electric heel氏が、鈴木宗男衆議院議員の衆議院外務委員長就任について触れている。
「”疑惑の総合商社”鈴木宗男リターンズ」
http://electric-heel.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-3d0a.html
electric heel氏が挙げているように、民主党が、かつて批判対象にした、また当然反対が予想される鈴木をあえて持ってきたということは、
民主党とロシアの間で、北方領土の「二島返還」で手打ちが済んでいる、ということを意味していると考えるのが自然だろう。
日露の「和解」は、「東アジア共同体」(東北アジア共同体)の実現にとって不可欠である。東アジア共同体論の代表的論者である和田春樹が、<佐藤優現象>を推進するのも、
以前挙げた理由のほか、この辺がからんでいるのだろう。和田の東アジア共同体(「東北アジア共同の家」)論でも姜のそれでも、東アジア共同体の構成国には一貫してアメリカとロシアが含まれている。
いまだに「東アジア共同体」が平和主義的な何かだと勘違いしている人を見かけるが、
東アジア共同体とは、アメリカの軍事負担を肩代わりする、「対テロ戦争」を円滑に遂行する軍事同盟である。もちろん、NATOがそうであるように、それはアメリカの紐付きである。東アジア共同体論を提唱する和田や姜が、主観的には平和主義的な願望を持っていようが、確信犯であろうが、それはどちらでもよい。「東アジア共同体」論において、和田や姜は、「国民基金」における和田の役割を反復している。
和田や姜は、「東アジア共同体」を平和主義的な構想だと宣伝しており、そのように理解している人間も多いようだが、そんなわけはない。むしろ、「東アジア共同体」が成立すれば、「対テロ戦争」へのアメリカの諸負担は格段に減るから、かえって一層、先進国による中東やアフリカ等への軍事介入は増えるだろう。もちろん、東アジアにおいても、である。