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怪談☆【招かれざるもの】

2023.10.20(Fri) | EDIT

皆さんが普段何気なく使っている合図。ひょっとすると、使うと少々危険なものもあるのかもしれません。
裕子さん(仮)、ある時、休日を利用して職場の同僚の加奈子さん(仮)と富山県、石川県に旅行に出かけたそうです。
この加奈子さん、スピリチュアルな事が好きな方で、富山県では杉原神社、石川県は金劔宮と、有名なパワースポットもちゃっかり目的地に設定されていました。
あちこち観光スポットを巡りながら、パワースポットに立ち寄る。
美味しい海の幸に舌鼓をうったり、温泉でリフレッシュしたりと、身も心も癒される楽しい旅行だったと言います。
これは、丁度杉原神社に立ち寄った時のこと。
鳥居を潜り、境内を散策しながら、社殿に参拝。
さて、帰ろうと鳥居を潜ろうとしたとき
あ、裕子!
ちょっとそこで立ってて!
と、加奈子さん。
??
いいけど、なに?
いいから、いいから
そう答えると加奈子さんはタタタッと自分だけ鳥居を潜りました。
一方、裕子さんは、
一体、加奈子は何をしてるんだろ?
と首を傾げながら、他の参拝客の邪魔にならないように、少し脇に逸れたところで立っていました。
と、加奈子さん、急に裕子さんに向かって大きく手招きをしました。
もう、なんなの??
裕子さん、鳥居を潜り加奈子さんのもとへ駆け寄ります。
あ~ごめんごめん。
人がいっぱいいて恥ずかしかったからさ~
と、加奈子さん。
何でも、パワースポットに行くといつも帰りに大きく手招きをしているんだそう。
良い気、良運を招く、加奈子さんなりのおまじないらしく、今回は人が多くやるのが恥ずかしかったそうで、裕子さんを呼ぶ振りをしたんだとか。
あ~、なるほどな~
裕子さんも納得したそうで、次の日に訪れた金劔宮では一緒にやれば恥ずかしくないだろうと、2人並んで大きく手招きし、その場を去りました。
それから、3ヶ月程たった頃。
裕子さんは2歳歳上の男性と交際することになりました。
彼自信、とても優しい方で、彼の両親もいい人。
旅行のご利益あったな~
と、日々楽しく過ごしていました。
けれども、そんな日々は突然崩れ去ることになります。
ある時、彼ととある観光スポットに出かけました。
景観がよく、写真を撮りながらあちこち散策。
和気あいあいと時間が過ぎ、気づけば西の空がほんのり赤くなっています。
そろそろ帰ろうか?
2人は少し離れた駐車場に向かって歩きだしました。
その道沿いには露店が並んでおり、夕方でも客足は多く、ごった返しています。
大勢の人混みの中、駐車場まで数10mが数100mに感じました。
そんな矢先、裕子さんはほんの一瞬、露店に並ぶ商品に目を奪われてしまいました。
そして、その一瞬で彼を見失ってしまったそう。
辺りをキョロキョロ見回しても人、人、人。
彼がどこにいるのかわかりません。
露店に気を取られたことに後悔と罪悪感、はぐれてしまった心細さが胸中に込み上げてきます。
とはいえ、駐車場の方向は分かります。
とりあえず、駐車場に向かって歩きだしました。
その間もあちこち彼を探しキョロキョロ見回していると、10m程先にこちらに向かって大きく手招きをしている彼を見つけました。
良かった。
見つかった。
と、安堵し、人混みを掻き分けようやく彼の元にたどり着くと、そのまま駐車場へ。
彼の車で家路に着きました。
今日の出来事をアレコレ話しながらの帰り道。
裕子さんは助手席で撮影した写真を見ていました。
すると、その中の数枚。
奇妙な写真を見つけました。
何故かピントが合っておらず、写真一面に無数の白い玉が写っている写真が数枚。
2人を写した写真にも白い玉が写りこんでいる物があります。
不自然な写真に胸騒ぎを覚えました。
テレビや動画で見たことのある【オーブ 】だと気づいたそう。
心霊写真がある!
まさか、自分の撮った写真にそんなものがあるとは思っておらず、写真を見たまま凍りついてしまいました。
とはいえ、なるべく彼に気取らせないよう平然を装ったそう。
やがて、車は裕子さんの家の前。
彼に手を振り、家の中へ入ると再び写真を見返しました。
何でこんなの撮れちゃったんだろ?
依然として胸騒ぎは治まりません。
裕子さんは加奈子さんに連絡することにしました。
件の写真を添付しLINEを送ると、程なくして返信がありました。
内容は裕子さん達が訪れた観光スポットにはもう1つの顔があるというもの。
かつては自殺の名所だったそうで、有名な心霊スポットの1面もあるんだとか。
件の写真もそのせいではないかとの事。
裕子さん、それを読んで
なんてとこに行ってしまったんだろ
と、少し憂鬱な気持ちなったそう。
そして、何故か加奈子さんとの旅行の思い出が脳裏をよぎりました。
その時
プルルルルル…プルルルルル
突然、裕子さんの電話が鳴り響きました。
表示を見ると、彼の母からでした。
急に目の前が暗くなるような嫌な予感。
もしもし
裕子ちゃん?大丈夫?!
物凄い剣幕の彼の母。
どうされたんですか?
どうやら、帰り道、彼の車が大型トラックと事故にあったらしく、彼は救急車で病院に運ばれたそう。
まさかの連絡に裕子さんの心臓が早鐘をうちます。
彼は大丈夫だろうか?
どうしよう、どうしよう、どうしよう...
不安な気持ちがグルグルと胸中をえぐりました。
搬送された病院を聞き、急いで彼の元へ。
結局、彼はそのまま旅立ってしまったそう。
事故の原因は彼の脇見運転だったとの事。車内に彼の携帯があり、そこには裕子さんと出先で撮った写真がうつっていたそうです。
彼の葬儀の際、携帯を見せてもらうと、あの日の写真が残っていました。
そして、その何枚かにはあの白い玉が写っていたそうです。
けれども、裕子さんにはもう1つ気がかりな事がありました。
それは、帰り際、彼が大きく手招きをした事。
偶然だったとはいえ、心霊スポットに向かって大きく手招きをするような形になってしまったこと。
もし、このせいでそこにいた霊達や不運を招きこんでしまったのだとしたら。
丁度、パワースポットで良運を招きこんだ時のように。
真実は定かではありませんが、そんな気がして仕方がないのだと裕子さんはいいます。


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怪談☆【再生できない動画】

2023.10.15(Sun) | EDIT

当時高校2年生の五十嵐さん(仮)はいつものように飼い犬の散歩をしていました。
季節は秋。
段々昼が短くなり、時間は丁度夕方5時を過ぎたところ。
西日が辺りを朱に染め、時間を知らせる音楽が鳴り響く川原沿い。
往復30分程の散歩道の中程でフッと空を見上げたとき、ソレに気づきました。
北の空に光るものが2つ。
もう星がでてきたのか〜
と、秋の深さを感じた刹那、1つの光がスーッと左に動いたそう。
なんだ。
飛行機か。
と、しばらくの間、動く光をぼんやり見ていると、それは、急に方向を変え右へ下へと
不規則に動き出しました。
思わず
UFO
と、初めて見るの物体に興奮しながら携帯のカメラで撮影し始めました。
その光は方向を変えながら、2つ、3つと数を増やしていき、最終的には5つの光になったそう。
そして、そのそれぞれが各個バラバラに動いていたんだとか。
明らかに飛行機の動きではなく、鳥であれば光るわけがない。
五十嵐さんは益々興奮し、カメラを回しました。
距離があるせいか、なかなかピントが合わないなか、なんとか光が動く様を撮影していると、
急に隣にいた犬が怯えたように尻尾を下げ、家路に向かって歩き始めたそう。
その時、件の光はまだ消えておらず、五十嵐さんは撮影を続けたかったそうですが、
犬がグイグイリードを引っ張ります。
中型犬でしたが、五十嵐さんがカメラを構えていられないほどの異常な力。
何かに怯え、必死にその場から逃げ出そうとする正に火事場の馬鹿力とも言うべき力と勢いに、
五十嵐さんは渋々撮影を止め家路についたそう。
とはいえ、数分間は撮影できていました。
家に着くなり、早速動画を確認すると、そこにはありありとの光が映っており、
家族にもその映像を見せ、その夜はその話題で持ち切りだったんだとか。
その日は日曜日、次の日、動画を同級生に見せようと考えていました。
この動画を見せた後の同級生の反応を想像すると喜々と胸が高鳴ったといいます。
そんな高鳴る胸を抑えながら就寝。
そして、数時間後
ザ...ザザザザ...ザザ...
突然、大音量で耳障りなノイズが部屋の中に鳴り響きました。
うおっ!!
慌てて目を覚まし、辺りを見回します。
どうやら、ノイズの元は部屋のコンポのよう。
急いでベッドから這い出ると、コンポのスイッチを押しました...が、なぜか電源が切れません。
何度押しても電源は切れずノイズが鳴り続けます。
電源が切れないこと、今が深夜だということに気持ちが焦ります。
なんで??
電源、なんで切れない??
カチカチカチカチ
何度もスイッチを押すも変化はありません。
と、そこで一瞬冷静さを取り戻し、コンセントを引き抜いたそう。
すると、無事にコンポは電源が切れ、部屋は元の静寂を取り戻しました。
一体、なんだったんだろ?
五十嵐さんの背筋をスっと寒いものが駆け抜けます。
というのも、就寝前、部屋の明かりは全て消しており、コンポの電源が
入っていないことも確認していました。
事実、コンポの明かりは無く、部屋は真っ暗闇。
それが何故か勝手に電源が入り、ノイズを鳴り響かせる。
しかも、何故かスイッチを押しても電源が切れない。
何か得体の知れない事が起きている。
そんな胸騒ぎを覚えた刹那
プー...プルルルルル...プー...プルルルル...
今度はリビングの固定電話が鳴り響きました。
突然の電話のベルに身体がビクッと跳ねます。
こんな深夜に固定電話?
一体、誰だ?
非常識だな〜
と、家族の誰かが出るだろうと無視を決め込んでいましたが、一向に出る気配がありません。
電話は約5分程なり続けています。
なんで、誰もでないんだ?
てか、ホントに誰なんだよ?
イライラしながら五十嵐さんはリビングに向かいました。
トントントントン
と階段を降り、リビングの扉の前。
プー...プルルルルル...プー...プルルルルル
電話はけたたましく鳴り響きます。
家族は誰1人、起きている気配はありません。
今思えば、こんな大音量が鳴り響く中、誰も起きてこない訳がなく、
やはり何かしら異常な事が起きていたのだと思います。
ドアノブに手を置き、ガチャリと扉が開く。
暗闇の中、電話が煌々と光っています。
と、突然足元に何かがぶつかってきました。
おあわあぁっ!
急な衝撃に驚き、素っ頓狂な声を上げつつ、慌てて部屋の明かりを点け
足元に目をやるとそこにいたのは飼い犬でした。
酷く怯えた様子で、尻尾は下がりきりガタガタガタと震えています。
あまりの様子に心配になりつつも、今は電話。
大急ぎで受話器を取り上げ
もしもし...

すると
.........ザザザザザー...ザザザザ......
ん???
受話器の向こうから聞こえてきたのは耳障りなノイズ音。
ガチャン!!
すぐさま受話器を置き電話を切りました。
不気味さのあまり、電話の前で立ち尽くす五十嵐さん。
深夜に5分以上鳴り続けた電話。
にも関わらず、受話器の向こうから聞こえたのはただのノイズ音。
訳がわかりません。
ただただ気持ちが悪い。
足元では怯えきった様子の犬がガタガタガタと震え足にくっつき離れません。
ただ事では無い。
そんな犬の様子にふと脳裏をよぎったのは夕方の散歩道。
丁度、の光を撮影していた頃。
あの時も今と同じように何かに怯えていました。
そう思った時、言いようの無い不安が五十嵐さんを襲いました。

先程のコンポも、つい今しがたの電話もあの光を撮影したからではないだろうか?
あれは、撮ってはいけないものだったのではないだろうか?
この不自然な出来事はあの光、もしくは光に関係する何かが引き起こしている?
そして、もしそうだとすれば、あの光は誰に撮影されたかを特定している?

そう思うと、得体の知れない何かに狙われているのではないか?という恐怖と、
興味本位で撮影してしまったことへの後悔、罪悪感が雪崩のように五十嵐さんの心に
ドドッと押し寄せ、真っ黒に塗りつぶしていきました。

怖い。ただただ怖い。

放心状態のまま、ドサッとソファーに座り込み、震える犬を抱き抱え膝の上に置きました。
ガタガタガタと犬の震えが伝わってきます。
余程怖かったのでしょう。
その日は結局、一睡も出来ず、ソファの上で朝を迎えました。
早朝5時を過ぎた頃、母親が家事のためリビングに現れると、五十嵐さんは昨晩のことを話したそう。
けれど、不思議なことに母親は電話がなっていたことを全く知らない様子。
それどころか、昨日の件の動画のことさえ覚えていないよう。
昨晩、あれほど盛り上がった話題にも関わらず、覚えていないなんてことがあるだろうか?
やがて、父親もリビングに現れると、母同様に昨日の動画の話を持ちかけたそう。
けれども、やはりと言うべきか、父親も動画の事を覚えていない様子。
何かがおかしい。
母親だけでなく父親までが動画を覚えていない。
胸中の言いようの無い不安感が再びザワザワと蠢きだしました。
もう一度動画を見せてみよう。
あれを忘れてるなんて、やっぱりおかしい。
そう思い立つと自室へ携帯を取りに戻りました。
ガチャリ
と、ドアを開け部屋に入る。
朝日が舞い込み明るく照らし出される部屋。
携帯は昨晩と同じベッドの上にありました。
が、何かが違う。
部屋の様子に違和感を感じました。
携帯を手に取り、部屋の中を見回します。
戸棚や机、床にちらかった雑誌。
先日と何も変わってはいませんでした。
気のせいかな
と、フッと窓の外を見ます。
その日は晴天。
真っ青な空が見えています。
ん??
そこで、気づきました。
何で外が見える??
昨晩、確かにカーテンを閉めたはずの窓がカーテンが開け放たれ外が見えている。
もちろん、五十嵐さんにはカーテンを開けた記憶はありません。
薄ら寒いものが身体中を駆け回り、全身が総毛立ちました。
自然と震え出す指先で、改めて動画を確認すると
え???
何故か
この動画は再生できません
と表示され、動画を再び見ることは出来ませんでした。
昨日、確かに家族で見返した動画。
それが何故か今、再生することが出来なくなっていました。
は?なんで?
何度も再生しようとしましたが、結果は同じ。
再生することはできませんでした。
残念な気持ちと、何か異常な事が起きている恐怖と心地悪さ。
ただ、昨晩の現象が関係していると直感的に感じたそう。
そして、それは、やはりの光を撮影したからに他ならず、この現象を引き起こした何かは
五十嵐さんを特定しているに違いない。
そう思うと、これ以上余計な詮索はしてはいけないのだろうと、本能的に察したんだとか。
それ以降、五十嵐さんの身の回りで異常な事は起きていないそうですが、この事を思い返す度、
未だに何者かに見貼られているのではないかと不安な気持ちになるそうです。




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怪談☆「洞穴に眠る記憶」

2023.10.10(Tue) | EDIT

僕が幼少の頃の体験です。
僕の実家は間の小さな集落で同級生の男の子はおらず、いつも1、2歳年上の男の子達と遊んでいました。
遊ぶ内容はテレビゲームだったり、自転車であちこに走り回ったりと様々でしたが、中でも1番楽しかった思い出は秘密基地を作ることでした。
実家の周りはばかり。
そのの中には名も無き古墳や戦時中の防空壕跡がが多数存在しており、丁度人が入れる位の穴があちこちに開いています。
そういった所を利用して秘密基地を作っていました。
ある日のこと、普段はの入口付近に秘密基地を作っていましたが、もう少し奥の方にも作ろうと言うことになり、年上の友人達と手頃な場所を探しまわっていました。
落ちている木の枝や、朽木を避けながら何時間か歩き回ると、細い小川の辺に小さな洞穴を見つけました。
入口は子供がギリギリ通れるサイズ。
中をライトで照らすと、どうやら3~5m程はありそう。
高さも高くはありませんが中で座ることは出来そうでした。
秘密基地にはもってこいの場所。
一も二もなく、この場所を新しい秘密基地にすることに。
とは言え、その日は夕暮れが近づいていたため、場所を覚え、そのまま解散。
後日、スコップをもって再び集合すると入口を広くするべく掘り出しました。
さすがに当時の僕でギリギリの入口では狭すぎます。
んしょ、んしょ
と、3日程かけて元の倍ほどの広さにすると全員で洞穴の中に入りました。
中は最初の見通し通り、だいたい5m程。
子供4人、十分に座れる広さでした。
懐中電灯を真ん中に置き、友人達と休憩しながら話していると、
キラッ
土壁の中、何かが光りました。
何かの宝物か??
洞窟の中で光る物。
子供ながらにワクワクしながら、疲れもそっちのけで友人達と壁を掘り返すと、出てきたものは茶碗や皿の欠片でした。
な〜んだ...
と、宝物を期待していただけに残念に思っていると
ダーーーーーンッ!!
突然、何かが破裂した様な音が洞穴に響きました。
正しく爆音。
洞穴がガタガタと揺れ動きました。
なんだ??
うぉっ!!
地震か? 
ここ、崩れるんじゃない?
僕も友人達も慌てふためくなか、不意に洞穴の中に漂う臭い。
洞穴の土の匂いを塗り潰すようにナイロンが焦げるような刺激臭と、その中に微かに匂う肉の焼ける匂いが広がります。
うわっ
なんだ、この臭い
さらに、肌を焼くような強烈な熱が僕達を襲いました。
熱と言っても感覚では熱さより、全身の痛みの方が強かったと思います。
肌に隙間なく針を刺されるような痛みと、身体の中、肺や気管が裂けるような痛み。
そして、燻され、噎せ返るような息苦しさ。
う~...なんだ、これ?
ゴホッゴホッ...
もちろん、火の元になるようなものは誰も持っておらず、洞穴内にも火はありません。
にも関わらず、まるで火の海に投げ込まれたかのような感覚に僕たちは恐怖と焦りを感じていました。
そして、難破船から逃げ出すネズミのようにバタバタと洞穴を這い出てきました。
洞穴を出ると先程までの痛みや熱さ、息苦しさは何事も無かったかのようにスゥッと消えました。
そんな出来事があったものですから、結局、その洞穴は秘密基地には不採用。
僕たちは渋々、を降りていきました。
冒頭、話した通り、このには多くの古墳防空壕が眠っています。
この洞穴もそれらの1つだと思います。
あの時、何が起きていたのか定かではありませんが、ひょっともすると洞穴の中に眠っていた記憶を体験したのかもしれません。
洞穴は戦時中の防空壕の1つで、戦火に見舞われた際、中に避難していた人が焼かれ、亡くなった。
その時の衣服が焼ける臭い、肉が焼ける匂い。
焼かれる痛み、熱。
いろんな記憶が再生されたのでは?
と、僕は考えています。



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怪談☆【時を超えるトイレ】

2023.10.06(Fri) | EDIT

平野さん(仮)が子供の頃に経験した不思議な体験。
平野さんの家はある団地にありました。
その団地は当時まだ新しく、平野さんが5歳の頃に越してきたんだとか。
団地には同年代の子供も多く、学校帰りや休みの日には近くの公園でよく遊んだそうです。
土曜日、忘れもしない9月8日のこと。
いつものように友人と公園で遊んでいました。
その日は夕方、家族で祖母の家に出かける予定があったらしく、親から15:00には帰るように言われていたそうです。
家から公園までは5分もかからないので、制限時間ギリギリまで遊ぶことにしました。
友達と遊びながら、腕時計を気にしながらと、忙しくしているとやがて時間は14:50を少し回ったところ。
あ、俺、そろそろ帰るわ。
またな〜
友人に別れを告げ帰ろうとしたところで、尿意をもよおしたため、公園にある公衆トイレに立ち寄ったそう。
人気のないトイレ。
西向きに便器が並び、その上に子窓があります。
換気の為か開けられた子窓からは青空が見え、風が吹き込んできます。
いそいそと用を足し、トイレを立ち去ろうとしたところで
ふわっ
一瞬の立ち眩み。
そして、一瞬の瞬き

あれ?

つい先程まで見ていた景色が変わっています。
ほんの数秒前まで見えていた明るい公園が、夕焼けの朱に染まっていました。
明るかったトイレも影がさし暗くなっています。

えっ??

慌てて腕時計を確認すると

そんな??
なんで??

あと数秒で17:00になるところ。
トイレに入った時、まだ15:00前で空も青く、トイレも明るかった。
それが、ほんの数分で時間は17:00。
空はすっかり夕焼けのオレンジ。
何が起きているのかさっぱりわかりません。
そうこうしていると、17:00を報せる時報が遠くから聴こえてきました。
どうやら、時間は間違っていない様子。
と、
ヤバい!!
早く帰らないと!!
16:00から家族で出かける予定があったことを思い出し、急いで帰りました。
15:00には帰る約束でしたが、時間はすでに17:00。
さすがに両親に叱られるだろうと言い訳を考えながらの帰り道。
本当の事を言っても信じて貰えないだろうと、あれこれ、叱られないだろう理由を考えました。
が、結局、妙案は浮かばないまま帰宅。
ただいま〜
お帰り〜
間髪入れず母の声。
ビクッ
と身体が跳ねる。
恐る恐る部屋に入りました。
はぁ...怒られる...
諦めと覚悟の入り交じったため息が自然とこぼれました。
が、一向に叱られる気配がありません。
平野さん、不思議に思いながらも藪蛇になるのも困る。
聞こうか聞くまいか悩んだ挙句、
あのさ、今日、ばあちゃん家行くんじゃなかったっけ?
...ん?
何言ってんの?
お義母さんのとこは先週行ったでしょ?
???
先週行った......けれども、平野さんには全くその記憶はありません。
おかしい。
何かが、おかしい。
と、テレビからニュースの声が聞こえてきました。
こんばんは。
9月15日。夕方のニュース......
ん?
9月15日という言葉に慌ててテレビを見ました。
そこにはしっかり9月15日の文字。
え??
今度は腕時計に視線を落としました。
が、腕時計は9月8日を示しています。
平野さん、わけが分かりません。
平野さんの感覚、記憶ではその日は9月8日です。
腕時計も9月8日を示しています。
けれども、母親やテレビは9月15日だといいます。
まるで平野さんだけが9月8日のまま1週間が過ぎている様子。
あまりにも不自然な事態。
理解を完全に超えている状況に平野さんは段々不安になってきました。
自分1人が取り残されたような感覚。
と、その時、テレビからショッキングな映像が飛び込んできました。
あまりにも衝撃的な内容の映像で、それを見た時、
あ!
これは、きっと夢なんだ。
と、安堵したそうです。
それほどまでに現実からかけ離れた映像だったそう。
ただ、今の現状が夢ならば何も怖いことはありません。
その日はそのまま普段通り過ごし、眠りについたそう。
何時間過ぎたでしょうか。
やがて、平野さんが目を覚ますと
あれ?
目の前には昨晩眠りについた時と同じ、ベッドから見る見慣れた天井。
寝ぼけ眼を擦っていると、あの出来事がフッと頭をよぎりました。
ハッとベッドの上の時計に目をやると時間は8:00を少し回ったところ。
そして、日付は9月8日。
今は9月8日の朝でした。
...9月8日...?
寝ぼけている頭をフル回転して記憶を辿ります。
というのも、平野さんの記憶では9月8日の朝はすでに経験している過去でした。
おかしな出来事が起きる前、即ち9月8日の15:00まではすでに経験している過去のはず。
もし、それが夢なのであれば、一体どこからが夢で、どこまでが現実なのでしょうか?
平野さんはさらに記憶を辿りました。
けれども、普段通りに眠りにつき、普段通りに起床、そして、公園で遊ぶ。
何一つ、おかしな点が見当たりません。
唯一、おかしな点があるとすれば、9月8日 15:00前に入った公園のトイレ。
あのトイレからこの不思議な現象、感覚が始まりました。
一体、何が起きているんだろ??
平野さん、考えますが答えは出てきません。
やはり、全ては夢だった。
納得できないものの、そう思うしか他になかったと平野さんは言います。
そして、平野さんにとっての2回目の9月8日が始まりました。
それは、文字通り2回目でした。
過去の9月8日で経験した出来事と全く同
じ出来事が過ぎていったそう。
その事が余計に平野さんを混乱させました。
公園で友人と遊び、やがて時間は15:00前。
前回と同じように公園のトイレに入り用を足す。
そして、トイレを後にします。
前回はこの時、立ち眩みが起きました。
それが全ての始まりだったと、恐る恐る1歩踏み出す平野さん。
......
が、この時は何も起きることなく、そのまま帰宅し、家族と祖母の家に向かったそうです。
あ〜、やっぱり夢だったんだな〜
平野さん、祖母の家に向かう車の中、ホッと安堵のため息をついたそう。
けれども、数日後、まさかの出来事に目を疑いました。
9月11日火曜日。
ニュースの映像。
そこに映っていたものは紛れもなく夢の9月15日に見たニュースの映像でした。
2つのビルに飛行機が突っ込む衝撃的な映像。
ビルに深々と飛行機が突き刺さり、火が上がっています。
いわゆる911のテロの映像です。
映像の衝撃もありましたが、夢の9月15日に見た映像と全く同じものが今、目の前にある衝撃。
平野さんの中に疑問が浮かびます。
あれは、本当に夢だったのか??
思い返せば夢とは思えないほど鮮明に内容を覚えています。
そして、何度記憶を辿っても夢と現実の境目が見当たりません。
1度目と同じ出来事を過ごした2度目の9月8日。
極めつけは今、目の前で流れているニュースの映像。
これは、後に分かったことですが、9月15日のニュースで流れた映像はやはり、平野さんが夢の9月15日に見たものと同じだったそうです。
平野さんは言います。
20数年が過ぎた今、思い返してもあれが夢だったのかどうか、未だに答えはでていません。
所謂、予知夢だったのかもしれませんが、あまりにもリアルな内容で、とても夢とは思えませんでした。
正直なところ、馬鹿げているかもしれませんが、実際にその日を経験したのではないかと思っています。


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怪談【祖父の伝えたかったこと】シンクロニシティ

2023.10.01(Sun) | EDIT

これは、僕、千年自身の体験した話です。
僕の祖父は仕事で若くして右手の指を切断してしまい、右手は親指しかありませんでした。
それにも関わらず、とても器用な人で機械弄りをよくやっており、僕自身も幼少の頃はよくおもちゃを治してもらった記憶があります。
そんな祖父ですが、今から10数年前に病で他界しました。
それから、数年後のこと。
時期はまだ寒さ厳しい冬の最中。
当時、工場で3交代勤務についていました。
3交代勤務は7:00〜16:00の1勤、13:00〜22:00の2勤、そして22:00〜7:00の3勤、所謂夜勤を1週間毎にローテーションする勤務体制です。
日曜日のことでした。
月曜日から夜勤のシフトの予定。
夜勤帯は眠くなりますし、昼夜逆転の生活はなかなかに体に堪えます。
ですので憂鬱な気持ちを抱えたまま床につきました。
布団に潜り、しばらく眠れずにいましたがいつの間にか眠りについていました。
そして、夢を見ました。
祖父の夢です。
祖父が他界して数年。
祖父が夢に出てきたのはこの時が初めてでした。
夢の内容は、ただただ傍らに祖父が立っているというもので、会話らしい会話はありませんでした。
無言の祖父が立っているだけの夢。
正しく夢枕に立つ。
変わった夢だったな〜
と、久しぶりに見た祖父の顔に懐かしさを覚えつつも、
「あの夢には何か意味がある 」
そんな気がしてなりませんでした。
元来、オカルトが好きだったこと、僕自身が不思議な何度か体験をしてきたこともあり、知人が夢枕に立つというのは何かしら伝えたいことがあるのだろうと信じていました。
ただ、その意味するところは皆目見当もつきません。
疑問に思っていましたが、いつの間にか夢のことはすっかり記憶から抜け落ち、数時間後、夜勤帯で仕事を始めました。
2時間程過ぎた、丁度日付を跨ぐか跨がないかの頃。
製品製造中の機械に汚れを見つけました。
今思い返せばなんて事ない小さな汚れでしたが、その業務について間もない僕は
このままではいけない
と、汚れを拭き取ろうとしました。
機械が動いているにも関わらず。
そして、悲劇が起きました。
ぎゃーーーーーーーーーーーっ!
産まれてこの方、発したことのない断末魔!
喉が裂けるほどの大声で助けを呼びました。
僕の右手が機械に巻き込まれてしまったのです。
2本の金属ロールの隙間に入ってしまった右手。
巻き込まれまいと必死に引っ張りますが、機械は容赦なく僕の手を引き込んでいきます。
幸いロールの隙間は1cm程あったためペシャンコに潰れることはありませんでしたが、僕の手には狭すぎる。
パキッパキッ
骨が割れる音と共に凄まじい激痛が襲ってきます。
けれども、痛みより何より巻き込まれてしまったことへの恐怖。
そして、今尚、機械に引きずり込まれている現状。
誰か、助けて!!
あらん限りの大声で叫び続けました。
このまま手の平を越え、腕が巻き込まれてしまったら、1cm程度の隙間では確実に潰れてしまう。
非常停止ボタンは機械に付いていましたが、不幸にも僕からは届かない位置。
手を抜き取ろうと必死に引っ張りました。
ブチブチッ!
ブチブチッ!
手の平の肉が裂ける音が聞こえます。
聞くに耐えない自らの身体が壊れていく音。
骨が割れたせいか手の平は熱をもち、熱く、それでいて恐怖、不安のせいか背中にはゾワゾワと悪寒が走る。
滲んだ脂汗が玉になりツーっと頬を滑り落ちました。
そこで、ようやく一緒に仕事をしていた方が気付き機械を停めてくれました。
その間、おおよそ数十秒の事。
けれども、僕にとっては10分以上に感じていました。
それから、機械を逆転させ、ようやく僕の右手は機械から解放されました。
自分の変わり果てた右手を見た時、絶望しました。
指先の感覚はあるものの、指を曲げることは出来ず、手の平は3つに裂け血塗れで中の肉が見えています。
ただアドレナリンのせいか痛みはあまり感じず、それよりも右手、利き手を失う恐怖、不安で押しつぶされそうでした。
祖父は器用ではあったものの、やはり利き手がないのは非常に不自由だったようで、その様子をずっと見てきたため、
これからどうなるのだろう?
と、あれこれ自らの今後を考え、ただただ絶望していました。
その後、すぐに病院に搬送され処置を受けましたが、その時もうわ言のように
指先の感覚はあります
と訴え続けました。
切断されたくなかったから。
幸い、切断されることなく、後遺症で曲げ伸ばしは元通りとはいきませんでしたが5指は繋がったまま。
不思議なことにロールに巻き込まれたのは親指の付け根までで、祖父同様、親指は無傷でした。
やはり思い返すのは怪我の前日に見た夢のこと。
機械に挟まれ右手の指を無くした祖父。
そんな祖父が枕元にたった理由。
この事故、怪我のことを暗示していたのだと思います。
祖父同様、僕の右手は親指以外は負傷しています。
それでも、祖父のように欠損には至らなかったのはきっと祖父が守ってくれたからなのだと信じています。

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竹酉 千年【たけとり ちとせ】

Author:竹酉 千年【たけとり ちとせ】
40歳手前のチャレンジ❗もともと怪談話を書いたり、話したりすることに興味があり、チャレンジしてみようと思い立ちました。
実話、創作、どちらも書いています

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