原発推進は反省されたのか?(追記あり)

原発推進ポスター.jpg避難していた大阪から帰ってきた。大阪では、毎日のように友人・知人に会ったり連絡を取ったりしていた。驚くほどたくさんの知人が、西日本に避難していることを知った。内輪での大体一致した意見は、「危険な状態は変わっていない」ということだった。


水道水や雨から放射性物質が検出されているのに、安全性ばかりが強調されているのには腹が立つ(註1)。

けれどももっと腹が立つのは、つい2週間前まで国をあげて原発を推進してきたことが、まったく反省されていないことだ。推進してきたのは、まず原発で商売してきた“大企業”、特に電力会社と電機メーカー3社(東芝、日立、三菱重工)(註2)。“官僚”、特に経済産業省エネルギー庁。“政治家”、特に自民党、民主党(註3)。御用学者たち。そして大新聞をはじめとするマスコミだ。

彼らは少なくともチェルノブイリ以降、この地震の多い列島でこんなにたくさんの原発はありえない、と散々言われてきたのに、まったく耳を貸さずに推進を続けた。膨大な税チェルノブイリから飛び散ったセシウム137の分布.gif金を使って、「日本の原発は安全だ」「原発はクリーンだ」と宣伝してきた。しかも彼らは権力の中枢にいるので、誰からも反省を迫られない。今回も、このままうやむやにしてやり過ごすつもりだろう。

ここで反省させないと、またほとぼりが冷めた頃に推進を始める。

とりあえず、雨に濡れないように気をつけたい。


(註1)元ICU教授の田坂興亜氏は、ごく微量でも深刻な結果をもたらす「体内被曝」の可能性を無視し、CTのような「体外被曝」との比較に摩り替えている、と枝野官房長官の発言を批判している。

こんな悲劇的なニュースまである。摂取制限基準の3倍を超えているのに、「飲んでも差し支えない」とは!

福島県飯舘村で水道水の飲用控えるよう要請 「他に水がなければ飲んでも差し支えない」 (産経)  
(註2)なかでも東芝はウラン採掘、輸出、イメージアップ戦略まで、熱心にやっていた。参考:東芝原子力事業部  原子力はクリーンなエネルギーではない(日記)
(註3)菅直人は原発輸出を“新成長戦略”としていたが、この「経済成長のためなら何をしてもいい」という姿勢ごと反省する必要がある。

(参考)福島第一原発で起きていることを理解するために (友人が作ったサイト。いい情報が選ばれている)  

     鎌仲ひとみさんのツイッター
(関連日記一覧カテゴリ)原発
図上は、文部科学省原子力教育支援事業での公募ポスター。ここのサイトのポスター群を見てほしい。下はチェルノブイリから飛び散ったセシウムの行方。

追記)
原発「津波に耐え素晴らしい」 原子力行政「胸を張るべきだ」 経団連会長が発言
 (北海道新聞)
「日本経団連の米倉弘昌会長は16日、東京都内で記者団に対し、福島第1原発の事故について「千年に1度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」と述べ、国と東京電力を擁護した。」
「米倉会長は事故は徐々に収束の方向に向かっているとし「原子力行政が曲がり角に来ているとは思っていない」と発言。」

原発は重要エネルギー源=地震多いのは運命-与謝野経財相 (時事)

「「将来とも原子力は日本の社会や経済を支える重要なエネルギー源であることは間違いない」と語り、あくまでも原発を続けるべきだとの考えを示した。」


これはもう狂気だが、経済産業界の考えであることは間違いない。こういう連中が作っている社会では、我々が幸せになれないことも間違いない。