■ミラクル❤ピース自作ヒロインの絵を描いていた黄瀬さん。
それが周りに見つかってやんややんやとヨイショされ、漫画コンクールへの応募を勧められる。
てっきり、前回言っていた芸術コンクールが今回の話に繋がってくるのかと思いましたが、まるで関係ない所に落ち着いてしまった。そっちのコンクールの方は無事に開催されたのだろうか…。
漫画コンクールの事を知った黄瀬さんは、ひとつやってみようと決意する。
流れとしては初変身回のポスター作りの展開とも似ている。
ただし今回は、黄瀬さんが自らやってみようと思い立っているという点において、大いに違うのでもある。
初変身回との同期と差異を見せて、黄瀬さんのまとめ回らしさを演出してくれます。
そういえば、その第3話もコバユウ回だったわな。
黄瀬さんの描く漫画「ミラクル・ピース」。
アメコミっぽい世界観で、スーパーヒロイン・ミラクルピースさんが活躍するらしい。
しかし、漫画というのは描いてみると恐ろしく大変なもの。
作業が多い、時間が掛かる、トーンが無い…あかん…はよコミスタをインストールするんや…。
アンドゥの無いアナログなんてクソツールですよ(暴言)。
ひとりじゃ無理かもしれない…。
そんな黄瀬さんの疲弊振りを察した星空さん達は、作業を手伝うと言って来てくれる。
しかし、黄瀬さんはそれを丁重にお断りする。
ミラクルピースは黄瀬さんにとって理想の自分。
だからこの漫画は何としても自分ひとりで描き上げなくてはならないのだと…。
第3話でポスターを描いた際は星空さん達の力を借りていた黄瀬さんでしたが、今回は独力でやってみようと決意している。
自分の理想は自分で作らなければいけない…。
黄色くイチョウに染まったこの道は、黄瀬さんが自ら歩く道なのだ…。
渋い演出ですな…。
とはいえ、ひとりで作業するのが苦しく辛いのは変わらない。
あまりの疲労で夢に描いてる漫画が出てくるほど。
その中で敵であるヴィランにまで罵られる始末。
「お前は泣き虫だ」「一人では何も出来ない」「ミラクルピースなんて存在しない」
黄瀬さんの心にもインクのような闇がベシャリと引っ付いてくる…。
そこに畳み掛けるようにアカオーニさんもやって来て、ヴィランさんと同じコトをぶつけてくる。
漫画の中に居る理想の自分に憧れようと、漫画と現実とは違うのだと言い放つ。
漫画と現実も…メルヘンと現実も…。
黄瀬さんは泣き虫で、自分ひとりでは何も出来ないから、自分には無い強さを持っているヒーローに憧れ、紙の上に理想のヒロインを作り出したのだと…自分でも思っていた。
けれど、丸っきり何も無かったわけではない。自分の中にもある小さくても強い心が、理想のヒロインとして描き出されたのだと気付く。
自分の中に何もなければ、それが生み出される事は無いのだから。
漫画のスーパーヒーローや理想のヒロイン…確かにそれは現実には存在しないメルヘンのようなモノ。
だけど、その全部が全部ここに存在しないわけじゃあない。
ヒロインに憧れる、そうなりたいと願う心は作者の中に、あるいは読者の中に確かに存在するのです。
だからピースはひとりで戦う。
仲間が協力してくれる事は心強いし美しいです。
しかし、人には一人で戦わなくてはいけない時もやってくる。
漫画を描く時と同じように、これは自分の理想を作る、自分が理想のヒロインになる為の戦いだから。
それは仲間が居る時よりも辛く苦しい戦いです。
そんな時に心の支えとなるのが仲間の存在だったりもする。
孤独で辛く苦しい現実も、楽しい時間(メルヘン)に育んだ仲間のおかげで戦い抜ける。
メルヘンは虚構ではなく、しっかり生きる糧になっているのだと。
それでも苦しい時は、仲間が助けてくれる。
前回とほぼ同じ流れの部分もありますが、この1話で番組と黄瀬さんのテーマをしっかり描いていて、これもまた良いまとめ回。
自分の絵がアカンベェになるトコロも初変身回と同期しておりますね。あの時は格好イイポーズだけしてビビッて逃げたピースさんでしたが、今回は中身も格好よく仕上がっていて、その差異が分かり易い。
ガチ特撮ヒーローオタクのコバユウらしいお話でもあるように思う。
ちゃんとテーマがしっかりした話も書けるんじゃないか、安心したわ(こら)。
3話との対比で作られた今回ですけど、3話にあった「努力しても良い評価を得られるかどうかは別」という事案はオミットされたのか、あの漫画が入賞したのか否かまでは語られませんでしたね。
努力に対する評価は自分が満足するかどうかで判断せよというコトか、あるいは最終回までに合否が語られるのか…。
現実の厳しさも語る本作なので、たとえ賞から漏れる結果であっても、努力行為に満足したという結論ならば、努力賞で凹んでいた3話からの成長として語れるのかもしれない…。
今回は前回に引き続きサブタイトルのコールに、「私の名前は黄瀬やよい」というナレーションが付いている。
第1話では星空さんの「私の名前は星空みゆき――」というナレーションが入っているので、「スマイルプリキュア!」全体としては“星空みゆき”の物語であるけれど、この一連のまとめ回に関しては、単品で各自主役の独立した「自分の物語」であるというコトを意味しているようですね。
言ってみれば、スピンオフ作品みたいな扱いといってもイイな。
いや、それは違うか(え)。
■家族が増えるよ!しかし騙されたよ…。
選挙回とコドモ回が青木さんと緑川さんのまとめ回であると書いた2週分の記事をどうしてくれるんですか!!(え)
まとめ回であるという前提で書いていたんだから、それが根本から崩れてしまったじゃないか。くそぅ。
ロイヤルクロックの色の順番どおりにメイン回が回ってくるなんて知らないもん!
そんなわけで、次回こそは緑川さんのまとめ回! ですよね!!
なんと家族が増えるとのコト。お母さん、太ってたんじゃなくて妊娠してたのかー(ちょ)。
⇒
スマイルプリキュア 各話レビュー
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コメント
冒頭、学校で絵を描いてるときのやよいに対する四人の台詞が、なんだか、今頃何を、って感じでしたね。もう3クールの付き合いだっていうのに画風を把握してないとは。
2012/12/05 23:25 by makiray URL 編集
ミラクル・ピース
さて、やよいちゃん一人でアカオニーが操縦するアカンベーと戦う姿がとてもよかったけど、最後はやっぱりみんなの協力が必要といわんばかりに後の4人に助けてもらいました。
でもせっかく助けてもらったのだから、この後に、ペン入れーみゆきちゃん担当、ベタ塗りーあかねちゃん担当、トーン貼りーなおちゃん担当、ネーム及び校正ーれいかちゃん担当で「ミラクル・ピース」を仕上げてるオチをつけてほしかったです。
というより最近は漫画描くのも下描きまでで、ペン入れから仕上げまではPCとXYプロッターを使っているから描いてる途中に眠ってしまって黒インク(または墨汁)をこぼしてしまうというようなことはなくなったと思うけど・・・。
なにはともあれ、やよいことキュアピースのイメージカラーの黄色に因んで物語全体をとおして銀杏の落ち葉の舞で物語を演出していたのがとてもよかったです。
さて、次回はなおちゃんに赤ちゃんが!? 男の子かな!? 女の子かな!? って、エーッ!!?
そんなわけで次回のスマイルプリキュアをお楽しみに!
2012/12/06 21:21 by ななし URL 編集
「サンダー」…東映的には「ブレーク」と続けても良かったような(こら)
やよいの主役回を振り返ってみると、四月バカの話や亡き父親の話など、自身の心と向き合う描写が思い出されますが(前者はお笑いにも見えますけど)、そうした過程の先にやよいが自身の中の強さを悟り、ピースのあの凛とした表情がくるという流れは心地良いです。
前回もそうでしたが、敢えて初変身のときと似たような敵を出してきたり、OPの映像を本編に組み込んでみたりと、序盤から今までの流れをきれいにつなごうとするような構成も好意的に見られます。
ふしぎ図書館の存在感は…考えないことにします(汗)。
2012/12/07 20:15 by おおふ URL 編集
輝くイナズマ平和の光
まとめ回なのに名前がサブタイトルに入ってない、ベリーソードを囮にする。
スマプリでも1人くらい、そんな扱いのキャラが出るのでは? だとしたら、やよいちゃんかも…。
…と思っていたのですが、そんな事は無くて安心しました。
5人それぞれのテーマに、一応の決着をつけてから最終決戦に挑む。
キャラクターを大切にするスタッフの姿勢には、頭が下がるばかりです。
2012/12/07 20:55 by 寒色派 URL 編集
怒りの電流、迸る
余談ですが「サンダー」で「ハリケーン」とは妙な偶然もあるもんですね(え)。
2012/12/07 22:30 by 銀河水晶 URL 編集
◆コメントありがとうございます!◆
四人は黄瀬さんが絵の上手い事は把握していたけど、正直あまり興味が無くって見てこなかったのかもしれません…。あっさりとナチュラルにハブられるのが黄瀬さんの関係性ぽいし(ちょ)。
あるいは、普段テレビに映っていないところでは全然違う作風なのかもしれない…。
ヒーローじゃなくてクリーチャーばかり描いていたという可能性も…。
>ななしさん
PC作業ならインクだばぁは無くなりますが、それはそれでHDDクラッシュやデータ保存し忘れといった事故も耐えないわけで。どうにも一長一短なんですなぁ…。
まぁアナログの方がペンタブにお茶だばぁよりは危機感がありますよね。
>おおふさん
きっちりと各人のまとめをここまでキレイにやろうというのは、これまででも珍しいシリーズですね。
どうしても主役ひとりに尺を割いて他の人は…という展開になりがちですからね。まして人が多いシリーズならば尚更。
このペースであとふたり、そしてメインのお話もしっかとまとめて頂きたいですなぁ。
>寒色派さん
今年のシリーズはキャラクター重視というのが見て取れますね。キャラクターを見せるんだというテーマがはっきりとしていて、出来る事は全てやっているという感じ。ただ、そのせいで別の何かを失ったのかもしれませんが…まぁそれはよかろう。
残り二人のまとめ回をして、最終的に星空さんの話になっていく…というコトなのかしら。
>銀河水晶さん
自分で作ったモノに憧れたり励まされるなんてよくあることですけどね。
ボクも自分の前に書いた記事を読んで「面白いじゃん」とか思ったりしますよ(え)。
そこに仲間とのつながりは特に無いけど、そういうことってあるのよね。
2012/12/07 22:44 by TJ-type1@管理人 URL 編集