………………お。
終ってねぇぇぇぇぇ!!!!!
Aパートでの、ちょっと三文芝居っぽい(ゴメンなさい…でも、なぁ)描写が長めなことを、少なからず訝しげに思ってはいたのです。後半でさすがに尺、足りなくならねぇか?って思ってたわけなんだけど…結果的に、きっちりと予定のとこまでやってきましたねぇ。確かに、こういう展開にするならこれでぴったり時間を使いきることになるよなぁ…。なんてズルいんだ…いい意味で…。
でも、Bパートの戦闘終盤、さすがだなぁ…と思いながらホロっとさせられた時点で、私の負けです。完敗です。以下、細切れになるけど、思ったことを書いていきますよ~。
○傀儡(かいらい)と化していた邪神
今作のドルアーガが、「塔の謎を構成する単なる仕掛けの一つ」であることは今までにも何度か触れられていましたが、そのことを明示的には知らないはずのジルが、感覚でそれに迫っていると思われるセリフが秀逸です。魂がないであろうドルアーガに向かっての「ケンカをふっかけるのなら、もっと真剣にやれ!」とか、既に生き物ですらないドルアーガと対峙しての「僕はまだ生きている」とか、そもそも人形に過ぎないドルアーガへの「お前なんか神じゃない!」とか。彼自身の発言の意図はそこにはないんだけど、見ているこっちはゾクゾクきちゃうのよね、こういう仕掛けって。
そう言えば、同じく傀儡としてパズズに操られることになるはずだった、あの棺の中身らしきシルエットが終盤で何か語っていましたが…あれ、先週の時点ではてっきり、表第1話で出てきた「ドルアーガ三人衆」の四人(ややこしいなもうw)かと思っていたのですが、シルエットがどうにも結びつきませんな。ひょっとして全く別もの?それともやっぱり、あのナイト連中なのかな…。どの道、続編に向けてのネタふりの部分なので、今全部理解することは叶わないわけですけどね。
いずれにしても、パズズの発言からして、棺の中身がドルアーガのかつての配下であったことは間違いないのでしょう。かつての邪神の姿をした傀儡を、その邪神のかつての部下を傀儡に仕立てて倒そうというパズズの行動を振り返ると、「いったいどっちが邪(よこしま)なのか」と思わされて深みが増しますねぇ。終盤に現れた、報告にきた部下っぽい人を叩っ切っているような「ギルガメス王」(本当に本物のギルなの?)から感じる邪っぷりと言い、人間の闇の側面の方がモンスターよりずっとクロいよなぁ、と。
そのような人間たちの欲望が暗躍しまくる中で、一体誰が何を仕組んでいるのか、誰が何を試しているのか、イシターの意思はこの世界で一体どこに働いているのか。それらを全て語りきらぬまま、物語は先に続きます…。
○「表・裏」「正・邪」「盾・剣」
ファミコン世代にとってのドルアーガは、やっぱり「裏」が本来のスタートという感じがすると思うんですよね。アーケード版の謎をほぼ忠実に移植した表版と違い、自ら解いていかねばならない新たな謎があるとわかった瞬間、身震いした勇者も多いのではないかと。私?いやぁ、私は専らカンニングしながら真の勇者の後をついていくだけのヘタレゲーマーでございましたから。orz つーか、リアルタイムではファミコンはおろかテレビも持たない赤貧学生だったからねぇ…。orz orz
で、例の第1話が「表・裏」という形で公開されたと知った時は、やってくれるなぁと思っていたわけですよ。ああ、きっちりと従来ファンの心をくすぐる仕掛けを用意してくるねぇと。遠藤雅伸さんがスーパーバイザーとして関わっている以上、変なものにはならんだろうと思っておりましたが、それ以上に原典へのリスペクト・愛情溢れた作品になりそうだと。
でも、それだけじゃなかったんだねぇ。やられたって感じですよ。
これで終わり、と思っていたところに現われる、真の冒険への入り口。これはまるっきり、「裏ドルアーガ」の再現じゃないのかと。第1話だけじゃなく、作品全体が「表・裏」で構成されているとはね。
元々、今作の第1話には「その先の展開を凝縮したような側面」があるんですよ。数々のギャグに誤魔化されてはいるけれど、絶対意図してやってるよなぁ、と思う点が色々とあって。あの「らめぇ~!」にしたって、「仲間を助けるという本来的な行為を取ろうとするジル」と「自分の真の目的のためには仲間すら裏切るニーバ」という対立の構図がきっちりと現われているわけで。いや、まあ、敵だったけど共闘するブラックナイトや放置されたお姫様のような、実際には現れてこないモチーフも多いけどさ。…ん、それとも、「敵だったけど共闘する」のは今話のニーバだったり、「放置されてしまう本来の思い人」は今話のジルだったり、という含意があるのかしら?さすがに邪推し過ぎかなぁ。
ともかく、そういう色彩のある第1話で「この作品には『表の登頂』の他に『裏の登頂』が存在する」「この物語はドルアーガの討伐では終わらない」ということが示されていたのだと考えると、今回の展開は合点がいくのですよね。
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「正・邪」という対立については、今作においてはなかなか真っ当に語りきることが難しいです。だけど、「サキュバス」「カイ(実はイシター、だったりせんのかなぁ…どっちみちお預けだけど)」という対立や、「ニーバ」「ジル」という対立の辺りに、その匂いをかぎ取ることはできます。
元々、「正義・悪」は状況によって簡単に入れ替わりかねない、相対的なものに過ぎないわけですけれども、物語を紡ぐ上ではある程度「こっちが正でこっちが邪」という部分を示すことが重要になってきます。示しておいてクルッと反転させ、視聴者を裏切る、なんていう仕掛けも当然ありますよね。ギルガメス王なんてのは今回まさにその境界線上に立ったような感じで、私は「ギルは正義の人じゃなきゃダメだろ」というオールドファンの思いと「どういう展開が待ち受けてるんだ!」というワクワク感との両方に引っ張られて、完全に股裂き状態です。(^^;;
そして、「盾・剣」についてはもう…「もう一度!」ってジルが叫んだ直後の「~the Sword of URUK~」には、震えるしかないっつーか。ここまでのジルが「Aegis」「ウルクの盾」であり、次に現れるであろうジルが「Sword」「ウルクの剣」になるわけでしょ。なんで盾役などという、ちょっと地味な役どころを主人公に据えたのかについて、ラストの一瞬で全部繋がった気がするんです。最初っから計算づくかよ、畜生、見事だぜ!って思わずにいられないですよ。
世の中を二元論で全てを割り切ろうとするのは、さすがに色々と無理があるわけですけれど、ストーリーを紡ぐ上でそこを軸にして組み上げたこの構造は、やっぱり美しいと思うのですよ。
○裏切りの構図
ジルに訪れるという三度の裏切り。それがどの範囲を指すのかについて、ちょっと解釈が難しくなってしまったと感じています。わかりやすい裏切りとして、今回「ニーバとカーヤの離脱」が出てきてしまったおかげで、私が前回の記事で書いていたことが薄れてしまったなぁとか、ひょっとしたら続編まで含めて「三度の裏切り」が描かれるんじゃないのかとか。
ただ、自分の考えに固執するつもりはないんですが、個人的には「この解釈を取っていて良かった」と思えたことがあったので、記しておこうと思います。
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私の解釈では、「ジルが『盾になりたい』と自覚する成長のピークまでに、三度の裏切りは起こっているはず」という点を軸にし、以下の3つをその候補として挙げていました。
1.無心で助けたニーバからの冷たい言葉
2.微妙な距離感を見せるカーヤの心離れ
3.ジルを試すかのような運命~アーメイの死
…うん、こうして短い言葉で総括すると、いかにもハズレっぽいネ!(爆)だけど、今話を見ていると、これらの「裏切り」が一つ一つ反転して、ジルを助けていくのがよくわかるんです。
最初に出てくるのは、カーヤの気持ち。あのキスシーンに至る部分に完全に同調できたわけではないけれど(つーか、かねてよりカーヤが言ってた「ジルさんは好きですよ」とかのセリフは天然すぎて真に受けられなかったし…)、でもジルのピンチに無心で叫ぶカーヤはやっぱりグッときます。
そして、ニーバの助太刀。絶対ピンチに絡んでくるだろうと思ってはいたけど、「これで、貸し借りなしだぞ、ジル」という言葉を聞くと、これまたグッと来ますよねぇ。やりようによっては、ジルを見殺しにしてでもニーバ自身がドルアーガのとどめをさす選択もあったはずなので、やはりこれも「ジルへの冷たい言葉」と対応しているのだと思います。
極めつけが、アーメイが残した槍でしょう!つーか、ここで泣いた!や、もちろんここは人情的にも大変美味しい部分ではあるんだけど、これ見た瞬間に「3つの裏切りが全て反転した」とわかって、むしろそっちに感極まっちゃって…。
裏切られたもの、その負の側面がまずあって。でも、それらが「諦めない」という強い意志の下に、最後は全て反転してプラスとなって返ってきて。先の「表裏」を強く意識したと思われる点とも実によくマッチする、いい展開だったと思います。
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だから、私はその後の「現れる幻の塔、明らかになる真の狙い、ニーバとカーヤの裏切り」は、Extra Stageに向けての動機として捉えています。ここで今一度、第12話までの展開全体が、「これから反転すべき負の側面」へと姿を変えるんですよね。個別の構造にも含まれていた対立の構図が、もう一段階広い視点で大きな対立の構図として現れるカタルシス。たまんねぇなぁ…。
ああ、これはDVD販促的にもゲーム集客的にもベストな落とし方だなぁ、という気持ちもあります。が、それに乗るも乗らぬも自由ですし、無自覚に乗ろうが自覚の上で乗ろうが、これまたどっちもアリでしょう。いいものを見せてくれる、楽しませてくれるのならば、ワタシ的には何でもアリです。
来年、というのは正直長くはあるけれど、喜んで待ちましょうとも。その分、じっくりといいものを作っていただければ文句ないです。最近はDDRの新作にしろCLANNAD AFTERにしろハルヒ二期にしろフルメタ新作にしろKanonのBlu-rayにしろ、もう何かにつけて「待つのが宿命」みたいになっちゃってる私ですので、今さら待つものが一つや二つ増えたところで全然大丈夫(笑)。
最後に。この作品を紡いでこられた制作スタッフの皆さまに、心からお礼申し上げます。十分に楽しませていただきました、ありがとうございます。続編の方も、是非頑張ってくださいね。応援しています。
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※サブタイはまだはっきりしないんで、とりあえず仮のものとして。
「You Zapped to...」なんじゃないか、って
どっかで読んだ気もするんだけど。
だとしたら、これまたニクいですねぇ。
はっきりしたら、後で直します。
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