ベネッセホールディングスは7月17日、緊急記者会見を行い、ベネッセコーポレーションのシステム開発・運用を行っているグループ会社シンフォームの業務委託先の元社員(39歳、男性)が顧客情報を社外に漏えいさせたとして、不正競争防止法違反の容疑で逮捕されたと発表した。 会見に出席したのは、ベネッセホールディングス代表取締役会長兼社長の原田泳幸氏、ベネッセコーポレーションの代表取締役社長の小林仁氏、ベネッセホールディングスCRO(チーフリスクマネジメントオフィサー)の松本主税氏の3名。原田氏によると、逮捕された元社員が複数回データベースにアクセスしていたログが確認されており、顧客情報の閲覧、持ち出し、名簿事業者への売却を行っていたという。 再発防止策については、7月15日に発表した事実解明のための「情報漏えい事故調査委員会」のほか、顧客の支援を行う専門組織「お客様本部(仮称)」を通じて行うという。「お客様本部」では、「お客様に継続して寄り添う」という理念のもと、顧客の同意のもと預かった情報に基づいて発送していることをすべての郵便物に明記するほか、個人情報保護に関する啓発活動の検討などを行う。 また、顧客が覚えのない会社からのダイレクトメールや電話などを受けた場合、発信者に対して名簿の利用停止および第3者機関への提出を呼びかけるほか、顧客情報が第3者により不正に入手された場合は、入手ルートの解明などを行うとした。 さらに、顧客への謝罪対応として200億円の原資を準備したと発表。謝罪品、受講費の減額など、さまざまな方法を検討しているが、詳細は情報が漏えいした顧客の確定が終わってから発表するという。謝罪品の内容については、過去の事例も踏まえ検討していくようだ。 なお、情報漏えいが確認できた数は、当初発表された約760万件と変わっていないと小林氏は説明。情報漏えいに関する問い合わせ件数は、7月16日までで5万件強に上るという。