<雑誌「ジュ・セ・トゥ」目録>

雑誌「ジュ・セ・トゥ」は、アルセーヌ・ルパンシリーズが初めて登場した雑誌である。現在フランス国立図書館のGallicaで公開されているので、その目録を作ってみた。Gallicaに公開されていても目次が整備されていない号については現在調査中である。Gallicaの利用法などについては雑誌「ジュ・セ・トゥ」についてにまとめている。

目録

Gallicaで公開されているのは1905年2月発行の第1号から1920年12月発行の第180号まで。ルパンシリーズの作品を中心に目録を作成した。作品No.と作品名は「アルセーヌ・ルパン」作品リストを基準としている。雑誌「ジュ・セ・トゥ」には大体1~3作の小説(Romans,Nouvelles)が掲載されていたようで、備考欄にはその中で邦題が分かる物などを載せておいた。

また1914年8月から1915年2月頃まで休刊が多いことに気づく。発行されているのを見ても、普段より縮小した内容だったようだ。これは時期的に見て第1次世界大戦の影響と考えられる。

発行日通算号作品No.作品名補足備考
1905/02/151
1905/03/152
1905/04/153「猿の手」W・W・ジェイコブズ。翻訳
1905/05/154
1905/06/155「踊る人形」コナン・ドイル。翻訳
1905/07/1561-1アルセーヌ・ルパンの逮捕
1905/08/157
1905/09/158
1905/10/159
1905/11/1510
1905/12/15111-2獄中のアルセーヌ・ルパン副題「アルセーヌ・ルパンの非凡な生活」
1906/01/15121-3アルセーヌ・ルパンの脱獄副題「アルセーヌ・ルパンの非凡な生活」
1906/02/15131-4謎の旅行者副題「アルセーヌ・ルパンの非凡な生活」
1906/03/1514掲載予定リストに「奇岩城(4)」の題あり
1906/04/15151-5王妃の首飾り副題「アルセーヌ・ルパンの非凡な生活」
1906/05/15161-7アンベール夫人の金庫副題「アルセーヌ・ルパンの非凡な生活」
1906/06/15171-9遅かりしシャーロック・ホームズ副題「アルセーヌ・ルパンの非凡な生活」
文学と芸術欄:憐れみ(アントワーヌ座)〔モーリス・ルブラン作の戯曲〕
1906/07/15181-8黒真珠副題「アルセーヌ・ルパンの非凡な生活」
1906/08/1519
1906/09/1520
1906/10/1521
1906/11/15222-1金髪婦人(連載1)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」「黒館の夜襲」コナン・ドイル。翻訳
1906/12/15232-1金髪婦人(連載2)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1907/01/15242-1金髪婦人(連載3)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」「従軍記者」コナン・ドイル。翻訳
1907/02/15252-1金髪婦人(連載4)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1907/03/15262-1金髪婦人(連載5)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1907/04/15272-1金髪婦人(連載6・完)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1907/05/15281-6ハートの7副題「私はアルセーヌ・ルパンをいかにして知ったか」
1907/06/1529文学と芸術欄:モーリス・ルブラン著「怪盗紳士ルパン(1)」
単行本「怪盗紳士ルパン(1)」の広告掲載
1907/07/1530
1907/08/1531
1907/09/15322-2ユダヤのランプ(連載1)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1907/10/15332-2ユダヤのランプ(連載2・完)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1907/11/1534
1907/12/1535
1908/01/1536
1908/02/1537文字と芸術欄:グールの城館〔ルブランのレジオン・ドヌール受勲の報か〕戯曲「シャーロック・ホームズ」ピエール・ドクールセール(コナン・ドイルとウィリアム・ジレットのオリジナルによる)
1908/03/1538「悪魔に会った男」ガストン・ルルー
戯曲「シャーロック・ホームズ」ピエール・ドクールセール(同上)
1908/04/1539戯曲「シャーロック・ホームズ」ピエール・ドクールセール(同上)
1908/05/1540
1908/06/1541「偉大な発動機」コナン・ドイル。翻訳
1908/07/1542
1908/08/1543
1908/09/1544
1908/10/1545口絵:モーリス・ルブラン
1908/11/15464奇岩城(連載1)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1908/12/15474奇岩城(連載2)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
劇場と音楽欄:「アルセーヌ・ルパン」劇の写真
1909/01/15484奇岩城(連載3)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1909/02/15494奇岩城(連載4)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1909/03/15504奇岩城(連載5)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1909/04/15514奇岩城(連載6)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1909/05/15524奇岩城(連載7・完)副題「アルセーヌ・ルパンの新たな冒険」
1909/06/1553
1909/07/1554
1909/08/1555劇場と音楽欄:「アルセーヌ・ルパン」の巡業
1909/09/1556
1909/10/1557
1909/11/1558「幽霊椅子」ガストン・ルルー
1909/12/1559「幽霊椅子」ガストン・ルルー
1910/01/1560「幽霊椅子」ガストン・ルルー
1910/02/1561「幽霊椅子」ガストン・ルルー※
1910/03/1562「幽霊椅子」ガストン・ルルー※
1910/04/1563「幽霊椅子」ガストン・ルルー※
1910/05/1564
1910/06/1565
1910/07/1566
1910/08/1567
1910/09/1568
1910/10/1569
1910/11/1570
1910/12/1571
1911/01/1572
1911/02/1573-記憶のある男短編。非ルパンものGallica未公開
1911/03/1574Gallica未公開
1911/04/15756-1太陽のたわむれ副題「アルセーヌ・ルパンの告白」Gallica未公開
1911/05/15766-2結婚指輪副題「アルセーヌ・ルパンの告白」Gallica未公開
1911/06/15776-3影の合図副題「アルセーヌ・ルパンの告白」Gallica未公開
1911/07/15786-4地獄の罠副題「アルセーヌ・ルパンの告白」Gallica未公開
1911/08/15796-5赤い絹の肩掛け副題「アルセーヌ・ルパンの告白」
1911/09/15806-6さまよう死霊副題「アルセーヌ・ルパンの告白」
1911/10/1581
1911/11/1582
1911/12/1583「現実の向こうのアルセーヌ・ルパン」モーリス・ルヴェル
1912/01/1584
1912/02/1585
1912/03/1586「真夜中の客」コナン・ドイル。翻訳
「太陽の妻」ガストン・ルルー
1912/04/1587「太陽の妻」ガストン・ルルー
1912/05/1588「Une Fin tragique」E.W.ホーナング。翻訳
「太陽の妻」ガストン・ルルー
1912/06/1589「太陽の妻」ガストン・ルルー
1912/07/1590「太陽の妻」ガストン・ルルー
1912/08/1591「太陽の妻」ガストン・ルルー
1912/09/1592
1912/10/1593
1912/11/15946-9ルパンの結婚(連載1)
1912/12/15956-9ルパンの結婚(連載2・完)
1913/01/15966-8麦藁のストロー
1913/02/15976-7白鳥の首のエディス
1913/03/1598
1913/04/1599
1913/05/15100
1913/06/15101
1913/07/15102
1913/08/15103
1913/09/15104
1913/10/15105
1913/11/15106「失われた世界」コナン・ドイル。翻訳
1913/12/15107「失われた世界」コナン・ドイル。翻訳
1914/01/15108
1914/02/15109
1914/03/15110
1914/04/15111
1914/05/15112
1914/06/15113
1914/07/15114「失われた世界」コナン・ドイル。翻訳
1914/08/15-発刊無しか?
1914/09/15-発刊無しか?
1914/10/15-発刊無しか?
1914/11/15114-bis
1914/12/15-発刊無しか?
1915/01/15-発刊無しか?
1915/02/15114-ter
1915/03/15114-4
1915/04/15114-5
1915/05/15114-6
1915/06/15115
1915/07/15116
1915/08/15117
1915/09/15118
1915/10/15119
1915/11/15120
1915/12/15121
1916/01/15122
1916/02/15123
1916/03/15124
1916/04/15125
1916/05/15126
1916/06/15127「遠くから帰ってきた男」ガストン・ルルー
1916/07/15128「遠くから帰ってきた男」ガストン・ルルー
1916/08/15129「遠くから帰ってきた男」ガストン・ルルー
1916/09/15130「遠くから帰ってきた男」ガストン・ルルー
1916/10/15131
1916/11/15132「遠くから帰ってきた男」ガストン・ルルー
1916/12/15133
1917/01/15134
1917/02/15135
1917/03/15136
1917/04/15137
1917/05/15138
1917/06/15139
1917/07/15140Gallica未公開
1917/08/15141Gallica未公開
1917/09/15142Gallica未公開
「クルップのルールタビーユ」ガストン・ルルー※
1917/10/15143Gallica未公開
「クルップのルールタビーユ」ガストン・ルルー※
1917/11/15144Gallica未公開
「クルップのルールタビーユ」ガストン・ルルー※
1917/12/15145Gallica未公開
「クルップのルールタビーユ」ガストン・ルルー※
1918/01/15146Gallica未公開
「クルップのルールタビーユ」ガストン・ルルー※
1918/02/15147Gallica未公開
「クルップのルールタビーユ」ガストン・ルルー※
1918/03/15148Gallica未公開
「クルップのルールタビーユ」ガストン・ルルー※
1918/04/15149Gallica未公開
1918/05/15150Gallica未公開
1918/06/15151Gallica未公開
1918/07/15152
1918/08/15153
1918/09/15154
1918/10/15155
1918/11/15156
1918/12/15157
1919/01/15158
1919/02/15159
1919/03/15160
1919/04/15161
1919/05/15162
1919/06/15163
1919/07/15164-三つの目長編。非ルパンもの
1919/08/15165
1919/09/15166
1919/10/15167-光線B(「三つの目」後半部)長編。非ルパンもの
1919/11/15168
1919/12/15169
1920/01/15170Gallica未公開
「盗まれた心」ガストン・ルルー※
1920/02/15 |Gallica未公開
1920/03/15 |Gallica未公開
1920/04/15 |Gallica未公開
1920/05/15 |Gallica未公開
1920/06/15174Gallica未公開
この間順調に発刊されていたとすると、1920年6月は通算175号となる。1回休刊か?
1920/07/15175
1920/08/15176
1920/09/15177A1アルセーヌ・ルパンの帰還(連載1)「ノー・マンズ・ランド」の予告掲載
1920/10/15178A1アルセーヌ・ルパンの帰還(連載2・完)
ノー・マンズ・ランド(連載1)
「ノー・マンズ・ランド」は長編。非ルパンもの
1920/11/15179-ノー・マンズ・ランド(連載2・完)長編。非ルパンもの
1920/12/15180
1921/01/15181
1921/02/15182
1921/03/15183
1921/04/15184
1921/05/15185
1921/06/15186
1921/07/15187
1921/08/15188-旅行用金庫短編。非ルパンもの

ルパン・コンクール

アルセーヌ・ルパンシリーズが雑誌に掲載されるときにルパン・コンクールといって懸賞がつくことがあった(たぶん意味するところは懸賞)。次に掲載する短編の内容やこれからの展開などを予想させ、出版社まで送らせるという形式のようだ。内容が分かるもの例をあげると以下のようであった。
1905年12月号:第1回懸賞
アルセーヌ・ルパンはいかにして脱走するか?
=「アルセーヌ・ルパンの脱獄」の予想
1906年1月号:第2回懸賞
アルセーヌ・ルパンの次の犠牲者は誰か?
=「謎の旅行者」の予想
1906年2月号:第3回懸賞
アルセーヌ・ルパンが盗むある著名な事件で知られた歴史的宝石は何か?
=「王妃の首飾り」の予想
1906年5月号:第5回懸賞
第1の質問:アルセーヌ・ルパンに挑む探偵(刑事)は誰か?
第2の質問:ドヴァンヌ氏、画家ヴェルモン、ジェリス神父のうち誰がアルセーヌ・ルパンか?
=「遅かりしシャーロック・ホームズ」の予想

最終更新日:2010/02/10