後に逮捕されることになる犯人の鈴木詩織は、もともと中国・黒竜江省出身の中国人（現在は日本に帰化）だった。1993年にお見合いを行なって21歳も年上の鈴木茂さんと結婚する。親子に近い年齢差がありながら結婚した理由は、中国の家族に対する仕送り、自らが日本に行けば贅沢な暮らしができるという願望を抱いていたためといわれる。しかし茂さんの実家は千葉県の50戸ほどしかない静かな田舎にあり、詩織が抱いていた願望とはほど遠いものだったという。だが、やがて詩織と茂さんは金銭トラブルを頻繁に起こすようになり、不仲になっていく。また茂さんの父Cや母Dも、詩織が先祖伝来の土地を取ろうとしていると猜疑し、詩織に対して厳しく金銭を制限するようになる。

出典:インスリン殺人未遂事件 - インスリン殺人未遂事件の概要 - W...

1995年12月28日、茂さんの実家の母屋が全焼し、焼け跡からC、Dの遺体が発見された。司法解剖により、Cは絞殺、Dは撲殺されていたという。焼け跡からは焦げた紙幣や貴重品を入れた金庫なども発見されており、しかも茂さんの実家にいる犬に異変がなかったことなどから、実家のことを詳しく知っている人物が疑われた。その中で最も動機のある人物として疑われたのが詩織である。詩織は仕送りや土地問題をめぐってC、Dと対立しており、動機もあった。そのため警察は事情聴取を行ない、遂にはポリグラフ検査を行なったが、証拠を挙げることはできず、この事件は迷宮入りとなった。



なお、詩織は後にインスリン事件で逮捕されて刑が確定した後、拘置所で夫の茂さんによる犯行という手記を書き上げている。警察はインスリン殺人未遂事件の後、この事件も再調査している。

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詩織は茂さんと不仲ながらも2人の子供を授かった。また、数年我慢すれば日本の永住許可証を得られると考えて、不満を持ちながらも夫婦生活を続けていた。しかし2人の間では金銭トラブルが絶えず、遂に詩織は2人の子供と中国に帰省したとき、そのまま中国に置いて来るにいたるなど、夫婦間の亀裂が決定的になる。茂さんが激怒して子供を連れ戻すように約束させると、詩織は中国に出発する直前の2003年10月18日に沸騰したミョウガ茶を寝ていた茂さんにかけて全治5ヶ月の重傷を負わせた。

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茂さんは入院中、詩織は受け取りとする生命保険がかけられてしまった。そして詩織はEと知り合い、死因のわからない薬を手に入れたいと話を持ちかける。Eは最初は相手にしなかったが、何度も相談してくる詩織にインスリンを渡してしまった。



2004年4月1日、詩織は退院して実家に戻っていた茂さんに睡眠薬を飲ませて寝込んでいたところを、通常の10倍以上のインスリンを注射するに及ぶ。その翌日、茂さんが意識不明に陥ったため、詩織は救急車を呼んで病院に搬送させた。茂さんは一命を取り留めたが、脳障害を起こして植物状態になってしまった。

茂さんは5年4ヵ月、一度も意識が戻ることなく2009年7月26日、59才で死去した。

出典:インスリン殺人未遂事件 - Wikipedia

93年10月…茂さん、中国にお見合い旅行に出かけ、詩織と出会う。詩織20歳、茂さん41歳。
94年9月…日本で結婚、21歳。茂さん42歳。

95年12月…茂さんの両親殺害か、22歳。茂さん43歳。

03年4月…日本の国籍取得、30歳。茂さん51歳。

03年10月…茂さんに熱湯。30歳。茂さん51歳。この頃、詩織容疑者、田口容疑者と知り合う。

04年4月…茂さんにインスリン注射、31歳。茂さん52歳。

05年7月…詩織、茂さん方を出て、台東区で風俗店を経営し始める。32歳。茂さん53歳。

06年3月…インスリン事件発覚、33歳。茂さん54歳。

出典:毒婦: 君にノックアウト

詩織は夫が植物状態になると、口座から金を引き出したり、土地を売ろうとしたが、かなわなかった。茂さんは入院していたとき、詩織の執拗な金への性格を危険視し、自分に何かあったら解剖し、財産や子供をすべて任せるという遺言を弟をはじめとする親族に任せていたのである。このため、弟らの親族が事前に土地や口座を抑えていたのだ。また、親族が警察に茂さんが植物状態におちいったことを不自然に思って捜査を依頼する。
そのため詩織は浅草に逃亡し、風俗嬢として働き始める。ここで詩織は整形して抜群のプロポーションも相まって人気風俗嬢になり、さらに自分の店を持つにいたるが、2006年2月7日、浅草で以前茂さんに熱湯を浴びせて障害を負わせた容疑で別件逮捕。さらに後にはインスリンで茂さんを殺害しようとしたとして殺人未遂でも逮捕された。

2007年3月9日、千葉地裁は傷害と殺人未遂で詩織に懲役15年の判決を言い渡し、東京高裁も同年12月26日の控訴審判決で一審判決を支持。詩織は上告を断念して刑が確定し、現在服役中である。

出典:

中国名「史艶秋」の故郷、黒龍江省方正県は戦後の混乱で取り残され残留孤児となった日本人が多い。「中国人は家族がすごく大事。中国にいる家族にももっと良い生活をして欲しい」と同郷の女性。
93年、お見合いツアーに参加した鈴木茂さんとの出会いが詩織容疑者にとって家族に豊かな暮らしをさせる最大のチャンスだった。
日本語も覚え周囲に溶け込んでいったが中国に仕送りしようとする彼女と、先祖からの田畑を守ってきた茂さんの母親との間に嫁姑のトラブルがあったという。財産を巡る確執が激しくなる中、茂さんの両親の家で火事が発生。焼け跡からは茂さんの両親の遺体が見つかった。警察は二人を殺害し家に火をつけた殺人放火事件と断定したが未だ事件の容疑者は特定できていない。

出典:テレビ朝日