない。スペインやイタリアの銀行が発行体の場合、シニア債の新規発行はこれより困難になるだろう。</blockquote> <blockquote class="tr_bq"> 市場のボラティリティは高いままになろうし、政治リスクが浮上して改善の目を摘んでしまうかもしれない。だがレギュレーターが欧州銀行のバランスシート強化促進に成功すれば、無担保シニア債、特に各国の最良銀行が発行したシニア債は、高いリターンをもたらす可能性はある。</blockquote> <br /> ※1 ECBの期限3年ローンと銀行のバランスシート上のブタ積みについては、<a href="http://wholekernel.blogspot.com/2011/12/blog-post_28.html">2011年12月28日付のMHJ記事</a>を参照。<br /> <br /> <br /> (3) 「日本のCDSが中国のCDSよりワイド」というのは、次のチャートを参照。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgCdmjEBE69RoBErjleZSMRyfWIJksUysg1PoKLJTr4mUu1Uwc-8A8AS0MIp5c9M6_yAeOAKtaEEfEHA1LOtnlXdKrGNme6kzVEddZZegIHbGksirgTVF29_dUsohDmEz5NPiCHAipRRhgm/s1600/JPNCHNCDS.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="281" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgCdmjEBE69RoBErjleZSMRyfWIJksUysg1PoKLJTr4mUu1Uwc-8A8AS0MIp5c9M6_yAeOAKtaEEfEHA1LOtnlXdKrGNme6kzVEddZZegIHbGksirgTVF29_dUsohDmEz5NPiCHAipRRhgm/s400/JPNCHNCDS.png" width="400" /></a></div> <br /> オレンジが中国のCDS、緑が日本のCDSで、過去1ヶ月の相対推移。(1ヶ月前を基準値=0とした時に【相対的に】各々がどれぐらい%でワイドニングしたか、というグラフです。絶対値のチャートじゃないことに注意ね。)<br /> <br /> スプレッドの「絶対値」でみると、今日1月12日現在では、中国のレベルが146bpsに対し、日本が154bpsで、ややワイド。<br /> <br /> まぁ、ソブリンのCDSについては以前も書いたことありますけど、日本のCDS水準が中国のそれに近づいてたのはもうずいぶん前からの話でして(※2)、さらにいうと、絶対値がどこにいるからどうしたといった話でもないんで、ここのところ中国よりワイドになってるからといってギャーギャー騒ぐほどのこともないとは思いますけどね。(<a href="http://www.nikkei.com/markets/column/position.aspx?g=DGXNASGC1200G_12012012EE2000">今日の日経新聞</a>が書いてたような、「<span style="background-color: white; color: #333333; font-family: 'ヒラギノ角ゴ Pro W3', 'Hiragino Kaku Gothic Pro', メイリオ, Meiryo, 'MS Pゴシック', sans-serif; font-size: 14px; line-height: 20px; text-align: left;">財政再建への取り組みが遅れれば、欧州にかかる市場の圧力が日本にも及びかねません」(ドキドキ)</span>みたいなこじつけっぽい理屈でばかり動いているわけでもないんで。)<br /> <br /> ただし、CDSの推移というのは、対象となる債券の発行体に対する市場評価を示唆する数値の一角であることは確かなんで、いちおう目にはいったからには、書き留めておきまする。<br /> <br /> (※2)日本のCDSが中国のそれに近づいてるぞという話は、<a href="http://wholekernel.blogspot.com/2009/11/cds.html">2009年11月30日付MHJ記事『ソブリンCDSについて』</a>に書いてます。2年以上前からだよ。自慢しちゃうけど、先見の明があったので、読んでね~(笑)。<br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2012/01/blog-post_12.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-4972660016539021394Wed, 11 Jan 2012 22:13:00 +00002012-01-12T13:43:13.522-05:00Social Issuesアメリカ人の肉食度下がるいまさらですが、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。<br /> <br /> 年初の抱負は、<br /> <br /> 「Murray Hill Journalをもっと頻繁に更新する」<br /> <br /> の【はず】でしたが、年末年始の食べ過ぎでボケー・・・としてるうちにすでに11日になってしまいました。さぁ書くぞ!と気合いを入れて机に向かうと、なぜか書く気が失せてくるので、<br /> <br /> 「気合いを入れずに、短くてもこまめに更新する」<br /> <br /> を今年の抱負にしたいと思います。特に昨年の後半は更新サボり過ぎて、ブログを振り返っても何がマーケットで起こっていたのか自分でもわからないという情けないことになってしまった反省があるので、今年はこれを回避したいと思ってます。<br /> <br /> ★    ★    ★    ★<br /> <br /> ということで、2012年最初のエントリーは、アメリカ人が肉を食べなくなってるという(実にどうでもいい)脱力系話題から。<br /> <br /> <a href="http://www.washingtonpost.com/blogs/ezra-klein/post/americans-are-eating-less-and-less-meat/2012/01/11/gIQANUvmqP_blog.html?tid=sm_twitter_washingtonpost">Americans are eating less and less meat</a><br /> (Washington Post, 1/11/2012)<br /> <br /> WaPoの記事によるとアメリカ人一人あたりの牛肉の消費量はかれこれ20年に渡って減少傾向にあり、鶏肉・豚肉も近年減少トレンドが明確。<br /> <br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://www.washingtonpost.com/rf/image_606w/WashingtonPost/Content/Blogs/ezra-klein/StandingArt/meat%20consumption.JPG?uuid=pt3VmDxhEeGnLMgI670x9Q" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="232" src="http://www.washingtonpost.com/rf/image_606w/WashingtonPost/Content/Blogs/ezra-klein/StandingArt/meat%20consumption.JPG?uuid=pt3VmDxhEeGnLMgI670x9Q" width="400" /></a></div> <br /> <br /> 筆者は分厚いアメリカンなステーキが好物で、特にニューヨークにはそれぞれ熟成のための倉庫を持っている老舗のステーキハウスが数多くあり、ステーキについては、アメリカは美味いといつも思う。<br /> <br /> だが、米国農務省の予想によると、<b>平均的な米国人は5年前の2007年と比べて12.2%少ない牛肉を食べる</b>そう。<br /> <br /> このトレンドの背景として、記事には理由がいくつか挙げられている。<br /> <br /> <br /> <ol> <li>肉類の価格上昇(新興国の肉消費量が上がり米国からの輸出が増えて国内での価格が上がっている。エタノール等植物性燃料のとうもろこし需要が増えて畜産向け食糧の餌の価格が上がっている、など)</li> <li>あるいは、アメリカ人の食生活の変化(肉ばかり食べるのはカッコ悪い。ベビーブーマーの高齢化で肉食メニューへの嗜好が変わってきている、など)。</li> <li>あるいは、農業向けに多額の補助金を出す政府のポリシーが消費量になんらかの形で関わってきているのではないか、など。</li> </ol> <br /> <br /> 理由はいろいろあれど、<b>アメリカ人の肉食度は確実に下がっている</b>。<br /> <br /> ★   ★   ★   ★<br /> <br /> とはいえ、肉全体の消費量でみると、アメリカ人一人あたりの消費量は120~130kg もあって、日本人の軽く2.5倍のお肉を食べるんだって(<a href="http://shoku-iku.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-49f6.html">2007年時点</a>)。日本人の肉の消費量はこの50年で9倍に増えたそうだが、米国人は(減ってきてるとはいえ)まだその2倍以上肉食べてんのね。<br /> <br /> しかし、この国の肥満問題は全然解消していない。肉食度が減っていると言っても、その代わりに野菜類をバリバリ食べてるわけではないし、食事量そのものが減ってるわけでもなく、コーンシロップ入り飲料をガブ飲みし、<b>糖質・炭水化物ばかりバカスカ摂取</b>しているから、もっともっとアメリカン・デブになっている。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/82/USObesityRate1960-2004.svg/432px-USObesityRate1960-2004.svg.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="323" src="http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/82/USObesityRate1960-2004.svg/432px-USObesityRate1960-2004.svg.png" width="400" /></a></div> <br /> 米国では、20歳から74歳までの成人のObesity(肥満)が全体の30%を超えている。ちなみにObese(肥満)の定義はBMI(Body Mass Index)が30以上、Overweight(太りすぎ)が25~30だそう。ObeseのみならずOverweightも加えると、アメリカ人の実に75%が「デブ」となってて、世界一の肥満国。<br /> <br /> いや、ほんと、アメリカ人、太り過ぎですってば。私は「肥満」には相当しないけれど、今年のもう一つの抱負として、もう少し痩せたいとは思う。<br /> <br /> ・・・とかいいつつ、今夜は近所のハンバーガーが美味しいお店に食べに行く予定。カロリー高いけれど美味しいんです。(年初から反省の色なし。)<br /> <br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2012/01/blog-post.html[email protected] (TrinityNYC)2tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-823325713035276767Wed, 28 Dec 2011 21:12:00 +00002011-12-30T13:43:18.638-05:00banksEuroMarket外貨逃避への特効薬、わんこポリス<div class="tr_bq"> クリスマスは終わり、今年もあと3日を残すだけとなったが、欧州懸念は相変わらずくすぶっている。<b>今年は一年中、欧州に振り回された年であったな。</b></div> <div class="tr_bq"> <br /></div> <div class="tr_bq"> 今朝もユーロはスッコーンと下がって、あっさり1.30割れ。</div> <div class="tr_bq"> <br /></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjkySYc77n_uf4GO2E16Os-NhRZABiskYiGxBG2ztjtPnjQkrK-C4yiP7vk601uAsIreCOIPCn4xHGvXiheiuXMLggr3hg1TTsEagDD-rlBaVplZWwxfla_nPPZTVJNic_XCzbtTwoWMULp/s1600/Euro20111228.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="196" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjkySYc77n_uf4GO2E16Os-NhRZABiskYiGxBG2ztjtPnjQkrK-C4yiP7vk601uAsIreCOIPCn4xHGvXiheiuXMLggr3hg1TTsEagDD-rlBaVplZWwxfla_nPPZTVJNic_XCzbtTwoWMULp/s400/Euro20111228.jpg" width="400" /></a></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <br /></div> <div class="tr_bq"> 対円だと10年振りの安値ですと。<br /> <br /></div> <div class="tr_bq"> <a href="http://www.bloomberg.com/news/2011-12-28/euro-drops-to-almost-a-10-year-low-as-ecb-loans-fuel-debt-crisis-concern.html">Euro Falls to 10-Year Low Against Yen as ECB Balance Sheet Reaches Record</a></div> <div class="tr_bq"> (Bloomberg, 12/28/2011)</div> <div class="tr_bq"> <br /></div> <blockquote class="tr_bq"> (記事から引用)“We’re still so far from being out of the woods that even on a day of being positive, people decided that the euro should continue to fall,”</blockquote> <blockquote class="tr_bq"> &nbsp;「状況はまだまだ闇から抜け出れそうもなく、たとえポジティブなニュースのある日でも、ひとびとはユーロは下げ続けるべきと決めている。」</blockquote> <br /> Financial Timesも昨日、ECBのファシリティが貸し方も借り方も増えて<b><span style="font-size: x-large;">【ブタ積み】</span></b>になってる様を紹介していた。<br /> <br /> <a href="http://www.ft.com/intl/cms/s/0/aef88674-30a4-11e1-9436-00144feabdc0.html#axzz1hllIdXAf">Record use made of ECB deposit facility</a><br /> (Financial Times, 12/28/2011)<br /> <br /> FTの記事によると、クリスマス前の21日、ECBは空前のリクイディティ需要に答えるため<a href="http://www.ft.com/intl/cms/s/0/d6ddd0ae-2bbd-11e1-98bc-00144feabdc0.html#axzz1hjQkHY9J">新たにターム3年の融資 €489bn 近くを500超の銀行に貸し付けた</a>。しかしその数日後、ECBのオーバーナイトの預金ファシリティには、これまた空前の€ 452bn が積まれました、という話。<br /> <div class="tr_bq"> <br /> <a href="http://wholekernel.blogspot.com/2011/12/fx.html">11日のエントリー</a>でも触れたように、年末にかけては市場の流動性が極端に下がるときで、こういう時にあえてアブナイ真似は手控えたほうが無難、というのは万人の知恵。キャッシュを手にしたらキャッシュのままジー・・・とこうべを垂れて年明けを待つという銀行側の考えも当然といえば当然である。<br /> <br /> 欧州リーダー達の間には「ECBから低利で借りた資金で高利回りのイタリア債を買ってくれるよね♥♥」という思惑(←通称 “サルコジ・トレード”と呼ばれてるww )があるみたいだが、銀行の担当者達は「正気だったら、年明け早々どうなるかわからないイタリア国債なんかに、いま手を出せますかい」とシランプリ決め込んでる風。アナリストの間には、<b>このブタ積み状態が年明け後も継続してしまうのではなかろうか、と懸念持ってるひともけっこういる</b>みたい。<br /> <br /> 結局こうやって、2011年は欧州問題にこれといった進展もみられずに一年が過ぎていったわけだが、2012年になったら、この膠着状態から抜け出ることは、果たしてできるのだろうか・・・。抜け出るとしたら、それへの触媒はなに・・・?<br /> <br /> ★    ★    ★    ★<br /> <br /> この状況に痺れを切らした市場関係者の中には「アルゼンチンだってやったんだ、しのごの言ってないでサッサとデフォルトさせやがれ」とか言ってる方も散見されますが、アルゼンチンといえば、ロイターのニュースで、こんなの、あった。</div> <br /> 自国通貨デバリュエーションのスペキュレーションが止まないアルゼンチンで、ドルの国外への闇持ち出しを阻止するため特別に訓練された犬が国境付近で大活躍中とのこと。苦しい時の犬頼み。<br /> <br /> <object data="http://www.reuters.com/resources_v2/flash/video_embed.swf?videoId=227546852&amp;edition=BETAUS" height="259" id="rcomVideo_227546852" type="application/x-shockwave-flash" width="460"> <param name='movie' value='http://www.reuters.com/resources_v2/flash/video_embed.swf?videoId=227546852&edition=BETAUS'> </param> <param name='allowFullScreen' value='true'> </param> <param name='allowScriptAccess' value='always'> </param> <param name='wmode' value='transparent'> </param> <embed src='http://www.reuters.com/resources_v2/flash/video_embed.swf?videoId=227546852&edition=BETAUS' type='application/x-shockwave-flash' allowfullscreen='true' allowScriptAccess='always' width='460' height='259' wmode='transparent'></embed> </object><br /> <br /> <blockquote> <u>以下、トランスクリプト全文:</u><br /> The tax man's new best friend In Argentina, sniffer dogs are being trained to detect cash being taken out of the country. The government has been cracking down on the smuggling, at a time when there's much speculation over the devaluation of the peso. Customs director, Maria Siomara Ayaran, has been demonstrating the work her dogs can do on routes into countries like Paraguay and Bolivia.&nbsp;</blockquote> <blockquote> &nbsp;(SOUNDBITE) (Spanish) MARIA SIOMARA AYARAN, CUSTOMS DIRECTOR SAYING: "After many years, we now have around 300 dogs, 50 of which are trained especially to detect foreign currencies, specifically dollars and euros. What we are seeing here is part of customs controls carried at different border points."&nbsp;&nbsp;</blockquote> <blockquote> The dogs, seen at this ferry terminal, where boats head to Uruguay, can pick out specific currencies, like dollars and euros, by learning to sniff out the different inks on the notes. The dogs will only react if the amount is over $1000.&nbsp;&nbsp;</blockquote> <blockquote> From January to September this year, money leaving Argentina added up to $18.25 billion - almost $7 billion dollars more than in the whole of 2010. The government has limited sales of Dollars in a bid to curb the flight of money from the country. The move came after new foreign exchange controls, which mean the tax agency must pre-approve all currency purchases, sparked an increase in withdrawals of dollar deposits. Having perfected the training with their own dogs, Argentine customs now plan to export their expertise to other countries. Joanne Nicholson, Reuters.</blockquote> <br /> <blockquote> (拙訳)<br /> アルゼンチンの税務署役人に新しい親友ができた。国外に持ち出されようとする現金を嗅ぎ分けるよう訓練された犬たちだ。ペソのデバリュエーションの噂がはびこる中、アルゼンチン政府は現金の違法持ち出しを取り締まるのに躍起になっている。関税職員マリア・シオマラ・アヤランさんは、パラグアイやボリビアといった国々に向かう途中のルートで、訓練された犬達の仕事ぶりを見せてくれた。&nbsp;</blockquote> <blockquote> (マリアさんのスペイン語)「長年この仕事に取り組んでいますが、今私達には300頭の犬がいて、うち50頭が特にドルとユーロの外国紙幣のにおいを嗅ぎ分けられるよう訓練されています。いま皆さんにお見せしてるのは、国境付近各所で警備の一環として行われている業務の一部です。」</blockquote> <blockquote> 私たちがいるこのウルグアイ行きボートのフェリー乗り場では、印刷インクのにおいの違いを嗅ぎ分けられる犬達が、ドルやユーロといった特定の紙幣を見つけだす。ただし1000ドル以上のまとまった紙幣にしか反応しない。&nbsp;</blockquote> <blockquote> 今年1月から9月の間に、アルゼンチンから持ち出された現金は182.5億ドルに上り、前年一年間の総額よりもすでに70億ドルも増えている。アルゼンチン政府はマネーの国外逃避に歯止めをかける目的でドル売買に限度額を設けることにした。新しい外国為替取締法のもと、あらゆる通貨購入に税務署による事前認可が必要となったため、ドル預金の引き出しが急増という結果に。特別訓練犬の成果に自信をつけたアルゼンチンの税関は、他国にこの犬の特技を輸出することを考え始めているという。</blockquote> <br /> <br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2011/12/blog-post_28.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-8558835805869416186Mon, 19 Dec 2011 20:54:00 +00002011-12-19T17:58:33.081-05:00banksEquity MarketMarketシステミックリスクのビジュアル化今日のNY市場も冴えない動き。出来高もスカスカ。金融株が特に弱い。<br /> <br /> Bank of America(BAC)は2009年の底値にどんどん接近。数ヶ月前に6ドルを割ったときも、この低水準のまま推移することになるとかなりマズイと思ってたのに、6ドルどころか、いまや5ドルも割ってしまった。<br /> <br /> 本日3時45分頃に拾ったBACのチャート。かなり痛々しい。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://finviz.com/publish/121911/BACc1dl1547.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="193" src="http://finviz.com/publish/121911/BACc1dl1547.png" width="400" /></a></div> <br /> <br /> 欧州向けのエクスポージャが相対的に大きいという理由から、欧州リスクの懸念が強まるたびに大きくネガティブに反応して売られるモルガン・スタンレー(MS)は、本日もやられている。<br /> <br /> こちらはMSの3時45分頃のチャート。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://finviz.com/publish/121911/MSc1dl1548.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="193" src="http://finviz.com/publish/121911/MSc1dl1548.png" width="400" /></a></div> <br /> <br /> 現在、米の大手金融機関の株価はどれもブックを大きく割っている。P/Bレシオをざっとみてみると・・・<br /> <br /> <ul> <li>JPM = 0.66</li> <li>GS=0.63</li> <li>MS=0.47</li> <li>C=0.43</li> <li>BAC=0.23</li> </ul> <br /> <br /> ・・・悲惨な数値であるな・・・orz<br /> <br /> ここだけみれば、「バリュエーション的には割安・・・」とつい漏らしたくなる人もいるだろうが、なにせ誰もが2007年の暮れ(リーマンショックの前年の暮れ)に、大手金融株がどいつもこいつも同様にブック割れしていたことを嫌でも覚えてるので、いま、この局面で「割安」の「わ」の字も口にしたくない、というのが本音だろう。<br /> <br /> 当ブログで数度にわたりシツコク書いてることではあるが、問題をある狭いローカル市場に閉じ込めておくことができるのであればまだマシだったのであろうが、特に90年代後半からは、デリバティブスの台頭もあり、世界の金融市場は文字通りボーダーレスになり、まるで蜘蛛の巣のように絡みあって互いが互いにエクスポーズされる、そういう状態になってしまった。<br /> <br /> 【エクスポージャの蜘蛛の巣】が絡まれば絡まるほど、ある一箇所で起こった問題が産むリスクは、そのネットワークを経由して、時には増幅されて、問題発生のローカル市場を飛び越えて伝播してゆく。<br /> <br /> 伝播(Contagion)については1年半も前に『<a href="http://wholekernel.blogspot.com/2010/05/contagion.html">ギリシャの悲劇-Contagion</a>』という記事を書いた。今、去年の5月に自分が書いた記事を読み直してみると、欧州をとりまく状況は、実際何も進展していないという事実にあらためて驚く。<br /> <br /> ブロガーのBarry Ritholtz が<a href="http://www.ritholtz.com/blog/2011/12/financial-industry-interconnectedness/?utm_source=feedburner&amp;utm_medium=feed&amp;utm_campaign=Feed%3A+TheBigPicture+%28The+Big+Picture%29">彼のブログ</a>で『<span style="background-color: white; color: #333333; font-family: Georgia, 'Times New Roman', Times, serif; font-size: 14px; line-height: 21px; text-align: justify;">&nbsp;</span><a href="http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=1963216" style="background-color: white; color: #b85b5a; font-family: Georgia, 'Times New Roman', Times, serif; font-size: 14px; line-height: 21px; text-align: justify;"><strong>Econometric Measures of Connectedness and Systemic Risk in the Finance and Insurance Sectors</strong></a><span style="background-color: white; color: #333333; font-family: Georgia, 'Times New Roman', Times, serif; font-size: 14px; line-height: 21px; text-align: justify;">&nbsp;』という学術論文を紹介しており、そこに、「金融セクター同士のエクスポージャ蜘蛛の巣」の図があった。</span><br /> <span style="background-color: white; color: #333333; font-family: Georgia, 'Times New Roman', Times, serif; font-size: 14px; line-height: 21px; text-align: justify;"><br /></span><br /> <span style="background-color: white; color: #333333; font-family: Georgia, 'Times New Roman', Times, serif; font-size: 14px; line-height: 21px; text-align: justify;">システミックリスクをビジュアルに感じられて興味深いので、ここにも貼っつけておきたい。</span><br /> <span style="background-color: white; color: #333333; font-family: Georgia, 'Times New Roman', Times, serif; font-size: 14px; line-height: 21px; text-align: justify;"><br /></span><br /> <div style="text-align: justify;"> <span style="color: #333333; font-family: Georgia, 'Times New Roman', Times, serif;"><span style="font-size: 15px; line-height: 21px;">1994年1月~1996年12月</span></span></div> <div style="text-align: justify;"> <span style="color: #333333; font-family: Georgia, 'Times New Roman', Times, serif;"><span style="font-size: 15px; line-height: 21px;"><br /></span></span></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://www.ritholtz.com/blog/wp-content/uploads/2011/12/ei1.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="275" src="http://www.ritholtz.com/blog/wp-content/uploads/2011/12/ei1.png" width="400" /></a></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <br /></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <br /></div> <div style="text-align: justify;"> <span style="color: #333333; font-family: Georgia, 'Times New Roman', Times, serif;"><span style="font-size: 15px; line-height: 21px;">2006年1月~2008年12月</span></span></div> <div style="text-align: justify;"> <span style="color: #333333; font-family: Georgia, 'Times New Roman', Times, serif;"><span style="font-size: 15px; line-height: 21px;"><br /></span></span></div> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://www.ritholtz.com/blog/wp-content/uploads/2011/12/ei21.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="278" src="http://www.ritholtz.com/blog/wp-content/uploads/2011/12/ei21.png" width="400" /></a></div> <div style="text-align: justify;"> <span style="color: #333333; font-family: Georgia, 'Times New Roman', Times, serif;"><span style="font-size: 15px; line-height: 21px;"><br /></span></span></div> <br /> 拡大して線のいちいちを精査してどうなるわけでもない図だが、絡まり合い方(Interconnectedness)を見ただけで、世界の金融機関同士がわずか10年かそこらで、どれだけ相互エクスポージャの度合いを強めていったかがわかる。<br /> <br /> グローバルに金融セクターへの悲観論が消えることなく弱含み続ける最大の背景は、この図から示唆されるシステミックリスクの深刻さなのだ。<br /> <br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2011/12/blog-post.html[email protected] (TrinityNYC)2tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-8770073320179910874Wed, 14 Dec 2011 22:14:00 +00002011-12-14T17:44:51.773-05:00Equity Market2012年に入れば米株は上下いずれかに大きく動く?筆者はテクニカル分析はようやらないのですが、興味深い記述があったので、メモ。<br /> <br /> <a href="http://www.marketwatch.com/story/the-market-moves-swiftly-but-goes-nowhere-2011-12-14?link=home_carousel%3Flink%3DMW-FB">Market moves swiftly but goes nowhere:Market may break out of trading range early next year</a><br /> (Market Watch, 12/14/2011)<br /> <br /> 米株市場は、ボラティリティが比較的高い割りには、一定のトレーディングレンジの内側をウロウロするばかりで方向性がない。年内は、こうしたレンジ内の動きに終始するだろうが、2012年に入ったら早々にも、株価はサポートを突き抜けてブレイクアウトするかもしれない。<br /> <br /> ただし、ブレイクアウトする方向は、激しく上昇するかもしれないし、派手に下落するかもしれないし、どちらになるかはわからない、と記事の書き手のLarry McMillanの意見。<br /> <br /> <blockquote class="tr_bq"> You can see from the figure below that there are converging downtrend and uptrend lines. When these persist for long periods of time, as they have, then a breakout should be significant. The break of the blue trendline in September propelled the market to its October lows. We would expect the next breakout in either direction to exceed the highs or lows on the chart below (i.e., above 1,350 on an upside breakout, or below 1,080 on a downside breakout).</blockquote> <blockquote class="tr_bq"> 下のチャートから、ダウントレンドとアップトレンドの2つのラインが互いに近寄って収束しているのが見てとれる。こういう状態がしばらく続くと、レンジからブレイクアウトするときは、激しい動きを伴う。図中のブルーの9月のトレンドラインが、10月に入ってからの大きな下落をもたらした。2本のトレンドラインの収束は今も続いているが、次にブレイクアウトが起こるときには、このチャートの最高値あるいは最低値を突き抜ける、つまり、ブレイクアウトはいずれの方向にも起こりうると予想される。(具体的には、上方にブレイクアウトするならばS&amp;P500は1350を超えて突き抜け、逆に下方にブレイクアウトするならば1080を割り込む可能性がある、ということだ。)</blockquote> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://ei.marketwatch.com/Multimedia/2011/12/13/Photos/mcmillan/spx.jpg?uuid=0650ff3c-25f1-11e1-a0b0-002128040cf6" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="http://ei.marketwatch.com/Multimedia/2011/12/13/Photos/mcmillan/spx.jpg?uuid=0650ff3c-25f1-11e1-a0b0-002128040cf6" width="400" /></a></div> <br /> <br /> より詳しい話は、上の記事全文を読んでいただくとして、明確な方向がつかめないまま、あっち行ったりこっち行ったり、ブルとベアのせめぎあいが夏以来続いているわけですが、長いことそんな状態を続けながら、相場はひたすらエネルギーを貯めこんでいるかのよう。<br /> <br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2011/12/2012.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-4648256660502146386Wed, 14 Dec 2011 19:32:00 +00002011-12-14T17:39:19.589-05:00Market年末のFXは派手に荒れる?さて、はやいもので、2011年もあと2週間ほど。<br /> <br /> 金融街の年末風景の常として、クリスマスが近づくにつれ取引現場に関わるひとびとのやる気は目に見えて下がってゆき、20日過ぎたあたりからやる気はほぼゼロに近づく。<br /> <br /> 年末にかけて低下するのはトレーダーやセールスのやる気だけじゃなくて、株も債券も為替もコモディティも、あらゆる金融市場の流動性が合わせて低下する。<br /> <br /> 今年は尾を引く欧州問題のせいでFX市場の流動性低下がここ数ヶ月目だっており、10月27日に1.4247をつけていたユーロドルは、今日は1.29台まで大きく動いた。ここ数ヶ月高いボラに見舞われている為替市場は、これから年末に向けてさらに流動性が下がることもあり、さらに大きな振れ幅に襲われるのではないか、という懸念が出ている。マーケット関係者の異なる見方を紹介した記事。<br /> <br /> <a href="http://www.ifre.com/derivatives-dramatic-fx-moves-feared-on-low-liquidity/1620136.article">DERIVATIVES: Dramatic FX moves feared on low liquidity</a><br /> (IFR, 12/14/2011)<br /> <br /> (以下、記事の抄訳)<br /> <br /> <br /> <ul> <li>目下ボラティリティは高レベルで推移してるものの、コントロールが失われるほどまでには至っていない。だが、いずれにせよ年末にかけて流動性が更に細るため、ドラマチックな値動きに発展するのではという懸念が散見される。</li> <li>ドイチェ銀行のFXグローバルヘッドKevin Rodgersの見方:「年末のリクイディティ低下で、もしソブリン問題にまったく目処が立たないということになると、極めて大型でボラの高い動きが起こるのではという懸念を拭えない。これまでも、年末の流動性が低い最中にエンドユーザーが取引を成立させようとして値動きが大きくなったことがある。今年はヘッジファンドが苦しい状況にいることもあって、一方的な流れになった時に、その流れに逆らってリスクキャピタルをコミットしようとするプレーヤーは稀だろう。FXデスクで人手が手薄にならないように、トレーダーの年末休暇の予定には気を配っている。大きな不確定要因が存在している最中に流動性が低下するのだから、突然、動きが活発になった場合を考えて、予め準備をしておく必要がある。」</li> </ul> <br /> <br /> <br /> ドイチェのFXデスクが強い警戒感を抱くのとは逆に、パリバのデスクは、年末はスムーズに越せるという見解。(以下、ふたたび記事の抄訳)<br /> <br /> <ul> <li>ユーロゾーン危機から派生する不確実性は払拭されてはいないものの、主要通貨のペアのボラティリティは比較的落ち着いてはいて、1年のユーロドル・ボラティリティは現在15.7ボラティリティ・ポイントでトレードされている。歴史的にみれば高い位置にはいるが、11月終盤には17ポイントだったので、現在はそれよりも低い。同様に、ユーロドル・リスク・リバーサル(3ヶ月25デルタのプット/コールの差)の水準は、11月の4.5に対し、現在3.5。</li> <li>BNPパリバのFXグローバルヘッドHubert de Lambillyの見方:「パニックはしていない。ボラは爆上げしてはいないし、通常ならユーロをショートするファストマネーがユーロを更に下押ししようとするだろうが、いまはそれが起こってる風でもない。事実として債券の新規発行のストレスがFX市場を大きく動かすドライバーになるが、(年末に向かっては)債券発行もほとんどない。今年は、流動性のない、しかし、さほど波風もたたないスムーズな年末になると予想している。」</li> </ul> <div> <br /></div> <div> ECBの施策が功を奏して、市場が心配しているほどには、現実には、そんなに大惨事にはなっていないという点では、両者の意見は一致。</div> <br /> <br /> <ul> <li>ユーロの秩序ある下落を可能にしたのは、ECBが進めている低金利環境のおかげ。量的緩和は控えているECBだが、フロントエンドの金利を低位に保ち流動性供給オペの延長と担保条件緩和を実施してユーロゾーンのリクイディティが枯渇しないようつとめている。パリバのLambillyは、ユーロ調達緩和策がユーロ下落の理由のひとつ、という。</li> <li>また、ドイチェのRodgersによると、主要通貨のペアは、ボラが高止まりしているにもかかわらず、2011年初頭の水準からみると、さほど大きな乖離はしていない。今年に入ってから対ユーロで最大の動きを見せたのは日本円の6.8%。ユーロスイスは1.2%の下落にとどまり(2度にわたる中央政府の介入の後ではあるが)、ユーロドルも2.6%にとどまっている。</li> <li>Rodgersの言:「ボラティリティが高止まりし、ヘッドラインに翻弄されてギクシャクな動きが続いた今年は、緊張がいまだに続いているが、実際のところスポットレベルはかなり安定的。マーケットは、今の状況が大惨事に発展する可能性をずっと憂いてきているが、現実には、そんなに動いてはいない。」</li> </ul> <br /> <br /> 市場は心配しすぎ、ということでしょうかね・・・。<br /> <br /> ところで、今日TLで見かけた <a href="https://twitter.com/#!/positivegamma/status/146879271179264000/photo/1">@positivegamma さんのツイート</a>がちょっと気になったので、最後にメモとしてくっつけておく。<br /> <br /> これを見たら、「心配しすぎ」とも思えないんだが。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://i414.photobucket.com/albums/pp225/reemcc/MHJ%20Blog%20Photos/3MoDollarFunding.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="197" src="http://i414.photobucket.com/albums/pp225/reemcc/MHJ%20Blog%20Photos/3MoDollarFunding.png" width="400" /></a></div> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="https://p.twimg.com/AgnR6z_CIAAEQPT.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="285" src="https://p.twimg.com/AgnR6z_CIAAEQPT.jpg" width="400" /></a></div> <br /> <br /> このチャートを見て、「市場の流動性が極めて低い最中に、動きが一方的になってきたとき、それに逆らってキャピタルをコミットするプレーヤーはいない」というRodgersの言葉を、改めて心に刻むなど。(たしかに、【プライベート資金のサイド】には、いないでしょうね。)<br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2011/12/fx.html[email protected] (TrinityNYC)0tag:blogger.com,1999:blog-4477069997128284820.post-747412943586813920Wed, 07 Dec 2011 19:31:00 +00002011-12-07T15:01:02.996-05:00New YorkOWSからウォール街に就職いつも暗い話ばかり書いてるので、たまには明るい話を。<br /> <br /> オキュパイ・ウォール・ストリート(OWS)でプロテスターとして参加していた女性が、たまたま通りかかったウォール街エグゼクティブに見出され、投資会社のアナリストとして雇われた、という話をNew York Postが紹介している。<br /> <br /> <a href="http://www.nypost.com/p/news/local/manhattan/occupier_gets_an_occupation_o8x0D8DkpsWB60rSMhcEgP">Occupier gets an occupation: Wall Street firm hires protester</a><br /> (NY Post, 12/5/2011)<br /> <br /> この女性はマンハッタンに住む30代の女性トレイシー・ポスタートさんで、バイオメディカルの分野で薬理学のPh.D.を持っているが、長いこと職にありつけず、OWSに参加して、本拠地であるウォール街近くのズコティ・パークで、道端の掃除をしたりサンドイッチ作ったりして運動を支援していた。<br /> <br /> トレイシーさんは、「バイオメディカルのPh.D.科学者、フルタイムの仕事を探してます」という紙を持ってズコティ・パークに立っていたところ、たまたま、横を通りかかった投資会社の関係者が興味を示し、トレーシーさんは彼に履歴書を手渡した。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://www.nypost.com/rw/nypost/2011/12/05/news/web_photos/05.1n003.OccupyDesk.c.ta--300x300.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://www.nypost.com/rw/nypost/2011/12/05/news/web_photos/05.1n003.OccupyDesk.c.ta--300x300.jpg" /></a></div> <br /> <br /> ズコティ・パークから2ブロック離れたところに会社を構えるブローカレッジ会社のJohn Thomas Financial Brokerageのエグゼクティブは、会社に戻ってトレーシーさんの履歴書を読んでみたところ、彼女のバックグラウンドが大変気に入り、インタビューに来てみないかとEメールを出した。<br /> <br /> トレーシーさんは面接を見事通り、「ジュニア・アナリスト」のポジションで採用になった。<br /> <br /> <div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"> <a href="http://www.nypost.com/rw/nypost/2011/12/05/news/web_photos/05.1n003.OccupyDesk2.c.ta--300x300.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://www.nypost.com/rw/nypost/2011/12/05/news/web_photos/05.1n003.OccupyDesk2.c.ta--300x300.jpg" /></a></div> <br /> <br /> ジュニアポジションなので、最初のお給料はまだまだ低いけれど(ウォール街は基本的に丁稚制度だからねw)、頑張れば6桁の給料も夢じゃないということで希望に燃えてるそう。トレーシーさんが最後についた仕事は、大学の研究室のラボ・アシスタントとして働いて、一学期で2500ドルだったとか。<br /> <br /> トレーシーさん、おめでとう。Good Luck! <br /> (しかし人生、どこで何がどう転ぶかわからないですな。笑)<br /> <br /> <div> <br /></div> <br /> <br />http://wholekernel.blogspot.com/2011/12/ows.html[email protected] (TrinityNYC)1