元トピ職人の解説など

[コラム]秒速で結婚に水を差します。(修正版)

はてブがリニューアルされてから久々のブクマ1000overの記事ではないでしょうか。Twitter上でも話題になっていましたし、ご覧になられた方も多いはず。

結婚のご報告。30年彼女がいなかった僕が、秒速で結婚できた理由。 | 株式会社LIG

経緯はどうであれ結婚自体は祝福するべきものでしょうが、重度の小町脳のtopisyuとしては素直に受け止められないところがありました。そうして、思わず、小姑チェックしたのがこの記事となります。目出度い結婚に明らかに水を差すものなので、「こんなサプライズ結婚、私もしてみたい!」と思われている方は、どうぞそっとページを閉じて下さい(小町話法)。

元記事に致命的な欠陥があったため、秒速で追加修正しました。秒速感がなくなってしまいました。ごめんなさい。

男性側への小姑チェック

秒速で結婚された男性は、4月1日に以下のような条件を設けて、結婚相手となる女性を募集されたそうです。

嫁に求めたいもの

20歳〜35歳の女性の方
将来、長野県の田舎で一緒に暮らせる方
300万円を超える借金をもっていない方

歓迎する条件

会社の広報担当の方
おっぱいが大きい方
美味しいホワイトソースが作れる方

この内容自体は彼女いない歴30年の男性が小町の男性発でやればフルボッコ炎上確実な条件ですが、それは置いておいて、小町脳からすれば、1つ物凄く気になるところがあると思います。はい、”将来、長野県の田舎で一緒に暮らせる方“です。この辺のご事情はエイプリルフールの記事の方が詳しいです。

長野県に実家があるのですが、姉と妹は結婚して家を出ました。僕は長男として、いつかは実家に帰って両親の老後を

ケアする責任があると感じています。東京でいつまで生活ができるかわかりませんが、もし結婚して家庭を作るとなった場合、一緒に長野県の田舎で暮らして欲しいと思います。冬は雪がたくさん積もるので、少し大変です。

紳さんこと、株式会社LIGメディア事業部・部長の竹内紳也が嫁を募集します。 | 株式会社LIG 

念のため、ご本人の婚姻届がモザイク無しで会社の公式Blogにuploadされているので、隅々まで拝見すると、どうやら長野県の信濃町、小林一茶の生誕の地がご実家なようです。とすれば、この”長野県の田舎で一緒に暮らせる”というのは、”男性のご両親が住まれている信濃町で、家を継ぐ、墓を継ぐという目的で二世帯で暮らしたい”ということですね。

一茶の句と言えば、

やせ蛙まけるな一茶これにあり

が有名ですが、郷里を詠った句としては、他にも、

雪とけて村いっぱいの子どもかな

であったり、

これがまあ終の栖か雪五尺

といった、信濃町が豪雪地帯であることから来る、雪に関連した句も有名です。五尺=1.5mまで雪が降る地域。信濃町では、豪雪で時には死傷者が出ています。

一方で、女性の方は、九州出身で、これまでは生まれ故郷の九州と大学進学、就職した東京以外は住まれたことはなさそうです。男性の方での最も具体的な条件であるところの、”長野県の田舎で一緒に暮らせる”という点について、事前にどういった気候帯か分かった上で結婚を決断されたのでしょうか。”冬は雪がたくさん積もるので、少し大変です。”とはありますが、それだけで想像できるものか。豪雪地帯での雪下ろしがどれだけ重労働か、ご経験があればいいのですが。

また、”僕は長男として、いつかは実家に帰って両親の老後をケアする責任がある”という点については、この老後のケアはこの男性だけがすると考えていいのでしょうか。残念ながら、嫁に期待される役割は、田舎であれば田舎であるほど大きいです。ご両親の介護は女性に求められる可能性が高い。会ったこともない年寄りと一緒に暮らし、介護をすることになる。

秒速で結婚を決めた過程で女性側にどこまで話しができているのか。

女性側への小姑チェック

女性側が結婚を意識したのは以下のエピソードがきっかけだったそうです。

そんな時、元気だったはずの祖母が入院をして、お医者さんに「持ったとして、あと1年」と言われました。今年の2月のことです。私は高校の時に、父親もガンで亡くしています。他界する直前に、父親が祖母にかけた言葉は、「天国に来る時は、◯◯(私)のウエディング写真をもってきて」という一言だったそうです。「天国にいる父のためにも、祖母にウエディング姿を見せたい」そう思った時に、今まで遠い存在だった「結婚」というものが、ぐっと近づいてきました。

ウェディング姿は、写真でも取ればそれで済みそうなのは置いておいて、お母様がこのエピソードに全く登場しないのが気になるところです。その他の登場人物の関係性を見るに、お父様”も”ガンで亡くなっているということですから、お祖母様もガン、他界する直前に天国に来る時のことをお父様からお祖母様にお話されているということから、お父様とお祖母様は血縁関係があるのでしょう。”元気だったはずの祖母”ということからすれば女性はそれほど頻繁には祖母の家には帰っていなかった。誰がお祖母様を介護していたのでしょうか。お母様ではないでしょうか。

東京の大学に出られて、東京の会社で働かれているご本人と、九州で嫁に行き、夫の死後お祖母様とずっと一緒に暮らし介護をしてきたお母様との間では価値観のギャップがあるでしょうから、エピソードに登場していないのは、もしかしたらあまり良い関係ができていないからかもしれません。

ここまで、完全にゲスパーですが、結婚することについて、3時間という時間で、恐らくは家族の相談もなしに決断された背景には、そういった事情があったとすれば納得できるところです。お母様にご相談されずに決められたのは関係性からご本人としては当然だったかもしれませんが、インターネット上で結婚の経緯を知った、お母様はどうお思いになるでしょうか。ご本人が長野県に将来先方の両親と住まれるということは、将来的にも実家に戻ることはないと宣言しているようなものです。長野と九州であればそう頻繁に行き来もできない。何の相談もなしにこういうことをされると、年のいった人は途方も無い絶望感を抱くものです。

締め

秒速で結婚しようが、15年間付き合っていようが、こういった親の話はする人はするし、しない人は全くしません。また、結婚は当人同士の契約ですから、親の話をする必要は必ずしもありません。ただ、このケースでは、見えている課題があります。課題が見えているにも関わらず、無鉄砲に突っ込んでいくのは自殺行為です。課題をクリアーして進んだ方が断然安全。

この結婚を昔のお見合い結婚のようだと表現する人がいますが、全く異なります。昔のお見合い結婚は、親の関係性は明示されています。でも、この結婚では親との同居フラグがあるにも関わらず、親の情報は十分に開示されているとは思えない。指輪の号数も確認せずに、婚約指輪をサプライズで買うような男性が、女性側の家庭事情を確認しているのでしょうか。

女性の方では、

竹内さんとの結婚も、正しいのかどうかはよくわかりませんが、竹内さんがこの気持ちにこたえてくれるのであれば、一緒に2人だけの正解を作っていきたいなと思っています。私は本気です!エイプリルフールネタでないことを信じてます・・。

と若干不安があるようです。この状況だと、2人だけで正解を作れるのかも分からないですよね。舅姑による夫婦生活への介入があるかもしれない。男性のご両親と一冬過ごしてからご決断されても、遅くはなかったのではないでしょうか。二人にとって大事なことなのに、なぜ秒速で決める必要があったのでしょうか。

ご夫婦が「結婚がエイプリルフールネタだったら良かったのに」と秒速で思わないことを願うばかりです。

参考

LIGの秒速結婚エピソードはゲスな話であって感動的ではない - Hagex-day info
⇛企画の設計に関するHagexさんの記事。

「モザイクで隠された読めない文字」を復元・解読する方法!? | 雑学界の権威・平林純の考える科学
⇛粗いモザイクだと文字の復元ができるという記事。

[コラム]釣り解説”36歳以上で結婚していない男性は何かしらの問題が・・・?”
⇛今回のサプライズ婚の発案者の一人が釣り師であるというtopisyuのコラム。関係ないですが、男性は36歳以上でなくて本当に良かったですね。

  • 18 April 2013
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