ブルガリアの水牛乳製シレネ

    ブルガリア産食品
    01 /12 2025
    ブルガリア料理に頻出のシレネ。現地のスーパーで商品を探していたら、新しい商品が目に留まりました。


    bivolsko sirene0
    Бяло саламурено сирене от краве и биволско мляко зряло 60 дни
    牛乳と水牛乳の混合乳シレネ 熟成60日間


    原料乳に水牛(バッファロー)乳を使用しているようです。初めて見ました。シレネの原料乳といえば伝統的には羊乳、そして最近は牛乳製も人気ですが、水牛のミルクも使われるのですね。LidlのPB商品Родна стряхаのシリーズから登場です。製造はカルロヴォ地方のヴェドゥラレВедраре村ということです。原材料を見てみましょう。


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    原材料:牛乳68%、水牛乳29%、食塩、乳酸菌、ph調整剤、塩化カルシウム、レンネット


    水牛乳は約3割使用されています。脂肪分は24%ということです。まずはそのままいただきます。


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    濃厚です。長期熟成により生まれたシレネ特有の風味はありますが、癖というほどのものはなく、深いコクを楽しめます。
    塩気はもちろんありますので、必要に応じて塩抜きするか、またはこの塩味を活かして料理に使えると思います。
    よくチーズの分類で、フェタチーズがフレッシュタイプに分類されているのを見ますが、このシレネのように60日間も塩漬けしたものがフレッシュという分類に合っているかはよくわかりません。



    バーニツァ作り再び



    せっかくなので、このシレネを使ったバーニツァ作りも試してみました。レシピは同じくРодна стряхаのシリーズのバーニツァ生地


    tochenikori0.jpg
    Фини точени кори за баница
    の付属レシピを参考にします。


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    これによると、フィリングの分量は卵3個、シレネ200g、ヨーグルト300g、小麦粉2さじ。生地を巻いたあとに卵2個と炭酸水100mlを溶いたものを上からかけて180℃のオーブンで焼くそうです。
    ただし量が多すぎるので、今回はこの生地は使いません(何だそれ)。今回もお世話になるのはこちら


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    井辻食産のはるまき(生)

    現地の専用生地と比べて面積比1/4なので大きなバーニツァは作れませんが、大人数に振る舞うわけではないのでOKです。

    バーニツァは渦巻き型や層状などいろいろな形状がありますが、切り分けるときに崩れやすいのが難点です。現地のスタンドではバラ売りしやすいようにU型のバーニツァが売られているのでそれを参考にします。


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    バーニツァにすると塩辛さがマイルドになります。少量でもチーズのコクは感じられます。セミハード系のチーズを加熱したときの風味に近いです。レシピによっても味はかなり変わります。卵の分量、シレネの分量と粒の粗さなど、好みに合わせて調整するといいです。今回は少々混ぜすぎましたが、個人的には卵少なめ、シレネ粗目が好きです。

    コメント

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    No title

    水牛のミルクを料理に使うのは東南アジアくらいかと思っておりましたが
    ブルガリアも同じだったのですね。
    もちろん私は飲んだことも食べたこともありませんので興味が湧きます。
    さすがにブルガリアでも水牛乳100%では個性が強すぎるのでしょうか、牛乳と
    混ぜるのが普通なのかもしれませんね。
    カルロヴォといえばブルガリアのほぼ中央に位置してますが歴史的にも重要な
    地域のようですし、産業的にも古来からの技法を取り入れていそうな気もします
    ので水牛という古くから飼われていた家畜を活用する伝統があるのかもしれま
    せん。
    出来上がったバーニツァはなかなか美味しそうですね。
    作るのはやはり手間が掛かるでしょうが達成感はそれだけ大きくなりますね。
    xpucmoさんの頑張るお姿をいつも応援しております。

    水牛乳100%のヨーグルトはいただいたことがありますが、シレネに関しては100%はまだ見たことがないです。もしかするとあるところにはあるかも知れません。風味は羊乳に近いと思います。私以外に記事を書いている人がいないので、日本人はシレネの原料にあまり興味がないのでしょうね。笑
    カルロヴォのヴェドゥラレ村をストリートビューで見るとのどかな雰囲気でした。水牛の放牧もしているのでしょうか。
    バーニツァは難しいですが、出来合いの生地を使えば一応形にはなりました。本番のお店の味に近づけるのはまだまだ先のようです。ありがとうございます。

    xpucmo

    ブルガリアの言語や音楽が好きで、現地のセミナーまで受けに行きました。HNはブルガリア名でxpucmo = フリスト と読みます。ブルガリア系同人誌を発行しています。