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【論理的思考力と議論】
【上級者の実戦を観察する】
【心理と対話】
【その他】
第二章 論理的な反論の仕方―サブメニュー
【論理的思考法の基礎知識】
【前提の正しさを疑う反論】(論証型の反論)
【新たな前提を加える反論】(主張型の反論)
【推論の形式(前提と結論のつながり方)を疑う反論】
【メンタルの管理】
最終更新日:2016.1.3
相手の主張の結論に直接反論しても効果的な反論にはなりません。相手の主張を崩すためには、結論を支える前提に反論する必要があります。この方法を「論証型の反論」と呼びます。
一章で説明した4つの前提のおさらい(政策論題の場合)。
1.「メリット」 目的と必要性。主張の実現により発生する得や利点。
2.「根拠」 結論の実行によりメリットが発生する理由の説明(実効性)
3.「実行方法」 どうやって行うか(実現可能性)
4.メリット・根拠・実行方法を証明する「事実資料」 検証、統計データなど
以下の例は事実論題の場合です。
A氏「この鳥は空を飛べない。だから、この鳥はペンギンに違いない」
以下、反論として、
B氏「この鳥がペンギンであると断定はできない」
C氏「空を飛べない鳥はペンギンだけではない。例えば、キーウィやダチョウも空を飛べない。したがって、この鳥がペンギンであると断定はできない」
B氏が結論に直接反論しているのに比べて、C氏は根拠に反論することによって結論を崩しており説得力があります。
A氏の主張の論理構造
隠れた前提1.空を飛べない鳥ならペンギンである。 ←これに反論した
前提2.この鳥は空を飛べない。
前提1と2より.この鳥はペンギンである(結論)
次の例は政策論題です。
A氏 「東国原氏はタレント出身者だ。知事の仕事は、政治の知識と経験が豊富でないと務まらない。だから、東国原氏は知事としてふさわしくない」
以下、反論として、
B氏 「東国原氏ほど県知事としてふさわしい人はいない」
C氏 「東国原氏は大学で地方自治を専攻しており、実践を視野に入れた研究をしている。またタレント出身の知事といえば長野県の田中康夫知事が有名だが、彼は公共事業費を削減し財政を黒字化させた実績を持ち、二期目も務めている。ゆえに、東国原氏は知事としてふさわしい人物だといえる」
B氏が結論に直接反論しているのに比べて、C氏は東国原氏が豊富な政治知識を有している理由、さらに他のタレント知事の実績も挙げて相手の根拠に反論しています。
A氏の主張の論理構造
隠れた前提1.タレント出身者は政治の知識と経験が豊富でない。
↑これに反論した
前提2.東国原氏はタレント出身者である。
前提3.知事の仕事は政治の知識と経験が豊富でないと務まらない。
前提1と2ゆえ.東国原氏は政治の知識と経験が豊富でない。...(A)
前提1と3ゆえ.タレント出身者には知事の仕事は務まらない。...(B)
前提3とAゆえ.東国原氏には知事の仕事は務まらない。...(結論)
前提2とBゆえ.東国原氏には知事の仕事は務まらない。...(結論)
結論はメリット・根拠・実行方法・事実資料
の柱と土台により支えられています
結論に直接反論しても主張は崩せません
ですがメリット・根拠・実行方法・事実資料
に反論すれば主張は崩壊します
みんな!オラにちっとつ元気を分けてくれ!Tweet
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