20日から、企業・官公庁ユーザーが顧客の8割を占めるレンタルサーバーサービス大手でYahoo!の子会社である「ファーストサーバ」が提供するレンタルサーバに障害が発生。
なんとサーバ内に存在するウェブやメールなどのデータがすべて消失してしまったのだ。
同社サイトによると、このデータ消失はメンテナンス作業において用いる特定の管理プログラムにバグがあったことによるもので、復旧作業を進めた結果、ファーストサーバ側の管理領域内にも損傷を確認しているという。
「サーバ障害」というと、ウェブに精通していない一般人からすると、「ホームページ見られないくらい?」と思いきやさにあらず。
「ホームページがアクセス過多で表示できない、という話ではなく、表示させるデータも何もかもなくなったということですね。
また、ネット上で物品の販売を行うECサイトに関しては、気づいたら店が更地になってたというわけですから、商売には大打撃でしょう。また、サイボウズなどのデータが飛んだ場合、勤怠表などの人事管理データ、稟議関係のデータなどもぶっ飛ぶ。8割が企業顧客ということで、これはサラリーマンであれば業務に支障をきたすのはもちろん、小さな企業であれば深刻なダメージになる可能性がありますよ」(某社システム管理者)
ファーストサーバのFacebookページにはユーザーの苦情が多数寄せられている
「各社のシステム管理の担当者などは仕事にならないし大変でしょう。通常であればデータをバックアップする
ためにミラーリングやスナップショットなどを活用してるので、それらが生きていればレストアにもそこまで
時間かからないと思うんです。それが全部ぶっ飛んだとなると……。さくらインターネットのクラウドサーバのデータが飛んだ事故も少し前にありましたが、今回のはそれ以上に大規模な障害でしょう」(同)
第16条の1
お客様は、本サービスが本質的に情報の喪失、改変、破壊等の危険が内在するインターネット通信網を介したサービスであることを理解したうえで、サーバ上において 利用、作成、保管記録等するファイル、データ、プログラム及び電子メールデータ等のすべて(以下「契約者保有データ」といいます)を自らの責任において利用し、保管管理し、且つバックアップをするものとします。
第16条の3
契約者が契約者保有データをバックアップしなかったことによって被った損害について、当社は損害賠償責任を含め何らの責任を負わないものとします。
第36条
本サービスの利用に関し当社が損害賠償義務を負う場合、契約者が当社に本サービスの対価として支払った総額を限度額として賠償責任負うものとします。
コメント欄やTwitterでは賠償に言及するコメントも数多く見られたが、同社規約によると
「本サービスの利用に関して当サービスに支払った月額費用の総額を限度額として賠償責任を負うものとします」とあり、データの損失における売上金などを賠償として請求するのは難しそうだ。
完全復旧しても失ったデータが戻るわけではなく、今後より大きな影響も予想される。
http://nikkan-spa.jp/236822