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日本

yasuokaの日記: 日本年金機構と住民票コード

日記 by yasuoka

本間貴明の『行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部改正について』(地方自治, 第816号 (2015年11月), pp.12-25)を読み返しながら、今後、日本年金機構における住民票コードの取扱いはどうするつもりなんだろう、というのが気になった。

5 日本年金機構に係る経過措置
(1)個人番号の利用に関する経過措置(平成28年1月1日施行)
日本年金機構はマイナンバー法附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(平成28年1月1日)から平成29年5月31日までの間において政令で定める日までの間においては、個人番号を利用してマイナンバー法別表第一の下欄に掲げる事務の処理を行うことができない。
(2)情報照会及び情報提供に関する経過措置(マイナンバー法附則第一条第五号に掲げる規定の施行の日(未制定)に施行)
日本年金機構は、マイナンバー法附則第一条第五号に掲げる規定の施行の日から平成29年11月30日までの間において政令で定める日までの間においては、情報照会者及び情報提供者並びに条例事務関係情報提供者に該当しないものとする。

つまり、来年1月1日になっても、日本年金機構はマイナンバーを扱うことができない。その一方で、来年1月1日には、住民基本台帳法第三十条の三十八(住民票コードの利用制限等)が改正されることから、日本年金機構は住民票コードも扱えなくなる。

第三十条の三十八第一項中「市町村長その他の市町村の執行機関」を「市町村長」に、「その他の都道府県の執行機関、機構又は別表第一の上欄に掲げる国の機関若しくは法人」を「又は機構」に改める。

というのも日本年金機構は、住民基本台帳法の「別表第一の上欄に掲げる国の機関若しくは法人」なので、来年1月1日には第三十条の三十八から外されてしまうからだ。この結果、第三十条の三十八は、以下のような条文になる。

(住民票コードの利用制限等)
第三十条の三十八 市町村長、都道府県知事又は機構(以下この条において「市町村長等」という。)以外の者は、何人も、自己と同一の世帯に属する者以外の者(以下この条において「第三者」という。)に対し、当該第三者又は当該第三者以外の者に係る住民票に記載された住民票コードを告知することを求めてはならない。
市町村長等以外の者は、何人も、その者が業として行う行為に関し、その者に対し売買、貸借、雇用その他の契約(以下この項において「契約」という。)の申込みをしようとする第三者若しくは申込みをする第三者又はその者と契約の締結をした第三者に対し、当該第三者又は当該第三者以外の者に係る住民票に記載された住民票コードを告知することを求めてはならない。
市町村長等以外の者は、何人も、業として、住民票コードの記録されたデータベース(第三者に係る住民票に記載された住民票コードを含む当該第三者に関する情報の集合物であつて、それらの情報 を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。以下この項において同じ。)であつて、当該データベースに記録された情報が他に提供されることが予定されているものを構成してはならない。
都道府県知事は、前二項の規定に違反する行為が行われた場合において、当該行為をした者が更に反復してこれらの規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは、当該行為をした者に対し、当該行為を中止することを勧告し、又は当該行為が中止されることを確保するために必要な措置を講ずることを勧告することができる。
都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、第三十条の四十第一項に規定する都道府県の審議会の意見を聴いて、その者に対し、期限を定めて、当該勧告に従うべきことを命ずることができる。

ただ、現時点で日本年金機構は、まだ住民票コードの利用が許されているので、たとえば年金受給権者現況届を使って、せっせと日本中の国民から住民票コードを集めて回っている。ならば、日本年金機構が集めて回った住民票コードは、来年1月1日になったらどうなるのだろう?

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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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