退職しましたというエントリを書いてから早くも2年、そして、1年前に転職しましたというエントリを書いてから1年が経過しました。せっかくなので、またまた1年を振り返ってみることにします。
いままであらすじ
2年前、ごく小規模の WEB 受託開発会社から、中規模の広告代理店へ転職。
転職先では、エンジニアの社員はわしだけ。
「エンジニアの居ない場所に行ってポストを作れさえすれば、割と無双できます」は、やはり正しかったと自負。
よかったこと
2年目は内製体制への慣れが出てきて、チームの雰囲気が変わってきました。最初の1年では、外注のクセが抜けておらず、何かをやりたいときにチーム内のエンジニア(わし)に「発注」するようなコミュニケーションになっていました。そのため、何をするにも「発注者」が「要件」「仕様」を決めてから「発注」という流れになり「発注」まで長い時間がかかった上に「発注」後に「仕様」が変わっていくというお決まりのパターンに陥る事が多々ありました。また、チーム内でそういった「お客様感覚」の振る舞いをされると、まぁ、気分はよくないですよね(言いませんけど)。その辺りについて、この1年は何かやりたいことがある場合、とにかく、まず issue を立てるようにしてもらい、そこで「要件」がなんなのか、どんな「仕様」がいいかを議論していくスタイルに変わっていき、いまでは定着しているように思います。これにより、やって欲しい方は、やりたいことが整理できますし、作る方はなにがやりたいのか明確になりますので、前よりスッキリと開発ができるようになりました。この体制になるまで(今でも少し)、口頭で聞き慣れない話題について話してるのを聞いたら「タイトルオンリーでもいいので、issue を立ててからやって貰えますかー。あとですぐ閉じることになってもかまわないのでー」と言うのを2年間、延々と繰り返してきました。長い目で見て取り組むのが大事だなって思います。
Java から Ruby に移植した WEB アプリケーション、運用が2年目に入りました。現在 Ruby 2.2.2, Rails 4.2.2 環境で元気に動いてるので、サーバーサイドは比較的健全な状態を保ててると思います。(サーバーサイドは)
BigQuery の導入は大当たりでした。今までは PostgreSQL を使った OLAP をたくさんやっていましたが、処理する DB の件数も増え、各種 BigData 処理環境の発展による相対的な性能劣化も目立っていましたので、安くて美味しそうな BigQuery に手を出してみました。最低限の Window 関数は揃っていましたし、PostgreSQL で培った OLAP ノウハウがだいたい生かせる環境でしたので、ボトルネックになっていた処理から順に移植している状況です。
昨年のエントリで ISMS 事務局の一員となった件についても書きましたが、昨年末にあった大型の審査(社屋移転、3年更新、新規事業追加に伴う適用範囲の拡大、ISO27001:2014 へのアップグレードの4本立て)を乗り切りました。ただ、ISMS 体制の維持については、無駄な労力がかかっている部分が多々あるので、年々効率化を進めて、全体の負担を減らしていきたいところです。
昨年のエントリで「ここらでもう一人くらい増やせるように色々立ち回っていきたいなと思っています」と書きましたが、うまいことやりまして、5月からエンジニアが1人入ってきてくれました。僥倖。
うまくいかなかった事
片手間 Javascript 業が、かなり大変でした。サーバーサイドはイイカンジで動いているんですが、いわゆるフロントエンドは勉強不足が災いして安定するまで結構時間が掛かってしまいました。AngularJS 1.2 を導入して、最初はよかったんですが、途中から IE8 への対応が必要になって 1.3 以降へのアップデートを封じられてしまい、UA 毎にコードを変える決心も付かず、その場しのぎの対応で問題を先送りしていました。そうして先送りしていたところ、IE8 終了のお知らせが舞い込んできて、時間稼ぎさえすれば近いうちに解放されるという状況になってくれて、ホッとしています。
今回は、たまたまなんとかなったからいいものの、この反省が生かせるかというと微妙なところなので、どうしようかなという感じです。「もっともっとちゃんと勉強してから始めればよかった」ってのも、それはそうなんですが、それでは始まらないというのもあり…
「jQuery で頑張って書く」というようなことをしなかっただけ比較的マシなルートを通ったんじゃ無いかとも思うので、非常に難しい感想になります。
今後やりたいこと
現在、データセンターにサーバーを置く、いわゆるオンプレ環境での運用を続けていますが、ハードウェアのリプレース時期が近づいてきているので、クラウド環境での運用に移せればいいなと思って動いてます。インフラは片手間 JS の時みたいなヘマをすると取り返すのが比較的難しい領域ですから、慎重にやっていきたいところです。幸い、新しく入ったエンジニア氏が、わしよりもインフラに明るいので、協力して新環境を樹立したいと思います。
新しく入ったエンジニア氏が元々 Perl 畑の人で、現在 Ruby について熱心に勉強中なので、Rubyist として育成していきたいという感じです。
欲を言えば、さらに1人くらいエンジニアを増やせると言うことがないんですが、売上が劇的に躍進したりしない限り、少し厳しそうです。
言いたいこと
普通の会社には、普通のエンジニアが潜り込んで出来る事がたくさん転がってます。
要するに、繰り返しになりますが「エンジニアの居ない場所に行ってポストを作れさえすれば、割と無双できます」という事につきます。
あえて、エンジニアの薄い環境へエンジニアが転職していくようになれば、ますますエンジニアが不足して価値が高騰するかもしれませんので、みなさまよろしくお願いいたします。
注
このエントリ中での「エンジニア」という言葉は、SE とかアーキテクトとかプログラマーとかインフラエンジニアとか、そういった感じのものを混ぜた感じの言葉として使っています。「エンジニア」という言葉の定義に敏感な方にはご不快かもしれませんが、何卒ご容赦いただければと思います。
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