「頭のいい子」は幼少期にどんな遊びをしているのか。中学・高校受験塾を運営する中本順也さんは「『言葉で遊べる強み』を持っている子は、資格試験や就職活動などでも能力を発揮しやすい。なかでも、大人数でワイワイ楽しむことができて、たくさん言葉が飛び交う『アナログゲーム』はおすすめだ」という――。

※本稿は、中本順也『おうちでできる子どもの国語力の伸ばし方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

学校での小学生の後ろ姿
写真=iStock.com/paylessimages
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ゲームで遊びながら「思考力」を身につける

画面で遊ぶゲームの中にも言葉の力が必要なものはたくさんありますが、ここで紹介するのはアナログのゲームです。

アナログゲームのよいところは、大人数でワイワイやることができて、たくさん言葉が飛び交うところ。堅苦しい「勉強」と捉えず、楽しく遊んでいるうちに、国語力をアップさせてしまいましょう。

まずひとつ目は、しりとりです。

しりとりは準備も何も要らず、今すぐ始めることができます。

使える言葉を増やすという意味では、しりとり遊びは効果ありです。

また、しりとりは幼稚園や保育園の送り迎えのときなどにもできるので、未就学児にもおすすめです。

ドライブ中に会話が減ってきたときなどにやるのもいいですね。

古典的で王道ですが、ここでは「応用しりとり」も含めてご紹介します。

しりとりは、言葉をたくさん知っていることに加え、条件に合う言葉を思い浮かべる力が必要です。「“あ”で始まる言葉は……」と考えることで、ひとつの条件から複数の候補を思いつくことにつながります。

「拡散的思考力」と呼ばれるこの力は、しりとりで鍛えることが可能です。

保護者が「意識すべきポイント」

言葉を知らなければ、しりとりはできません。

最初は普通のしりとりから始めてかまいませんが、何も考えずにスタートすると「りんご→ゴリラ→ラッパ」から始まり、いつもお決まりの言葉パターンになってしまいます。

そこで、保護者が入るときは、次のことを意識してみてください。

・パターンから抜け出す(保護者のターンのときにいつもと違う言葉を使う)
・ひとつの文字を狙い撃ちする
・子どもが知らなそうな言葉を小出しにする

などです。

「ひとつの文字を狙い撃ちする」は、例えば「アイス」「いす」「すす」といった具合に同じ言葉で終わる単語で返す、ということです。

次第に苦しくなってくるので、子どもも言葉を考えて探すようになります。

「す」や「し」「か」などは言葉の数も多いので、長続きします。逆に「らりるれろ」で始まる言葉は少ないので、難易度を上げるためには「ら行」を狙うのもいいですね。

国名などのなじみがない言葉を使うと、「それなぁに?」と聞かれます。何度も使っているうちに子ども真似するようになって、語彙が増えることも期待できます。