Yahoo! Pipesによるニュースサイトの「強制全文配信」
Livedoor Readerの注目度ランキングで、各新聞社ニュースサイトの「全文配信」っていうのがいくつもあがってきていたので、調べてみた。「Yahoo! Pipes で強制全文配信化 - てっく煮ブログ.」で紹介された方法を使って、「ニュースのRSSを全文配信で読む - ytsuchiyamaの日記」でフィードが作成されたようだ。たしかに多くのユーザが不便に感じていた事柄であり、なるほど話題になるわけだ。これでRSSリーダ経由で、携帯でも全文を読むのも楽になるだろう。
ただこれは、新聞社にとっては、デリケートな問題であろう。すでにコメントがついているが、米国のトータルニュース事件やGoogleニュースが登場したのときの摩擦に、たしかに表面的には状況が似ている。しかも、一般ユーザがこのノウハウを使って、独自にさまざまな「強制全文配信」フィードを作ることができてしまう。
ニュースサイトはこの動きに気づいたら何らかのアクションを取る可能性があるが、個人ブログだって、広告等でそれなりの収入があるサイトだと、ダメージがあるのかもしれない(本ブログには、ダメージはあるまい)。もちろん、どうせいたちごっこになってしまうわけだし、どうせコアユーザしか使わないんだし、各社には静観していてほしいところ。
まだ正確に理解してないような気もするが、「Yahoo! Pipes で強制全文配信化 - てっく煮ブログ.」のなかで、
とある。3のところの「本文を抜き出」している部分、抜き出しの「主体」を誰だと考えるかがポイントになりそうだ。このフィード自体は、ウェブページとして表示されるわけではないので、「抜き出し」それ自体が定型化されていて、それに基づいて、個々のユーザが「私的に」元のサイトから「抜き出し」、複製した。そう考えれば、フィード作成者によって送信可能化権は侵害されてないということになる。個人が作ったものなので、不競法の問題は生ずるまい。
ウェブサイトが公開されたら、自分以外の誰かがフィードを作成しまったり、最初の数行をどこかに表示させてしまうかもしれないというのは、ある程度社会的に認知されている。だとすれば、別のアプローチとして、全文配信のフィードが作成されることについても、黙示の許諾を与えていたと考えることはできるだろうか。残念ながら、そこまで認知されているとはいいがたいのだが。
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コメント
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「全文配信のフィードが作成されることについても、黙示の許諾を与えていたと考えることはできるだろうか。」
難しい問題です。
でも、サイトにアクセスするとインターネット上のどこかを通って読み手に届くわけですが、RSSを使って全文配信するというのは、恒久的にどこかに記事が残り続けるのではなくて、一過性のものではないでしょうか。
ということは、昔のVANのようにコンテンツ流通の付加価値サービスと捕らえられるのではないかと、僕は思うのですが、、。いかがでしょうか。
http://es.prit.jp/php-rss/index.php
投稿: えいめ | 2008/05/31 15:27