rainのレビュー行くぜ!
rain | プレイステーション® オフィシャルサイトrainはSCEから1500円で配信されたPS3ダウンロード専用ソフトだ。
開発はPlayStation C.A.M.P!とアクワイアの共同開発の模様。日本のスタッフが作ってる。
クリアまで遊んで3~4時間ほどだ。
ある日、家で寝ていた少年は雨の中を透明な少女の姿を見つける。
家を飛び出して少女を追いかけていくうちに、少年は雨が降り続ける夜の街に迷い込んでしまう。
そして気がつくと自分の体も透明になっていた……。
透明な少年と透明な少女が、元の家に戻るために雨が振り続ける不思議な街を探索するゲームだ。
透明な怪物が襲い掛かってくるので逃げながらの冒険となる。
登場キャラは少年、少女、怪物のみ。
水彩画風のデモ画面で綴られる物語は雰囲気バッチリ。
謎解き中心のアクションゲームで、
怪物を避けたりちょっとした仕掛けを動かしたりしてほぼ一本道のステージを進んでいく構成。
操作は方向スティックとジャンプとアクションのみとシンプルだ。
怪物に見つからないように注意して進まないといけないし、
怪物はクラゲっぽいヤツや恐竜っぽいヤツなど
いくつか種類があって特性にあった動きをしてくるので、意外とステルスアクション要素が強め。
画面には体力ゲージのような表記はまったくなく、分かりやすさと雰囲気を重視した作り。
テキストも「空中や建物から文字が浮かび上がる」という演出で表示される。
なので、表示された文字の横に移動したりするとちゃんと立体感が分かったりする。
「体が透明なので、雨が降っている場所でのみ姿が浮かび上がる」という要素はしっかり生かされていて、
屋根のある場所を通って姿を隠しつつ進んだり、
泥を踏んでしまうと足が浮き上がってしばらく敵に見つかるようになってしまうため
注意して進まないといけないなどが基本。
「大きな音を立てて道を塞いでる敵を誘き寄せる」というよくあるギミックも
「大きな水溜りを踏んで水音を立てて敵を誘き寄せる」
みたいに雨らしくしてあってそれだけで印象が違う。
特にロッカーに隠れるシーンなんかは本作ならではだと思ったなあ。
少女と合流してからは高い場所に肩車で少女を登らせたり、
少年が怪物を誘き寄せてるスキに少女を先に進ませるなど協力して進んでいくことになって
これもなかなか面白い。
少女を肩車する時はちょっとテンション上がりますね。
怪物に攻撃を喰らうと一撃死で攻撃手段も基本的に無しなので、
怪物のギリギリ近くを通り抜けるシーンや、
敵から追われてる状態で仕掛けを動かして切り抜けるシーンなどは
なかなか緊張感あってややホラーゲーっぽいかも。
敵にやられても直前からすぐ再開できるし、
謎解きの難易度もかなり低く、ほとんど答えを教えてくれるヒント機能もアリ。
ステージは街の他に工場やサーカスなど様々。
どこ行っても雨が降っていて、この暗く湿った雰囲気はいいね。
後半は怪物との追いかけっこが少々マンネリ化してくるものの、
歩いていて心細くなってくる雨の街を少女と一緒に探索し、
協力してピンチを突破して先に進んでいくのは楽しく、また場面にあった音楽が実に素晴らしい。
ストーリーは謎…というか想像に任せている部分が多いんだけど、
エンディングは綺麗に決まっていてそこは良かったなあ。
この始まり方だったらこの終わり方だよねーって感じで。
欠点は1回クリアすると
ミニエピソードが見れるようになるアイテムが各ステージに20個以上配置されるという、
あからさまな水増し要素が解放されることですね……。
一本道でリプレイ性の低いゲームでそんな要素入れてどうすんだよ?!
中古に売られる心配の無い低価格のDLゲーでボリューム意識した水増し要素とかいらないだろ!
しかも配置がいやらしくて、
「怪物からダッシュで逃げ切った後に道を引き返して、普通は通らないわき道の奥に行くとある」
みたいな、攻略見ないとやってられないような場所に配置されてることが多い。
この記憶のかけらを拾うことで、
本編をもう一つの視点から語ったテキストが見れるようになる。
「ああ、そういうことか」と思う部分も無くは無いものの、
分量は少ないし結局ハッキリしない部分も多いから頑張って見るほどでは……。
チャプターセレクトがかなり細かく区切ってあるので、
攻略見ながら回収していけばそんなに時間は掛からないが、
どう考えてもクリアして全解放で問題なかった。
あと、テキストが空中に浮かび上がると最初に説明したけど、
これが淡々とした文章で小刻みに表示されるのでかなりくどく感じた。
怪物から走って逃げるシーンでバッ!バッ!と道に合わせて表示されたりするのは
いい演出だったんだけど全体的にちょっと量が多すぎるように思えたねえ。
あからさまなボリューム水増し要素と
テキスト過多なところは悪い意味で和ゲーっぽいところが出ちゃった気がするものの、
水の表現や各ステージの作りこみもしっかりしていて世界観を堪能出来る。
短時間でサクッと遊べる雰囲気ゲーとしてはなかなか優秀な1本だったぜ。
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ゲーム全体を通じての情感はとても素晴らしい。
クリア後要素はひたすら面倒ですが・・・