居酒屋のバイトが探さなかったとある可能性の話

考察

※2014/07現在 – ビザの状況は刻一刻と変わる物なので、このお話がいつの時代でも適応可能だと思わないで読んでください。

久々のバンクーバーというか、海外というか、考察ネタです。いきなりですが、以下のようなメールを頂いたので、長かったのを超要訳して紹介します。

『あなた(セナ)は自分のことを高卒でバカとか言ってるけど、あなたにはWEB制作のスキルがあったでしょう?世の中には高卒で居酒屋程度でしか働いたことが無くて、どうしようもない人間だって居るんです。どうせ大学行きたくて行けなかった私の気持ちなんか分からないでしょうけど、頑張って察して下さい。』

この人は、以前僕が書いた『高卒でバカなのに最高に楽しい…』の記事を読んで連絡をくれたようなのですが、「俺高卒だけど今めっちゃたのしーぜー」みたいな記事を書くと、この手のメールが後を絶た無いんですよね。まー、どうせいつもの事と思い、いつもは華麗なスルーをキメた後で、華麗なステップでStellaの瓶を平日真っ昼間から2本くらい空ける僕ですが。いやー、これはネタになるなと思ったので、僕とこの人で見ている世界が余りに違う話をちょっと書いてみようかなと思います。

 

居酒屋”程度”?(笑)

以前、僕はメルマガの方で『考える事を放棄する人』という話しを書いたことがあるのですが、この人がまさにそれだと僕は思いました。

居酒屋“程度”だと本気で思ってる。新卒で落ちたら人生終わりとか言ってる人にも感じるんですが、えらい簡単に人生諦めモードになれるんだなと、諦めて無いにしても暗いなオイって正直思ってしまうです。

誰の事というわけではありませんが、自分の可能性を探す事を完全に捨て去っていて、大学や企業、はたまた赤の他人が自分の事をなんとかしてくれるのをただずっと待っている。考える事を他人に委ねているような、そんな人。そして、待っていても手を差し伸べてくれないのを理由に反発する(主にネット上で)。

例え”居酒屋”で”高卒”であったとしても、見えてくる未来なんて腐る程ある、無いと思ったらそこで終わりって事がなんでわからないんだろうってやっぱり思ってしまいますごめんなさい。ってのが前回の高卒バカの記事で書いたよーなことで、今日はちょっとだけ具体例出すいい機会かなと思いましたんで書いてみます。

というわけで、ここからは僕が知る『居酒屋』という場所で働く人の可能性の話を書いてみようかなって思います。

 

カナダでは日本の調理経験者を常に募集している

先に結論だけ書いてしまうなら、居酒屋とかで調理のバイトを3年くらいやってた人であれば、まずカナダで働ける可能性があります。

ここバンクーバーでは日本食が非常に有名です。ジャパニーズレストランと呼ばれるレストランが大量に立ち並び、それぞれのお店では殆ど日本人が働いています。

じゃあ、ここで働く日本人は皆日本でバリバリ調理を学び、調理の超有名な学校とか出て、老舗の日本料理亭で働いた超経験値の高い人ばかりかと言えば、ぶっちゃけそんなことはない。

もちろん、中には『寿司が握れる』、『魚がさばける』などの日本ならではな技術を持ち、カナダに呼び寄せられる日本料理人も居ますが、大半は飲食経験も無いようなバイトが殆どなわけです。

それらのお店では、常に『日本で飲食/調理経験のある日本人』を必要としているわけで、例え日本のその辺の居酒屋であろうが、とりあえず包丁握ったことがあればカナダでは非常に重宝されるんです。

一般的にカナダで働くためには就労ビザという物が必要ですが、普通は僕のようなIT業の人間を含め、『なんでわざわざ外国人雇わないと行けないの?』という問に答えられる人は少ないのですが、飲食業であれば、『日本人で、日本の飲食店で働いていた』というだけで、その問に答えているような物なんです。

以上のような理由で、例え日本で超有名大学を出ていたとしても中々見つける事が難しいと思われるカナダでの就労ビザを得る方法が、たかが日本の居酒屋で調理のバイトしてましたというだけで見つかる可能性が格段にあがります。当然英語なんかとりあえずは喋れる必要はありません。そんなことより日本で調理やってたという方が断然重要なんです。もちろん、英語を学びたければこちとら右を向いても左を向いても英語環境な街、ゆっくり適当に3年くらいかけて英語学びたければ学べばいいし、別に必要ないんなら学ばなければいいだけの話なわけです。(ちなみにBC州は全体の1%程が日本人)

おまけに、こういう海外の飲食店で働いてる日本人なんて、大半は英語だけ勉強しに来た語学留学生みたいな人が殆どで、その人達は日本食のレストランで働いているということを良しと思わない人も多いので、数ヶ月もせずに辞めていく人たちばかり、なので人はガンガン入れ替わる。つまりガンガン人手不足。

また、当然カナダは就労時間や労働環境に非常にうるさい国なので、不法なサービス残業的な物は無いと思って良いでしょうし、基本は一日8時間という労働時間は守らなければならず、当然週休2日も当たり前なので、日本に居た頃に比べれば時間は出来る、その余った時間を使って英語なり、他の専門職なり、新しい何かなり適当に見つけて適当に頑張れば良いと僕は思うわけです。僕がブログ書けてる理由なんかもコレ以外にないですしね。「良くブログ続きますね」なんて言われますが、そりゃ暇だからって感じです。

ちなみに、上では調理の話ですが、日本で寿司握った事ある人ならもっと可能性は大きいですね。

 

更に可能性は尽きない

僕はカナダの永住権を持っていますが、これは別に国籍変更では無い事は再三伝えてきたつもりです。ぶっちゃけ、僕がこの永住権を得た時だって、別に壮大な決意があったわけではありませんでした。「持ってないより持ってた方がお得(笑)」くらいの感覚でしたが、これがあれば僕らは市民とほぼ同等の権利を所持しながら、カナダでの滞在が可能になります。またカナダは本当にこの永住権を得るためのカテゴリーが豊富で、様々な手段で永住権の取得を試みる事が可能です。

で、さっきの話に戻ると、仮に飲食店で就労ビザが2年降りて、一年近く働いたとする。すると、次に見えてくるのはELSSという永住権カテゴリーへの切符。詳しくはこっちの方をみてもらえればと思いますが、要するに『カナダ政府が指定する職種で、9ヶ月以上同じ職場でフルタイム(一日8時間勤務)で働き、高卒以上で、英語のテストが初級レベルであること。』をクリアすれば永住権をゲット出来るという物になります。

先ほどの事例で、1年働く事ができれば、バッチリこの権利が射程範囲内、働き先の協力と、あとは英語の初級レベルをクリアすれば良い話ですが、僕の取得したBCPNPという方法等の他の永住権カテゴリと比較すれば非常に難易度は低いと見て良いでしょう。

更に更に、仮にこの方法で永住権を獲得し、もっと英語力を付けたいと思うのであれば、永住権を取ってバンクーバーなのであればVancouver School BoardのAdult Educationの授業(グレードを12段階で分けた学校の授業)を無料で受講することが可能になります。国の税金で賄われる授業なので、先生達もさっさと卒業させようと超スパルタですが、その分その辺の駅前留学なんかより余程身になります。英語の授業があるので頑張って受講してもいいですね。仕事しながら一科目だけ通ってる人も居ます。

更に更に更に、就労ビザ、永住権を得て、カナダで5年も住めば立派に海外で活動していたという履歴と、語学力、カナダという超多人種な土地柄を生かしたコネクションにと、得られるかもしれない物は星の如く。ここから別に自分の夢なりなんなり探してもいいわけじゃないっすか。こっから別に大学行ってもいいわけじゃないっすか。やっぱ日本がいいなら日本帰ればいいだけじゃないっすか。「カナダの飲食店で5年経験があり、英語が話せます。」とか言えば、とりあえずどっか就職できるっしょ。グローバルグローバル言われてるし、ひょっとしたらカナダに居た頃より全然良い待遇なんじゃないっすか?

僕はいつの日か大学行きたいですし、次はまた別の国の永住権でも取って夏はこっちで、冬は寒いの嫌いなんでどっか他の国にでも避難します。正月はやっぱ日本で過ごしたいっすね。そんな生活、探し続けて頑張り続ければ、たとえ居酒屋で数年調理のバイトしてるだけでも見つかるかもしれないのに、どうしてこんなにもネガティブな世なんすかね?僕はバカなので、不思議でなりません。(ちなみに、永住権は複数取得は出来るけど保持は難しいって話しを頂きました。なるほど確かにカナダも5年の内トータルで720日は滞在しないと行けないので、行けてあと一個っすかね?まぁ実際やるとしたら色々調べてみようと思います〜!)

と、ここまで、色々書きました。今日書いた殆どは現地の人材紹介会社と、ICRCC(カナダ政府公認ビザコンサルタント)の方、それから実際に働いている人から聞いたお話です。(お話聞かせてくれてあざまっしたー!)

 

とりあえず『知らない』という時点で、探してない

とりあえず、具体的な話は以上なんですが、こんな話知らない人が殆どだと思いますし、知る必要の無い人もものすごく多いでしょうけど、今日お話したいのはここからです。

なんかえらく自分の置かれている状況とかを悲観することしか出来ない人って多いじゃないっすか。今回で言うなら居酒屋”程度”と言う人な訳ですが、居酒屋程度と罵るからにはこういう可能性を知ってなければ成らないし、知らないなら探さなければ成らない。居酒屋”程度”と言えるのはそこから見える可能性を全部片っ端から挑戦した人だけなんじゃないすかねーって。僕はそう思うんすよねー。

そんなこと知るわけないだろうって言うかもですが、当然誰だって最初はこんな話も知るはずが無いんです。皆誰だって最初は探し方すら知らないんです。皆同じなんです。でも、必至になって自分の生き残る道というか、可能性を探した人と、そうじゃない人の違いを僕は知っているつもりです。

そこに生まれも才能も学歴も職歴もまったく関係ない。徹夜した日数も関係ない。読んだ本の数すらも関係ない、参加したセミナーの数も関係ない、単に探したか探さなかったかの二択だけじゃないかなって僕は思います。

だから何度だって僕はいいますが、僕は紛れも無く自分の事をバカだと思っています。何か特技があったわけでも無ければ、生まれが良かったわけでもありません、都会に生まれたわけでもなければ、大学を出たわけでもありません、スキルが高かったわけでも、お金があったわけでもありません、体力があったわけでも、有益なコネがあったわけでもありません、英語が喋れたわけでも、友達が多かったわけでもありません、当然、居酒屋の例のようなカナダ事情に詳しかったわけでもありません。

ただ、たった一つ頑張ったことがあるとすれば探し続けたということだけ。探し続けてたらそれがたまたまバンクーバーって土地になって、経緯を超簡単にまとめてしまえば「残業嫌で楽したいからカナダ―」ってなったようなもんです。当初はとりあえずバカだって思われてたし、実際バカだから難しい事何も考えてなかったです。でも、とりあえず誰に保証されるでも無く、もしかしたらイケんじゃね?って思えたからこそ、探し続ける事の重要性を僕は何度だって言い続けます。

まぁ、これが才能だとか言われたらそれまでなんですが、持っていない物を探す行為に才能が関係すると僕は思っていません。ほんのちょっとの気付きだけなんじゃないかなって思います。

 

ただし誰も保証なんかしてくれない

で、こういう記事を書くと「セナさんの言う通りに頑張ったけど、無理だった、責任取れ」みたいな事を言われそうなので、先に書いておきますが、無理な人も多いに決まっていますし、色々な理由をつけて『それは無理だ』と言う人も腐る程居るでしょう。まぁ何を言われようが僕が知ったことではありませんので、何を信じるかはその人次第ということで適当に頑張ってください。そもそもが、ぶっちゃけ調理の仕事してたとしても一緒に働きたいと思わせることが出来なければ面接で落ちるに決まってる。とりあえず、純粋に人としての魅力が無ければ成らないのは間違いない。

ただ、僕の例を出せば『高卒で職歴も浅くて、経験値もスキルも無いセナ君ならカナダでやっていけて、最後には永住権取れるよ。』みたいなアホな保証してくれる人がどっかにいたかといえば、んなもんいるわけないんです。他人や企業、学校や家族、誰でもいいのですが全て自分の未来を保証してくれるのであれば、そのどれでもいいから僕に教えてくださいって感じです。

まぁとりあえず、この場合クリアすべき条件はこの場合はたった2つ。

  • 調理の経験があること
  • 一緒に働きたいと思わせる事

の2つだけ。

別に学歴が必要なわけでも、英語力が必要なわけでも、コネクションが必要なわけでも、大企業でのホワイトカラーな経験が必要なわけでもありません。どうしても保証が必要なら、大金はたくしか無いと僕は思っています。

 

学歴やスキルや職歴云々よりもっと大事な事って無いすかね?

こっからはほぼ独り言です。一般的と言っていいのか分かりませんが、今世の中では学歴やスキル、資格やコネ、なんかそういうのに振り回されすぎじゃありませんかね?そりゃ大事に決まってるんですが、そりゃそうなんですが、例えば先ほど『一緒に働きたいと思わせる事』と条件に書いてみましたが、この努力をしてる人ってどれだけ居るでしょう?

アナタと一緒に働きたいのはなぜでしょう。コミュニケーションが取りやすいからですか?優しいからですか?気配りが出来るからですか?ハッキリと物が言えるからですか?

この辺って、学校とか職歴とか関係無いっすよね?学ぼうと思えば別に小学校からでも学べますよね?時間を費やす部分がそういった具体的な物にばかり目が向いていて、人としてもっと大事な、磨くべき部分が完全おろそかになっている人は多いように感じます。

そんで、誰もこんなん教えてくれません。大学の授業で『人に好かれるためには』的な科目でも入れるべきだと思いますが、そうはなっていない今がチャンス。出来ない人が多いことが出来る人は強いに決まっています。ネット上でクソだバカだアホだこれは酷いと関係ない他人を批判する暇があるなら、『人に好かれる為に何をすべきか』をもっと考え行動した方が僕はいいと思います。

なーんて書いたら、きっとイラっと来る人が居て『(好かれるという)筆者本人が出来てないことを他人に強要するクソ記事』みたいに書かれるんでしょうが、知ったことではありません。誰に好かれたいかは僕が決めること、他人が決める事じゃないから知ったこっちゃないガハハ!

とりあえず、僕はそんな感じでスキルや学歴や職歴がすごかった人じゃないんで、そんなことしか言えません。もしも僕がスキルや学歴があったなら、もっと別の事言ってたんでしょうし、僕のような他人の言う事なんてその程度って事でひとつ。

 

何事も基本は早い者勝ち

例えば、今回の例だって、日本から調理師がどんどん海外にあふれれば、カナダの調理師市場も激化するに決まっています。当然、日本の調理師であふれればその後は日本のように学歴やら資格やらで判断する日も来るかもしれません。

僕もそうです。僕が海外に来た頃は日本人のWEB制作者等殆ど居なかったので、日本人であるという利点を思いっきり活かしました。今はまた別のアプローチが必要になってきているように思えますし、道のりは時間が経つ事にドンドン険しくなっていく。

しかし、結局は決断力の話しになってしまいますが、目先に見えた可能性にどれだけ早く手をのばすか。のばすのが遅い人間が指をくわえることになり、先に手をのばした人間が僕のように『え?僕何も無かったけど、こんな今があるよ(笑)』みたいなことを言い出す。全く困った物です(アレ?)。

まぁ、それがつかめなかったら普通に僕もネット上で愚痴っていたと思いますし、あまり人に対してどうこう言えたもんじゃないんですが、とりあえず今日は思った事を書いてみました。

 

以上いかがでしたでしょうか?

ここまで、自分勝手に思ったことだけ書いてみました。ところどころ自分の例なんかを含めつつ書いてみましたが、僕はとにかく人に見下され育って来たような人間で、コンプレックスの塊です。年齢で見下され、学歴で見下され、体力のなさで見下され、何度も現実逃避し、ロボットか何かになりたいと本気で願い、終いには体力無くて入院したような人間です。今思えば大した事無いようにも思えますが、その当時は人生なんてクソだと本気で思っていたので、今回のような事を書く資格も無いのかもしれません。

まー、でも、んなこと言ったって変わるしか無い。誰も助けてくれないのであれば自分で探すしかない。無いならもっと探すしかない。日本に無いなら海外で探すしかない。

ただ、どの国でも重宝されるであろう、人に好かれるようになる努力は例えコンビニのバイトだろうが、新聞配達だろうが出来ます。人に必要とされる術は身につきます。居酒屋程度と人は言うけれど、居酒屋程度で見える未来だって無限大なのを今の僕は知っています。

それを探すという行為自体が、英語だとかWEB制作だとか(もちろん、それはそれであって良かったけど)、そんな物よりも余程大事な物だと僕は思っています。だからこそ僕は、何時の時代でもどんな時でもどんな状況であろうとも、可能性を探し続ける努力こそが、僕のような何も無かった人間がたった一つ救われる術だったと思わずにはいられなかったりします。

間違っても他人に言われた仕事を他人に言われたままに行使し、他人に言われたまま毎日徹夜して、他人に言われたまま学べと言われた事を学ぶ事ではありません。世の中や社会や他人じゃなく、”自分で”考え、探し続ける事だと僕は思います。

最初の方で紹介したメールを送ってくれた人も。居酒屋程度と思わずに、自分が居酒屋に居たという経験をちゃんと直視して、更に自分の可能性を探し続ける努力を欠かさないで欲しいと僕は願っています。別にカナダに来いなんて言うつもりもサラサラありませんが、少なくとも可能性を探し続けた僕と、現実を悲観する送り主の間には、探すことを諦めなかった人間と諦めた人との間の溝が、とりあえず深いんじゃないかなと今回思ったので記事にさせて頂きました。

ま、蓋を明けてみれば要するに、何事も悲観的にならず探してみようぜって言ってるだけですがね(笑)つまんない記事ですんますんません。

つーか、思った以上に長文になっちゃった。なんか変な事書いてないか見直したいけど今日は眠いので、以前牛角行った時に描いてもらった可愛いイラストでシメようと思います。

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それでは皆様。よき居酒屋ライフを〜!

以下:今回の記事作成に当たってチェックしてくれた人たち。

人材カナダさん:日本人をこっちの企業に紹介する的な仕事してる人たち

ICRCC(政府公認ビザコンサルタント)Yさん:指折り数えるくらいしかいないらしい日本人のカナダ政府公認ビザコンサルタントで僕のビザなんとかしてくれた人

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