ターンテーブリズムをどこまで追求できるのか。ターンテーブルを楽器のように扱うバトルDJは、スクラッチやジャグリングなどを多用したショーケースで多くのオーディエンスを魅了してきた。しかしこのGenesis Alejandroと言う人物は、これまでのスタイルだけでは満足できないようだ。
彼が開発したのは、ターンテーブルを使って楽器のサウンドを演奏する「FonoFaders」。この動画ではプロトタイプのFonoFadersに搭載された8本のフェーダーを駆使してSerato Scratch Liveのサウンドを演奏している。
出典:YouTube
動画を見る限りFonoFadersは、8本のフェーダーで半音階ごとのサウンドが出力される仕様となっていて、ギターやピアノなどの音階を持つ楽器のサウンドをターンテーブルで演奏している。ターンテーブルで表現が難しい音階のコントロールをフェーダーで解消するという、なんともストイックな一品。
このFonoFadersは、おそらくVestaxがリリースしていたサンプラーの「Fader Bord」にインスパイアされているようだ。Fader Bordはサンプリングしたサンプルを複数のフェーダーをコントロールして演奏を行うが、FonoFadersは音源がSerato Scratch Liveに変わったと言う感じだろう。
出典:YouTube
ターンテーブルだけの表現を追求するあまり、FonoFadersを作ってしまったGenesis Alejandro。おそらくピアノやギターそのものを演奏した方が表現としては優れているだろう。しかし彼にとってはそれをターンテーブルで演奏することに大きな意味があるのだ。とても素晴らしいチャレンジだと思う。
Genesis Alejandroのような存在により、いつの日かターンテーブルが生楽器の演奏を凌駕する日が来るかもしれない。リスペクト!