ヒント:システム構成ユーティリティを使用してスタートアップ アプリケーションを把握して制御する
スタートアップ プログラムが多すぎると、システムを起動するのに時間がかかるだけでなく、メモリを浪費する可能性があります。システムの起動時に必要でないプログラムが実行されている場合は、スタートアップのパスからプログラムを削除することをお勧めします。
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残念なことに、自動的に起動するプログラムを見つけるのは、思うほど簡単なことではありません。スタートアップ フォルダーにショートカットを配置する以外にも、プログラムをコンピューターの起動時に実行するように構成する方法はたくさんあります。たとえば、次のような方法があります。
Run キー (コンピューター): HKLM\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run キーに登録されているプログラムは、すべてのユーザーのログオン時に実行されます。
Run キー (ユーザー): HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run キーに登録されているプログラムは、現在のユーザーのログオン時に実行されます。このキーと類似した、HKCU\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows\Run というサブキーも同様に使用することができます。
Load 値: HKCU\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows レジストリ キーの Load 値に登録されているプログラムは、すべてのユーザーのログオン時に実行されます。
スケジュールされたタスク: Windows タスク スケジューラを使用すると、起動時に実行するタスクを指定できます (Windows タスク スケジューラについては、『Windows 7 Inside Out』の 「Using the Windows 7 Task Scheduler」(P779) を参照してください)。また、管理者は、ユーザーが変更したり削除したりできないタスクを起動時に実行するようにコンピューターを設定することができます。
Win.ini: 16 ビット版の Windows 用に作成されたプログラムでは、スタートアップ ファイル Win.ini の [Windows] セクションにある Load= 行と Run= 行にコマンドを追加することができます (このファイルは、%SystemRoot% にあります)。このファイルは、Windows 3.1 時代の遺物です。
RunOnce キーと RunOnceEx キー: これらのレジストリ キーでは、起動時に 1 度だけ実行するプログラムを特定します。次のキーは、特定のユーザー アカウントまたはコンピューターに割り当てることができます。
- HKLM\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
- HKLM\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnceEx
- HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
- HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnceEx
RunServices キーと RunServicesOnce キー: この 2 つのキーは、ほとんど使用しませんが、名前のとおり、サービスが自動的に開始される際の動作を制御できます。これらのキーは、特定のユーザー アカウントまたはコンピューターに割り当てることができます。
Winlogon キー: Winlogon キーでは、Windows 7 を実行しているコンピューターへのログオン時に行われる操作を制御します。このような操作の大半はオペレーティング システムで制御されますが、Winlogon キーでカスタムの操作を追加することもできます。HKLM\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon\Userinit サブキーと、HKLM\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon\Shell サブキーにプログラムを登録すると、登録したプログラムは自動的に起動されるようになります。
グループ ポリシー: グループ ポリシー コンソールには、"ユーザーのログオン時に実行するプログラムを指定する" という名前の 2 つのポリシーが含まれています。一方は "コンピューターの構成\管理用テンプレート\システム\ログオン" の下に、もう一方は "ユーザーの構成\管理用テンプレート\システム\ログオン" の下にあります。このポリシーでは、すべてのユーザーのログオン時に必ず実行されるプログラムの一覧を指定できます。
Policies\Explorer\Run キー: 1 つ前の段落で説明したように、ポリシーの設定を使用してスタートアップ プログラムを指定すると、HKLM\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run レジストリ キーとHKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run レジストリ キーのいずれかに、対応する値が作成されます。
BootExecute 値: HKLM\System\CurrentControlSet\Control\Session Manager レジストリ キーの、複数行文字列である BootExecute 値には、既定で autocheck autochk * という文字列が設定されています。この値により、システムが異常終了した場合に、ハード ディスクにおけるファイル システムの整合性がシステムの起動時に確認されます。このレジストリ値には、他のプログラムや処理を追加できます (注: マイクロソフトは、既定の BootExecute 値を削除することを警告しています)。
シェル サービス オブジェクト: Windows シェルに機能を追加するために、多くのヘルパー ダイナミックリンク ライブラリ (DLL) が読み込まれます。
ログオン スクリプト: 起動時に自動的に実行するログオン スクリプトでは、他のプログラムを実行することができます。ログオン スクリプトは、グループ ポリシーの "コンピューターの構成\Windows の設定\スクリプト (スタートアップ/シャットダウン)" と "ユーザーの構成\Windows の設定\スクリプト (ログオン/ログオフ)" で指定します。
Windows Vista では、Windows Defender によって、ソフトウェア エクスプローラの機能の一環としてスタートアップ プログラムの一覧が提供されましたが、ソフトウェア エクスプローラは Windows Defender から削除されました。ただし、システム構成ユーティリティは Windows 7 にも同梱されているので、このユーティリティを使用して、コンピューターの起動時に実行しているものを確認し、必要に応じて特定のスタートアップ項目を無効にできます。
システム構成ユーティリティを起動するには、[スタート] ボタンをクリックして、検索ボックスに「msconfig」と入力し、Enter キーを押します。[スタートアップ] タブをクリックして、起動時にシステムで実行されているものを確認し、無効にする項目のチェック ボックスをオフにします。次にシステム構成ユーティリティを実行すると、無効にした項目は、(既定の並べ替え順の) 一覧の一番下に表示されるようになります。また、無効にした日時が右の列に表示されます。
システム構成ユーティリティを使用すると、システム起動時のオーバーヘッドを一時的に軽減することが可能で、レジストリを編集するのを好まない方が、レジストリ キーで設定されている起動時の動作を無効にする場合に便利です。ただし、このユーティリティの [スタートアップ] タブに表示される一覧には、グループ ポリシーや Windows 7 のタスク スケジューラで設定された項目が含まれていないことに注意してください。
また、システム起動時に実行されるプログラムをよりすっきりとしていて読みやすい一覧で確認するには、[スタート] ボタンをクリックして、[すべてのプログラム]、[アクセサリ]、[システム ツール]、[システム情報] を順にクリックします。[システム情報] ウィンドウの左ウィンドウで [ソフトウェア環境] を展開し、[スタートアップ プログラム] をクリックします。[システム情報] ウィンドウは最大化できるので、長いレジストリ パスが読みやすくなり、ウィンドウのサイズが固定されているシステム構成ユーティリティよりも便利です。ただし、システム構成ユーティリティと同様に、ポリシーとスケジュールで設定されたものは表示されません。
出典: Ed Bott、Carl Siechert、Craig Stinson 共著『Windows 7 Inside Out (英語)』(Microsoft Press、2009 年)
その他のヒント
Windows 7 やその他のマイクロソフト テクノロジに関するヒントについては、TechNet Magazine Tip ライブラリ (英語) を参照してください。