賀茂地域では初となる木製の治山ダムの完成を間近に控え、花沢園地(松崎町雲見)に隣接したダム建設現場で12月24日、見学会が開かれた。主催は賀茂農林事務所。
治山ダムは、豪雨による洪水などの際に土砂をせき止めて山崩れを防ぎ、下流の安全と山裾を保護する役割を担うもの。構造的にはコンクリート製の本堤と下流側にある副堤に分かれており、今回は全長16メートルに及ぶ副堤の体積70平方メートルのうち、約5分の1に静岡県産の杉とヒノキを使った。
木製ダム導入の経緯として、同事務所治山課課長の橋本有司さんは「花沢園地はホタルの見える観光スポットでもある。景観に配慮し、見た目が自然になじむ木製ダムにした」と話す。「今回のダムが木材利用の参考の一つになれば」とも。
県では「“ふじのくに”公共建築物等木使い推進プラン」に基づき、公共土木工事での県産木材の積極的な利用を促進している。今回使用した木材の防腐加工について、静岡県森林連合会の赤羽洋さんは「八角形に圧縮した木材に薬剤を加圧注入することでむらなく薬剤が入るため、25年以上の高耐久を実現した」と説明する。見学会では、他にも施工方法や注意点に関する説明も行われ、参加した管内市町職員などから担当者に質問する姿も見られた。
ダムの完成は1月下旬を予定している。