かつら大手のユニヘアー(旧アデランスホールディングス)は6日、7月1日付で社名を「アデランス」に戻すと発表した。国内かつら事業の不振が続くなか、知名度の高い創業時のアデランスの社名を復活させて営業のテコ入れに弾みをつける。同社は2010年9月に現社名に変えたが、わずか1年未満で元に戻す異例の形となる。
5月26日の株主総会の承認を経て実施する。同社は昨年9月、当時の大槻忠男社長が別会社だったアデランスと、1985年に買収した女性向けかつら店、フォンテーヌの従業員の意識統一を図る狙いで、両社を合併して社名をユニヘアーとした。だが、業績低迷に歯止めがかからず、「原点回帰で事業を立て直す」(広報IR室)という。
今年2月には業績不振の責任を取り、大槻氏は社長を解任され、取締役に降格。創業者の根本信男会長が社長を兼務する体制となった。関係者によると、「根本氏はユニヘアーの社名変更が我慢ならなかった」という。筆頭株主の投資ファンド、米スティール・パートナーズも今回の社名変更に賛同する意向だ。