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2010年 06月 05日
1.
<差別を感じていなかったり、親日的であったり、「民族主義」に否定的な「在日」もいるのだから、「在日」への「差別」を殊更に取り上げること自体が、一面的なものの見方で、「差別に苦しむ在日朝鮮人」や「民族主義者の在日朝鮮人」を前提とした「オリエンタリズム」だ>といった言説をたまに見かける。主観的にはリベラル・左派との意識を持っていると思われるこうした言説の発言者たちは、自分たちに、「ステロタイプ」なものではない、「在日」の「友人」がいることを殊更にひけらかす。 前にも述べたが、「在日朝鮮人問題」について考えられるべきは、在日朝鮮人の民族的権利という抽象的権利の尊重と、それに基づく施策の実現である。個々の「在日」がどのように言っているか、ということは「在日朝鮮人問題」において基本的に関係がない。 この、抽象的権利と個々の人格との関係性は、在日朝鮮人だけではなく、マイノリティ全般について考える上でもそうである。マイノリティ集団において、マジョリティに媚びて地位上昇を狙う人々は必ず存在するから、こうした関係性への認識が欠如していると、マジョリティは、都合のいいマイノリティの発言を持ち出すことで、容易に、マイノリティの権利を縮減することができる。あるいは、自らが当該マイノリティ集団を代表していると称するマイノリティ団体の言うなりになり、腐敗が発生する。 なぜこのようなことを改めて述べるかというと、冒頭に挙げたような言説は、現在のマスコミ界隈の在日朝鮮人を見る限り、極めて悪質に機能する可能性があると考えるからである。こうした人々は、日本人「同胞」として扱ってもらおうとしており、そのためにはリベラル・左派の右傾化に協力することも辞さない人々で、朝日・岩波的な日本人リベラル・左派程度の政治的見解は持っていようとも(実際に持っている人が多いが)、現代の「親日派」と見た方がよいと思う。25年ほど前までならば、こういう「親日派」的に振舞う若手の在日朝鮮人に対して、問題点はあるにせよ民族団体の人々がたしなめる、という構図があったのだが、現在ではむしろ、こうしたマスコミ界隈の在日朝鮮人に、民族団体の人々が媚びるという始末である。 とにかく、日本人「同胞」として扱ってもらおうとする在日朝鮮人が跳梁し、「在日朝鮮人問題」が何らかの利権問題と表象されるようになっては、在日朝鮮人が有すべき「普遍性」が消失してしまう。こうした観点から、以下、マスコミ業界内の在日朝鮮人について、私見を述べておく。あまり語られるのは見たことがないので、公共性・公益性もあるだろう。 2. 90年代以降、テレビ局や新聞社、出版社などのマスコミ業界に、韓国国籍と朝鮮籍を問わず、在日朝鮮人がかなり入社するようになった。また、在日朝鮮人が大学に教員として採用されるケースも増え、姜尚中は天下の東大教授に就任した(1995年)。90年代後半に大学生活を送った私は、会合等で、在日朝鮮人の年配者が以下のように語るのをさんざん聞かされたものだ。「「在日」がマスコミや大学に進出することが、在日朝鮮人の社会的地位の向上と、日本社会の「共生社会」化につながる。君たちも彼ら・彼女らに続け!」と。この風潮の中で、姜尚中などはあたかも神のように崇拝されていたものである。 あれから10数年が経った。実際に、マスコミ業界には在日朝鮮人が結構いる。私の知っている限りでも、主要なテレビ局・新聞社・出版社には大抵、在日朝鮮人の社員が、それとわかる形で(本名で)存在する。新潮社の編集部にすらいる。ライターや契約社員にもかなりいる。毎日新聞の鈴木琢磨による「メディアにも朝鮮学校卒業者が沢山いるんですよ。」などという発言が、ネット右翼たちに叩かれていたが、これはある程度事実である。 だが、問題は、マスコミ業界に在日朝鮮人が増えたことが、果たして「在日朝鮮人の社会的地位の向上」や「日本社会の「共生社会」化」につながったのか、ということである。私見によれば、ほとんどつながっておらず、それどころかその反対の方向に作用している。 昔、何度かこうした人々と会ったことがあるが、この手のマスコミの「在日」の人々は、「在日」同士で顔を合わせれば、職場の日本人がいかに馬鹿で差別的かという話を嘲笑的に話すが、では、それらの人々によって所属している職場の番組や発行物が少しでもマシな、「人権」に配慮したものになっているかというと、そのようなことは全くないのである。お互い、その手のことには触れずに会話は進む。彼ら・彼女らには、日本人は差別するのだから、今さら自分たちが何を言っても仕方ないし、言うだけ損である、という認識が存在する。 別にその認識が間違っている、と言いたいわけではない。だが、私が以前から不思議に思っているのは、その、問題の多い番組や発行物を出す当の職場に、在日朝鮮人が存在するということは、それらの会社にアリバイを与えることになると考えないのか、ということである。これは、在日朝鮮人(社員)が存在することを外部に示す外的なアリバイと、職場の同僚たる日本人にとっての心理的なものという内的なアリバイという両方の側面からのものである。要するに、その会社からすれば、製作者には「在日」もいる、また、「在日」がいるような「寛容」な会社であるということをアピールすることで、一見「人権」的に問題のありそうなものでもその違和感を弱めることができるであろうし、同僚の日本人からすれば、「在日」と一緒に製作することで、自分たちのやっていることに疑問を持ったり良心の呵責を覚えたりする必要性を弱めてくれるわけである。そういう構造の中にあるわけであるから、本当は辞めるべきだと言いたいところだが、少なくとも、内部で、問題の多い番組や発行物について批判すべきではないのか。 私の見聞の範囲では、マスコミ界隈の有名企業の正社員には、中流より上以上の階層出身者が多い(と言うよりも、それ以外の人間を見たことがない)。そして、在日朝鮮人のマスコミ関係者の場合は、サンプル数が少なすぎて何とも言えないが、知っている限りでは中流~富裕層ばかりだ。統計がないので何とも言いようがないのだが、私見では、在日朝鮮人の間の方が日本人社会よりも所得格差が激しい。よく、パチンコ経営者などの裕福な在日朝鮮人を取り上げて、「在日は恵まれている」などと<嫌韓>たちはバッシングするが、こういう人々はごく限られた層であり、在日朝鮮人の多くは都市下層だと思う。本名で生活できる人々や、本名で大学に進学する人々というのは比較的「恵まれた」層なのであって、だからこそ私は、在日朝鮮人の「友人」をダシに「在日」について語る、左派を含めた大抵の日本人に嫌悪感を持つのである。 これは私の知っている事例からの仮説にとどまるほかないが、結局、在日朝鮮人のマスコミ業界への進出は、人数的には少数派の中~上層の在日朝鮮人の「出世」には役だったものの(もちろん、下層からの上昇の事例はあろうが)、むしろ、「在日朝鮮人の社会的地位の向上」という表象のみをもたらし、かえって在日朝鮮人の多数が下層化されている差別的構造を忘却させる結果しかもたらさなかったのではないか、と思う。また、マスコミの論調も全くマシにはなっておらず、それどころかマスコミは、こうした、自分たちにとって都合のよい在日朝鮮人を手に入れたことによって、なけなしの呵責の念を払拭させ、自己肯定を強めているように見える。 20年ほど前だと思うが、日本で「外国人労働者問題」が初めて話題になった際に、朝日新聞の連載記事(「みる・きく・はなす」とか言うもの)で、以下のようなものがあった。あるマンションに在住する在日朝鮮人へのインタビューで、外国人労働者のマンションへの入居に対して反対署名を募る回覧板が回ってきた、という。この在日朝鮮人は、結局自分も署名したものの、その回覧板には気持ち悪さを感じた、というのである。私はこれを読んで、「馬鹿かこいつは。結局署名してるじゃないか」と思ったものだ。 在日朝鮮人という存在は、朝鮮学校無償化排除問題に端的に見られるように、他の外国人と比べてもそれ固有の露骨な差別を受けつつも、一旦日本の「支配」の枠組みを肯定しさえすれば、日本人に準じた地位という「特権」が与えられる。名誉日本人の地位を得た(得ようと努める)在日朝鮮人は、日本人に対して、「自分たちは朝鮮人への差別意識はない」という意識を満足してあげると同時に、日本社会が外国人(労働者)への差別意識・排外意識を持っていないということを示すためのモデル外国人たる役割を果たしている(注1)。また、同時に、それらの在日朝鮮人は、「反日的」「民族主義的」な在日朝鮮人への違和感を表明することで、差別批判や民族的権利の尊重を要求する主張を周辺的なものとしてくれるのである。実際、マスコミ界隈の朝鮮学校出身の人物は、朝鮮学校や朝鮮総連について露悪的に語り、日本人の歓心を得ようとする人が多い。 在日朝鮮人は、そのような日本人内部の「空気」を読むことに長けている。私は、そのような「空気」を認識しているからこそ、そのような「空気」を破壊しようと努めているのだが、大多数のマスコミ内の在日朝鮮人は、「空気」を読んでひたすらモデル在日朝鮮人役を務めるのである。 実際に、マスコミはモデル在日朝鮮人を求めている。例えば、これは<嫌韓>サイトにしか元記事がないのでリンクは貼らないが(記事の一部を適当に検索すれば出てくる)、ある在日朝鮮人女性がTBSに就職した経緯について、民団新聞は以下のように報じている(2007年1月1日付。強調は引用者)。 「面接の席では各社から靖国や独島問題、北韓や在日に関わる質問も受けた。おりしも当時の小泉首相が8月に靖国を参拝するかどうかが話題になっていた時期。 Xさん(注:原文は実名)も本名で履歴書を出したときから一定の心づもりはあった。靖国では「小泉首相の靖国参拝で両政府レベルの交流が途絶えてしまうとすれば残念。たとえそうなっても草の根レベルの交流は続けていくべきだ」と素直に自分の思うところを述べた。独島では過度にナショナリズムをあおる両国の報道のあり方に疑問を呈した。 「面接官は私自身が韓国名を名乗っていたことでいろいろ聞いてみたいという思いになったようです。考えることは人それぞれ。開き直って、背伸びせず、自分の言葉でしっかり伝えました。結果的にはそれがよかったのかもしれません。逆に言えば、ほかの人よりプラス1問多く質問してくれたわけですから、その点ではすごく得だったですね」 「これは私自身、面接の席でいろんな方から言われたことですが、日本人とは違うバックグラウンドを持って育ったことで韓国と日本の2つの視点を持っているのはいまの時代、引っ張りだこだと思うんです」」 ここでは、近現代日本の侵略・植民地戦争の肯定である、首相の靖国参拝について、在日朝鮮人として苦痛を覚えるということではなく、あたかも日本人リベラル(保守?)のような反対理由が述べられている。また、独島(竹島)問題に関しても、どっちもどっちなどとして、あたかも日本人リベラルのような主張を行っている(そもそもこの人物は、独島問題について多分何も知らないと思う)。自分は、「反日」でも「民族主義者」でもない、「ごく普通の」「在日」ですよ、とさりげなくアピールしているわけである。早速、軽い「踏み絵」を踏んでいる(踏まされている)わけである。 また、「これは私自身、面接の席でいろんな方から言われたことですが、日本人とは違うバックグラウンドを持って育ったことで韓国と日本の2つの視点を持っているのはいまの時代、引っ張りだこだと思うんです」という発言は、その内容が事実であるとすれば(事実だと思うが)、TBSのようなマスコミが、こうしたモデル在日朝鮮人を求めていることを示唆していて大変興味深い。しかも、(「日韓和解」的な)「韓国と日本の2つの視点を持っている」在日朝鮮人こそが求められているのであって、それ固有の視点を持つはずの、在日朝鮮人としての視点が求められているのではない。そして、この人物も、そのようなTBSが欲する「在日」像に疑問を抱いていないどころか、率先してその役を務めようとしている。 もう一つ、一昨年、朝日新聞社に入社した韓国人記者(永住権のない韓国人だが、記事によれば、幼少期から高校卒業時まで日本在住とある)に関する、韓国の新聞記事を紹介しておこう(訳は私による。<嫌韓>たちのネタにされたら気の毒だから、リンクは貼らない)。 「“外国人労動者を<隣人>として見なければならないという新聞社説に忠実ならば、私を入社させてこれを立証してください。” 昨年、日本の代表的な言論機関の中の一つである、朝日新聞の最終面接試験で、新聞社役員たちに感銘を与えて入社したという 20代韓国人女性の話だ。(中略) 日本で少数者の外国人が直面する問題を一つずつ解決して行きたくて、日本の新聞社の記者になることに心を決めた。他の日本の言論機関と比較して、相対的に進歩的な論調を見せる、朝日新聞に心が惹かれた。しかし、純粋な韓国人が記者として入社した前例はなく、彼女には成すことができない夢に違いなかった。 “実は面接前日、お酒を飲んだうえに落ちるのが確実で、言うことを言って出なくちゃいけないと思いました。それで、外国人を単純な ‘安い労動力’ではなく、人格を持った <隣人>として受け入れようと書いた朝日新聞の社説について、一言指摘しました。” すると面接官たちは、「大胆な」 韓国人女性の主張に驚いたように言葉を失って、首だけうなずいたと言う。(後略)」 この韓国人女性については「よく言うわ」と呆れざるを得ないが、注目すべき点は、朝日新聞の役員たちが、このように発言する韓国人を採用しながら、一方で、周知のように酷い記事を量産していることである。役員たちは、このような発言を行う韓国人女性を採用することで、自分たちは「寛容」で「良心的」だ、という自尊心を満足させることができる(もちろん、採用それ自体としては、まさか「新聞社説に忠実」だからではなく、このように「大胆な」発言を行うこの人物の無鉄砲さ等も買われたのだろうが)。 これらの事例においては、大手マスコミの自意識と、それを利用しようとする(在日)朝鮮人との共犯関係が、明確に記されている。<嫌韓>の馬鹿どもは、こうした事例を「朝鮮人にマスコミが支配されている証拠」などと言うのだが、この<嫌韓>どもがこうした馬鹿げたことを言うがゆえに大手マスコミは自らを「良心的」または「良識派」などと位置づけることができるのであって、大手マスコミは<嫌韓>どもよりも巧妙なだけだ。もちろん、ある職場に在日朝鮮人がいるという事態は、それ自体としてはごく当たり前のことでなければおかしいが、言論機関であるマスコミにおいては、職場に在日朝鮮人がいること自体に特定の意味が発生していると思う。 ちなみに、マスコミ界隈の中年男性というのは、在日朝鮮人女性の書き手が本当に「好き」である。父性本能(?)をくすぐるのだろうか。 リベラル・左派のグループの右傾化においては、必ず、メンバーに(在日)朝鮮人が存在する。その(在日)朝鮮人の言明または黙認によって、日本人は自らの右傾化を(自己)弁明できるし、その(在日)朝鮮人は、日本人のこうした意識を読み取って、自らの利用価値を高く売ることができる次第である。 (注1)その意味で、坂中英徳が、在日朝鮮人政策を外国人の社会統合のモデルとして位置づけているのは示唆的である。坂中は例えば、以下のように述べている。 「 1000年以上も移民鎖国時代が続いた日本は移民の受け入れに適さないという見方が一部にある。 私はそのような考えに異議がある。在日韓国・朝鮮人問題と格闘してきた経験から、日本社会には異なる民族を受容する土壌があり、日本人には移民を受け入れる潜在能力があると考えている。現在、日本人と在日コリアンが友人関係・信頼関係を確立していることこそが、その何よりも雄弁な証拠である。(中略) 「在日韓国・朝鮮人問題は日本人との婚姻・血縁関係の発展という人間の自然の営みによって円満に解決された」と評価される時代も近いと思う。 今日、経済界、スポーツ界、芸能界などを見渡すと、在日コリアンの活躍が目立つ。医師、弁護士、公認会計士など専門職に従事する人も多い。 歌謡の世界は在日コリアンの存在を抜きにしては語れない。パチンコ産業を生み出し、一大遊技に発展させたのも在日コリアンだ。焼肉やキムチが日本人の好きな食べ物になったのも朝鮮半島出身者がいたからこそだ。 私たち日本人は、戦後日本に残った約65万人の在日コリアンとその子孫が、日本の社会・経済・文化の発展に貢献したことに感謝すべきだ。一方で、日本人の歴史認識が問われるとともに、在日コリアンの民族的アイデンティティがからむ、困難きわまる移民問題であった在日韓国・朝鮮人問題が解決の方向に進んでいることに自信を持ってよい。 在日コリアンとの深いかかわりの歴史を鏡とし、ニューカマーの移民と向かい合えば、日本人は「多民族共生社会」を創れるだろう。移民の受け入れにおいて日本が世界の模範になるのも夢ではない。」 http://www.the-journal.jp/contents/sakanaka/2009/12/post_43.html
by kollwitz2000
| 2010-06-05 00:00
| 在日朝鮮人
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