「一人っ子政策」違反、チャン監督相手取り170億円の訴訟
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【12月7日 AFP】中国の「一人っ子政策」に違反し、7人の子供をもうけた同国の著名映画監督チャン・イーモウ(張芸謀、Zhang Yimou)氏(62)を相手取り、計10億元(約170億円)の賠償を求める訴えが起こされた。
国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が一面で伝えたところによると、チャン監督を訴えたのは、同監督の妻の出身地である同国東部・江蘇(Jiangsu)省無錫(Wuxi)の弁護士2人。弁護士の1人は「罰金を払う余裕があるからといって、恐れずに一人っ子政策を違反する金持ちが増えている。それによって彼らは社会の資源から、余分な取り分を得ている。これでは貧困層や、国家の政策に厳格に従っている者たちにとって不公平だ」と声明で述べている。
弁護士がチャン監督に支払いを求めた10億元の内訳は、5億元(約84億円)が「公的資金への補償」、残りの5億元が「懲罰的損害賠償金」としているが、チャイナ・デーリー紙は裁判所が2人の訴えを認める可能性は低いと伝えている。
チャン監督は1日、自身の事務所の中国版ツイッター「新浪微博(Sina Weibo)」のアカウントを通じて現在の妻との間に2男1女、前妻との間に1女がいることを認め、謝罪した。
中国メディアは、「一人っ子政策」に違反したチャン監督に科せられる罰金は1億6000万元(約27億円)に上ると推測しているが、罰金額について当局側からの発表は、まだない。(c)AFP