簡単に言えば、道路法による道路や、農道、林道以外の全てのトレイルは他人の持ち物の土地な訳です。地主さんや土地管理者さん含めて、お金と引き換えに走って良いよ、という社会的制度的な合意(契約とルール)が成立しているところを、世間ではクローズドコースと呼んでいます。それ以外は全て「ひとんちの庭」なんです。持ち主さんが「ダメ」と言ってしまえばそこは走れません。
ですので、クローズドのコースと、税金で維持管理されている道路以外は、基本全て「灰色」なんです。灰色の濃さはところにより違いますが。全てはそこからものごとを考える必要があります。じゃあ、九州レイドシリーズのMTBラリーで走ってるトレイルはどうなの? 答えの一つが、クロスランドラリーのルート上のとある場所に出現しました。スタッフも参加者もだれ一人予想もしなかった出来事が起きたんです。 ![]() その日、スタッフと参加者のだれが言い出すともなく、「宇○宮カフェ」と名付けられたお家。 ラリーの日の通過許可を事前にいただけた、森の持ち主さんの自宅です。自宅横の激坂(これが半端じゃない激坂)を通過するライダーの一人一人にお母さんが声をかけて、呼び込まれてあったかい土間に入ったら熱い粉茶にキクイモや大根の漬け物、ゼンマイの煮物。勿論こんなことはスタッフもだれもお願いしていません。 「灰色」なトレイルとは何でしょうか。本当に社会的合意が成立した「ホワイト」が理想なんでしょうか。どんな合意が成立してお金を払っていても、マウンテンバイカーの為に存在する地域というものがある筈はなく、バイカーが地域に生きている人の暮らしに寄り添う気持ちを持ち続ける限りにおいて、「灰色」は実はバラ色ではないのでしょうか。 僕は看板を見て涙が出そうになりました。こんどまたあの猛烈な激坂を漕いで登って、お話ししに行こうと思います。
by sadepon
| 2012-02-21 00:06
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