MMD2AEで何がどうなるのか
遊太郎P
まあもうすでにご存知の方も多いと思いますが!
あなたも待ってた、僕も待ってた、そんな素敵ツールが登場しました。
今回は、このMMD2AEの登場でニコマスP的には何がどうなるのか、ちょっと整理しようじゃないか!
アイマスを素材として考えたとき、アイマスの強みはそのモデリングの完成度とモーションの滑らかさです。
公式曲も増え、衣装も増え、カメラアングルこそ数種類に留まりますが、かなり自由な構成を行えます。
おまけにBB背景もあるということで、合成も簡単。
だからこそ、ニコマスはニコ動の中でもこと「映像技術」に関してはジャンルの巨大さからは考えられないほどの高水準を誇ってきました。
それは、AE等の高度なツールを投入するだけの強度がアイマス素材にあったから。
素材としてとても優れていたからです。
これはアイマスの人気とか、作品としての素晴らしさとか、アイドルの(キャラとしての)魅力とか、そういうのとは別次元の話です。
素材としてのアドバンテージがなければ、僕らがどんなにアイマスを愛していても、これだけの映像技術はニコマスには生まれなかったと思うのです。
で、MMDはまさにその「素材としてのアイマス」の先を行くべくして進歩を続けてきたわけですが、先日の第四回MMD杯を見ても分かる通り、もうそろそろアイマスの素材としてのアドバンテージは解消されようとしているようです。
完成度の高いモデルも多くなり、モーションについてはまだぎこちなさは残りますが、それでもアイマス素材に比べればカメラアングルやモーションが完全に自由という点だけでも大きな強みになります。
AEを使ってニコマスでPVを作っていると、やはりカメラワークの制限が非常に厳しいとを実感することがままあります。
そのために作れない構図、作れない映像というのがいっぱいあります。
AE持ちのニコマスPは、その不可能をどうやって超えるかということに苦心し、いかに新しい斬新な映像を創り上げるかということに挑戦し続けてきました。
いや、僕だけかもしれないけどw
でもアイマスを素材として見るPには、そういう人もわりと多いと思うのです。
で、そういう所謂「アイマス好きだけど、もっと面白いことができるなら別にアイマス素材じゃなくてもいいよ」的ニコマスPにとって、やっぱりMMDは気になる存在だったわけですよ。
あれだけ自由に構図やカメラ・モーションを組めるなら、そりゃ心惹かれるものはあります。
でも今までは、それでもアイマス素材の美しさにはMMDは敵わなかった。
というような言い方をすると色々反論もありそうですが、僕はそう思ってきました。
まあ美しさの指標なんて個人次第ですから、この点はおいておきましょう。
それが、アイマス素材に勝るとまではいかなくても、まあ十分実用に耐えうる可愛いモデルがたくさんあるんですよね。今は。
ただ、それでもやはりMMDを使うことを思い留まらせてきたのは、MMD自体の性能だったわけです。
正直ライティング関係はお粗末だと僕は思っていますし、同様の意見は多数あることでしょう。
モーションについてもAEのそれに比べれば(フリーソフトをそういう比較の土俵に上げるのもどうかと思いますがw)やはり見劣りしてしまう。
ところがそれも改良に改良を重ね日進月歩で性能は向上しています。
そぼろ氏
最近ではこういうのも出たりして、どんどんMMDは進化しているわけです。
そこにきて、今回のMMD2AEですよ。
このツールの登場は、多くの「MMD気になるけど、うーんでもなあ……」と歯がゆい思いをしていたAE持ちPの背中を押すことでしょう。
進化しているとは言えまだまだな面があるMMDのライティング等をAE側で加工調整したり、もう背景はAEで作っちゃえばよくね? 的発想は以前からありましたが、その際に問題になるのがカメラでした。
AEは基本的には3Dモデルを読み込めません。
だからMMDからも、動画として書き出したものを単なる平面として読み込まないといけません。
そうすると、MMDでつけたカメラの動きを、AE上のカメラでもう一度トラッキングするなり手動でトレースする必要が生まれます。
でないとAE上で追加したエフェクトやオブジェクトが、MMDでのカメラワークに追従してくれないからです。
これが面倒だったんですね。
だからといってMMDでのカメラの動きを抑えるなら、結局はカメラワーク的におとなしいアイマス素材での映像と大して変わりません。
要は固定ロングを使った合成PVと同じことを、MMD素材でやってるだけです。
そのカメラ問題がこのツールで解決されたとすれば、すでにカメラワークの自由度でアイマス素材の上を行き、必要十分に可愛いモデルも多く出ているMMDは、今後強力な素材になる――というかもうなったと言ってもいいのかもしれません。
まあ僕らニコマスPがMMDに進出するのだとすれば、アイマス素材を使って今までやっていたことを今度はMMDでやるだけの話で、そんなに大きな変化はありませんよね。
ただ、今よりもっとカメラを自由にできてモーションも自由に組めるものが手に入ったというだけです。
たぶん僕も、今作ってるのが完成したらMMDに手を出すと思います。
同じように、MMDで作り始めるニコマスPは多いことでしょう。
それでもニコマスは作り続けるでしょうが、もう僕がニコマスでやりたいことは、少なくとも映像表現ではなくなっていくのかもしれないな…という予感がしています。
今まで僕は、映像表現自体が目的でした。
でもこれからは、映像表現によって表現される何か、を伝えるために作ることになるのかもしれない。
また、MMD界隈としてみれば、今後は急速に他ジャンルからの制作者及び技術の流入が進むでしょう。
特にニコマスからは、それが激しいんじゃないかな。
第四回MMD杯で優勝した「Chaining Intention」。
@まさたかP
素晴らしいPVで、映像の美しさも構成も、どれをとっても一級品の出来栄えでした。
ですが、(モーションの完成度、という観点はニコマスにはないので無視するとして)このレベルの映像技術とクオリティのPVって、ニコマスには一年前にはもうありましたよね。
なんていうと負け惜しみでもしているかのように聞こえますがw
まあ、上のPVの真髄はモーションの完成度だと思っているので、正直ニコマスの頂点Pが大挙してMMDに流入しても、あれをすぐに作るのはまず無理でしょう。
でも、モーション以外の部分なら、すでにニコマスはあれを通過している。と僕は思います。
今後はそんな感じで、MMD界隈はある意味ニコマスが技術格差を持ち始めた頃のような、そんな混沌を経験するんじゃないかな。
ニコマスはあのとき広がる技術格差に対して、「アイマス愛」を掲げて反発しました。
それはニコマスがアイマスという確固たる原作を持っているからできたことですが、果たしてMMDはどうなるでしょうか。
すでに、「MMD以外を使って動画作る奴らは邪道」的声は散見されます。
まあそんなの、ニコマスにだっていますけどねw
そういった反発があったとしても、これからのMMD界隈の拡大を止めることはできないでしょう。
否応なく技術は流入し、格差は広がります。
と同時に、ニコマスは「素材としてのアイマス」という役割をある程度終えて、今後はもう一度アイマスMADに向かっていくでしょう。
アイマスが好きだからやっている人達と、今までアイマスでやってきてコミュニティに繋がりがあるから今後も継続する人達が残る、みたいな。
あともちろん、AEを持ってなくても良いものが作れる、という素材としてのアイマスの魅力はまだ十分に残っていますから、ニコマスがすぐに一MADジャンル化することはないだろうと思います。
でも、ニコマス=映像技術という認識は早晩改める必要がありそうです。
これからは、それはMMDがリードすることになる。
ニコマスの3年目は、そのMMDを巻き込みながら進むことになるのはまず間違いないようです。
ニコマスはニコ動に様々な習慣を提供し、ニコ動文化の礎を築いて来ました。
もしかしたら、そういった様式の一つとして、これからのニコマスはニコ動の中に拡散して行くのかもしれません。巨大化の果てに。
そして最後には、アイマスMADが残るのです。
まあそれはこれから何年か後のことでしょうが、方向としてはきっとそういう方向になるんじゃないかなーと思います。
僕としては、自分がやりたいことを楽しむだけだし、僕が楽しいならニコマスじゃなくても構いません。
アイマスと春香さんは大好きなので、これからもちゅっちゅしていきます!
でも春香さんが一番可愛いのはどう考えても箱○上なので、そんなものは最初からニコマスに求めてないんですよね。僕は。
もちろん、春香さんが可愛い動画は大好きだけど、それは動画が好きなんじゃなくて春香さんが好きなだけで。
そういったポリシーというかスタンスを再確認しながら、これからの激流を楽しもうじゃありませんか。
僕もはやくMMDで何かやってみたい…というかMMDについて勉強したいし、今作ってるのもさっさと仕上げないとな!
願わくは、ここから無意味で空虚な派閥争いが生まれませんように。