■鼻高ノットレイダーの本拠地が判明するかもしれないとやって来たのは、高度な科学文明が発達したグーテン星。この星の分析機によってノットレイダーのアジトの場所を探り当てようというのです。分かってしまえば、あとはカチコミをかけるだけなのだ。
そんなグーテン星の人々は鼻が高く、鼻の高さが同時にステータスにもなっているという。
だから鼻の低い族の異星人が来れば、自ずと憐みの目を向けられてしまうのです。プルンスは毛が生えてなくて可哀そうとか、鼻が無くて可哀そうとか、いつも憐みを向けられてしまう。
グーテン星出身のテンジョウさんは、幼い頃より鼻が低い事で苦労していたと言う。
周囲の人からは鼻の高さと人間性は関係無いと励まされるものの、その実、嘲笑われていたのだと告白する。穏やかな笑顔の下にドス黒い感情があるから、笑顔というモノを信用出来なくなっている。
鼻の高い種族の中に生まれた鼻の低いテンジョウさんは、言わばグーテン星においては身体障碍者として扱われてしまうのです。テンジョウさんと鼻の高さが変わらぬ地球人がグーテン星にやって来たとしても、やはり同じ扱いなのだと思われます。
地球においては何不自由なく暮らしている地球人も、いざ異星へとやって来れば、可哀そうな人・ハンディキャップを背負った人・障害を持った人として認識される。
そのハンデなる物は、マジョリティ側によって形成された価値観と社会システムから弾かれる事で発生しているモノなので、ハンデを生み出しているのはマジョリティ側に他ならない。
ただマイノリティ側も生まれた時からそういう環境に居ると、多数派なら発生しないコストを自分が無意識に支払っている事に気付かずにいたりもして、そうなると声を上げて改善しようという動き自体が発生し辛いというスパイラル。
話がそれている…。
右利き用スープお玉だけは絶対に許さないからな…。
幼い頃に周囲からの疎外感を味わったテンジョウさんと天宮さん。
両者とも、周囲の人間が自分をどう思っているのか分からない、信用できないという想いは抱きつつ、天宮さんは家族の笑顔だけは信用が出来たと言う。
家族の笑顔によって自分が救われた事が根源にあるから、自分もまた他者に笑顔になってほしいと願う。他者の笑顔を見る事が好きだから、それは自分の笑顔の為でもある。
他者の笑顔の為にと頑張る代償に、天宮さん自身の笑顔や想いは失われてしまっているのではないか、自己犠牲を被っているのではないか…という問題点が前回噴出してきました。
それに対し、他者の笑顔が自分に還元され、自分自身に有益な行為になっているという回答です。他者の為に血肉を削り消えていく「幸福の王子」ではないのだよと。
その解答は家族の笑顔に救われた経験から来るものであると考えると、テンジョウさんにはそういう存在が居なかったのかなぁという想像が浮かんでくる。このようにしてキャラクターは勝手に脳内で天涯孤独にされていくのか…。
■鼻平ら族前回、妹が母親へ素直に感情を爆発させたのに対して、天宮さんの方は本心に仮面を被っていると対照的に描かれておりましたが、今回はそんな自分の弱い部分もさらけ出して仮面を外した様が描かれての終幕。
天宮さんが自分の想いを発見する事、将来の目標、母親の不安解消、弟妹の成長によって姉の負担軽減化…と最後に怒涛の解決が押し寄せてきて、いつもと同じ尺なのにボリュームのある回だなと感じました。
次回はクリスマス回…早い…ということは次回も前後編なのかな。
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