真紅フライングヘッド
- 355 :名無しさん:2013/08/16(金) 23:56:40 ID:yruG6tiE0
- 翠星石「おいーっす! 未来のマエストロ~! 今日もシコシコと青春を無駄に浪費しているですか~?」ガチャリ
しーん
翠星石「あるぇ? 誰もいない?」
スィドリーム「……」ふよふよ
翠星石「お、いいところに来たですねスィドリーム。翠星石がちょっと用事で外に出ていた間に
チビ人間の部屋がもぬけの殻なのですが、みんなして入れ違いでお出かけしてしまったのですか?」
スィドリーム「っ!」
翠星石「ふむ。近所のスーパーで卵お一人様1パックまでのセールがあるからと、のりに連れて行かれた…。
かなり急いでいたから、たまたま席を外していた翠星石には声を掛けずに出ていった…。なるほど」 - 356 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:01:15 ID:HW4/.L4U0
- スィドリーム「ッ!」
翠星石「それにしても人形まで買い物に駆り出されるとは。ボス猿も限定だとか安売りって言葉に弱いですねぇ…」
スィドリーム「……」
翠星石「おや? 部屋の真ん中に何か置いてあるです」- l⌒l
/`~´\
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`'‐--‐''´
翠星石「これはペットボトルですぅね」
スィドリーム「……」
翠星石「どれどれ? ちぇー、なぁんだ、空っぽですか。ジュースでも入っていれば飲んでやろうと思ったですのに」 - l⌒l
- 357 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:06:20 ID:HW4/.L4U0
- 翠星石「しかし、何でこんなところに空のペットボトルが? はっ!? まさかチビ人間が用を足すため?
人間の引きこもりはペットボトルにおしっこをすると聞いたことがあるですぅ!!」
スィドリーム「ッ!」
翠星石「えっ? 床に真紅の書置きがある?」
スィドリーム「!!」
翠星石「本当ですね、これは真紅の文字です。どれどれ?」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
┃ 触るな! このペットボトルは私が工作に使うもの! ┃
┃ 指を入れて遊んだりしないように! ┃
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
翠星石「ふっ、何を馬鹿なことを。んなことイチイチ書かれなくても
麗しの薔薇乙女第3ドールである翠星石様が、そんなはしたない真似…」 - 358 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:08:01 ID:HW4/.L4U0
- §30分後
蒼星石「こんにちはー! たまには僕の方から遊びに来たよ! 翠星石いるー?」ガチャッ
翠星石「ああああ…っ!」ボロボロ
蒼星石「あ、いたいた。…て、何やってるの翠星石? ボロボロ泣いちゃって」
翠星石「そ、蒼星石ぃ!! いいところに来てくれたですぅ」
蒼星石「?」
翠星石「ペットボトルに指を突っ込んだら全然抜けなくなったのですよ! 助けてくれです!」
蒼星石「はぁ!? そんな馬鹿な。僕達の指がペットボトルにはまるだなんてサイズ的にありえない…」
翠星石「ううう、つい調子に乗ってしまって人差し指、中指、薬指を突っ込んでしまったのです」
蒼星石「なんでまた、そんなことを」
翠星石「魔が差したとしか言いようがないですぅ! いや、これは真紅の罠です!
周到に用意された紅い悪魔レッドデビルの『迂闊』な罠ですぅ!」
蒼星石「それを言うなら狡猾。それに、どっちかと言うと迂闊なのは翠星石の方」 - 359 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:08:48 ID:HW4/.L4U0
- 翠星石「ぐあああああっ…! はめられたです! 真紅にハめられてハめちまったです!」
蒼星石「やれやれ、なんだかなあ…もう」
翠星石「あきれている場合じゃねーですよ、蒼星石!
穴があったら入れてみたいと思うのは人情です! 男装乙女の蒼星石なら分かるですよね!?」
蒼星石「いや、分からないし。と言うか、少し問題あるよ今の発言」
翠星石「ああもう! 問答はもういいですから早いとこ助けてくれです!」
蒼星石「助けるってどうやって…」
翠星石「蒼星石の鈍チン! これを自慢の鋏で切ってくれと頼んでいるのです」
蒼星石「しょうがないなぁ…」 - 360 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:10:11 ID:HW4/.L4U0
- 蒼星石「…で、どっち切ればいいの?」
翠星石「どっちとは?」
蒼星石「君の指を切るのか、ペットボトルを切るのかってことだよ」
翠星石「はあーーーっ!? 何を馬鹿なことを!?
そんなもんペットボトルの方に決まっているですよ! おじじのボケがうつったですか蒼星石!」
蒼星石「しばらく見ないうちに、また口が悪くなったんじゃないの翠星石?」
翠星石「いやいや! 翠星石の指と、こんなペットボトルを秤に掛ける蒼星石の方がどうかしているですよ!」
蒼星石「いや、これはただのペットボトルじゃない」
翠星石「な、なんですと!?」
蒼星石「これは『骨まで溶ける超強力炭酸コーラ! むしろ硫酸』という、最近の通販で人気のドリンクのペットボトルだ」
翠星石「何ですか、そのトチ狂ったとしか思えない商品は」 - 361 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:11:52 ID:HW4/.L4U0
- 蒼星石「きっとジュン君が買ったんだろう。そして書置きを見る限り、そのペットボトルを真紅が貰ったらしい」
翠星石「……」
蒼星石「強力な硫酸コーラを封入しているだけあって随分と頑丈でしっかりした構造のペットボトルなんだよ、これは」
翠星石「だ、だからって庭師の鋏で切れないほどでは…」
蒼星石「確かに。だが、このペットボトルは非常に高価でもある。
通販の代金のほとんどは中身のコーラではなく、この容器の費用だと言われている」
翠星石「いくらぐらいするんですぅ?」
蒼星石「ざっと5千円ぐらいかな」
翠星石「5千円!? 超大金じゃねーですか!!」
蒼星石「ああ。だから僕も慎重にならざるを得ない」
翠星石「うぬぬ…。真紅に、このことがばれたら、きっとペットボトルを弁償しろと言い出すに決まっているです」
蒼星石「でしょ? 翠星石の指なら切ってもジュン君さえ帰ってくれば繋げてくれるし」
翠星石「背に腹は代えられんですね。よし、翠星石も女です! 覚悟を決めたです! バッサリいってくれです!」
蒼星石「よく言った! それでこそ僕の双子の姉さんだ! それじゃあ早速…」 - 362 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:13:53 ID:HW4/.L4U0
- ジュン「ただいまー。て、あら? 蒼星石が来てるのか」ガチャッ
翠星石「あ、チビ人間」
蒼星石「ジュン君。お邪魔してます」
ジュン「ああ、これはどうもご丁寧に。それはそうと、何をやっているんだ二人とも?」
翠星石「じ、実は…かくかくしかじかというわけでして」
ジュン「馬鹿だなお前は。あれほど真紅が書置きまでして注意を促してたのに」
翠星石「あの書置きがあったからこそですぅ! 真紅の冷酷非道で『残念』な罠ですぅ!」
ジュン「それを言うなら『残忍』。残念なのは翠星石の方だ」
翠星石「うぐぐ。で、ですが翠星石は自分の不始末は自分でとるですよ! 今、指を詰める覚悟も完了したところです!」
ジュン「切るのは蒼星石じゃん。不始末を自分で取れてないじゃん」
翠星石「う、うるせぇーです! 穴があったら入れてみたい!
この気持ち、あらゆるモノがチビチビのチビ人間だって一応は男なんですから分かるはずですぅ」
ジュン「色々と問題あるぞ、その発言」 - 363 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:14:45 ID:HW4/.L4U0
- 蒼星石「ともあれ翠星石の覚悟は本物だよ。喜んでジュン君。この桜田家に半端者はいないことが証明されたんだから」
ジュン「待て待て待て。ペットボトルを切ればいいだろ、ペットボトルの方を」
翠星石「けど、5千円も翠星石は弁償できないのですぅ!」
ジュン「いや、そうじゃなくて。真紅には巻き戻しの懐中時計があるだろ」
翠星石「あっ」
蒼星石「あっ」
翠星石「……」
蒼星石「……」
ジュン「蒼星石もついていながら、姉妹の能力を忘れるなよ」
蒼星石「いやあ、うっかりしてた」 - 364 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:18:57 ID:HW4/.L4U0
- 真紅「騒がしいわねジュン。ちゃんと卵は冷蔵庫に入れたの?」
雛苺「うぃ。荷物持ちのジュンは先に帰って、お仕事しなくちゃなのよね」
ジュン「二人も帰ってきたのか。卵ならちゃんと、しまったから安心しろ」
翠星石「真紅、チビ苺…」
蒼星石「やあ」
真紅「あら? 蒼星石、来てたの? …て翠星石! あなた、なにやってるのソレ!」
雛苺「ペットボトルに指を三本も入れて、抜けなくなっているのよー!?」
翠星石「うっ!」
真紅「あれほど念には念を押した書置きをしておいたのに!!」
翠星石「す、すまんですぅ。つい好奇心に抗えなくなってしまって」
真紅「まったくもう、しょうのない子。乙雅三の背中見た露伴といい勝負だわ」 - 365 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:19:59 ID:HW4/.L4U0
- 蒼星石「まあまあ真紅。翠星石も反省しているから。さっきまでペットボトルよりも自分の指を切ると言っていたくらいだ」
真紅「当然でしょ。このペットボトルは激レアなんだから」
翠星石「で、ですがペットボトルの方を切ったとしても真紅なら時間を巻き戻せるですよね!」
真紅「こんなことで懐中時計のパワーを使いたくないのだけど、しょうがないわね」
雛苺「翠星石は困ったちゃんなの」
翠星石「うぎぎ、チビ苺に言われると凄くムカつくですが言い返せんのが悔しいですぅ」 - 366 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:21:12 ID:HW4/.L4U0
- §結局ペットボトルの方を切りました
真紅「さて、時間も巻き戻したことだし、本格的に工作を始めようかしら。雛苺、例のものを持ってきて」
雛苺「うぃ」トコトコ
蒼星石「あれ? ペットボトルがもう一つ?」
真紅「この硫酸コーラのペットボトルは二本あったの。雛苺の持ってきたのは、洗った後さっきまで陰干ししていた方よ」
翠星石「へー」
ジュン「で、何を作るっていうんだ真紅?」
真紅「ねえジュン。私、真紅がどうしてアリスではないのか考えたことある?」
ジュン「何だよ、藪から棒に。それと質問を質問で返すなよ」 - 367 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:23:17 ID:HW4/.L4U0
- 真紅「この真紅様は美しく、誇り高く、神々しいまでに優雅よ。
その私がどうしてアリスではないのか? 最早、他に改善点は見つからないというのに」
翠星石「そのナルシストなとこを改めるべきじゃねーのですぅ」
ジュン「あと無駄に女王様気質で周囲の迷惑を顧みないところとかも」
雛苺「うぃ。真紅はヒナ達にもっと優しくしなくちゃダメなのよね」
真紅「しかし、私はここに来て思い至った。私にとって唯一にして最大の弱点。それはネコ」
蒼星石「他人の話を聞かないとこも良くないと思うけど」
真紅「このネコという弱点さえ克服すれば、私はアルティミットドールとなる」
雛苺「そうなの?」
ジュン「と言うか、僕達の意見はことごとく無視か」 - 368 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:24:43 ID:HW4/.L4U0
- 真紅「そこで今から作るのが携帯型ネコ除けペットボトルというわけ」
翠星石「ネコ除け?」
真紅「ええ。今まで常にネコの危険に怯えながら外出していたけれど、それももう我慢の限界」
ジュン「そういえばお前、ネコが苦手だったな」
雛苺「ヒナのお友達のボス猫さんと仲良くなったから、克服したと思っていたの」
真紅「あれはまあ、例外中の例外よ」
蒼星石「と言うか、ネコ除けペットボトルってただ単に水を入れただけだよね?
それにわざわざ硫酸コーラの激レアなペットボトルを使う理由は…」
真紅「先も言ったとおり、これは携帯型よ。頑丈であればあるほどいい」
翠星石「携帯型なのに2Lペットボトルを使うのは何ですぅ?
ほぼ私達と同じくらいの大きさじゃねーですか。持ち運びには、つれーですよ?」
真紅「だって他のサイズ無かったし」
蒼星石「そうだったんだ」 - 369 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:27:36 ID:HW4/.L4U0
- §5分後
真紅「よし、これで完成…と」
ジュン「完成て。水入れただけじゃん」
真紅「ネコ除けペットボトルに余計な装飾は不要」
蒼星石「真紅? 片っぽには水を満タンに入れたのに、もう片方には1/3ぐらいしか入ってないよ」
雛苺「両方一杯にしちゃったら重くて運べないのよね?」
真紅「馬鹿おっしゃい。5kgぐらいの重さ、私には屁でもないわ」
ジュン「流石、薔薇乙女一の腕力家」
翠星石「じゃあ、どうして?」
真紅「片方は不意の事態のための緊急脱出用ペットボトルとして圧縮空気を入れてある。
これさえあればネコに接近を許したとしてもロケットにつかまって飛ぶことですばやく逃避できるわ」
ジュン「なんと!?」
蒼星石「それは危険なんじゃ」
真紅「ダイジョブ、ダイジョブ。あくまで緊急用だし。間違って栓を開けたりしなければ安全」
翠星石「で、ですが…」 - 370 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:29:01 ID:HW4/.L4U0
- 真紅「よし、早速これを装備して快適な散歩にでも出かけましょうかね」イソイソ
ジュン「考え直したほうがいいと思うぞ」
真紅「止めないで。私の決意は、このパンパンに固まったペットボトルよりも硬い。
ところでペットボトルを2本、こうして背負ってみると赤い彗星の再来シナンジュみたいで格好良くない? 私?」
蒼星石「いや、何を言っているのかよく分からないんだけど」
真紅「ああそう。ま、とにかく私は出かけてくるから。アデュー」すたすた
翠星石「ああっ! 真紅」
雛苺「行っちゃったの…」
ジュン「絶対、途中で暴発するな」
蒼星石「うん。するだろうね」
翠星石「よそ様に怪我だけはさせないように祈るばかりですぅ…」 - 371 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:30:39 ID:HW4/.L4U0
- §街の表通り
真紅「ふぅ、素晴らしいわ。このネコ除けペットボトルの効果は覿面ね。さっきから全くネコが近づいてこない。
それどころか、視界に入ったネコがことごとく尻尾を巻いて逃げていくわ」
ホーリエ「……」
真紅「ええ、ホーリエ。確かにちょっと重いけどネコを恐れずに歩けるようになったのだから私の足取りは軽い…」
チリチリチリ
真紅「ちりちり? 何の音? これ?」
ホーリエ「…ッ」
真紅「なるほど。ここはチリチリ通りというのね。だからチリチリと音がしても不思議じゃない」 - 372 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:32:09 ID:HW4/.L4U0
- §5分後
シューシュー
真紅「あら? 今度はシューシューという音が?」
ホーリエ「…ッ」
真紅「ふむふむ、今度はシューシュー通り。流石ねホーリエ、あなたは何でもよく知って…」
ブスブスブス
真紅「むむむ? 次はブスブス通り? しかし何か変ね? ちょっと背中が熱いわ。いくら真夏日和だとしても、やけに…」
ホーリエ「ッ!!」
真紅「えっ!? 煙! 背中から? 何で!? け、消して! ホーリエ! 早く!!」
ホーリエ「!!」
真紅「あ! そ、そうか! 水! ペットボトルの水を使えばいいんだったわ!」 - 373 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:33:37 ID:HW4/.L4U0
- §無事に消火できました
真紅「あ、危ないところだった。しかし、どうして背中から急に火の気が? ひょっとして…
通りすがりの誰かにタバコでも投げつけられたのかしら? 全くもう、マナーのなっていない人間は本当に下劣ね」
ホーリエ「ッ!」
真紅「え? そうじゃない? ペットボトルのせいですって?
ボトルの水が虫眼鏡のレンズみたいに太陽光を焦点に、私の背中に集めてしまった…っ!?」
ホーリエ「…!」コクコク
真紅「な、なんていうこと。じゃあ、私はリアルかちかち山を演じてしまっていたというわけ? しかも一人芝居で!?
いや、そもそもホーリエ、あなたチリチリ通りとか適当なことを…っ!?」
ホーリエ「……」
真紅「偶然だ? まあ、そういうことにしておきましょうか。あなたのお陰で小火ですんだのも事実だし」 - 374 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:34:43 ID:HW4/.L4U0
- 真紅「…ちょっと待って。もし、今の事件が私ではなく水銀燈に起きていたとしたら」
ホーリエ「?」
真紅「彼女は黒ずくめだからきっと私よりも早く発火。一瞬でさらに激しく燃え上がっていたに違いない」
ホーリエ「……」
真紅「これは使える! 何とか、だまくらかして彼女にこれを背負わせれば…」 - 375 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:37:05 ID:HW4/.L4U0
- 水銀燈「背負わないわよ。そんな不細工なのぉ」フワリ
真紅「す、水銀燈!?」
水銀燈「くすくすくす。ああ、面白い見ものだった。ほぉんとオマヌケな赤いタヌキだこと」
真紅「うぬぬ…。盗み見とはいやらしいわよ水銀燈!」
水銀燈「あんたが無駄に大騒ぎしているから嫌でも目に入ってきただけよぉ。
大体、何をトチ狂ってそんな真似をしてたんだか。水銀燈、ぜぇんぜん理解できなぁい」
真紅「ふっ、私の高尚な意志はあなたのようなゲス乙女には分からないのかもね」
水銀燈「なんですって? 喧嘩を売る気? だったら言い値で買うわよ?」
真紅「サービスで畳んでラッピングもしてあげるわ! ただし、あなた自身をね!」
水銀燈「言ったわね真紅! この!」
真紅「何よ!」 - 376 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:39:00 ID:HW4/.L4U0
- §小一時間ほど喧嘩
水銀燈「はぁー…っ! はぁ…!」
真紅「ぜーぜー」
水銀燈「ああもうっ! こんな炎天下で小競り合いなんてするもんじゃなかった」
真紅「同意だわ。あなたと意見が合うのは珍しいわね。一時休戦といきましょうか」
水銀燈「喉が渇いた。真紅、このペットボトルの水もらうわよ」ヒョイ
真紅「あっ、それは」
水銀燈「何よ、ケチケチしなくたっていいじゃない。減るもんじゃなし」
真紅「減るわよ。と言うか、そういうことじゃなくて、そっちのペットボトルは」
水銀燈「うるさいわねぇ。この国じゃあ水はタダでしょう」
真紅(ま、待てよ! このまま水銀燈にロケットの方のフタを取らせれば)
水銀燈「真紅? どうかした?」
真紅「い、いえ何でもないわ。どうぞどうぞ水銀燈。水が欲しいのなら好きなだけ飲んで頂戴」
水銀燈「何よ急に優しくなっちゃって? まぁいいわ。それじゃいただくわよぉ」キュポッ
真紅「!」 - 377 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:44:50 ID:HW4/.L4U0
ドブシュー
水銀燈「きゃあああっ! な、何これぇッ!? 冷たっ!?」
真紅「や、やった!! ペットボトルロケットトラップ大成功…ッ!」
┌―――┐
│ コ 三Ξ ドヒュッ
└―――┘
真紅「ッ!? 水銀燈の手を離れたロケットがこっちに飛んで…!?」- 378 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:52:40 ID:HW4/.L4U0
- .ィ/~~~' 、
、_/ /  ̄`ヽ} ┌―――┐
,》@ i(从_从)) │ コ 三Ξ
||ヽ|| ^ω^ノ| └―――┘
|| 〈iミ''介ミi〉||
≦ ノ,ノハヽ、≧
テ ` -tッァ-' テ
」Vヘ∧/L
≧ ぐぇあ ≦
ヘNYVヘ/
.ィ/~~~' 、
、_/ /  ̄`ヽ}┌―――┐
,》@ i(从_从)).| コ 三Ξ
||ヽ|| ^ω^ノ|└―――┘
|| 〈iミ''介ミi〉||
≦ ノ,ノハヽ、≧
テ ` -tッァ-' テ - 379 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:55:16 ID:HW4/.L4U0
- 水銀燈は何故、真紅へ向かって『ペットボトルの底側』をかざしたのか彼女自身理解できなかった。無意識だった。
『ペットボトル』が真紅の頭に吸い付くように動いたと感じた。しかし水銀燈の身体は知っていた。
アリスゲームを生き抜いてきた経験が、そしてこれからも生き抜こうとする水銀燈の身体が彼女の腕を動かしたのだ。
水銀燈のローザミスティカの輝きの大車輪が水銀燈の直感をプッシュしたのだ!
そして、その圧縮エネルギーは一気に噴出され、真紅の頭を完全に吹っ飛ばしたッ!!- 」Vヘ∧/L
≧ ぐぇあ ≦
ヘNYVヘ/
.ィ/~~~' 、
、_/ /  ̄`ヽ}┌―――┐
,》@ i(从_从)).| コ 三Ξ
||ヽ|| ^ω^ノ|└―――┘ - 」Vヘ∧/L
- 380 :名無しさん:2013/08/17(土) 00:56:41 ID:HW4/.L4U0
- ________________
|
| ペットボトルロケットのエネルギーは僕達の想像以上に凄まじい。
| 発射場所には、広くて回りに障害物や建物がなくて、人もいないところを選ぼう。
| 特に人に向けるだなんて事は危険だから絶対にしちゃいけないよ。
|
┌──┐
i二ニニ二i
i´ノノノヽ))) 。 正しく使って、楽しいサイエンスをエンジョイしてね。
Wリ゚ -゚ノリ / 蒼星石との約束だよ。
⊂)_介」つ
〈__l__〉
〈_ハ_〉 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ - 381 :名無しさん:2013/08/17(土) 01:16:23 ID:HW4/.L4U0
- §夕暮れの路地裏
- / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| こ、こんなところで何やってるのかしら真紅?
\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
, .-=- ,、 .ィ/~~~' 、
ヽr'._ rノ.' ', 、_/ /  ̄`ヽ}
//`Y. , '´ ̄`ヽ ,》@ i(从_从))
i | 丿. i ノ '\@ ||ヽ|| ^ω^ノ
ヽ>,/! ヾ(i.^ o^ノ ┌―――┐
`ー -(kOi∞iミつ | コ
(,,( ),,) └―――┘
じ'ノ' |\
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
↑ | 晒し首ごっこよ。あなたもやる?
通りすがりの金糸雀 \___________
吹っ飛ばされた真紅ヘッドは金糸雀の手によ、これからり無事に桜田家に届けられることになる。
しかし、既に真紅ボディだけは桜田家の庭に水銀燈が遺棄していたため、桜田家では猟奇事件騒ぎになっていたそうな。
『真紅フライングヘッド』 終 - / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
2013/08/17 12:35:28 コメント18 ユーザータグ ローゼンメイデン