■齢野乃さんのお婆様が営んでいる和菓子屋“たんぽぽ堂”。
一人で切り盛りしているそのお店に、本日は一同で遊びに来たのです。
手作りの出来立てどら焼きに舌鼓を打っているも、常連客はどら焼きの味が落ちていると辛辣な評価。昔の方が良い味だったと。
これに対して嫌なら来るなと言い放ち、新しい商品の開発に勤しもうとするお婆様。
しかし、無理がたたって病院へ担ぎ込まれる。
「昔の方が良かった」とだけ聞くと懐古主義的ですが、どうやら実際に味は落ちているようで、当人も見て見ぬ振りをしている様子。
昔の味を失い、新しい物を作る事に注力するというのは、過去を省みずに今だけを見ている行為。
お婆様は齢を取って体が弱り「齢は取りたくないねえ」と言っていたように、齢(過去)の積み重ねを受け入れられない、否定している。
過去の失敗に囚われて未来へ飛び立てなくなってしまうというドラマがこれまでにも描かれて来ましたが、今回は過去を省みず未来だけを見ようとしている人のお話。
過去に囚われ過ぎる事も、あるいは全く省みない事も、双方アンバランスだよねと描かれる。
未来はポジティブなキーワードだけど、未来だけ見るのではなく、時折振り返って過去も一緒に背負って行かないといけない。
そこで持ち出されるのが、昔作っていたという希望まんじゅう。
小さいけど、優しい甘さで食べると元気が出るという饅頭。
小さくて元気というコトで、野乃はなさんを表しているかのようなお菓子です。同時に若い頃のお婆様も当てはまる。
失敗の果てに完成させた希望まんじゅう。
そこには哀しいことも楽しいことも、思い出がみんな詰め込まれている。希望まんじゅうを食べる事で、良い思い出、悪い思い出、みんな呑み込んで生きていこうと思える。
過去を受け入れる、齢の積み重ねを肯定できるようになるのです。
しかし、今回は完全にアスパワワではなくキラキラルだった気が…いや、実質これらの謎パワーは全て同じモノなのかもしれないけど。
■弱一人で頑張って無理してしまうお婆様を助けないとテーマ的にいかんよねと思っていたのですが、割と予想外の助っ人で驚きました。高齢化社会だね…。
次回は世界一周に試みる様子。
ブルジョワパワーを使うのか、ルールーさんが変形して飛行機になるのか…。
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