「福開き速駈詣(はやがけまい)り」が1月13日、救世観音宗(ぐぜかんのんしゅう)総本山「紀三井寺」(和歌山市紀三井寺)で開催された。和歌山で活動するランニングチーム「汗濁(あせだく)大学アスリートクラブ」と同寺の共催。
「速駈詣り」は一年の無事を願い、新たな決意をささげる参拝で、今年で8回目。楼門から本堂まで続く210段の石階段「結縁(けちえん)坂」を2人ずつ駆け上がる。参加者には速駈証を渡し、本堂参拝後は寺務所で当日限定の御朱印を授与する。タイムを測定し、最も速い男女に「福結び速駈王」「福結び速駈姫」、最高齢の男女を「健脚王」「健脚姫」として表彰するほか、10代未満から70代までの年代別表彰も行う。
開会式で前田泰道住職が「今年はみ年。古い皮を脱ぎ捨てて新しく生まれ変わるという意味がある。支えてくれる周りの人への感謝の気持ちを速駈けで表し、新しい挑戦の皮切りにしてほしい。今年も昇り竜のような一年にしてもらえれば」とあいさつした。
今年は過去最高の226人が申し込み、当日は4歳~86歳の185人が県内外から参加し、急な石段を駆け上がった。参加したのは、陸上部の中高生、病院や企業の有志チーム、サッカー選手、視覚障がいのある人など。ふんどし姿や恐竜の着ぐるみを着た人、大阪・関西万博キャラクターのコスプレ姿で駆け上がる人もおり、会場は声援や拍手、笑い声に包まれた。
「福結び速駈王」は、24秒30で新記録を樹立し4連覇を果たした石田諒太さん。石田さんは「4連覇達成はうれしい。来年こそは23秒台を目指したい」と話す。3連覇の「福結び速駈姫」に輝いた柴田友香さんは「記録を更新できたが、32秒には届かなかったので、来年も挑戦したい」と話す。
県内在住の男子高校生は「苦しかったが、気持ちよく走りきった。今年も健康に一年を過ごしたい。年始の恒例行事として来年も参加したい」と笑顔を見せた。