クリックするとサンプル図面が表示されます

1.家賃を確認
まずは家賃を確認しましょう。賃料と管理費、または共益費を足したものが、月々支払う家賃です。管理費、共益費は小さくて見づらい場合が多いです。賃料だけを見ないように注意しましょう。

2.間取図を確認
希望条件が条件が入っているか、間取図で再度確認しましょう。設備がどのように配置されているかも見ておくと良いでしょう。浴室、洗濯機置き場などの配置が悪いと、部屋の使い勝手が悪くなる場合があります。また、方角もこの図面に記載されています。方角を気にされる人は、ここでチェックをしておきましょう。

3.駅からの所要時間
駅からの所要時間が「徒歩◯分」という形で記載されます。所要時間は、1分に80ｍ（時速4.8Km）の速さで算出した数値なります。この速度は、健康な女性が「ハイヒールのサンダルを履いて歩いた時の速度」と言われています。基準は不動産広告の規定で決められたものです。

3.構造、部屋の階数
構造、建物の階数、部屋の階数などの記載も見逃さないようにチェックしましょう。このサンプル図面の物件名は「暮らしっくマンション」ですが、構造は木造となっています。
マンションといえば、鉄筋コンクリートか鉄骨鉄筋コンクリートだと思われるかもしれませんが、明確な規定は存在していません。構造をしっかりチェックしましょう。

4.　初期費用を確認
敷金、礼金、火災保険料、鍵交換費用などの初期費用を確認しましょう。火災保険料、鍵交換費用については、詳細な金額の記載がない場合もあります。このような場合は、必ず確認を取りましょう。

5.備考欄の隠れた初期費用に注意
備考欄には、大きく記載されていない初期費用がある場合があります。思わぬ出費を招くことになってしまうので、どこかに確認漏れがないか、もしくは大家さんや不動産業者に直接確認したほうがよいでしょう。

今回のサンプル図面では、「保証会社利用必須」と「書類作成費」が乗っています。この場合では、保証会社の初期費用29,000円、書類作成費10,000円（税別）が初期費用として追加されます。
備考欄は、見落とすことが多いのですが、意外と重要なことが記載されている場合もあるので見落とさないように注意しましょう。

6.現況と入居日
募集されていて空室でも、すぐに入居出来るとは限りません。いつから入居が可能なのか、確認しましょう。
このサンプルの図面では3月下旬となっています。3月頭に引越しを考えていたら、この物件は見送りになります。
「現況、入居日」に関しても、小さく書いてあることが多いので注意しましょう。

今回は不動産賃貸の募集図面について解説しました。中でも「5.備考欄の隠れた初期費用に注意」のところは、見逃す人も多い箇所です。不動産会社の担当者も確認不足で見逃すこともあります。
不動産賃貸は事前に見積りを取る習慣がないことから、物件を決めた後に初期費用が分かることも少なくありません。記載が無い金額については、予め確認してから物件を見比べるようにしましょう。

不動産会社に行ってもらう図面はいろいろなフォーマットになっていて、項目を確認するのが大変です。今回上げた項目については必ず記載があるものになりますので、見落とさないようにしっかりと確認をしましょう。その上で比較検討出来れば、効率のよい部屋が探しが出来るのではないかと思います。

門傳 義文 株式会社ラインズマン代表取締役
宅地建物取引主任士、ファイナンシャルプランナー
「不動産をわかりやすく伝える」をコンセプトに、不動産会社「ラインズマン」を設立。メディア「暮らしっく不動産」を運営するほか、相談者とともに悩み、考える住まい選びの“プロ”として活動している。趣味はサッカーと音楽（ベーシスト）。ベースの教則本も執筆している。