図 ZMP代表取締役社長の谷口恒氏
図 ZMP代表取締役社長の谷口恒氏
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 2015年5月12日に自動運転技術を生かした旅客運送事業でディー・エヌ・エー(以下DeNA)との協業を発表したZMP。同社はロボットタクシー(無人タクシー)について、具体的にどのような考えを抱いているのか。「人とくるまのテクノロジー展2015」(2015年5月20~22日、パシフィコ横浜)で同社代表取締役社長の谷口恒氏に、将来の展望を聞いた(図)。

――DeNAと協業する理由は。

 当社は自動運転技術やクラウド環境を持っていて、DeNAはアプリやコンテンツ作成などが強みだ。当社は自動運転技術の開発に取り組んできたが、これは単なる技術であってユーザーがすぐ利用できるものではない。(予約や配車用の)アプリがあって初めてユーザーが利用できるものになり、利用されることで技術も進化すると考えている。

――ロボットタクシーを開発する意義は。

 ロボットタクシーをやると宣言している企業は世界中でまだ存在しない。これは日本が世界に先駆けて実現するチャンスだ。日本は深刻な高齢社会で、クルマを運転できない高齢者からのタクシー需要が高い。

 しかし過疎地域では利用者の絶対数が少なく、ビジネスが成り立たないのでタクシー会社も経営が厳しいのが現状だ。こうした地域では特にロボットタクシーが威力を発揮すると考えている。なぜなら、タクシー会社のコストの約70%が人件費だといわれており、タクシーを無人化すればコストを大幅に削減できるからだ。