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「今日(8/4)ウクライナは、多くの記者が滞在していたホテルを砲撃」 エバ・バートレットによる現地からの報告。

<記事原文 寺島先生推薦>

Today, Ukraine bombed a Donetsk hotel full of journalists – here’s what it felt like to be there

Another attack from Kiev has hit central Donetsk, targeting a funeral and a hotel where numerous reporters stay and work

(今日、ウクライナは多くの記者が滞在していたホテルを砲撃。現地からの報告

多くの記者が滞在し活動していたホテルを標的に、キエフ当局がドネツクの中心地に更なる攻撃を加えた)

出典:RT

2022年8月4日

筆者:エバ・バートレット(Eva Bartlett) 


エバ・バートレットはカナダ出身の独立系記者。取材活動のため中東の戦闘地域、特にシリアやパレスチナ(両地ではほぼ4年間滞在)で何年も過ごした体験がある。


<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2022年9月12日


© Eva Bartlett

 今日(8月4日木曜日)の午前10時13分、ウクライナはドネツクの中心地への砲撃を開始しました。10分の間に5回の強力な砲撃が行われました。その最後の砲撃では、私が使っていたホテルの一階のガラスが吹き飛ばされましたが、ホテルの居間(記者たちが現地取材に赴く前や戻ってきてから集まる場所としてよく使用されていました)や、ロビーも吹き飛ばされました。私がそのロビーを通り過ぎたのは、砲撃の約一分前でした。5回目の砲撃の際にロビーにいたカメラマンの助手は、 砲撃の衝動のせいで脳しんとうを起こしました。

 ホテルの外を歩いていた一人の女性が亡くなりました。亡くなった方は少なくとも他に4名いて、うち1人は子どもでした。ドネツクのテレグラムのチャンネルは、地元の人々が撮影した動画であふれています。亡くなった人、負傷者、被害者、そして悲しみにむせぶ人々の動画です。そのような動画の中には見るのが辛いテレグラム上の投稿(過激な内容のため閲覧注意と書かれています)もあります。この動画には、ホテルから2ブロック離れた通りで、殺害された妻と孫の惨たらしい死体を見てショックを受けている男性の姿が映されています。

 私がこの記事を書いている時点では、負傷者の総数はまだわかっていません。最初の推定では少なくとも10名とされていますが、その中には2名の救急隊員も含まれていました。医師1名と救急救命士1名です。

 ニュースを見る人には、今日起こった大虐殺の動画や画像は、閲覧注意と書かれていたり、見るかどうかの選択肢が与えられた上で提供されています。それはこれまでウクライナがドンバスで8年間行ってきた戦争での画像や動画と同じです。しかしここ現地にいる人々は、警告や見るかどうかの選択肢を与えられないまま、愛する人や、見知らぬ人のバラバラにされた残骸を直視しなければならないのです。このような惨状を目にすることは不快なことですが、世界の人々に見せる必要があります。世界にはドンバスで起こっていることの真実を知り、ドンバス在住の人々の声を知らせようとする人々がいる限りはそうしないといけません。ドンバス在住の人々は、ウクライナ軍により殺され、恐怖にさらされているのに、西側の企業メディアはそんな犯罪行為から目を逸らしたり、目をつぶったりしているのです。


関連記事:Moment of deadly Donetsk shelling caught on video


時系列による砲撃の記録

 砲撃が開始されたとき、私は自分の部屋で前日に撮った映像の編集作業をしていました。ドネツク地方での別の砲撃後の映像の編集作業です。ほとんどの西側メディアが報じていないので、ご存知ないでしょうが、ここでは爆発は日常的に起こっています。ですから私は、砲撃の騒音がいつもより大きいことと、車からの警告音が鳴り響いたこと以外はあまり気になりませんでした。

 その7分後、もうひとつの爆発が起きましたが、それは前のものよりもずっと大きな音がし、ずっと近くで起こったものでした。窓から見ると、煙が北側に向かって上がっていました。それはおそらく200メートル先でした。爆発したのはオペラハウスのすぐ近くのようでしたが、そこでは、昨日戦死したドネツク人民共和国(DPR)のオルガ・カチュラ(Olga Kachura)大佐の葬儀が開始されようとしていました。

 その1分後、また別の大きな音がする砲撃があり、私は部屋を出ました。私の部屋は爆弾が飛んでくる方向を向いていたからです。幸運にも、被害は窓が割れるだけで済みました。

 下の階では、ホテルにいた記者やホテルの外で取材に出かける準備をしていた記者たちが、一時的に廊下内の避難場所に身を置き、状況が悪化した時にいつでも地下室に逃げられるよう準備していました。

 ある記者は撮影に行く準備をしていたとき最後の砲撃があった地点から約10メートル離れたところにいました。「奴らは葬儀を狙っていたと思うよ。それと記者たちもね」とその記者は話し、さらに、脚を失くした女性を外で見たが、おそらくその女性はもう亡くなってしまっただろう、とも言っていました。

 ウクライナ軍はカチュラ大佐の葬儀だけを標的にしようとしていたと考える人もいるかもしれません。そうすることでDPR軍やDPR軍を支持する市民たちに警告を発する目的だったと。それだけでも非道な行為ですが、記者たちが滞在していたホテルも、ただ「巻き込まれただけ」だとは思えません。

 というのも、ウクライナは常に、メディア関係者を迫害し、検閲を加え、投獄し、虐待し、標的にしているからです。そうするために、私たちを「殺害すべき人物リスト」にリストアップすることまでしています。

 ウクライナ軍は、街の中心地に位置し、WiFi環境も安定して整っているので、このホテルにたくさんの記者たちが滞在しているのを把握しています。多くの記者がホテルの外でライブ配信をすることも頻繁にあります。さらにここに滞在している記者たちは、ドネツク近辺の他の都市に滞在している記者たちと同様に、ウクライナ側が国際的に使用が禁じられている「蝶型」対人地雷という卑劣な地雷をドネツクに投下していることを大きく報じています。その地雷が投下されたのは、ほんの前のことです。ごく最近です。今日も行われています。これもウクライナ側が犯している戦争犯罪のうちのひとつです。これらの地雷は人間の手足を吹き飛ばすために作られたもので、ウクライナは繰り返しこの地雷を搭載したロケットを発射し、意図的にドネツク市内やその他のドンバス人民共和国内の一般市民の居住地に投下しています。

参考記事

Ukraine bans dissident journalist – media

 今日ドネツクの中心部で爆発があった後で救急隊が現場に駆けつけたので、しばらくの間状況は落ち着き、記者たちはこの砲撃による被害や死者の取材に出かけました。私が前述した女性は、血の海の中で横たわり、吹き飛ばされた窓に掛けられていたと思われるカーテンが被せられていました。

 しかし、落ち着いた状況は長くは続きませんでした。ウクライナはすぐに砲撃を再開しました。さらに4発の砲撃を受けて、外に出ていた記者たちはホテル内に駆け戻りました。「よくあることだ。一箇所を攻撃したら同じ箇所を二度攻撃するんだ。それが今も起こっているんだよ」と私の近くにいたセルビア人記者は語っていました。地元の緊急隊本部長は私に「ウクライナ軍は2回じゃなく、3回同じ箇所を攻撃することもある」と話しました。

 ウクライナが今日の攻撃で使用したのは、NATO基準の155ミリ口径の武器だと言われています。それが本当であれば、ウクライナが西側が供給した武器を使って、ドネツク人民共和国及びルガンスク人民共和国の市民たちを殺害し、負傷させた、もうひとつの新たな事例になります。

 記者たちがたくさん滞在していたホテルを砲撃することで、ウクライナ当局がウクライナによる戦争犯罪を報じている記者たちの活動を遮りたいと考えているのであれば、それは無駄なことです。 ほとんどの記者たちにとって、現地でそのような活動に従事している理由は、現地の人たちの生命を真剣に気遣っているからです。自分たちのほうで戦争の原因を作っておいて、戦争の被害を受けた人々に嘘の涙を流している西側陣営とは違うのです。
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