ラグナロクオンラインの終焉を見届ける積もりでいたけど、色々確認してみたら、当分の間は終わりそうにない事を確認したブログ

全盛期のラグナロクオンラインの接続数と現在の接続数を比べて、ラグナロクオンラインはタイトル通りに終わってしまうのではないかと直感的に思っていたのですが、日本ヒューレット・パッカード社のお客様事例などを読むと全然、そんな事はなかったという事が確認できたのでブログのタイトルを変えました。元々のブログのタイトルは「ラグナロクオンラインの終焉を見届けるブログ」でした。

木村屋です。
半年近く、ブログの更新を怠り、申し訳ありませんでした。
今回はブログのタイトルを「ラグナロクオンラインの終焉を見届けるブログ(仮)」から「ラグナロクオンラインの終焉を見届ける積もりでいたけど、色々確認してみたら、当分の間は終わりそうにない事を確認したブログ」に変更した事の報告と今後、このブログをどうしていくかを書かせていただきます。
ブログのタイトルを変更した理由については、タイトルの字面とブログの説明から明らかだと思います。
2015年の10月末に下記の記事を書いた時点で、ラグナロクオンラインの運営は当面の間は終わらないであろうという事が日本ヒューレット・パッカード社のお客様事例などで確認できてしまい、ブログを書く意欲が私の内面で低下してしまった事が記事の更新の低下の大きな原因となりました。

ラグナロクオンラインのサーバの費用についての考察(2015年10月25日暫定版)の追記。日本ヒューレット・パッカードのお客様事例を見ての雑感、ブログのタイトルの調整等について
http://ragnarok-last-days.blog.jp/archives/914985.html

2015年の9月末の時点で、ラグナロクオンラインのサーバへの接続数が最盛期の10分の1近い数字になっているという一面だけを見て、「これは成り立つ筈がない。ROは近い内に終わるのではないか」と考え、ブログを立ち上げたのですが(Twitterで何気なく投稿したツイートが多くの人にリツイートされ、調子に乗ってしまった事も原因です)、それは大きな勘違いであった事が調べていく内に分かり、正直、赤面しています。

前述のブログの更新への意欲の低下と年末からつい最近までの私個人の事情により、ブログを更新する為に必要なリソースを捻出できなかった為、ブログの更新を半年近く怠ってしまいました。
また記事を書こうにも、ラグナロクオンラインの最盛期はインターネット普及率が急速に高まった時期と重なり、文化面、そのコミュニティが辿った変遷などについては既に多くの人が書き残しており、今更、私が書くことなどないのではないかという思いから、どうしても筆が重くなり、ブログの記事が執筆できませんでした。
例えば、前回の記事で予告したRO系VNIのまとめ記事などは、私が書くまでもなく、下記の記事などをお読みいただければ大体の事は把握でき、私が新たな記事を書いても、新しい価値ある情報を付加できるかは甚だ疑問です。

佐倉葉ウェブ文化研究室 > RagnarokOnline(JP)の歴史
http://websitemap.sakura.ne.jp/rohistory.html

教科書には載らないVNIの歴史ヽ(´ー`)人(´ー`)ノ
http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/6585/geocoron/geocoron_03.htm

これから、このブログをどの様にするかですが、即時の閉鎖などは考えておりません。
ラグナロクオンラインのインフラに関する日本ヒューレット・パッカードのお客様事例の記事やインフラに関する考察などは残す価値ぐらいはあるのではないかと思うからです。
記事についてですが、ラグナロクオンラインの文化面、コミュニティの変遷などについては上記の通り、多くの人が書き残しているので私が改めて記事を書く必要性は薄いと感じております。
私が書くことが残っているとすれば、ラグナロクオンラインの技術的な側面だと思います。
ラグナロクオンラインはインターネット普及率がまだ45%程度だった2001年からサービスを開始しており、そのコミュニティ内で大きな問題だとしてユーザーの間で話題になったBOTなど、ラグナロクオンライン上で起こった問題は人間関係だけでなく、技術やゲーム内資産の所有権はユーザーにあるのか、運営会社にあるのかといった現在のソーシャルゲームにもつながる様々な問題を含んでいます。
もし書けるのであれば、今後、このブログでそのような記事を書きたいと思います。
しかし、そのような記事を書くには、相応の調査と記述が技術的に正しいのかを確認しながら書くことになるので、当然、執筆に労力と時間が掛かり、そのようなリソースを捻出できるのか不安の方が大きいのというのが正直な気持ちです。
結局、「やるやる詐欺」に終わったり、記事を書けても竜頭蛇尾に終わってしまうのではないかという懸念も強く持っています。
言い訳がましい事ばかりを書いてしまいましたが、これが現時点でのブログのタイトルを変更した理由と今後の方針です。
以上の事を念頭にブログの記事の追加を行うか、それが難しければ、その報告をさせていただきたいと思います。

今回の記事はここまでで終わりとします。
以上、よろしくお願い致します。
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木村屋です。
今回はMMORPGの普及期に活発に活動し、詐欺プレイなどの記事をWebサイトに掲載し、非常に注目を集めたプレイヤーであるTENPAI氏と彼に追従して同様のサイトを作ったフォロワーの方々について記事を書かせていただきます。
TENPAI氏についてRO TENPAIやBritannia 詐欺案内所で多くの人に知られ、ニコニコ大百科などに詳しい記事が既にある為、私が改めて、TENPAI氏について書く必要性は薄いと考えております。
今回はTENPAI氏のフォロワーと思われるサイトの紹介を中心にまとめる事とさせていただきます。
TENPAI氏をご存じない方は、下記の記事をご参照の上、RO TENPAIなどの記事をご覧ください。
しかし、2000年代前半の個人サイトの常で、既にインターネット上からはWebサイトに接続できない状態です。
TENPAI氏とそのフォロワーの方々のWebサイトの閲覧については、過去のWebサイトを閲覧できる「Internet Archive: Wayback Machine」というサービスを使って、2005年前後の履歴を閲覧することをお勧め致します。
何故、2005年かと言いますと、TENPAI氏がラグナロクオンラインで主に活動していた時期が2004~2005年であり、その影響を受けたフォロワーの方々が主にWebサイトを更新していた時期も2005年前後だからです。
余談ですが、RO TENPAIの過去の履歴を閲覧すると、RMT業者のバナー広告も閲覧できます。日記だけでなく、そういった広告も時代を感じさせる物がありますね。

TENPAIとは (テンパイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
http://dic.nicovideo.jp/a/tenpai

ブリタニア詐欺案内所で有名なテンパイ(TENPAI)まとめ - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2133702273273037901

Britannia 詐欺案内所
http://kabocha.org/tenpai/brisagi/
http://kabocha.org/tenpai/brisagi/diary.htm

RO TENPAI
http://kabocha.org/tenpai/ragna/

Internet Archive: Wayback Machine
https://archive.org/web/

以下のURLはTENPAI氏のフォロワーと見られる方々のWebサイトです。
内容については、MPK、詐欺、枝テロなどのネガティブな記事を日記形式で書いたものが多いです。
この中では、「saぎsaら」さんが一番記事の更新が多く、内容が充実していると感じました。
他にも3つほど、ブックマークが残っていましたが、Internet Archiveで検索しても履歴が出てこないため、未掲載と致しました。
他にも同じようなサイトをご存知でしたら、URLなどをコメント欄にお寄せください。

AUG RO
http://augro.hp.infoseek.co.jp/

Blume Wind
http://f41.aaa.livedoor.jp/~blumn/

ZERO the notion  in RO
http://zerorz.accela.jp/newpage14.html

NIGG
http://www7a.biglobe.ne.jp/~mukuro-ro/

NIGUThe Sin
http://www.geocities.jp/gayryouta2/

saぎsaら
http://www.geocities.jp/bsgid3/

どのような分野であれ、際立った活動を行った人物に注目が集まり、それが敬意や憧れにつながることは珍しい事ではありません。
2000代初頭のMMORPGはユーザー間のトラブルに関する苦情を運営会社が取り合わなかったり、比較的、自由度の高いシステムや実装の不備などがあった為、その裏をかくような行為が可能でした。
ラグナロクオンラインに至っては、低確率とはいえ、ユーザーがボスモンスターを召喚できるスキルまで実装されていた為、それを使用したMPKなどの一種のハラスメントが多く行われていました。
あまり、携帯電話のソーシャルゲームなどはやっていないのですが、私が観測した範囲では、ゲームによっては、そもそも所持するアイテムのユーザー間のトレードが出来なかったりするようです。この様なゲームでは、詐欺行為自体が不可能でしょう。
また、ゲームによってはアイテム課金制の導入などでゲーム上のアイテムに金銭的な価値があることが明白になった事などから、システム的に可能であったして、2000代初頭のTENPAI氏のようなロールプレイは現在は許容されない気がします。
2000代初頭はインターネットの普及率もまだ低く、何もかもが前例がない状態でルールも未整備であった為、インターネット上のサービスやコミュニティは19世紀の西部劇のような世界でした。
TENPAI氏のような活動が可能であった背景には、この様な時代背景も影響していると個人的には考えております。
今回、著名なMMORPGプレイヤーであるTENPAI氏とフォロワーの方々について、ご紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか。
今後は「バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳」に影響されて、2000代初頭に次々と開設されたバーチャルネットアイドル系のWebサイトの中から、特にRO系VNIと呼ばれたROの記事を中心に投稿していたサイトを主に紹介する予定です。

今回の記事はここまでで終わりとします。
以上、よろしくお願い致します。
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木村屋です。
先日、何気なく「ラグナロクオンライン IDCフロンティア」で検索をかけた所、非常に興味深い記事を見つけました。

リモートホストから推測するROゲーム鯖の所在地
http://psychedelic.lies.jp/2012/02/ro_server_datacenter/

ご存じない方の為にご説明をさせていただくと、IDCフロンティアとはソフトバンクグループのグループ企業であり、昔はソフトバンクIDCという商号でした。
主な事業はデータセンター事業であり、各地に建造したデータセンターの空きスペースなどのITインフラを他企業にレンタルすることがIDCフロンティアの事業です。
かねてより、ガンホー・オンライン・エンターテイメント社とソフトバンクグループとの関係から、ラグナロクオンラインのサーバはIDCフロンティアに置かれているのではないかと言われてきました。
また、RJC2005のWebサイトを見るとソフトバンクIDCのロゴが確認できることから、何の商取引もない企業のロゴを自社のWebサイトに無断で載せることなど考えにくい事などを考えると、ラグナロクオンラインのサーバはIDCフロンティアのデータセンターに置かれているのではないかと考えても不思議ではないと思います。

ラグナロクオンライン RJC2005
http://ragnarokonline.gungho.jp/special/rjc2005/

上記の記事に関しては非常によく書かれており、興味深く読ませていただきましたが、一つ残念なことがあります。
それは記事の投稿日が2012年2月であり、2012年4月に行われたラグナロクオンラインのワールド統合後の情報を反映していないと思われる点です。
上記の事情から、この記事だけではラグナロクオンラインのサーバの現在の所在地は分からないと思い、自分なりに調査を行ってみました。
調査と言っても単純なもので、TCP Monitor Plusというツールを使い、Ragexe.exeやRagurdrexe.exeといったラグナロクオンラインのプロセスがどのIPアドレスと接続しているかを調べ、KEIROMICHIのようなIPアドレスからおおよその住所を割り出すサービスを利用し、大体のサーバの所在地を調べてみただけの事です。

OGA's Web Page
http://hp.vector.co.jp/authors/VA032928/

KEIROMICHI | IPアドレスから住所検索
http://keiromichi.com/

下記が私が調査したラグナロクオンラインの各サーバのIPアドレスの一覧です。
いずれもゲームにログインし、初心者修練場にキャラクターがいる状態でRagexe.exeやRagurdrexe.exeと通信を行っているIPアドレスを取得しました。
このIPアドレスは恐らくはラグナロクオンラインのサーバソフトウェアであるAEGISの内、マップの管理などを行うゾーンサーバのアドレスであると思われます。
AEGISについては既に下記の記事で考察を行っておりますので、お時間があればお読みください。

ラグナロクオンラインのサーバの費用についての考察(2015年10月25日暫定版) : ラグナロクオンラインの終焉を見届けるブログ(仮)
http://ragnarok-last-days.blog.jp/archives/800951.html

ラグナロクオンラインのサーバの費用についての考察(2015年10月25日暫定版)の追記。日本ヒューレット・パッカードのお客様事例を見ての雑感、ブログのタイトルの調整等について : ラグナロクオンラインの終焉を見届けるブログ(仮)
http://ragnarok-last-days.blog.jp/archives/914985.html

ちなみにゾーンサーバは1つのワールドの中で複数存在するようです。Breidablikサーバの初心者修練場でキャラクターを動かした際、接続先は211.13.241.108でしたが、プロンテラ市内にキャラクターがいた際の接続先は211.13.241.106でした。
Ragnarok Online Server StatusというWebサイトを確認すると1つのワールドの中で17のゾーンサーバがあるように見えますが、現状は不明です。
ヒューレット・パッカード社のガンホーのお客様事例を見ると現在は1つのワールドがVMWare ESXi3台で構成され、各ESXiには5台の仮想マシンが走っているようです。
ラグナロクオンラインを動かすためにはゾーンサーバ以外にもインターサーバなども各ワールドごとに必要な筈なので、2012年4月のワールド統合後はかなり現状が変わっているものと推察します。

Breidablik
211.13.241.108

Group1
Lif
211.13.241.101

Mimir
211.13.241.93

Olrun
211.13.241.53

Sigrun
211.13.241.13

Group2
Alvitr
211.13.241.21

Hervor
211.13.241.68

Idavoll
211.13.241.77

Trudr
211.13.241.37

Group3
Frigg
211.13.241.85

Gimle
211.13.241.61

Radgrid
211.13.241.45

Vali
211.13.241.29

PK Server
Urdr
211.13.241.141

RAGU | RAGUweb.net | Ragnarok Online Server Status
http://raguweb.net/rosv/

お客様事例:ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社様 | 日本ヒューレット・パッカード
http://h50146.www5.hp.com/enterprise/casestudy/gungho/

上記のIPアドレスをKEIROMICHIで検索すると、いずれも新宿都庁周辺の住所が返されます。
また、tracerouteというツールを使うと(Windowsではtracertコマンド)、どの様な経路を辿って、サーバに行き着くかが分かります。
下記のログはBreidablikサーバに対して、tracertコマンドを実行した際のログです。

>tracert -h 20 -w 400 211.13.241.108

211.13.241.108 へのルートをトレースしています。経由するホップ数は最大 20 です

  1    42 ms     1 ms     1 ms  ap7403bda05e8e [192.168.11.1]
  2     3 ms     7 ms     2 ms  192.168.1.1
  3    35 ms    25 ms    29 ms  133.160.134.203
  4    96 ms    18 ms    12 ms  133.160.134.222
  5    31 ms    32 ms    33 ms  133.160.127.73
  6    13 ms    11 ms    17 ms  133.160.182.69
  7    14 ms    15 ms    11 ms  133.160.101.13
  8    13 ms    11 ms    19 ms  133.160.101.50
  9    12 ms    10 ms     *     as4694.ix.jpix.ad.jp [210.171.224.49]
 10    12 ms    14 ms    12 ms  ae1-105.tsjcr02.idc.jp [158.205.192.114]
 11    13 ms    12 ms    12 ms  158.205.92.246
 12    13 ms    12 ms    12 ms  158.205.91.214
 13     *        *        *     要求がタイムアウトしました。
 14     *        *        *     要求がタイムアウトしました。
 15     *        *        *     要求がタイムアウトしました。
 16     *        *        *     要求がタイムアウトしました。
 17     *        *        *     要求がタイムアウトしました。
 18     *        *        *     要求がタイムアウトしました。
 19     *        *        *     要求がタイムアウトしました。
 20     *        *        *     要求がタイムアウトしました。

トレースを完了しました。

最後の方の経路から応答がありませんが、私が注目したのは経路の途中にあるae1-105.tsjcr02.idc.jpというドメインです。
ラグナロクオンラインにログインし、各ワールドごとの初心者修練場にキャラクターが存在する状態で得られたIPアドレスに対して、tracerouteを実行すると必ず、このノードを通ります。
念の為にドメインの所有者を調べてみたところ、IDC.JPの登録者はヤフー株式会社である事が分かりました。
しかし、ドメイン名とIDCフロンティアの商号が類似している事を考えると実質的には、IDCフロンティアが管理しているドメインではないかという印象を私は持ちました。

ドメイン名検索結果: IDC.JP
http://whois.ansi.co.jp/idc.jp

更にドメイン名を見ていくと、ae1-105.tsjcr02と書かれています。
ae1-105が何を意味するのかはさすがに想像がつかないのですが、tsjcr02については、tは東京、sjは新宿、crはセンターの略称ではないかと私は考えました。
これは私個人の全くの憶測であり、これが正しいとする証拠は何一つとしてありません。
しかし、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の本社所在地の最寄り駅である東京駅から新宿までは、JRの中央線で4駅であり、乗車時間が14分であるという立地の良さと利便性(例えば、何かのトラブル発生時に本社からエンジニアを短時間でデータセンターに派遣できる)などを考えるとIDCフロンティアの新宿データセンターにラグナロクオンラインの物理サーバが配置されていると考えるのは、それほど突飛な考えではないように私は思います。

会社概要|ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
http://www.gungho.co.jp/company/profile.html

首都圏・関西圏のデータセンター拠点|IDCフロンティア
http://www.idcf.jp/datacenter/shuto-kansai/

新宿データセンター|IDCフロンティア
http://www.idcf.jp/datacenter/shinjuku.html

つらつらと書いてきましたが、これは情況証拠の積み重ね元に私個人が考察したものを記事にしたものに過ぎず、確かなことは何も分かりません。
一種の怪文書のような物とお考えください。

今回の記事はここまでで終わりとします。
以上、よろしくお願い致します。
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木村屋です。
先日、以下の様な記事を書きました。

ラグナロクオンラインのサーバの費用についての考察(2015年10月25日暫定版) : ラグナロクオンラインの終焉を見届けるブログ
http://ragnarok-last-days.blog.jp/archives/800951.html

この記事の公開後、Twitterで日本ヒューレット・パッカード社のお客様事例にラグナロクオンラインのサーバについて、資料があるというご指摘をいただき、それを確認致しました。

お客様事例:ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社様 | 日本ヒューレット・パッカード
http://h50146.www5.hp.com/enterprise/casestudy/gungho/
http://h50146.www5.hp.com/enterprise/casestudy/gungho/pdfs/gungho.pdf

この資料の中で、ガンホー・オンライン・エンターテイメント社が2010年秋、ラグナロクオンラインの配信システムの刷新を計画し、2011年にヒューレット・パッカード社の統合インフラソリューション「HP CloudSystem Matrix」を使い、インフラの統合を行っていた事が分かりました。
この資料からは、ラグナロクオンラインで使われているサーバがヒューレット・パッカード社のHP ProLiant BL460c G7であり、サーバの台数が112台であること、ラックが4本であること、ラグナロクオンラインのサーバの仮想化の為にVMWare ESXiを使用していること、データベースサーバはワールド毎に1台存在し、その他に「ラグナロクオンライン共通DB」というラグナロクオンラインで共通のデータ(恐らくはショップポイントやプレイ利用権などの課金についての情報など)を管理するデータベースが存在することなど、非常に多くのことを読み取ることが出来ます。
また、「2010年の時点で運用していたサーバーはトータルで600台弱。ラックは25本にも達していて、サーバーごとに接続されたローカルストレージと併せての運用保守は相当な負担だった」という記述もあり、2010年以前のラグナロクオンラインのサーバ環境についても具体的な記述があります。

HP CloudSystem Matrix | 日本ヒューレット・パッカード
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/bladesystem/matrix/

HP CloudSystem Matrix - :ITpro Active
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/ActiveWP/20120718/409721/

更にラグナロクオンラインの1つのワールド毎に3台のVMWare ESXiがサーバとして使用され、1台のVMWare ESXiで5台の仮想マシンが立っている事など、インフラ統合後のラグナロクオンラインのサーバ環境について非常に具体的な事が分かります。
HP CloudSystem Matrixエンクロージャーが7つ使っているとの記述もありますが、これは2012年までのサーバ統合前の各ワールドのグループを指しているものと思われます。PKサーバ、テスト用のサーバ、RJC用のイベント用のサーバなどを管理するグループを合計した数字が7という事なのではないかと推測します。
これらの情報を総合すれば、より精度の高い見積もりを出すことが可能ではないかと考えます。
今後は上記の資料を参考にラグナロクオンラインのサーバの費用についての考察を行いたいと思います。

……と、ここまで書いてきましたが、正直な所、この資料の「効果と今後の展望」の箇所で下記のような記述を見つけ、少しやる気を失っています。

「そして、何よりHP CloudSystem Matrixの導入効果を如実に表しているのが、データセンター運用コストと電力消費量の劇的な削減である。データセンター運用コストに関しては、ラック1本あたりの月額コストを20万円とした場合、25本のラックで構成されていた旧システムの向こう5年間の運用コストは3億円となる。これが、HP CloudSystem Matrixによってラックが4本に集約されたことで、5年間の運用コストは4,800万円となり、2億5,200万円のコスト削減(約84%削減)が図られた計算になる。森田氏は、HP CloudSystem Matrixが顕著な投資対効果をもたらしたことを高く評価する」

インフラに関しては全くの素人である私がいい加減な当て推量で記事を書くまでもなく、答えが書かれていました。
この記述を元に計算すると、ラグナロクオンラインの毎月の運用コストは80万円となり、別途、データセンターなどの費用が必要と考えても、200万円以上のお金が必要とは考えられないと思っております。
先日の記事でも書きましたが、ラグナロクオンラインに土曜の夜にアクセスしているユーザーが1万人と考えて、月額の利用料金が1500円とすると毎月1500万円の収入がある事になります。
勿論、アイテム課金などで入ってくる収益も別途存在するものと考えられます。
2011年の段階で多額の投資を行い、ここまで運用コストが圧縮できているのなら、サーバを運用するエンジニア、ユーザーのサポートを行うサポートセンター、ゲームマスターの職務に従事するオペレーター、ラグナロクオンラインのクライアントとサーバの開発を行う開発者などの職務に従事する方々の人件費、ラグナロクオンラインのクライアント、サーバの保守、改修に必要な費用を見積もった上で人件費を含めた運用コストを算出したとして、恐らくはラグナロクオンラインのサービスは成り立つのではないかという印象を今は持っています。
今は2015年ですから、サーバの減価償却に5年掛かると考えると、今年で終わります。しかし、現在もラグナロクオンラインに「生体工学研究所拡張アップデート:獄」など、アップデートの為の開発が継続している状況を考えるとインフラの更新は必要に応じて随時行われる状況にあると思われます。
インフラと開発にかかるであろう費用を算出し、ラグナロクオンラインというサービスが経済的に成り立つのかを考察することがこのブログの大きな目的でしたが、上記の通り、恐らくは成り立つものと思われます。
仮に今以上にユーザーが減った、将来減る見込みがあるとすれば、サーバの統合などを行い、縮小してサービスを継続すればいいだけの話ではないかと思います。
また、同じくガンホーが運営するMMORPGであるエミル・クロニクル・オンラインは2009年に基本プレイ料金を無料にし、アイテム課金制に移行する事でサービスを継続しているという前例もあります。
ユーザー数が著しく減るのなら、基本プレイ料金を無料にし、アイテム課金制に移行することも考えられます。エミル・クロニクル・オンラインはその方針で5年以上も運営を成り立たせてきたという実績もあります。
この様な背景を考えると、少なくとも、1~2年以内にラグナロクオンラインのサービスが終了するといった状況にはないと考えております。

ただし、これ以外にもラグナロクオンラインについて書きたいことはいくつかあるので、ブログの更新を止めることありません。
また、ラグナロクオンラインの開発費に関する考察を含めた運用コストに関する記事は別途書きたいと思っております。
ブログのタイトルに関しては多分、変更します。具体名の候補などは思い付かないので、しばらくは(仮)を付けることにしました。

今回の記事はここまでで終わりとします。
以上、よろしくお願い致します。

2015年10月26日20時42分追記
よくよく「効果と今後の展望」に書かれた記述を見ると物理サーバやOSなどにかかる費用ではなく、純粋にデータセンターを借りる際の費用について語っているようにも読めます。
この点については別に考察する必要があるかもしれません。
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木村屋です。
今回、ラグナロクオンラインのサーバに月額でいくら必要なのか、考察する記事を書くことにしました。
この記事は非公式な情報を元に、私自身の推測によって書かれており、恐らく正確なものではない事を予めご了承いただけると幸いです。
その為、今後の調査の進展などにより、加筆、修正などを行う必要性が出てくると思われるので、暫定版とさせていただきました。
しかし、当然の事ですが、この記事についての一切の文責は私にあります。
また、サーバ環境に必要な費用の見積もりなどを行っていますが、筆者はインフラエンジニアではなく、サーバ、ソフトウェアの購買などに業務として関わった事がありません。
素人が不確かな知識で書いているため、変なことを書いている可能性が大いにあります。間違いなどがありましたら、ご指摘などをいただければ幸いでございます。
以上の事をご了承の上、記事をお読みください。

ラグナロクオンラインのサーバ環境、AEGISについて

ラグナロクオンラインのサーバ環境については2003年にサーバソフトウェアの流出などがあった為、かなりの事が公になっています。
ラグナロクオンラインのサーバソフトウェアであるAEGIS、サーバ環境については以下のページに記述があります。

ROの鯖の仕組み - Lattice in the Lettuce
http://d.hatena.ne.jp/lettuce_chan/20130912/1379003387

日本のラグナロクオンライン - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AD%E3%82%AF%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3#.E3.82.B5.E3.83.BC.E3.83.90.E7.92.B0.E5.A2.83.E3.81.AA.E3.81.A9

AEGIS (Ragnarok Online) - Wikipedia, the free encyclopedia
https://en.wikipedia.org/wiki/AEGIS_%28Ragnarok_Online%29

以上のページの記述から、流出したAEGISは以下の様なサーバから成り立っていることが分かります。

アカウントサーバ

ユーザーがラグナロクオンラインにログインする操作を司るサーバ。サーバのグループの選択までを担当。ログイン後はクライアントとは通信しない。
1ワールド毎に1つあればいいのか、ラグナロクオンラインのサービス全体で1つあればいいのかは不明。

キャラクターサーバ

ゲームするワールドの選択、キャラクターの選択、キャラクターの情報をインターサーバへ送るまでを担当。

インターサーバ

ギルド攻城戦、ギルドチャット、チャット、耳打ち、パーティーなどのサービスの提供、キャラクターサーバから渡されたキャラクターのデータなどを保存している。
キャラクターの実データはインターサーバに残り、ゲームを動かすに必要なデータを自らゾーンサーバに送ったり、ゾーンサーバから問い合わせに応じて、必要なデータを送信しているらしい。
Wikipediaには、各ワールドに1台しか設置できないとの記述があったが、2015年現在でも同じ仕様になっているかは不明。

ゾーンサーバ

ゲーム演算(モンスター、NPC、露店などのゲームの進行に必要な動作)、マップの管理などを行う。

データベースサーバ

ラグナロクオンラインのキャラクターなどのデータを保存する為のデータベースを動作させるためのサーバ。
ラグナロクオンラインでは、Microsoft SQL Serverが使用されていた。推測だが、今でも同じMicrosoft SQL Serverを使用しているものと思われる。
当然、Microsoftのサポート期間の問題からアップグレードも随時、行っているものと思われる。

データベースサーバを除く各サーバは必要に応じて、データベースサーバに問い合わせを行っているものと思われます。
以上、最低でも5つのサーバがラグナロクオンラインのサービスを提供する上で必要であるようです。
以下はラグナロクオンラインのサーバ環境のイメージ図です。

ragnarok_server_image
ラグナロクオンラインのワールド毎のサーバ環境のイメージ図

ragnarok_server_image2
ログイン後のラグナロクオンラインのクライアントとサーバ環境の関係のイメージ図

しかし、物理的に5台のサーバを用意する必要はないようです。
AEGIS流出当時の2ちゃんねるのスレッドなどを見ると、各サーバのプロセスが動いてさえいれば、サーバが1台でも動作するようです。
しかし、実運用では負荷分散などの観点からサーバは分けて立てられているものと思われます。
また上記の情報はあくまでも、流出したAEGISを元にした情報をまとめたものに過ぎない事をご留意ください。
現在、ラグナロクオンラインではサービスの利用権や課金アイテムなどを販売するために、アトラクションツールと呼ばれるサービスを動かしており、これらのサービスに必要なサーバは別途開発されているものと考えるのが、妥当であると思われます。
また、現在のラグナロクオンラインはWebブラウザから認証を行ってからゲームを起動しますが、そのためのWebアプリケーション用のサーバなども別途必要になっていると思われます。これらのサービスはAEGISが流出した2003年には存在しませんでした。
こういった理由から上記の5つのサーバだけで、現在のラグナロクオンラインのサービスが運営できるとは思えません。他にもまだ公になっていないサーバが存在する可能性は大いに有り得ます。
しかし、流出した4つのAEGISのサーバとデータベースサーバによって、ゲームその物を動かすこと自体は可能なようです。
今回は、これらの5つのサーバでラグナロクオンラインを動かすと仮定して、記事を書くこととします。

AEGIS DataBase.Project TopPage(Internet Archive: Wayback Machine)
https://web.archive.org/web/20030925183420/http://f11.aaacafe.ne.jp/~aegis/

ラグナロクのエミュ鯖
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/mmosaloon/1112830720/

RagnarokOnline in AEGIS part2
http://game3.2ch.net/test/read.cgi/mmosaloon/1045628820/

以上のような情報から、ラグナロクオンラインのサービスを提供するために必要なサーバの台数、データセンターの費用、ソフトウェアに必要な費用などを考察します。

必要なサーバの台数と費用

ラグナロクオンラインは現在、Urdrを含め14ワールドから成り立っており、単純計算で1ワールドに付き5台と考えて、70台のサーバが必要ではないかと考えます。
しかし、この点について、よくわからない点があり、単純に70台の物理サーバが必要だとは言い切れません。
例えば、アカウントサーバについてですが、このサーバがラグナロクオンライン全体で1つあればいいのか、ワールド毎に1つ必要なのかが私には分からないので、70台とは断言が出来ない状態です。
仮にアカウントサーバがラグナロクオンライン全体で1台あればいいのなら、1ワールド4台のサーバが14ワールドに存在し、1台のアカウントサーバが必要として、57台のサーバが必要となります。
ラグナロクオンラインをプレイする際、まずはログインしたあと、ワールドを選択し、更にキャラクターを選んでプレイを開始するという流れを考えると、アカウントサーバはサービス全体で1台あればよく、ログイン後の処理はキャラクターサーバなどが担当するので各ワールドごとには必要ないのではないかという推測も成り立ちます。しかし、実際の所は現時点では私には分かりません。
また実運用で複数のサーバのプロセスを1台のサーバで動かしている可能性もあり得るので、実際には必要なサーバの台数がもっと少ないかもしれません。
また、サーバの仮想化などを実施し、物理サーバの台数を減らしている可能性も大いに有り得ます。
しかし、今回は話を単純にするため、70台の物理サーバが必要と仮定し、考察を行うこととします。

続いて、サーバの費用についてですが、Wikipediaによるとラグナロクオンラインで用いられているサーバはIBM製であるそうです。
しかし、IBMは2014年にx86サーバ事業をLenovoに売却した為、現在、どこの会社のサーバを使っているか推測する材料がありません。
勿論、Lenovoのサーバを使用している可能性もありますが、今回は単純に国内メーカーのラックサーバを使っているものと仮定して、値段を見積もることとしました。
サーバはNECのN8100-2242Yを使用するものと想定します。

仕様(構成・見積り)(フレームモデル1): R120f-1E | NEC
http://jpn.nec.com/pcserver/rack/r120f1e/spec.html

1Uラックサーバ1台に418,000円が必要と考えて、それに70を掛け、単純計算で29260,000円(2926万円)が必要であると考えます。
サーバについては5年間(60ヶ月)使用するものと考えます。

データセンターの費用

Wikipediaの記事によると、ラグナロクオンラインのサーバが存在するデータセンターはIDCフロンティア(旧ソフトバンクIDC)であると言われ、ガンホー・オンライン・エンターテイメント社とソフトバンクグループとの関係を考えると、今でも首都圏にあるIDCフロンティアのデータセンターにラグナロクオンラインのサーバが存在するとしても不思議ではないという気がします。
また、RJC 2005のWebページを見ると、ソフトバンクIDCのロゴが確認できるため、ガンホーとソフトバンクIDCの間で2005年当時に商取引などの何らかの関係があったと考えるのは不自然ではないと思われます。

ラグナロクオンライン RJC2005
http://ragnarokonline.gungho.jp/special/rjc2005/

肝心のIDCフロンティアのデータセンターのレンタルに必要な費用ですが、IDCフロンティアがデータセンターのレンタルに必要な料金を公開していないため、不明です。
その為、今回はデータセンターとしては中程度の値段である、さくらインターネットのデータセンターのサービスの料金をモデルに計算を行います。
尚、初期費用については考えないものとします。

ハウジングサービス(ラック・回線プラン) | さくらインターネット
http://datacenter.sakura.ad.jp/housing/

まず、70台分のラックを借りるとして、2つのラックを借りるものと考えます。後述しますが、ネットワーク機器もラックに設置するものと思われるので、少し余裕を持たせた借り方をする必要があるものと思います。
2ラックを借りるとして、月額432,000円(43万2000円)が必要な計算になります。
また回線のプランについてですが、非常に多くのユーザーが接続する関係から帯域保証型のプランに加入すると考えます。
100Mプレミアムの帯域専有のサービスに加入するものと考えて、月額432,000円(43万2000円)が必要です。
合計すると月額864,000円(86万4000円)がラックを借りる費用と回線の費用として必要であると仮定します。

ネットワーク機器に必要な費用

サーバに必要なネットワーク機器についてですが、単純にルータが1台、LANポートが24個あるL2スイッチが3台必要と仮定します。
今回、モデルとしたのは下記の機器です。

SWX2300-24G - スイッチ - ヤマハ株式会社
http://jp.yamaha.com/products/network/switches/swx2300-24g/
175,000円

RTX1200 - ルーター - ヤマハ株式会社
http://jp.yamaha.com/products/network/routers/rtx1200/
125,000円

4台のネットワーク機器の合計は550,000円(55万円)となります。
ネットワーク機器については5年間(60ヶ月)使用するものと考えます。

ソフトウェアに必要な費用

2003年に流出したAEGISのファイルから、ラグナロクオンラインのサーバソフトウェアはWindowsネイティブのプログラムであることが分かっています。
個人的な推測ですが、サーバソフトウェアのリプレースには多額の費用が必要なことが予想される為、OS、データベースの変更などを見越した抜本的なリプレースは行われていないのではないかと推測しています。
理由としては、ラグナロクオンラインのアクティブユーザー数は2005年以降、一貫して減り続けている事から多額の投資がし難い状況にあったと思われる事、会社の売上があまりにラグナロクオンラインというコンテンツに依存する状況(平成22年12月期の段階で売上高全体の77.7%をラグナロクオンライン関連の売上が占めている。詳細は下記のPDFを参照の事)から脱却するためにガンホーが事業の多角化を図っていた事などを考えると、多額の費用が必要と見込まれるOSやデータベースの変更などを含む抜本的なサーバソフトウェアのリプレースを行える状況になかったのではないかというのがその理由です。
仮に実際にリプレースが可能な費用があったとしても、そのような経営判断を下すことは難しかったのではないと推測します。
このような事を書くと叱られると思うのですが、私にはラグナロクオンラインのサーバ環境を改善することがガンホーに投資に見合うだけの利益をもたらすとは考えにくいと思うからです。
サーバ環境の改善は既存のユーザーの満足度の向上にはつながると思いますが、新規のユーザーを急増させる事につながるとは考えにくく、リプレースに掛かるであろう多額の費用を捻出し、更に稼働中のサービスに影響を与えずにサーバソフトウェアを差し替える為に多大な労力を費やしたことについて、株主から投資に見合うだけの効果があったのか問われた際、その理解を得られるとはあまり思えません。
新規タイトルの開発や既存のゲームのアップデートなどはゲームのスクリーンショットなどで見た目にも分かりやすく、株主の理解を得られやすいと思うのですが、サーバ環境の改善などは地味で分かりにくく、またリプレースが成功するとは限らない事を考えると尚更、そのような判断を下すことはガンホー・オンライン・エンターテイメント社の経営陣には難しかったのではないかと想像します。
必要なサーバソフトウェアの保守、改修などは随時行っているものと思いますが、上記の理由から現在でも流出当時のAEGISとほぼ同じか、非常に近い構成でサーバソフトウェアは動いているものと推察します。

平成22年12月期 決算短信(「(4) 事業等のリスク ①当社グループの事業に関するリスクについて a.ラグナロクオンラインへの依存について」を参照)
http://www.gungho.co.jp/ir/assets/irk20110214.pdf

以上の推察を踏まえた上でラグナロクオンラインの運営に必要なソフトウェアの費用を見積もります。
まずはサーバに使われているOSですが、前述の通り、流出したAEGISがWindowsネイティブのプログラムであること、恐らくはOS、データベースの変更を含めたリプレースを行っていないと推定される事を考慮すると現在でもWindows Serverが使われているものと思われます。ここではWindows Server 2012 R2 Standardを使っているものと想定し、計算を行います。

サーバのOSとして、Windows Server 2012 R2 Standardを使っているとして、サーバ1台辺り170,000円(17万円)の費用が必要です。
70台のサーバが必要な場合、11900,000円(1190万円)必要となります。

続いてデータベースですが、ラグナロクオンラインのサービスを運用するためには各ワールドに1台のデータベースサーバが必要と思われます。
アカウントとキャラクターを管理するデータベースが1つに収まっているのか、それとも別々に必要なのかは不明です。
しかし、流出したAEGISでラグナロクオンラインのゲームその物を動かすことが可能であったことを考えると、ユーザーIDとパスワード、キャラクターのデータ等は1つのSQL Serverで動かせる状態で保存されていたと考えて差し支えはないと思われます。
今回は話を単純にするため、各ワールドに1台のデータベースサーバが必要と考え、費用を見積もります。
前述の理由から、ラグナロクオンラインでは現在でもMicrosoft SQL Serverを使用しているものと考えます。

1ワールド毎にMicrosoft SQL Server 2012 Standardが1つ。Standardにアクセスするクライアント アクセス ライセンス (CAL)が4つ必要が必要と思われます。
必要な費用は、データベースサーバ用にStandardに153,000円(15万3000円)。データベースにアクセスするAEGISの各サーバ用にCALが4つ必要です。1つのCALの費用は33,300円(3万3300円)として、合計133,200円(13万3200円)です。
StandardとCALの費用を合計すると、1ワールドに付き、286,200円(28万6200円)が必要となります。
ラグナロクオンライン全体で考えると14ワールドとして、4006,800円(400万6800円)が必要な計算になります。
ソフトウェアについては5年間(60ヶ月)使用するものと考えます。

ラグナロクオンライン全体のサーバに必要な費用と月額に必要な費用について

これまでの考察でラグナロクオンラインを運営するために必要と思われるハードウェア、ソフトウェア、データセンターの費用を見積もりました。
これからはそのまとめと考察について記述を行います。

まずは1Uラックサーバ70台に29260,000円(2926万円)が必要。
ネットワーク機器に550,000円(55万円)が必要。
Windows Server 2012 R2 Standardに11900,000円(1190万円)が必要。
Microsoft SQL Serverに4006,800円(400万6800円)が必要。
ハードウェアとソフトウェアの費用を合計すると45716,800円(4571万6800円)が必要となります。
ソフトウェア、ハードウェアは5年使うものとして考え、価格を60で割った値を月ごとの費用として考えます。
月に直すと761,947円(76万1947円)となります。割り切れなかったため、四捨五入して数字を出しました。
これにデータセンターに必要な費用である月額864,000円(86万4000円)を足すと、毎月1625,947円(162万5947円)となります。
結論としては、ラグナロクオンラインを稼働させるためには、毎月1625,947円(162万5947円)の費用が必要であると見込まれます。
勿論、これらの費用に加え、サーバを運用するエンジニア、ユーザーのサポートを行うサポートセンター、ゲームマスターの職務に従事するオペレーター、ラグナロクオンラインのクライアントとサーバの開発を行う開発者などの職務に従事する方々の人件費、ラグナロクオンラインのクライアント、サーバの保守、改修に必要な費用が必要です。
また、上記の数字はサーバの台数を多めに見積もったものである事にもご留意ください。AEGISのサーバソフトウェアは流出当時は重いプログラムであるという評価があったようですが、2003年当時と現在のサーバを比較すると、サーバの性能が著しく向上していること、ラグナロクオンラインのユーザー数も減り、各ワールドごとに接続しているユーザー数も少なくなっている現状などを考えると、サーバの費用を抑えるために複数のサーバのプロセスを1台のサーバで動かしたり、VMWare等のサーバの仮想化の技術を使って、物理サーバの台数を削減したりしている事は十分に有り得る話です。
ショップポイントの課金などを管理するシステム等、2003年に流出したAEGIS以外にもラグナロクオンラインのサービスを支えるためのサーバソフトウェアがあるものと思いますが、それを考慮に入れても、サーバの台数は予想よりも少ないのかもしれません。そうなると毎月必要なハードウェア、ソフトウェア、データセンターの費用は上記の見積もりよりも少ない可能性がある事は否定できません。
サーバ以外に必要な費用については、別途、考察を行い、記事を書かせていただきたいと思います。

ここまで書いて、少し気になったので2015年10月24日22時28分の時点でラグナロクオンラインにログインしているユーザー数を数えてみました。
Urdrも含めて、101,57名のユーザーがログインしているようです。
全員が1500円のプレイ利用権を購入しているものと考えると、単純計算で15235,500円(1523万5500円)となります。
101,57名のユーザーの何割かは分かりませんが、有料の課金アイテムを購入しているユーザーもいると思います。
……これはひょっとして…ブログの名称を変更する必要があるかもしれません…いや、サポートを行う人々の人件費や開発費に必要な費用については調査を行っていないので断言はできないのですが。

今回の記事は以上です。
これからも調査を続け、記事を追加していく予定です。
それでは、よろしくお願い致します。

2015年10月25日7時50分追記
先ほど、Twitterで指摘されたのですが、こんな記事があるそうです。
うっかり見逃していました…恥ずかしい限りです。

ガンホーが運用コスト84%削減 仮想化によるゲーム配信システムの統合効果とは? - TechTargetジャパン ホワイトペーパー ダウンロードセンター
http://wp.techtarget.itmedia.co.jp/contents/?cid=17707

お客様事例:ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社様 | 日本ヒューレット・パッカード
http://h50146.www5.hp.com/enterprise/casestudy/gungho/
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