青色回転灯は国際基準の夢を見るか
asahi.com(朝日新聞社):防犯のシンボル使えなくなる?青色回転灯、基準改定で - 社会によると、防犯パトロールの車に特例で認められている青色回転灯が使えなくなるのだそうです……違うじゃん。使えなくならないじゃん。
2009年1月1日以降に登録された新車では、新しい基準に適合しない古い回転灯を使うことはできない。なので、それ以前に登録された車であれば古い回転灯も使えるし、新しい基準に適合したものを用意すればまったく問題ない。記事のどこを読んでも、使えなくなるなんてことは一切書いてないのに、見出しは「使えなくなる?」というのはどういうことなのでしょうか。
さらに、記事中にも出てくるパトライトによれば、この記事で問題としている改正は平成13年6月……ええと、2001年です(外部突起規制とは|お客様サポート|株式会社パトライト)。国土交通省のホームページを探してみましたが、なぜかないのでwayback machineから自動車装置の相互承認の対象に10品目を追加! ということで、確かに平成13年6月30日となっています。平成21年1月1日以降の新車から適用、というのは探し方が悪いのか見つけられませんでした。
がんばって探してみた
2009年1月1日以降の根拠になっているのは道路運送車両の保安基準第2章及び第3章の規則の適用関係の整理のため必要な事項を定める告示第15条(PDF)のようです。関係する規定などは以下のような感じでしょうか。
- 道路運送車両の保安基準第18条
- 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第22条/第100条/第178条/別添20 外装の技術基準/別添21 外装の手荷物積載用部品の技術基準/別添22 外装の電波送受信用アンテナの技術基準(PDF)
- Regulation No. 26 UNIFORM PROVISIONS CONCERNING THE APPROVAL OF VEHICLES WITH REGARD TO THEIR EXTERNAL PROJECTIONS/Amendment 1/Corrigendum 1/Amendment 2/Amendment 3/Amendment 4/Amendment 5(PDF)
私もそんな基準改正知りませんでしたが
国土交通省の報道発表にもあるとおり、国際基準を導入した結果なので記事中の「国に横やりを入れられている感じだ」は的外れです。また、基準の導入が決まったのは2001年で、防犯パトロールの青色回転灯が認められたのは2004年ですから(自主防犯パトロールに使用する自動車に青色回転灯を装備する場合の取扱いについて 12月1日から運用を開始します)、じゃんけんで後出ししたのに負けてしまいました、というのが正しいようにも見えます。メーカーの対応が遅くて後出しでも負ける手しかなかったという事情もあるようにも思いますが(外部突起規制対応製品|お客様サポート|株式会社パトライト)、そういう観点で考えると、どうしてメーカーじゃなくて国が叩かれているんだろうか、というか、お役所がメインのお気楽商売だから先手打って基準先取り! 安全重視ですよ! ってアピールなんかしなくてもぜんぜん困らないしそれでよかったんですよね、なんてひねくれたことを。
あと、ガソリン価格が下落傾向なのに「ガソリン高騰」と言わせてしまったうえに記事にまでしたはどう考えても失敗だと思いました。
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