3Dプリンタで作るキリル文字クッキー

    料理・作ってみた
    01 /04 2025
    英字ビスケットというものがありましたが、キリル文字で同じようなものはないのだろうか?と思い、入手したばかりの3Dプリンタを使って試してみました。今回作るのはキリル文字のクッキー型です。他に必要なものは3Dモデリングソフトのfusionと、ブルガリア語フォントです。忘備録も兼ねて手順をまとめますと、

    1. スケッチを作成 XY平面上
    2. 文字を作成(高さ30mm程度、左右反転)し、キリル文字を入力
    3. Z軸方向に押し出し 20mm程度
    4. 尺度 (不均一) X軸方向に x1.2倍
    5. 面をオフセット 3mm程度
    6. シェル 上面(と下面)を除外 内側に1mm程度
    7. 3Dプリント


    kirilitsa3d.gif

    以上で設計したモデルがプリンタに送られ、クッキー型が作られます。


    kirilitsa3d_1.jpg

    完成したクッキー型です。これらを使って念願のキリル文字クッキーを作ります。

    今回作るクッキーはブルガリア産古代小麦を使用したメデンカです。分量は以下で試します。

    薄力粉 200g
    全粒アインコーン小麦粉 40g
    砂糖または蜂蜜 80g
    卵 1個
    バター 100g


    biobrashnolimets0.jpg
    全粒アインコーン小麦粉

    お菓子に古代小麦を使う場合は20%くらいが適正ですね。これ以上は粘り気が出て食感を損なうのと、スイーツにしては風味が強くなります。
    型を使用して生地を抜き、オーブンで焼くと以下のようなクッキーが完成しました。


    kirilitsa3d_4.jpg
    kirilitsa3d_2.jpg
    ブルガリア語の単語を作ってみましょう

    古代小麦の風味が適度に感じられ、食味は上々です。食べるのがもったいなく感じます。でも手が止まりません。


    kirilitsa3d_3.jpg

    アルファベットクッキーの一番人気はなんといってもДでしょう。存在感が半端ないです。しかしクッキー型としては使用感がいまいちです。そこで、改良を加えて使い勝手を改善することにしました。

    (作業すること数日)

    kirilitsa3d_7.png
    kirilitsa3d_5.jpg

    こちらが改良版Д型です。上下左右に連続して押せるのと、生地の詰まり対策を施しました。モデリング初心者なので細かい点はご容赦ください。


    kirilitsa3d_9.jpg

    このように、無駄なくスイスイ押せます、こんな商品は現地でも売っていないはず?



    以下余談です



    kirilitsa3d_6.jpg

    ちなみにこの日の生地はキン〇ルで見つけた謎のクッキー材料で作りました。キリル文字クッキーの材料を探していたらキリル文字が視界に飛び込んできたので即決でしたが、本当にキ〇ブルって何でも置いているのですね。ところでこの商品、日本語の使用説明が全くないのですが...ほかに買う人いたのでしょうか。


    kirilitsa3d_8.jpg

    シナモンとジンジャーの風味は良かったですが、アルファベットクッキー作りには向いていませんでした。ミックス粉を使うなら、膨張剤を使用していない商品を選びましょう。



    ダウンロードリンク



    改良版Д型を無料公開していますので、よろしければダウンロードしてご利用ください。
    キリル文字クッキー型「Д」3Dモデル

    コメント

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    No title

    これは凄いです。凄過ぎます!
    何と申しますかxpucmoさんのチャレンジ精神は半端ないですね。
    英字ビスケットは昔よく食べましたがキリル文字のは生まれて初めて目にしま
    した。もしかするとロシア辺りではそのようなお菓子を作っている可能性を考え
    てしまいますが、もちろん私は見た事がありません。
    3Dプリンターをお持ちというのは羨ましいです。まあ私などでは使いこなす事は
    不可能なような気もしますが。笑
    見た感じではЖとかЙなどはクッキーの型としては少し無理がありそうですし
    さすがに全ての文字を作るのはかなり難易度が高そうですね。
    でもДの型を改良されたというのはとても素晴らしいです。ワンコも興味津々
    みたいですし私も食べたくなってしまいます。w
    ロシア産のミックス粉がその辺で売っているという環境も羨ましいです。
    膨張剤が含まれるとやはり形を作るのには無理があるのですね。私も勉強になり
    ました。
    量産に成功すればビジネスとして始めるのもありかと???

    ありがとうございます。クッキー型の設計自体は先人の知恵を借りましたが、キリル文字で作った例は聞いたことありません。
    3Dプリンタも最近の機種は親切設計になっていて問題なく作れました。ただトラブルが発生したときの対処は難しそうです。
    Йは出来なくはないものの、工夫は必要です。Дだけでもかなり悩みました。文字数が増えると使用後の洗浄など管理も大変になりますし。
    ロシア産のミックス粉は私も初めて見ました。味はとても美味しかったですが、膨張剤によって約2倍に膨れるので、形状の維持は難しかったですね。
    ビジネスにはなるかどうかは不明ですが、次回の即売会では出力したクッキー型も少々持っていこうと思います。このクッキー型についてブルガリアの方からも1件問い合わせが来て驚きました。
    最近は生成AIで3Dモデルも作れるようになってきており、我々は凄い時代に生きているようです。

    xpucmo

    ブルガリアの言語や音楽が好きで、現地のセミナーまで受けに行きました。HNはブルガリア名でxpucmo = フリスト と読みます。ブルガリア系同人誌を発行しています。