24.04.2011 (Sun)
今日はロッテルダムに住みオランダで働く二人の日本人の友人に会いいろいろな話をすることができた。二人とも建築関係の職場で活躍をする仲間で、日本とオランダの仕事の仕方の違いや、ここで学んだことを帰国後どう活かせるかといった話でたっぷりと盛り上がる。
他のヨーロッパ諸国の事情は詳しく解らないが、少なくともオランダでは、好きな建築の仕事をし、家族や自分の生活を存分に楽しめるライフスタイルが存在している。平日も本当に、7時頃には帰宅し、土日は休み。夏や冬に一週間づつくらいの長期休暇がもらえる。
おそらくオランダの建築家が働いている実質時間は日本の建築家の半分だと思う。その差から生まれる結果はどこに現れているのだろうか?実際に生まれている都市や建築の姿に結果となって積み重なっているのだろうか?
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留学を始める前から自分の中に大きな疑問があった。それは、「日本の建築家はどうして休むことなく仕事をするのか?」というものだ。そうしたい人はそうして、そうしたく無い人はそれで済む社会であれば納得ができるけれど選択の余地なく多忙を極めるのは何故なのだろうか?建築が好きだからというストレートな答えだけではどうしても割り切れない。
恐らく多くの若い建築家同様、僕も20代だからまだ勉強の身、建築も好きだし将来のためになるからと言って自分を言い聞かせた。「長く働くこと=自分が成長していること」 と自分を錯覚させてごまかしていた。その時、その場所を生きずに将来に生きていたような気がする。
でもそれはとてもナイーブでアマチュアであまりにロマンティックな態度だったと思う。現実から目を背け続けいつまでも問題を直視できなくなるからだ。だとすると、現実を見つめることからしか変化は訪れないのかもしれない。
夢をみて目標を掲げ長時間の労働を成し遂げることだけが、頑張ることでは無い。
今を見つめてその瞬間を生きるということは、頑張らないことでは無い。
そんな態度が、地に足の着いた成熟した個人、社会を生み出す一歩なのだと思う。