伊達市が昨年7月から1年間、全市民を対象に実施した外部被ばく検査で、市は21日、詳細な分析結果を公表した。
年齢ごとの年間被ばく線量で、国が除染の長期的な目標としている1ミリシーベルト未満だった人の割合は、6歳までは83・21%、7~12歳が81・53%、13~15歳が77・01%、16~20歳が68・49%、21~60歳が65・49%、61歳以上が62・12%。市民全体では66・3%の人が1ミリシーベルト未満だった。
年齢が高くなるにつれ、1ミリシーベルトを下回る割合が低い傾向が出た。市の担当者は「子どもは学校など放射線量が低い所で生活する時間が長い。被ばく線量も低くなったのではないか」とみている。
その他、屋外活動8時間、屋内活動16時間を前提に空間線量から年間被ばく線量を割り出す予測値と、実測値との差も分析。実測値は国が示す計算式を用いた予測値の半分ほどの値になった。
平均空間線量が毎時0・230マイクロシーベルトだった梁川町白根地区では、予測値が1ミリシーベルトだったのに対し、実測値は0・521ミリシーベルト。予測値の約52%にとどまった。空間線量が毎時1・071マイクロシーベルトの霊山町下小国地区では、予測値が5・419ミリシーベルト。実測値は1・893ミリシーベルトで、予測値の約35%だった。
また、市が当面の年間被ばく線量目標としている5ミリシーベルトを超えた15歳以下の子どもはいなかった。仁志田昇司市長が市役所で記者会見した。
検査は市がバッジ式積算線量計を全市民に配布。約8割に当たる5万2783人が1年間、測定した。
(カテゴリー:福島第一原発事故)