アジア連帯講座のBLOGです
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フランス情報サイト『フランス雑波』によると、フランス緑の党が活動家夏季合宿の最終日において、第四インターナショナル・フランス支部である革命的共産主義者同盟(LCR)と労働者の闘争(LO)などの「トロツキスト政党」をあらかじめ排除した「統一戦線」を社会党左派、フランス共産党、ジョゼ・ボヴェ派に提案することを発表した、と伝えている。
この「統一戦線」提案は、フランス政府が主導する「環境グルネル会議」に向けて形成する意向とのことだ。「グルネル会議」とは、1968年の5月革命のさなかにグルネル通りにある労働省で開催された政府・労組・フランス経団連の頂上会談のことで、強権的な姿勢とともに「左派の意見も傾聴する」というポーズも見せるサルコジが「環境問題」について、左派やNGOなどとも話し合おうというのが「環境グルネル会議」である。
緑の党のデュフロ全国書記は、「展望のない原理主義的反リベラリズムに落ち込んでいる急進左翼(LCRのこと-引用者注)と当事者能力のない“グニャグニャ”左翼(LOのこと-引用者注)(と戦おう)」と呼びかけたという。完全に「先の大統領選の誤れる総括に基づく、誤れる新方針」としか言いようがない。
緑の党は、先の大統領選においてLCRのブザンスノー候補を除く他の「左の左」各候補とおなじく、1%台の得票しか得られなかった。独自候補擁立にこだわり続けた共産党、LO、統一候補擁立の努力を放棄しながら「左派統一候補」を名乗って失敗したボヴェらは、そのセクト主義的態度ゆえに有権者の支持を得られなかったのだ。また、これらの候補は、90年代のジョスバン社共政権が、新自由主義推進政策によって左派支持層が離反したことを忘れ、新自由主義への態度をあいまいにして「とにかく反サルコジという一致点」にこだわり、「5月29日全国コレクティフ」(EU憲法批准に反対した左派による大統領選統一候補選定の協議委員会)の努力を水に流してしまった。緑の党や共産党は「LCRがあまりに"反新自由主義"にこだわったゆえに統一候補の模索が破綻した」と総括しているようだ。
しかし、「反新自由主義による左派統一候補」は、ただLCRの主張であるだけでなく、左派労働者大衆の要求でもあったからこそ、LCRのブザンスノー候補は「左の左」諸候補が陥没した中、4%強150万票(単純計算すれば最大300万と言われた2006年反CPE闘争参加者の半数)を獲得したのだ。緑の党の「反トロツキスト統一戦線」方針は、この結果のみに反発しLCRへの「対抗意識」を出発点としたセクト主義的態度であり、ストライキ規正法などの「サルコジ改革」に対する秋の来るべき闘いを阻害するものである。
また、「新自由主義的改革反対」を鮮明にしない「左派」によるサルコジとの対話は、フランス経団連(MEDEF)の代弁者を自認するサルコジに取り込まれる結果しかもたらさず、ただ左派労働者大衆の屈服を促す役割を果たすことにしかならないだろう。共産党や社会党左派、ボヴェ派が緑の党の呼びかけに応えるかどうかは未知数だが、この「統一戦線」は弱体化した左派の「新機軸」ではなく、左派支持層の新たな失望を招き左派の最終的崩壊を導く最悪の方針である。
このようなセクト主義を採るかぎり、各勢力の良心的・戦闘的な人々は、さらにLCRに接近し合流することになるだろう(ここ数年、緑の党、共産党、社会党からLCRに移行した活動家は少なくない)。しかし、大衆運動の敗北の上の「正しい一党一派の勢力拡大」が歴史を前進させるというものではない。強力な社会運動が存在するフランスにおいて福祉切り捨ての進行や労働者の権利のさらなる破壊などの事態になれば、それは世界的な民衆運動の損失であり、その運命は日本に生きる私たちともストレートにつながっている。
引き続きフランス左派の動向に注目することが必要であるとともに、左派が「何をしてはならないか」の悪しき見本が、この緑の党の「統一戦線」提案にあるといえよう。(F)
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緑の党、左翼の統合を呼びかけ
http://www.francezappa.fr/news_search.html
大統領選挙で女医ボワネが1.57%しか得票できず惨敗し、総選挙でも第1回投票の得票率は3.41%、最終的に社会党にサポートされて4議席はたもったものの春夏の選挙は緑の党にとっては重い政治的敗北だった。
皆が死んでるのではと心配してる緑の党だが、きのうの夏期研修会最終日に、左翼の統一を呼びかけた。社会党、共産党、そしてジョゼ・ボベ(反グローバル化運動)に対して、政府が準備している「環境グルネル会議」に向けて統一戦線を張ろうと提案。セシル・デュフロ全国書記は「ほとんど日刊サルコ行状新聞」にコメントするだけではデメでしょう、と極めてマトモなことを言った。
ところでこの統一戦線には、トロツキストは含まれない。デュフロ全国書記は、緑の党の党員に「展望のない原理主義的反リベラリズムに落ち込んでいる急進左翼と当事者能力のない“グニャグニャ”左翼」と戦おう、と呼びかけた。
(2007.08.28)
●関連ページ
【フランス】サルコジ与党が過半数を獲得 - 「サルコジ改革」との攻防へ
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緑の党のデュフロ全国書記は、「展望のない原理主義的反リベラリズムに落ち込んでいる急進左翼(LCRのこと-引用者注)と当事者能力のない“グニャグニャ”左翼(LOのこと-引用者注)(と戦おう)」と呼びかけたという。完全に「先の大統領選の誤れる総括に基づく、誤れる新方針」としか言いようがない。
緑の党は、先の大統領選においてLCRのブザンスノー候補を除く他の「左の左」各候補とおなじく、1%台の得票しか得られなかった。独自候補擁立にこだわり続けた共産党、LO、統一候補擁立の努力を放棄しながら「左派統一候補」を名乗って失敗したボヴェらは、そのセクト主義的態度ゆえに有権者の支持を得られなかったのだ。また、これらの候補は、90年代のジョスバン社共政権が、新自由主義推進政策によって左派支持層が離反したことを忘れ、新自由主義への態度をあいまいにして「とにかく反サルコジという一致点」にこだわり、「5月29日全国コレクティフ」(EU憲法批准に反対した左派による大統領選統一候補選定の協議委員会)の努力を水に流してしまった。緑の党や共産党は「LCRがあまりに"反新自由主義"にこだわったゆえに統一候補の模索が破綻した」と総括しているようだ。
しかし、「反新自由主義による左派統一候補」は、ただLCRの主張であるだけでなく、左派労働者大衆の要求でもあったからこそ、LCRのブザンスノー候補は「左の左」諸候補が陥没した中、4%強150万票(単純計算すれば最大300万と言われた2006年反CPE闘争参加者の半数)を獲得したのだ。緑の党の「反トロツキスト統一戦線」方針は、この結果のみに反発しLCRへの「対抗意識」を出発点としたセクト主義的態度であり、ストライキ規正法などの「サルコジ改革」に対する秋の来るべき闘いを阻害するものである。
また、「新自由主義的改革反対」を鮮明にしない「左派」によるサルコジとの対話は、フランス経団連(MEDEF)の代弁者を自認するサルコジに取り込まれる結果しかもたらさず、ただ左派労働者大衆の屈服を促す役割を果たすことにしかならないだろう。共産党や社会党左派、ボヴェ派が緑の党の呼びかけに応えるかどうかは未知数だが、この「統一戦線」は弱体化した左派の「新機軸」ではなく、左派支持層の新たな失望を招き左派の最終的崩壊を導く最悪の方針である。
このようなセクト主義を採るかぎり、各勢力の良心的・戦闘的な人々は、さらにLCRに接近し合流することになるだろう(ここ数年、緑の党、共産党、社会党からLCRに移行した活動家は少なくない)。しかし、大衆運動の敗北の上の「正しい一党一派の勢力拡大」が歴史を前進させるというものではない。強力な社会運動が存在するフランスにおいて福祉切り捨ての進行や労働者の権利のさらなる破壊などの事態になれば、それは世界的な民衆運動の損失であり、その運命は日本に生きる私たちともストレートにつながっている。
引き続きフランス左派の動向に注目することが必要であるとともに、左派が「何をしてはならないか」の悪しき見本が、この緑の党の「統一戦線」提案にあるといえよう。(F)
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大統領選挙で女医ボワネが1.57%しか得票できず惨敗し、総選挙でも第1回投票の得票率は3.41%、最終的に社会党にサポートされて4議席はたもったものの春夏の選挙は緑の党にとっては重い政治的敗北だった。
皆が死んでるのではと心配してる緑の党だが、きのうの夏期研修会最終日に、左翼の統一を呼びかけた。社会党、共産党、そしてジョゼ・ボベ(反グローバル化運動)に対して、政府が準備している「環境グルネル会議」に向けて統一戦線を張ろうと提案。セシル・デュフロ全国書記は「ほとんど日刊サルコ行状新聞」にコメントするだけではデメでしょう、と極めてマトモなことを言った。
ところでこの統一戦線には、トロツキストは含まれない。デュフロ全国書記は、緑の党の党員に「展望のない原理主義的反リベラリズムに落ち込んでいる急進左翼と当事者能力のない“グニャグニャ”左翼」と戦おう、と呼びかけた。
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